JPS6130693Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、スキーの両側でスキー長手方向に対
してほぼ直角に配置された軸を中心として旋回可
能にかつこの軸の方向に摺動可能に支承された２
つのブレーキアームを有するスキー流れ止めであ
つて、これらのブレーキアームが保持アームと相
対回動不能に結合されておりかつこの保持アーム
によつて少なくとも１つのばねの力に抗して作用
位置から不作用位置に旋回可能であり、場合によ
つてはスキー中央に向かつて引込み可能であり、
保持アームが互いにスペーサを介して結合されて
いる形式のものに関する。

このようなスキー流れ止めはスキーヤーが転倒
しかつセーフテイースキーバインデイングが解放
したときにスキーを自動的に停止するために用い
られる。これはスキーの両側に配置されたブレー
キアームがスキーの滑走面の下方に旋回させられ
ることによつて行なわれる。スキー靴がスキーバ
インデイングに戻されると、ブレーキアームは滑
走位置に旋回させられるので、ブレーキアームは
スキー表面に対してほぼ平行に延びることにな
る。この状態ではブレーキアームはスキーから突
出しないか又はわずかにしか突出しないようにし
たい。何故ならば斜面滑走又は深雪滑走の場合に
は、スキーから突出するブレーキアームが滑走抵
抗になるからである。

しかしながらスキーは構成形式もしくは使用目
的に応じて種々異なる幅を有しているので、スキ
ー流れ止めがあらゆる構成形式のスキーに適する
ようにブレーキアームの間隔を選ぶことが一般的
であつた。ところがこの公知のスキー流れ止めは
前述の条件を充たすことができず、使用するうえ
で問題があつた。

この欠点を回避するために、ブレーキアームに
作用位置から不作用位置もしくは滑走位置へ旋回
するときにブレーキアームが互いに接近させら
れ、スキーの表面の上でスキー幅内に引込まれる
ようにすることが試みられている。

例えば西ドイツ国特許出願公開第2517829号明
細書によれば、スキー流れ止めの保持アームは彎
曲された弾性的に踏下げ部材により結合されてい
る。この踏下げ部材はスキー靴を載せたときに延
ばされ、これによつてブレーキアームをスキー縦
軸線に向かつて旋回させる。しかしながらこの引
込み運動はブレーキアームの間隔が待機位置にお
いてそれぞれのスキー幅に相応していないと実施
においては無価値である。

又、西ドイツ国特許出願公開第2526909号明細
書によれば、ブレーキアームがスキーの側面に弾
性的に接触して、スキー流れ止めがそれぞれのス
キー幅に適合させられるスキー流れ止めが公知で
ある。しかしながらこのような構造はアームの狭
幅側及びブレーキアームがスキーのシヤープなエ
ツジに基づき強い摩耗に晒されるという欠点を有
している。さらにこの場合にはブレーキアームの
起立力を減少させる強い摩擦力が生じる。

本考案の課題は前述の欠点を伴うことなしにあ
らゆる従来のスキー幅に合わせて調節できるスキ
ー流れ止めを提供することである。

この課題は本考案によれば、冒頭に述べた形式
のスキー流れ止めにおいて、各保持アームがそれ
ぞれスペーサの切欠きを貫いており、ブレーキア
ームの間隔をスキー幅に合わせるためにスペーサ
の幅及び（又は）スキー縦軸線に対して傾斜又は
彎曲されて延びる保持アーム部分に沿つたスペー
サの位置が調節できるように構成されていること
によつて解決された。

構造的に極めて簡単に製作できるスペーサは保
持アームの間を延びる２つのウエブから構成され
ている。これらのウエブの相対長さはウエブが、
互いに接近するように又は離反するように例えば
ねじもしくは偏心体によつて調節可能である。さ
らにスキー流れ止めをスキー幅に合わせて調節す
るほかに、ブレーキアームが待機位置に旋回する
間にブレーキアームが引込まれるようにするため
には、スキー縦軸線に対して傾斜又は彎曲された
保持アーム部分を沿つたスペーサの位置が、保持
プレートに固定されたリンクによつて決められて
おり、リンクの上に調節ねじが配置され、この調
節ねじによつてスペーサの位置が調節可能に構成
されていると有利である。

次に図示の実施例に基づき本考案を説明する。

第１図に示されているスキーの流れ止めは保持
プレート５を有し、この保持プレートはスキー１
に固定されている。この保持プレート５は２つの
支承個所９を有しており、これらの支承個所９は
両方のブレーキアーム２の旋回軸１０を受容して
いる。これらの支承個所９は、旋回軸１０が軸方
向で運動できるように形成されている。この旋回
軸１０には、横ウエブ３′を介して互いに結合さ
れた保持アーム３が結合している。有利には旋回
軸１０と保持アーム３はばね線材から一体に製作
されている。両方のブレーキアーム２のは互いに
離反する方向に力がかけられており、この力は保
持アーム３と横ウエブ３′にかけられる適当な初
ばね力によつて得られる。両方保持アーム３を結
合するスペーサ４は、ヒンジ１２を介して保持プ
レート５に接続されているリンク１１を介して保
持プレート５に連接されている。このヒンジ１２
は支承個所９から間隔をもつて配置されている。
さらにリンク１１は自由端部にねじ山を有してお
り、このねじ山には調節ねじ１７が座着してい
る。この調節ねじ１７を回すことによつて第２図
で示されているように、スペーサ４の位置が保持
アーム３に沿つて変化せしめられる。この結果、
保持アーム３は部分的に解放されかつ保持アーム
の初ばね力によつて保持アーム３は互いに離反さ
れ、ひいてはブレーキアーム２の間隔が拡大され
る。この構成の別の利点は、両方のブレーキアー
ム２が下方へ旋回した場合もしくは保持アーム３
が上方へ旋回した場合に、ヒンジ１２の位置によ
つてスペーサ４がさらに保持アーム３に沿つて摺
動することで、このことによつてブレーキアーム
２がブレーキ位置へ旋回した場合にはこの両方の
ブレーキアーム２がさらに側方に突出し、前記ブ
レーキアーム２が滑走位置へ旋回した場合には両
方のブレーキアーム２がさらに内方に引込まれ
る。この機能を申し分なく保証するためには保持
アーム３を通すためにスペーサ４に設けられた孔
はほぼ二重円すい体または回転双曲面体の形状で
形成されている。さらにスキー流れ止めの構成に
基づいて、つまり保持アーム３および横ウエブ
３′にかけられた初ばね力の基づいて、ブレーキ
アーム２は自動的にブレーキ位置へ旋回させられ
る。しかしブレーキアーム２の旋回を生ぜしめる
初ばね力は、例えば踏み板を横ウエブ３′に配置
することおよびブレーキアーム２にブレーキ位置
へのバイアスをかけることによつて任意に補強さ
れる。第３図および第４図の実施例には、幅が調
節可能なスペーサ４が示されている。ブレーキア
ーム２は、支承個所９と旋回軸１０とを介して側
方に摺動可能に保持プレート５に連接されてい
る。さらにスペーサ４はリンク１１′を介して保
持プレート５に接続されている。このリンク１
１′は第４図に示されているようにブレーキ位置
へ初ばね力によつて負荷されている、このために
はリンク１１′の、保持プレート５に固定されて
いる端部が保持プレートと同一平面に折り曲げら
れている。スペーサ４とリンク１１′との間の接
続はヒンジ２０を介して行なわれる。

スキー１のそれぞれの幅に対して両方のブレー
キアーム２の間隔を調整するためには、スペーサ
４の幅が調節可能に構成されておりかつ変化せし
められ変でねじ１８によつて固定されるようにな
つている。

さらにブレーキアーム２の引込みが滑走位置が
得られる直前に生ぜしめられるようにするために
は、保持アーム３は二重クランク状部分１７を有
している。従つて第３図に示された位置から第４
図のブレーキ位置に保持アーム３が旋回する場合
には、スペーサ４は二重クランク状部分１７を介
してブレーキアーム２の離反方向の摺動を生ぜし
める。さらにリンク１１′には破線で示された踏
み板１１が取付けられていてもよい。

第５図には幅が調節可能なスペーサ４の変化実
施例が示されている。このスペーサ４は２つの成
形部４ａ，４ｂから成つている。例えば円筒形状
に形成された成形部４ａ，４ｂは互いに内外で摺
動することができる。そのつどの位置は締め付け
ねじ１８によつて固定される。両方成形部４ａ，
４ｂの摺動によつてスペーサ４の有効な幅ｂを変
化させられる。何故ならば保持アーム３は孔１５
に通されているからである。

第６図に示されている変化実施例のスペーサ４
は、保持アームの間を延びる２つのウエブ７を有
している。これらのウエブ７は偏心板８によつて
拡開されうる。このことによつて両方の孔１５の
間隔もしくは有効幅ｂが調整される。第７図で示
されている実施例の場合には、ウエブ７はねじ１
３によつて互いに接近するように曲げられ、スペ
ーサ４の有効長さが短縮される。

【図面の簡単な説明】

第１図はスキー幅Ａに合わせられたスキー流れ
止めを滑走状態で示した平面図、第２図は破線で
示されているスキー幅Ｃに合わせられた第１図の
スキー流れ止めの平面図、第３図は幅が調節可能
なスペーサを有するスキー流れ止めを滑走状態で
示した平面図、第４図は第３図のスキー流れ止め
をブレーキ状態で示した側面図、第５図、第６
図、第７図は幅が調節可能なスペーサの変化実施
例を示す略示図である。 １……スキー、２……ブレーキアーム、３……
保持アーム、３′……横ウエブ、４……スペー
サ、４ａ，４ｂ……成形部、５……保持プレー
ト、７……ウエブ、８……偏心板、９……支承個
所、１０……旋回軸、１１，１１′……リンク、
１２……ヒンジ、１３……ねじ、１５……孔、１
７……クランク状部分、１８……締め付けねじ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ スキーの両側でスキー長手方向に対してほぼ
   直角に配置された軸を中心として旋回可能にか
   つこの軸の方向に摺動可能に支承された２つの
   ブレーキアームを有するスキーの流れ止めであ
   つて、これらのブレーキアームが保持アームと
   相対回動不能に結合されておりかつこの保持ア
   ームによつて少なくとも１つのばねの力に抗し
   て作用位置から不作用位置に旋回可能であり、
   場合によつてはスキー中央に向かつて引込み可
   能であり、保持アームが互いにスペーサを介し
   て結合されている形式のものに於て、各保持ア
   ームがそれぞれスペーサ４の切欠き１５を貫い
   ており、ブレーキアーム２の間隔をスキー幅に
   合わせるためにスペーサ４の幅ｂ及び（又は）
   スキー縦軸線に対して傾斜又は彎曲されて延び
   る保持アーム部分に沿つたスペーサ４の位置が
   調節できるように構成されていることを特徴と
   する、スキーの流れ止め。 ２ スペーサ４が保持アーム３の間に延びる２つ
   のウエブ７を有し、これらのウエブ７が互いに
   接近する方向に曲げられるか又は離反する方向
   に曲げられることによつてウエブ７の長さが調
   節可能である。実用新案登録請求の範囲第１項
   記載のスキーの流れ止め。 ３ スペーサ４が内外に摺動可能な２つの成形体
   ４ａ，４ｂから成つており、これらの成形体４
   ａ，４ｂの位置が固定可能である、実用新案登
   録請求の範囲第１項記載のスキーの流れ止め。 ４ 保持アーム３の、スキー縦軸線に対して傾斜
   又は彎曲された範囲に沿つたスペーサ４の位置
   が保持プレート５に固定されたリンク１１によ
   つて決められており、このリンク１１の上に調
   節ねじ１７が配置され、この調節ねじ１７によ
   つてスペーサ４の位置が調節可能である、実用
   新案登録請求の範囲第１項記載のスキーの流れ
   止め。