JPS6137414Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は電気カミソリ、特にアーチ状の外刃
内面に対して周胴面が摺接しながら回転軸まわり
に回転する内刃を備えた回転式電気カミソリの改
良に関する。

〔従来技術〕

この種回転式電気カミソリとして、例えば実開
昭55−28338号公報に示すようなものがある。こ
のものは、円筒状内刃の中心回転軸に装着された
支軸が、本体ケースの上面に設けた〓状の板バネ
にて上下方向、すなわち外刃に圧接する方向にの
み附勢された状態で軸受されている。しかしなが
らこのものにおいては、外刃に対して上方からの
肌当りによる押圧に対しては、板バネの弾性変形
により内刃も下方へ向けてしなやかに追従して対
応するが、上下方向にのみ内刃は変動できる構造
であるために、外刃の斜め方向を含むサイド方向
からの肌当りに対しては内刃は追従できず。した
がつてこの方向の肌当り感が悪く、また外刃と内
刃との圧着力が異常に上昇して、外刃の破れが生
じたり、負荷が変動して切れ味も低下するもので
あつた。

〔考案の構成および目的〕

この考案は、上記点に鑑みてなされたものであ
つて、アーチ状に張設された外刃と該外刃内面に
周胴面が摺接しながら回転軸まわりに回転する内
刃と、上記内刃の回転軸の両端を回転可能に支持
する支持部を突設した支持本体とを備え、上記支
持部は、上記外刃の張設方向と同じ円弧方向に弾
性変形自在に形成したことにより、特に、サイド
方向の成分を持つた肌当りによる外刃の変形に対
して内刃が確実に対応して追従し、外刃と内刃と
の接触が常に良好に維持できるような構造を提供
することを目的とする。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図および第２図において、１はひげを導入
するための多数のスリツトを穿設した外刃で、本
体ケース８側の上方に位置する開口９にアーチ状
に張設した状態で両端が係止される。６，７は合
成樹脂製の支持本体であつて、その上下両端から
は、上下方向に薄肉な支持脚１６，１７が各々４
本ずつ横方向に向けて延設されており、支持本体
６，７はそれぞれこの支持脚１６，１７を介して
本体ケース８側に装着されている。このため、支
持本体６，７は上下方向に移動できるようになつ
ている。１９，２０は本体ケース８の内壁に形成
されたバネ支持穴で、各々には上方からスプリン
グ２１，２２が嵌合されており、支持脚１６，１
７に経年変化による歪（クリープ）が生じないよ
うに、支持本体６，７の下面を上記スプリング２
１，２２により下方から補助的に支持している。
このスプリング２１，２２はリーフスプリングで
も良い。

２は略円筒形状をした内刃で、該内刃２の回転
軸３の両端は上記支持本体６，７の上面に、上方
へ向けて突設した支持部４，５の軸通孔１０，１
１にそれぞれ回転可能に挿通支持されており、こ
の支持状態において第４図の示すごとく、内刃２
の周胴面は、外刃１の内面に摺接している。また
内刃２の回転軸３の一方は支持部４の軸通孔１０
を貫通して突出しており、その端部に第２減速歯
車１２が装着されている。ここで、上記支持部
４，５は回転軸３の軸方向と直交方向に薄肉で、
かつ回転軸３方向に幅広く形成し、したがつて、
支持部４，５は、第１図矢印ａに示すように、外
刃１の張設方向と同じ円弧方向に弾性変形自在と
なつている。すなわち、外刃１にサイド方向から
肌当り力が加わつた場合、第５図のごとく外刃１
はその両端張設支持部分を支点に円弧状に移動す
るが、上記支持部４，５に支持された内刃２も外
刃１に追従して円弧方向に移動することになり、
内刃２の摺動面は、外刃１の内面との間で常に良
好な摺接状態を保つことができる。

２３はモータで、支持本体６に穿設した孔２４
に内側からモータシヤフト２７を挿入、突出させ
た後、支持本体６に形成したモータ支持部２５に
ネジ２８によつて固定する。このため、モータ２
３は支持本体６と一体的に移動することができ
る。またモータ２３の回転力は、上記孔２４から
突出させたモータシヤフトに装着された第１伝動
ピニオン１５、第１減速ギヤ１４および第２伝動
ピニオン１３を介して、上記回転軸３に装着され
た第２減速ギヤ１２に伝達され、内刃２を回転駆
動させる。ここで、突出軸２９によつて回転可能
に支持された第２伝動ピニオン１３と第２減速ギ
ヤ１２は、支持部４の突設基部近傍で噛み合うよ
うにすれば、支持部４は外力が加えられると、第
３図に示すごとく、支持本体６側の基部を中心と
した円弧を描いて変形するため、回転軸３に装着
された第２減速ギヤ１２は、第２伝動ピニオン１
３の円周に沿つて移動し、適正な噛み合い状態を
維持することができる。

また、上に掲げたのは一実施例にすぎず、支持
部４，５の材質は、合成樹脂で一体成形する以
外、例えば、厚さ0.15〜0.3mm程度の弾性的な薄
肉のリン青銅板やステンレス板等の金属板をイン
サート成形してもよい。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案はアーチ状に張設
された外刃１と、該外刃１内面に周胴面が摺接し
ながら回転軸３まわりに回転する内刃２と、上記
内刃２の回転軸３の両端を回転可能に支持する支
持部４，５を突設した支持本体６，７とを備え、
上記支持部４，５は、上記外刃１の張設方向と同
じ円弧方向に弾性変形自在に形成したことを特徴
とする回転式電気カミソリであるので、サイド方
向の成分を有する肌当り力を受けて、外刃が変形
した場合であつても、該外刃１の変形に確実に追
従して内刃２が移動するため、外刃１内面に対し
て内刃２は常に良好な摺接状態を保つことがで
き、外刃１の破れや切れ味の低下等のない優れた
ものとすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例の要部分解図、第２図
は同実施例の要部断面図、第３図は同実施例の歯
車の動きを示す作用説明図、第４図、第５図は同
実施例の作用例を示す要部断面図である。 １……外刃、２……内刃、３……回転軸、４，
５……支持部、６，７……支持本体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. アーチ状に張設された外刃１と、該外刃１内面
   に周胴面が摺接しながら回転軸３まわりに回転す
   る内刃２と、上記内刃２の回転軸３の両端を回転
   可能に支持する支持部４，５を突設した支持本体
   ６，７とを備え、上記支持部４，５は、上記外刃
   １の張設方向と同じ円弧方向に弾性変形自在に形
   成したことを特徴とする回転式電気カミソリ。