JPS6143737Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、プリント基板が多数組み込まれてい
る電気、電子機器例えば電話交換機等の近くへ設
置し、緊急の故障に備えて予備の配線済みのプリ
ント基板を保管しておく接地型のプリント基板用
保管庫に関するものである。

〔従来の技術〕

従来、上記の目的で使用される保管庫として
は、事務用の書籍保管庫のような比較的大型のも
のしかなく、小型のものは携帯用の手提げ型容器
となつている。一方、中型で接地できる保管庫と
して実開昭54−92350号が提案されている。

この従来の考案は、電子部品あるいはプリント
基板等を整理収納する収納箱に関するもので、一
側面が開口した筐体内に多数の桟を形成し、この
桟上に引き出し状の上面開口した電子部品収納ケ
ースを複数個配列したものにおいて、前記電子部
品収納ケースに導電性を持たしめると共に、前記
筐体を導電性になし、前記桟を介して電子部品収
納ケースがアースされるようになされたものであ
る。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながらこの従来技術には、次のような問
題点がある。即ち、基板サイズの変化に対応する
ことが困難なことである。上記従来技術では、引
き出し状の電子部品収納ケースの大きさが固定化
されており、またそのケースを出し入れ自在に支
承する桟も筐体の内壁及び仕切り壁に固定されて
いるため、サイズの異なる基板を収納する場合の
対応が困難である。特に収納ケースの高さより大
きい幅を持つ基板は、桟３が邪魔して植立した状
態で収納することができない。これを解決するに
は、高さの異なる収納ケースを複数種類用意しな
ければならず、また最も高さの高い収納ケースに
統一するならば、小さな基板の出し入れが不便と
なりまた収納スペースの有効活用も図れない。

また上記従来技術においては、プリント基板を
引き抜く際に必要となる工具、あるいはプリント
基板の点検カード等の書類を、プリント基板保管
庫内に収納することについては特に配慮されてい
なかつた。

本考案は、かかる従来技術の問題点に鑑みて考
案されたもので、異なるサイズのプリント基板を
保管庫内に収納する上において、プリント基板を
挿入ガイドする予備のガイドレールユニツト、プ
リント基板の引抜工具及びプリント基板点検カー
ド等の書類を一括収納するようになしたプリント
基板保管庫を提供することを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、一対の側板間に前後面ブラケツトを
介してガイドレールを複数並列に配置したガイド
レールユニツトを着脱可能に複数段固定されたプ
リント基板の収納棚と、該収納棚の周囲に空間が
形成し得る大きさで内部を透視し得る扉を有する
外箱と、前記収納棚の下部と外箱との間に設けら
れ取りはずした前記ガイドレールユニツトを納置
するガイドと、前記収納棚の側部と外箱との間に
設けられプリント基板引抜工具を装着するホルダ
ーと、前記収納棚の上部と外箱との間に設けられ
書類等を入れる書類受けとをそれぞれ備えてなる
ことを特徴とする。

〔作用〕

一対の側板間に前後面ブラケツトを介してガイ
ドレールを複数並列に配置したガイドレールユニ
ツトを着脱可能に複数段固定されたプリント基板
の収納棚と、該収納棚を取付ける外箱との間に、
少なくとも３つの空間を形成することにより、プ
リント基板を挿入ガイドする予備のガイドレール
ユニツト、プリント基板の引抜工具及びプリント
基板点検カード等の書類を一括収納することがで
き、これによりプリント基板の取り出し作業性向
上、工具の紛失防止及びプリント基板の品質管理
向上が図られるものである。

〔実施例〕 以下本考案の詳細を、図面に示す一実施例に従
つて説明する。

第１図は本考案の一実施例を示す一部透過した
斜視図、第２図は本考案実施例の収納棚を示した
一部分解斜視図、第３図は第１図の側面縦断面
図、第４図及び第５図は本考案の実施例における
ガイドレールユニツトの組み替え説明図である。

第１図において１はプリント基板の収納棚であ
り、左右には、第２図に示すように各々横断面が
コの字形をした一対の側板２，２を、前後の折り
曲げ部３，３′が内側になるよう向い合わせて直
立させてある。前方の折り曲げ部３には、後述す
るガイドレールユニツト４の前方ブラケツト５に
穿設した取付穴６，６と重なり合うタツプ穴７，
７，７…が設けてあり、後方の折り曲げ部３′に
はガイドレールユニツト４の後方ブラケツト８の
係合穴９，９と係合するピン１０，１０，１０…
が前方へ向けて突設している。又、側板２，２の
外側の手前には、プリント基板引抜工具のホルダ
ー１１，１１を取付けてある。ガイドレールユニ
ツト４は、第２図及び第３図に示すように、チヤ
ンネル型の前方ブラケツト５と後方ブラケツト８
の間の上下に複数並列に所要間隔でガイドレール
１２，１２，１２…を取付けた中間ユニツト４ａ
と、アングル形の前方ブラケツト５と後方ブラケ
ツト８の間の片側に複数並列に所要間隔でガイド
レール１２，１２，１２…を取付けた端部ユニツ
ト４ｂとの２種がある。中間ユニツト４ａは収納
棚１の中間段として使用し、端部ユニツト４ｂは
収納棚１の上下段として使用する。

ここで外箱１３は、第１図及び第３図に示すよ
うに、その大きさを、収納棚１の上下左右前後の
６面全てに手首乃至指先が出入りできる程度の空
間を確保し、外箱１３の内部背面には収納棚１の
側板２，２の後方の折り曲げ部３′，３′を支持固
定する取付台１４，１４を固着してある。外箱１
３の前方には支持枠１５に支えられた導電性合成
樹脂製の透明板１６を有する扉１７を、手前開き
ができるように蝶番１８を介して外箱１３に取付
けてある。更に、外箱１３の天板１９の内側に
は、収納するプリント基板の点検カード等を収め
られる書類受け２０を取付け、収納棚１の下部の
空間は、収納棚１に取付けていたガイドレールユ
ニツト４の内で間隔調整後取りはずしたものを納
置する際に使用し、必要に応じて底板２１の内側
にずれ止め用のガイド２２，２２を設ける。外箱
１３の下部外表面にはアース端子を突設し接地で
きるようにしてある。

なお、第２図を用いて本考案に係る保管庫にプ
リント基板〔小〕を４段保管する場合と、プリン
ト基板〔小〕を２段とプリント基板〔大〕を１段
保管する場合の２通りに使用する構成について説
明する。側板２，２の前方の折り曲げ部３，３に
設けるタツプ穴７，７，７…と後方の折り曲げ部
３′，３′に突設するピン１０，１０，１０…のピ
ツチを、プリント基板〔小〕の場合をＣとし、プ
リント基板〔大〕の場合をＤとすると、側板２，
２の上部より下方へ４ピツチ分（Ｃ×４）つまり
片方の側板２でタツプ穴とピンを５個ずつ形成す
ると共に、上から２段目と３段目とのピツチの境
目に当たるタツプ穴とピンを基準にして、ピツチ
Ｄだけ下がつた位置にタツプ穴とピンを１個ずつ
形成して、片方の側板２でタツプ穴とピンを６個
ずつ設ければよい。そして、通常プリント基板の
大小は高さ以外に長さも異なるので、後部ストツ
パーの長さも変える必要がある。この場合、単に
奥行きの違うものを２種類製作すると、プリント
基板〔小〕を４段保管する場合をプリント基板
〔小〕を２段とプリント基板〔大〕を１段保管す
る場合に変更する時、後部ストツパーの交換作業
が必要となり、それだけ手間が掛ることになる。
そこで、この手間を省く為第３図に示したよう
に、プリント基板〔小〕用のＬ形後部ストツパー
２３がガイドレールユニツト４の上から２段目、
４段目、５段目の後方ブラケツト８に取付け、上
から３段目の後方ブラケツト８には２段階にＬ形
を形成した2L形後部ストツパー２４を取付ける
ことにより、上から３段目のガイドレールユニツ
ト４の上側に入るプリント基板〔小〕２５の下部
に前記2L形後部ストツパー２４の水平板２６の
端面を当接させ、当該ガイドレールユニツト４の
下側に入るプリント基板〔大〕２７の上部に2L
形後部ストツパー２４の下方に延出した垂直板２
８の内面を当接させて、プリント基板〔小〕とプ
リント基板〔大〕の両方の位置決めを可能にして
いる。

本考案は以上のような構造であり、参考までに
前述の２通りの保管形式についてその使用方法を
説明する。側板２，２へガイドレールユニツト４
を取付けるには、第２図に示したように後方の折
り曲げ部３′，３′に突設したピン１０，１０にガ
イドレールユニツト４の後方ブラケツト８に穿設
した係合穴９，９を係合させるように、ガイドレ
ールユニツト４を水平に保ち後方へ押し込んで、
ガイドレールユニツト４の前方ブラケツト５に穿
設した取付穴６，６と前方の折り曲げ部３に設け
たタツプ穴７，７を合わせた後、取付穴６，６に
挿入した雄ねじ２９，２９をタツプ穴７，７へね
じ込むことで固定する。ガイドレールユニツト４
を取りはずすには、勿論これと逆の操作を行ない
手前に引き出せばよい。

そこで、プリント基板〔小〕を４段保管する場
合は、側板２，２の上部より下方へピツチＣで形
成したタツプ穴７，７，７…とピン１０，１０，
１０…へガイドレールユニツト４を固定して、収
納棚１を組立てて使用し、プリント基板〔小〕を
２段とプリント基板〔大〕を１段保管する場合に
は、プリント基板〔小〕を４段保管する場合に上
から４段目に固定した中間ユニツト４ａを取りは
ずして、外箱１３の底板２１のガイド２２，２２
内に納置すると共に、最下段の端部ユニツト４ｂ
を上から３段目のガイドレールユニツト４の位置
から下へピツチＤ隔てて設けたタツプ穴７，７と
ピン１０，１０へ移動させればよい。この時Ｌ形
後部ストツパーを取りはずしておく。

なお、本考案の保管庫を製作する場合を考える
と、外箱は鋼板の折り曲げ加工と溶接で完成でき
収納棚及びガイドレールユニツトも鋼板の折り曲
げや穴加工等で完成できる。そして、収納棚のみ
を種々に組み替えたものを製作して、外箱へ組み
付けることで、収納するプリント基板のサイズに
応じた保管庫を簡単に組み立てられる。

〔考案の効果〕

本考案は以上のような構造により、その使用方
法も極めて簡単なものとなり、作業性のよい実用
的なものとなつた。即ち、一対の側板間に前後面
ブラケツトを介してガイドレールを複数並列に配
置したガイドレールユニツトを着脱可能に複数段
固定されたプリント基板の収納棚と、該収納棚を
取付ける外箱との間に、少なくとも３つの空間を
形成することにより、プリント基板を挿入ガイド
する予備のガイドレールユニツト、プリント基板
の引抜工具及びプリント基板点検カード等の書類
を一括収納することができ、これによりプリント
基板の取り出し作業性向上、工具の紛失防止及び
プリント基板の品質管理向上が図られるものであ
る。

これを詳しく述べると、プリント基板を挿入ガ
イドする予備のガイドレールユニツトを保管庫内
に収納できることにより、再度そのガイドレール
ユニツトを使用する場合の汚れや破損更には静電
気の心配もせずに利用できる。プリント基板の引
抜工具を保管庫内に収納できることにより、作業
者が外気に触れていた手持ちの引抜工具を用いた
時のような静電気の心配もなく、所定の場所に工
具を保管できることで工具を紛失することもなく
なる。このように本考案は工業的に寄与する効果
は非常に大なるものがある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す一部透過した
斜視図、第２図は本考案実施例の収納棚を示した
一部分解斜視図、第３図は第１図の側面縦断面
図、第４図及び第５図は本考案の実施例における
ガイドレールユニツトの組み替え説明図である。 １：収納棚、２：側板、３，３′：折り曲げ
部、４：ガイドレールユニツト、１１：引抜工具
のホルダー、１２：ガイドレール、１３：外箱、
１６：透明板、１７：扉、１９：天板、２０：書
類受け、２１：底板、２２：ガイド。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一対の側板間に前後面ブラケツトを介してガイ
   ドレールを複数並列に配置したガイドレールユニ
   ツトを着脱可能に複数段固定されたプリント基板
   の収納棚と、該収納棚の周囲に空間が形成し得る
   大きさで内部を透視し得る扉を有する外箱と、前
   記収納棚の下部と外箱との間に設けられ取りはず
   した前記ガイドレールユニツトを納置するガイド
   と、前記収納棚の側部と外箱との間に設けられプ
   リント基板引抜工具を装着するホルダーと、前記
   収納棚の上部と外箱との間に設けられ書類等を入
   れる書類受けとをそれぞれ備えてなることを特徴
   とするプリント基板用保管庫。