JPS6129642Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は主に海産物その他珍味等の食品の包装
用トレーに関する。

従来、珍味等の食品の包装においては、合成樹
脂製等のトレーに食品を入れ、これを透明の樹脂
フイルムでラツプしているが、トレーをラツプす
ると積重ねができないため、一般には第１図のよ
うに食品を入れてラツプしたトレーA′をさらに
段ボールケースB′に収納して積重ねできるように
している。それゆえトレーのほかに段ボールケー
スを必要とし包装コストが高くなるばかりか、包
装作業および取扱い面倒で、体裁も良いとは言え
ないものである。

本考案は、上記に鑑みて、段ボールケースを用
いずにラツプしてしかも積重ねのできるトレーを
提供しようとするものであり、収容凹部が形成さ
れたトレー主部の縦横一方の相対向両側部に、ト
レー主部より上下方向の寸法が若干大なる断面略
横倒Ｔ形状の支持側部を連設するとともに、この
支持側部の下端部をトレー主部の底部より下方へ
の突出状に形成し、さらに両支持側部の上下端部
に互に対応する切欠凹部と凸部を設け、この支持
側部によつてトレー主部同士間に間隙を保有した
状態で積重ねできるようにしたことを特徴とする
ものである。

次に本考案の実施例を図面に基いて説明する。
Ａは合成樹脂発泡体よりなる本考案に係る包装用
トレーを示し、該トレーＡは、比較的浅い皿状の
収容凹部１が形成されたトレー主部２を中央にし
て縦横一方の相対向両側部に、トレー主部２より
上下方向の寸法つまり高さが若干大なる支持側部
３，３が上下でトレー主部２の上下面より凹入し
た連接部３ａ，３ａを介して断面略横倒Ｔ形状に
連接されている。前記連接部３ａ，３ａの一部を
上下に貫通形成しておくことができる。前記トレ
ー主部２より高さの大なる支持側部３，３は、そ
の下端部をトレー主部２の底面よりも下方への突
出状に形成するだけでもよいが、図示するように
上端部も高く、つまり上下端部をトレー主部２の
上下面よりも上下に突出状に形成するのが望まし
い。また前記支持側部３，３の上下端部には積重
ねのための互に対応した嵌合手段として、支持側
部３，３の上端部の内外一側には切欠凹部４，４
が下端部には前記切欠凹部４，４に対応する凸部
５，５が設けられており、積重ねの際下層トレー
の切欠凹部４，４に上層トレーの凸部５，５が嵌
入するようになつている。この他、第４図のよう
に支持側部３の上端部に凸部５′を下端部に凸部
５′に対応した切欠凹部４′を設けて実施する等、
互に対応する切欠凹部と凸部による種々の実施が
可能である。さらに支持側部３，３の外側には必
要に応じて図のような切欠等による提手部６，６
を設ける。

上記トレーＡの構成素材である合成樹脂発泡体
としては、ポリスチレンおよびスチレンを主体と
する共重合体等のスチレン系樹脂発泡体、ポリ塩
化ビニル樹脂発泡体、オレフイン系樹脂発泡体そ
の他種々の合成樹脂発泡体を用いることができる
が、比較的硬質で保形性のあるスチレン系樹脂発
泡体が好適に用いられる。また前記合成樹脂発泡
体の表面に非発泡樹脂による表皮層を設けること
もできる。

本考案は上記のように構成されており、トレー
主部２の収容凹部１に例えば合成樹脂製袋に封入
した珍味等の食品１０を入れて、このトレー主部
２をストレツチフイルム等のフイルム２０で第５
図のごとくラツプすればよく、縦横一方の相対向
両側部にのみ支持側部３，３が連設されてかつ該
支持側部３，３が断面略横倒Ｔ形状に形成されて
いるので、この支持側部３，３に関係なくトレー
主部２に対し容易に確実にラツプできる。さらに
出荷・輸送および保管等の際は、前記包装状態の
複数のトレーＡを、第６図のごとく両側の支持側
部３，３を上下に合致させるようにして安定よく
積重ねることができる。即ち、支持側部３，３は
上下方向の寸法がトレー主部２のそれより若干大
なるよう形成されているため、当該支持側部３，
３で積重ねたときには上層のトレーＡと下層のト
レーＡのトレー主部２，２同士間に前記寸法の差
異による間隙７を存し、この間隙７によつてラツ
プされたフイルム２０が当接のおそれなく積み重
ねることができ、しかも支持側部３，３の上下端
部には互に対応する切欠凹部と凸部等による嵌合
手段が設けられているため、前記積重ねの際は上
下の支持側部３，３および３，３を互の嵌合によ
り位置決めでき、ずれ等のおそれなく安定性のよ
い積重ね状態を確保できる。そしてこの積重ね状
態で多数を大きい段ボール箱等に梱包して出荷、
輸送し、また店頭においてはこれを取出してその
まま陳列すればよい。特に本考案では、支持側部
３，３の下端部がトレー主部２の底面より下方へ
の突出状に形成されているため、陳例台や棚上に
載置した場合、トレー主部２が浮上状態に支持さ
れ、底面が汚れるおそれも、またラツプされたフ
イルムが汚れることもなく、きわめて衛生的であ
る。なお、場合によつては、トレー主部２に対す
るフイルムのラツプの代りに蓋板を被せるように
して使用することも可能で、特に支持側部３，３
の上端部がトレー主部２の上面より高く突出して
いる場合、蓋板を支持側部３，３にて挾むように
嵌合保持することができ、この場合にも上記と同
様に積重ねることができる。

以上のように本考案の包装用トレーは、段ボー
ルケース等を用いずに収納部分であるトレー主部
をラツプしてしかも積重ね可能なものであり、段
ボールケースを必要とせず、一体もので陳列時の
体裁が良好である上、取扱い易く包装作業も容易
であり包装コストの大幅な低減を図ることができ
る。しかも合成樹脂発泡体製であるため、緩衝性
に優れるとともに断熱効果があり、珍味等の食品
の保護を良好になす。また軽量で輸送・運搬時の
取扱いを容易にすると言つた効果もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の珍味等の包装形態を示す断面
図、第２図は本考案の実施例を示す斜視図、第３
図は前図−線における断面図、第４図は他の
実施例を示す一部の断面図、第５図は包装状態の
斜視図、第６図は積重ね状態の断面図である。 Ａ……包装用トレー、１……収容凹部、２……
トレー主部、３，３……支持側部、４……切欠凹
部、５……凸部、１０……食品、２０……ラツプ
フイルム。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 合成樹脂発泡体よりなり、収容凹部が形成さ
   れたトレー主部を中央にして縦横一方の相対向
   両側部に、トレー主部より上下方向の寸法が若
   干大なる支持側部が断面略横倒Ｔ形状に連設さ
   れるとともに、該支持側部の下端部がトレー主
   部の底部より下方への突出状に形成され、また
   両支持側部の上下端部には一方に切欠凹部が、
   他方に前記切欠凹部に対応する凸部が設けられ
   てなることを特徴とする包装用トレー。 ２ 支持側部の上端部がトレー主部の上面より高
   い突出状に形成された実用新案登録請求の範囲
   第１項記載の包装用トレー。 ３ 合成樹脂発泡体が、ポリスチレンおよびスチ
   レンを主体とする共重合体等のスチレン系樹脂
   発泡体、ポリ塩化ビニル樹脂発泡体、オレフイ
   ン系樹脂発泡体その他の合成樹脂発泡体である
   実用新案登録請求の範囲第１項または第２項記
   載の包装用トレー。