JPS6136408Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、冷却用ラジエータを備えたエンジン
を、前記ラジエータがエンジンの横外側に位置す
る状態で機枠に搭載し、このエンジン及びラジエ
ータの外周部を覆うカバーの、前記ラジエータへ
の冷却風導入口に防塵網を張設するとともに、前
記カバーの前部上方には運転席を配設し、かつ、
その後部上方には、エンジン冷却風を前記防塵網
とラジエータとの間のエンジン冷却風路に導入す
るための防塵網付きの吸気ダクトを設けてある乗
用型移動農機の防塵構造に関する。

この種の乗用型移動農機の防塵構造は、前記ラ
ジエータ前面の冷却風導入口及び前記カバーの後
部上方に設けた吸気ダクトからエンジン冷却風を
導入するべく構成したことにより、前記冷却風導
入口からのみエンジン冷却風を導入する場合に比
して、その冷却風の吸引流速を可及的に小さくし
て、防塵網の目詰りに起因するオーバーヒート等
のエンジントラブル発生を極力、抑制することが
できるように開発されたものであるが、従来は、
前記吸気ダクトから前記エンジン冷却風路への冷
却風導入通路を、側面視において前記運転席の後
部にのみ形成していたため、この冷却風導入通路
の横断面積が小さく、冷却フアンの吸引力が吸気
ダクト内にまで十分作用せず、その結果、エンジ
ン冷却風の大部分が前記の冷却風導入口から吸引
されるため、この箇所の防塵網が短期で目詰し、
防塵網に対する除塵作業を頻繁に行なわなければ
ならない問題があつた。

本考案が解決しようとする技術的課題は、ラジ
エータ前面の冷却風導入口と吸気ダクトからエン
ジン冷却風路とに導入される冷却風を適正な比率
で吸引させることができるようにすることであ
る。

上記技術的課題を解決するために講じた技術的
手段は、エンジン冷却風路内に、ラジエータ前面
の防塵網を通過したエンジン冷却風のラジエータ
側への短絡的な流入を制限するとともに、上方の
吸気ダクト側からのエンジン冷却風をラジエータ
側へ案内する冷却風案内板を設けるとともに、吸
気ダクトには、カバーの上側で、かつ、運転席の
下方全域又はほぼ全域にわたる冷却風導入通路部
分を設けてあることである。

上記技術的手段は、次のように作用する。外部
よりエンジン冷却風路に直接導入される冷却風は
冷却風案内板の側縁を迂回してラジエータに達す
る。そして、エンジン冷却風路には吸気ダクトが
連通接続されているから、広に面積で冷却風を導
入することができる。

吸気ダクトには、幅広い開口した冷却風導入通
路を運転席下に位置する状態で設けてあるから、
エンジン部の外周部を覆うカバーと運転席との間
にエンジン冷却風の通路が形成されることにな
る。

従つて、本考案は次の効果を奏する。吸気ダク
トで導入された冷却風とエンジン冷却風路に外部
より直接導入され、冷却風案内板に導かれた冷却
風とを、ともにラジエータ側へ導入することがで
きるので、導入冷却風の流速を可及的に低くし
て、従来と変わりない容量のフアンを用い乍ら、
そのフアンの吸引力を吸気ダクト内に十分作用さ
せることができ、前記ラジエータ前面の冷却風導
入口及び吸気ダクトから冷却風を適性な比率で吸
引させることが可能で、従来のような防塵網の局
部的な早期目詰まりに起因する除塵作業の煩雑化
を回避することができるに至つた。その上、前記
運転席とカバーとの間に位置する前記の冷却風導
入経路部分が断熱空間として機能するから、エン
ジン幅射熱による運転席の異常加熱をも抑制し、
運転居住性を損なうことを十分に抑制することが
できるに至つた。

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
ると、クローラ走行装置１及び脱穀装置２を備え
た機枠３の前部で、かつ、植立穀稈を引起して刈
取つたのち、これを前記脱穀装置２に搬送供給す
る刈取前処理部４の一横側部に、ラジエータ５及
び冷却フアン６を具備するエンジン７を、前記ラ
ジエータ５がエンジン７及び冷却フアン６の横外
側に位置する状態で搭載し、これら３者５，６，
７の外周部を覆うカバー８の、前記ラジエータ５
への冷却風導入口に防塵網９を張設するととも
に、前記カバー８の前部上方には運転席１０を配
設し、かつ、その後部上方には、エンジン冷却風
を前記防塵網９とラジエータ５との間のエンジン
冷却風路１１に導入するための吸気ダクト１２
を、前記運転席１０の背凭れ部１０Ａとの間に適
宜間〓を形成する状態で一体的に連設してあるコ
ンバインの防塵構造において、前記吸気ダクト１
２から前記エンジン冷却風路１１への冷却風導入
通路１３を、前記運転席１０の下方全域に亘る状
態で形成するとともに、前記エンジン冷却風路１
１内には、前記ラジエータ５の横巾及び縦巾より
も小なる巾の冷却風案内板１４を設け、以つて、
前記冷却フアン６の駆動回転に伴なつて、前記防
塵網９を通して吸引した冷却風を前記案内板１４
の上下両側辺及び前後両側辺を迂回させ乍らラジ
エータ５側に導入すると同時に、前記吸気ダクト
１２内に吸引した冷却風を前記の通路１３を通し
てラジエータ５側に導入するべく構成している。

前記吸気ダクト１２は、側面視においてほぼＬ
字形に構成されており、この吸気ダクト１２を構
成する側板のうち、前記運転席１０の尻載せ部分
１０Ｂ前端下方に位置する第１前側板１２Ａと前
記背凭れ部分１０Ａの直後方に位置する第２前側
板１２Ｂならびに、後側板１２Ｃと横外側板１２
Ｄとに夫々冷却風導入口を形成するとともに、こ
れら各冷却風導入口に防塵網１５……を張設して
構成している。

尚、図中１６は、前記吸気ダクト１２内に設け
たエアークリーナーであり、１７は前記機枠３に
立設した操縦ボツクスである。

また、第４図で示すように、前記冷却風案内板
１４を前記防塵網９の上部とラジエータ５の下端
部との間に亘る傾斜姿勢で設けても良い。この
時、前記防塵網９を通して吸引された冷却風は前
記冷却風案内板１４の左右両側辺を迂回し乍らラ
ジエータ５側に導入される。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る乗用型移動農機の防塵構造
の実施例を示し、第１図はコンバインの全体側面
図、第２図は要部の斜視図、第３図は要部の縦断
正面図、第４図は他の実施例を示す要部の縦断正
面図である。 ３……機枠、５……ラジエータ、７……エンジ
ン、８……カバー、９……防塵網、１０……運転
席、１１……エンジン冷却風路、１２……吸気ダ
クト、１３……冷却風導入通路、１４……冷却風
案内板、１５……防塵網。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 冷却用ラジエータ５を備えたエンジン７を、前
   記ラジエータ５がエンジン７の横外側に位置する
   状態で機枠３に搭載し、このエンジン７及びラジ
   エータ５の外周部を覆うカバー８の、前記ラジエ
   ータ５への冷却風導入口に防塵網９を張設すると
   ともに、前記カバー８の前部上方には運転席１０
   を配設し、かつ、その後部上方には、エンジン冷
   却風を前記防塵網９とラジエータ５との間のエン
   ジン冷却風路１１に導入するための防塵網１５付
   きの吸気ダクト１２を設けてある乗用型移動農機
   の防塵構造において、前記エンジン冷却風路１１
   内に、前記ラジエータ５前面の防塵網９を通過し
   たエンジン冷却風のラジエータ５側への短絡的な
   流入を制限するとともに、前記上方の吸気ダクト
   １２側からのエンジン冷却風をラジエータ５側へ
   案内する冷却風案内板１４を設けるとともに、前
   記吸気ダクト１２には、前記カバー８の上側で、
   かつ、運転席１０の下方全域又はほぼ全域にわた
   る冷却風導入通路１３部分を設けてあることを特
   徴とする乗用型移動農機の防塵構造。