JPS6144204Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ロール印画紙に写真を焼付ける時、
それと同時に欄外の余白部分に付ける各種マーク
の焼込装置に関するものである。

ロール印画紙は、焼付、現像、乾燥の一連の処
理をした後、写真を一枚一枚カツトしなければな
らない。これを自動的に行うために、予じめ写真
焼付と同時にマークを焼込むことが知られてい
る。また前記のようなカツトと共に顧客ごとに自
動的に仕分けるために、仕分け用のマークを焼込
むことも知られている。更に焼付業者の中には、
焼付日や、印画紙名や、業者名を焼込むこともあ
る。

このような各種のマークを焼込む場合、各種の
マーク用マスクを印画紙面に近接して配置し、そ
の背後から光を当てて印画紙を露光するわけだ
が、従来においてはこの露光用ランプを露光時間
だけ点灯するのが一般的な方法であつた。

近年、写真焼付機の高速自動化がはかられ、一
枚当りの焼付用露光時間が短くなつている。また
この焼付用露光の終了信号で印画紙が自動的に送
られるようになつている。しかも、この焼付用露
光時間はネガフイルムの状態によりまちまちであ
る。従つて前記のようなマーク焼込用露光時間も
写真焼付用露光時間のうち最も短いものより更に
短くする必要が生じてきた。ところが前記したよ
うなマーク焼込装置では、このような焼付機の高
速化には対応が困難である。それはランプの点灯
及び消灯の立上り及び立下り時間が長いからであ
る。特にその立下り時間中に印画紙が送られてし
まう場合は、焼込まれたマークが尾を引いてしま
い、商品価値を落すばかりでなく、時にはそれが
写真焼付面（駒）にまで影響を与えたり、マーク
の検出を困難にしたりする。

この点を解決するために、マーク焼込用の光源
ランプは常に点灯させておき、ランプとマスクの
間にシヤツタを介在させ、このシヤツタの開閉に
よりマークを焼込むようにした装置が提案されて
いる。しかしこの装置も焼込むマークが一つであ
れば問題ないが、それが複数であつて、しかもそ
の時々によつて焼込むマークの組合せが異なる場
合、シヤツタを夫々のマークの数だけ設けなけれ
ばならないという欠点がある。

本考案は、このような点を改良すべく考案され
たものであつて、一個のシヤツタ機構を用いるだ
けで、複数個のマークを選択的に焼込めるように
した写真焼付機におけるマーク焼込装置を提供す
る。

図面により本考案の実施例を説明する。１は回
転出力軸１ａに往復回転を与えるステツピングモ
ータ等の駆動源、２はアパーチヤー２ａ，２ｂ，
２ｃを有し、中央で止め具２ｄにより軸１ａと一
体化されたアパーチヤー板、３及び４は光源ラン
プ、５は印画紙、６は切断用のカツトマーク、７
は顧客がそこから変ることを示すソートマーク、
８はカツトマーク用マスク、９はソートマーク用
マスク、１０及び１１は夫々その一端がアパーチ
ヤー板２を挾んで光源３及び４と対向しており他
端がマスク８及び９に対向している光伝導体であ
る。

次にその作動を説明する。第２図はアパーチヤ
ー板２が静止位置にある時を示している。この状
態でカツトマーク６とソートマーク７を焼込みた
い場合には、駆動源１によりアパーチヤー板２が
僅かに時計方向へ動かされる。その結果、アパー
チヤー２ａ及び２ｃが、常に点灯している光源ラ
ンプ３及び４の位置と夫々対向する位置を占め、
それらのランプからの光は光伝導体１０及び１１
に導かれ、マスク８及び９を介して印画紙５を露
光しマーク６及び７を焼込む。その後、アパーチ
ヤー板２は反時計方向へ回転され、第２図の位置
へ戻る。

カツトマーク６だけを焼込みたい場合は駆動源
１によりアパーチヤー板２を反時計方向へ回転さ
せる。それによりアパーチヤー２ｂが光源ランプ
３に対向し、カツトマーク６を焼込み、その後こ
のアパーチヤー板２は第２図の位置へ戻る。

カツトマークは写真の一駒ごとに必ず必要なも
のであるから、焼付の日付やブランドマークを、
異なるマスクで同時に焼込みたい場合には、光伝
導体１０を分岐させるか、別にもう一つの光伝導
体を光伝導体１０と束ねて光源ランプ３に対向さ
せればよい。

上記の実施例では、アパーチヤー板２にアパー
チヤーを三つ設けたが、これはマーク焼込時間を
できるだけ短時間にし、且つ安定した性能が得ら
れ、しかも安いコストで製造できるようにしたた
めである。即ち、このマーク焼込時間を短くする
ためには、アパーチヤー板２の作動角をできるだ
け小さくしたいわけである。そして第２図におい
て光源ランプ４をアパーチヤー２ｂを挾んで光源
ランプ３と対象的な位置に配置し、アパーチヤー
２ｃを省いた態様が最もシンプルな態様である。
しかし、そのようにすると当然のことながら、そ
れに対向する光伝導体１０及び１１の間隔が挾く
なり、一方のマークのみの焼込みをする場合、そ
の光源光を他方の光伝導体が拾つてしまう可能性
がある。それを防止する手段はいろいろと考えら
れるが、そのような対策をするだけでもコストが
アツプしてしまう。従つて何んらかの理由によ
り、そのような配慮の必要がない場合、或は第２
図の状態において光源ランプ３の位置とアパーチ
ヤー２ａの位置をもつと離すことが可能な場合に
は、前記のようにアパーチヤー２ｃを省くことが
できる。そして、そのようにアパーチヤーを二つ
にしたものも本考案の範囲に含まれるものであ
る。

また、上記の実施例では、二個の光源ランプを
用いたが、一個のランプで共通化することもで
き、更に、アパーチヤー板は円板として往復回転
するものを示したが、周知の手段により軸１ａの
回転を直進運動に変換し、長方形のアパーチヤー
板を長手方向に直進往復運動させるようにするこ
ともでき、それらの態様はいずれも本考案に含ま
れる。

以上のように、本考案によれば、一枚のアパー
チヤー板を静止位置から相反する方向へ往復運動
させ得るようにすることによつて、複数のマーク
を選択的に、且つ高速に印画紙に焼込むことがで
き、しかも製造上は、低廉なコストで安定した性
能を得ることができるので、実用上の効果は極め
て大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の実施例の説明図、第２〜４
図は、第１図のアパーチヤー板２の各作動位置を
示す説明図である。 ２……アパーチヤー板、２ａ，２ｂ，２ｃ……
アパーチヤー、３，４……ランプ、８，９……マ
スク、１０，１１……光伝導体。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 駆動源により静止位置から夫々反対方向へ１
   ステツプだけ往復運動するアパーチヤー板を設
   け、そのアパーチヤー板を一定間隔をあけて挾
   み、一方の側には光源を配置すると共に他方の
   側には少くとも二つの光伝導体の一端を相互に
   一定間隔をあけて配置し、前記アパーチヤー板
   にはその静止位置において前記二つの光伝導体
   の間に少くとも一つのアパーチヤーを、前記二
   つの光伝導体のいずれか一方の外側に一つのア
   パーチヤーを設け、前記光伝導体の他端は印画
   紙面の所定位置に近接して配置されている各マ
   ーク用のマスクに対向するように配置された写
   真焼付機におけるマーク焼込装置。 (2) 前記アパーチヤー板には、その静止位置にお
   いて、前記二つの光伝導体の間に二つのアパー
   チヤーを、前記二つの光伝導体のいずれか一方
   の外側には一つのアパーチヤーを設けたことを
   特徴とする実用新案登録請求の範囲(1)に記載の
   写真焼付機におけるマーク焼込装置。 (3) 前記アパーチヤー板が円板状であることを特
   徴とする実用新案登録請求の範囲(1)に記載の写
   真焼付機におけるマーク焼込装置。