JPS6127768Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、自動車用サスペンシヨン、特にダ
ブルウイツシユボーン式サスペンシヨンのトーシ
ヨンバーアンカの取付構造の改良に関する。

従来より、第１図に示すようなダブルウイツシ
ユボーン式サスペンシヨン１においては、車輪
２，２の車体に対する変動をトーシヨンによつて
受合い車体側への衝撃を緩和もしくは吸収するト
ーシヨンバー３が設けられており、この種のトー
シヨンバー３の車体側への取付構造としては、第
２図に詳細に示す如く、車体メンバー４の上面に
嵌合部５を形成し、該嵌合部５にスイベルピン６
を回動自在に嵌合すると共に、アンカーボルト７
をスイベルピン６側から挿通させ、トーシヨンバ
ーアーム８側の雄ねじ部７ａにナツト９，９を螺
合して、アンカーボルト７にトーシヨンアーム８
を連結するものが提案されている（実公昭52−
26653号公報参照）。

ところが、ナツト９，９の螺合しろ、及びナツ
ト９，９によるトーシヨンアーム８の調整しろの
必要から、雄ねじ部７ａを十分に長くとる関係
で、車体メンバー４下方のスペースが制約を受
け、各種配管や排気ガス浄化装置の取付等のレイ
アウトが困難になるという問題があつた。

このため、アンカーボルトを下方からスイベル
ピンにねじ込む構成が記載されているが（実公昭
43−9843号公報参照）、アンカーボルトの先部が
フロアパネルとの間の狭い空間に突出するので、
フロアパネルと車体メンバーのレイアウトが不利
になる。

そこで、後者の構成を前提にして、前者の嵌合
部を車体メンバーに設ける構成が考えられるが、
ねじしろがスイベルピンの厚みしかとれないの
で、アンカーボルトの螺合しろ及び調整しろが十
分に確保できない。この螺合しろ及び調整しろを
確保するために、嵌合部を深くすることも考えら
れるが、嵌合部のプレス打ちによる成形性が悪く
なる。

また、スイベルピン自体を縦長に形成して螺合
しろ及び調整しろを確保することも考えられる
が、スイベルピン自体の重量が増加する。

この考案は、上記従来の問題点に鑑みなされた
もので、車体メンバーに形成した嵌合部に嵌合す
るスイベルピンに、嵌合に穿設された長溝に嵌入
して下方に伸長する雌ねじボス部を設け、アンカ
ーボルトを下方からスイベルピンの雌ねじボス部
にねじ込むことにより、トーシヨンバーのアーム
を車体メンバーで支持するようにして、アームの
下方にアンカーボルトの雄ねじ部が突出しないよ
うに工夫し、レイアウトにスペース的な制約を受
けないようにする一方、雌ねじボス部によりアン
カーボルトの螺合しろ及び調整しろが十分に確保
できるようにしたものである。

以下、この考案の実施例を添付図面について詳
細に説明する。

第３図及び第４図に示すように、フロアパネル
１０と所定の間隔１１を隔てて配置され、下向き
に開いた断面チヤンネル形状の車体メンバー４の
上面には、幅方向に半円弧状の嵌合部１２をプレ
ス打ちなどして形成すると共に、該嵌合部１２の
底面に長手方向の長溝１３を穿設する。

第５図に示すように、上記車体メンバー４の嵌
合部１２に回動自在に嵌合する半円弧状のスイベ
ルピン１４は、車体メンバー４の幅とほぼ等しい
長さを有すると共に、下部中央に上記長溝１３に
嵌入するボス１５を溶接等で固定し、該スイベル
ピン１４とボス１５に一連に雌ねじ１６を螺設し
て、雌ねじボス部１７を形成する。

上記のように構成したスイベルピン１４は、雌
ねじボス部１７を長溝１３に嵌入してスイベルピ
ン１４を嵌合部１２に嵌合すると共に、トーシヨ
ンバーアーム８の下面の半円弧状の嵌合部８ａに
半円形状のピン１８を嵌合する一方、トーシヨン
バーアーム８側から、アンカーボルト１９を、ピ
ン１８、アーム８の通孔を挿通させ、先端の雄ね
じ部１９ａを上記スイベルピン１４の雌ねじボス
部１７にねじ込み、アンカーボルト１９の頭部１
９ｂでピン１８を当て止めることにより、トーシ
ヨンバーアーム８が車体メンバー４で支持される
ようになる。

この場合、アンカーボルト１９の雄ねじ部１９
ａはスイベルピン１４の雌ねじボス部１７に十分
深く螺合され螺合しろ及び調整しろが確保され
る。

従つて、トーシヨンバーアーム８の下方には、
アンカーボルト１９の頭部１９ｂしか突出しなく
なる。第３図のようにトーシヨンバーアーム８に
嵌合部８ａが設けてあると頭部１９ｂは全く突出
しない。

また、雌ねじボス部１７は嵌合部１２の長溝１
３に嵌入しているので、スイベルピン１４は車体
メンバー４の長手方向には回動し得るが、幅方
向、つまり抜け方向には規制されるようになる。

なお、本実施例においてスイベルピンを回動自
在に嵌合する嵌合部は、車体メンバー上面をくぼ
ませ形成しているが、車体メンバー側面に穴を設
け、これを嵌合部としてもよく、また、車体メン
バー上面に半円弧状の支持プレートを固定し、こ
れを嵌合部としてよい。

以上の説明からも明らかなように、この考案
は、車体メンバーに回動可能に支持されるスイベ
ルピンに設けた雌ねじボス部に、アンカーボルト
を、トーシヨンバーアーム側からねじ込むように
したものであるから、トーシヨンバーアームの下
方にはアンカーボルトの頭しか突出しないので、
各種配管や排気ガス浄化装置のレイアウトにスペ
ース的な制約を受けることがなくなる。

また、雌ねじボス部によりアンカーボルトの螺
合しろ及び調整しろが確保できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の自動車用サスペンシヨンのトー
シヨンバーアンカ取付構造を示す概略斜視図、第
２図は従来のトーシヨンバーアンカ取付構造の側
面図、第３図はこの考案に係るトーシヨンバーア
ンカ取付構造の側面図、第４図は車体メンバーの
嵌合部の斜視図、第５図はスイベルピンの斜視図
である。 ３……トーシヨンバー、４……車体メンバー、
８……トーシヨンバーアーム、１２……嵌合部、
１４……スイベルピン、１７……雌ねじボス部、
１９……アンカーボルト。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 トーシヨンバーのアームをアンカーボルトを介
   して車体メンバーで支持するトーシヨンバーアン
   カ取付構造において、 上記車体メンバーに半円弧状の嵌合部が設けら
   れるとともに該嵌合部には長溝が穿設される一
   方、該嵌合部にはスイベルピンが回動自在に嵌合
   されており、該スイベルピンには、上記長溝に嵌
   入され上記嵌合部よりも下方に伸長する雌ねじボ
   ス部が設けられており、上記アンカーボルトを下
   方から上記雌ねじボス部にねじ込むことによりト
   ーシヨンバーのアームを車体メンバーで支持する
   ようにしたことを特徴とする自動車サスペンシヨ
   ンのトーシヨンバーアンカ取付構造。