JPS6140690Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、例えばパイプ製品、サツシ製品等の
所定長に切断された長尺製品を包装するための包
装材に関するものである。

従来、所定長に切断されたパイプやサツシ等の
長尺製品は一定本数毎に集束したのち包装して出
荷されているが、その包装形態は、例えば第１図
に示したごとき長尺製品を収容可能な細長い包装
箱となる包装材１を使用し、一定本数の長尺製品
を該包装材１の底面を構成する部分２上に集積し
たのち該長尺製品を巻き込むごとく包み、しかる
のちフラツプ部分３・３を折り曲げて接着テープ
やバンドによつて包装するという方法が広く採用
されている。しかしながらこのような包装手段
は、包装材料費が比較的安価であるという経済的
な利点がある反面、包装作業中において包装材１
上に集積した長尺製品に崩れ現象が多発し、多く
の時間と労力とを必要とする欠点がある。また最
近において、上記した欠点を解消するべく、第２
図に示したごとく長尺製品Ａの両端部にサイドキ
ヤツプ４を嵌装して該サイドキヤツプ４・４によ
つて一定本数の長尺製品Ａを集束規制し、しかる
のち包装材１により巻装して包装するという方法
が使用されるに至つているが、長尺製品Ａの両端
部に嵌装したサイドキヤツプの抜け出しを防止す
るため、包装材１に端面フラツプ３・３を必要と
し、その上端面フラツプ３・３を折り曲げて止着
する作業も不可欠であることから包装材料費が嵩
むという難点がある。勿論、サイドキヤツプ４・
４を用いた場合、必らずしも包装材１におけるフ
ラツプ３・３を要するものではないが、包装後に
おけるサイドキヤツプ４・４の抜け出しを防止す
るため、包装材１とサイドキヤツプ４・４とを接
着テープでもつて固定したり、あるいは包装体の
縦方向に包装バンド掛けする作業が必要となり、
業界においては長尺製品の包装作業の改善策、即
ち長尺製品を経済的に能率よく包装することので
きる包装体が強く要望されていた。

本考案は、上述した従来の包装体の種々な難点
が改善された極めて合理的に長尺製品を包装する
ことができる包装材を提供するものであつて、第
３図および第４図にその実施例を示したごとく、
長尺製品Ａの両端部を被覆するための外端面が閉
塞されたサイドキヤツプ４・４と該長尺製品Ａの
長さ寸法に相当する縦幅Ｈを有し上記サイドキヤ
ツプ４・４の側面外周寸法以上の横幅Ｗを有する
包装シート１０とからなり、上記サイドキヤツプ
４・４の側面外周の１部に外側に向つて起立可能
な舌片１１・１１を形成し、上記包装シート１０
の一側部の上下コーナー部に上記舌片１１・１１
を挿通可能なスリツト１２・１２を設け、一定本
数の長尺製品Ａを包装するに際し、まず上記舌片
１１・１１を起立せしめた状態でもつて該長尺製
品Ａの両端部に冠装して包装シート１０上の所定
位置に載置し、次いで該包装シート１０の上記ス
リツト１２・１２側をサイドキヤツプ４・４の舌
片１１・１１側に向つて折り上げたのち上下のス
リツト１２・１２内に舌片１１・１１を挿通し、
しかるのち該舌片１１・１１を水片方向に折り倒
してその上面に包装シート１０の他側の部分を重
ね合せて該包装シート１０でもつて長尺製品Ａと
共に両サイドキヤツプ４・４を巻装し、その後適
宣の手段、例えば接着テープあるいはバンド等で
もつて包装シート１０の自由端部を止着すること
により、包装し得るようになしたものである。

更に具体的に説明すると、一定本数の長尺製品
Ａを集束して包装するためのサイドキヤツプ４・
４および包装シート１０とからなる包装材、例え
ば上記長尺製品Ａを細長い直方体形状に包装する
ための２個のサイドキヤツプ４・４と１枚の包装
シート１０とからなる包装材において、サイドキ
ヤツプ４・４を外端面が閉塞された断面方形の短
筒状に形成するとともに、外周面を構成する４つ
の面の１つに山形の切込み線１３および幅方向に
延びる折目線１４を刻設して折り曲げ起立可能な
山形状の舌片１１を形成する。一方上記包装シー
ト１０をその縦幅Ｈが長尺製品Ａの全長に相当す
る寸法を有し、横幅Ｗが上記サイドキヤツプ４の
外周長さよりも更に上記舌片１１を形成した面１
５の幅寸法W₁を加えた寸法を有する長方形状と
なすとともに上記サイドキヤツプ４の外周面を整
然と被覆するべく縦方向にサイドキヤツプ４の稜
縁間隔でもつて折目線１６・１６を形成し、更に
該包装シート１０の巻装始端側の面１７の両側に
上記サイドキヤツプ４・４の舌片１１・１１が挿
通可能なスリツト１２・１２を形成し、長尺製品
Ａを包装するに際し、前記したごとく、まずサイ
ドキヤツプ４・４の舌片１１・１１を起立せしめ
たのちその一方のサイドキヤツプ４の開口部内に
所定本数の長尺製品Ａの一端部を順次挿入して集
束状態となし、次いで集束された長尺製品Ａの他
端部に他方のサイドキヤツプ４を冠装して包装シ
ート１０上の所定位置に載置し、続いて包装シー
ト１０のスリツト１２・１２を有する面１７を舌
片１１・１１に向つて折り曲げて該スリツト１
２・１２内に舌片１１・１１を挿入して該舌片１
１・１１を巻装始端側の面１７上においてそれぞ
れ外側に折り倒し、しかるのち巻装終端部の面１
８を該舌片１１・１１上に重ね合せて該舌片１
１・１１を押え付け、接着テープあるいはバンド
締結等の手段によつて巻装終端部の面１８を巻装
始端部の面１７上に重合止着して包装体となすも
のである。

本考案におけるサイドキヤツプ４・４として
は、端面部および４つの外周面を有し、その外周
面の１部に切込み線および折目線が形成されてな
る単純な展開シートから糊付手段や針止め手段に
よつて短筒状となした形態のものでもよいが、糊
付手段や針止め手段などに依存することなく、簡
単に組立て得るとともに包装体の取扱い時に、サ
イドキヤツプ４・４の外端面の損傷が防止される
ような構造のものが一層好ましい。第５図〜第７
図はかかる好ましいサイドキヤツプ４の実施例を
示している。即ち第５図に示しているように段ボ
ールシートをカツテイングして、外端面２０の両
側に折目線２１・２１を介して上面部２２および
底面部２３を連設するとともに該上面部２２およ
び底面部２３の両側にそれぞれ内側側面部２４・
２４および外側側面部２５・２５を折目線２６・
２６・２７・２７を介して連設し、該外端面部２
０の短辺側に折目線２８・２８を介して折込み片
２９・２９を連設するとともに該外側側面部２
５・２５の外縁側に段ボールシートの厚さ寸法相
当の間隔でもつて稍内側に傾斜して延びる２本の
折目線３０・３０を介して内側縁に突起３１・３
１を備えた折曲げ片３２・３２を連設し、更に該
折曲げ片３２・３２を内側に上記傾斜折目線３
０・３０から180゜折曲げた際における上記突起
３１・３１の底面部２３との当接位置に該突起３
１・３１が嵌入可能なスリツト３３・３３を設
け、上記上面部２２のほぼ中央部に山形の切込み
線１３および折目線１４を設けて舌片１１を形成
してなる展開形状のシートとして準備しておき、
包装使用の際には、第６図に示しているように、
まず折込み片２９・２９を内側に折曲げたのち内
側側面部２４・２４を内側に折曲げ、続いて折目
線２１・２１から外端面部２０を起立させるとと
もに上面部２２を底面部２３の上方に向つて折曲
げ、しかるのち内側側面部２４・２４の外側に外
側側面部２５・２５を重ね合せて折曲げ片３２・
３２を内側に折込み、該折曲げ片３２・３２の突
起３１・３１を底面部２３のスリツト３３・３３
に嵌入させれば、糊付け作業や針止め作業を要す
ることなく第７図に示したごとき短筒状のサイド
キヤツプ４を形成でき、直ちに包装に供すること
ができる。そして第５図に示しているように上記
した外側側面部２５・２５を外端面部２０側にお
いて若干折込み片２９・２９に向つて延出させて
おけば、その延出部３４・３４は組立後において
サイドキヤツプ４の外端面部２０から外方に突出
し、外端面部２０の保護に役立つばかりでなく、
包装体を実体よりも若干長く仮想せしめ取扱い上
の安全性が高くなる。また前記した突起３１・３
１を備えた折曲げ片３２・３２は稍傾斜した折目
線３０・３０から斜め下方に向つて折曲げられる
から該突起３１・３１は確実にスリツト３３・３
３内に嵌入され折曲げ状態を強固に保持し、サイ
ドキヤツプ４の形崩れを的確に防止することがで
きる。

なお上記実施例においては長尺製品Ａを細長い
直立体の包装体とする場合の態様について述べて
いるが、第８図に示したごとくサイドキヤツプ４
を短かい円筒状となし、その外周面の１部に長尺
製品Ａの長さ方向に延びる折目線１４と該折目線
１４の両端部から該サイドキヤツプ４の円周方向
に山形の切込み線１３とにより起立可能な舌片１
１を形成し、一端部に該舌片１１・１１と嵌合可
能な包装シート１０によつて上述した要領でもつ
てサイドキヤツプ４・４と共に長尺製品Ａを巻回
包装することもでき、サイドキヤツプ４・４の開
口部の形状には特に限定を要するものではない。

以上詳記したように本考案における長尺製品の
包装材は、長尺製品Ａの両端部に冠装されるサイ
ドキヤツプ４・４と、該長尺製品Ａの長さ寸法に
相当する縦幅Ｈを有し上記サイドキヤツプ４・４
の外周寸法以上の横幅Ｗを有する包装シート１０
とからなり、上記サイドキヤツプ４・４の外周の
１部に外側に向つて起立可能な舌片１１・１１が
形成され、上記包装シート１０の一側部の両コー
ナー部に上記舌片１１・１１が挿通可能なスリツ
ト１２・１２が設けられてなるものであるから、
長尺製品Ａの両端部にサイドキヤツプ４・４を冠
装したのち、包装シート１０のスリツト１２・１
２をサイドキヤツプ４・４の舌片１１・１１に嵌
め入れて包装シート１０でもつてサイドキヤツプ
４・４と長尺製品Ａとを共に巻装し、上記舌片１
１・１１を折倒した状態でもつてその上から包装
シート１０を重ね合せて包装することができ、包
装後においては、上記舌片１１・１１が包装シー
ト１０の巻始め部と巻終り部との間において挾持
されているからサイドキヤツプ４・４は抜け出る
ことが全くなく、従来のごとく包装体の縦方向に
バンド締結を施したり、あるいはテープによつて
サイドキヤツプの抜け防止をするなどの作業が不
要となり、包装コストの低減および包装作業の能
率向上に著しく寄与する。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は従来の包装材および包装
要領を略示した平面図および斜視図、第３図乃至
第８図は本考案の実施例を示したものであつて、
第３図は包装材の１部破断斜視図、第４図は包装
要領を示した部分断面斜視図、第５図、第６図お
よび第７図はサイドキヤツプの展開図、組立要領
図および組立後の斜視図、そして第８図は他の実
施例を示した斜視図である。 ４……サイドキヤツプ、１０……包装シート、
１１……舌片、１２……スリツト、Ａ……長尺製
品。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 長尺製品Ａの両端部に冠装されるサイドキヤツ
   プ４・４と、該長尺製品Ａの長さ寸法に相当する
   縦幅Ｈを有し、上記サイドキヤツプ４・４の外周
   寸法以上の横幅Ｗを有する包装シート１０とから
   なり、上記サイドキヤツプ４・４の外周の１部に
   外側に向つて起立可能な舌片１１が形成され、上
   記包装シート１０の一側部の両コーナー部に上記
   舌片１１が挿通可能なスリツト１２・１２が設け
   られてなる長尺製品の包装材。