JPS6126864Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （技術分野） 本考案は、高炉、キユーポラ、竪形石灰焼成炉
等の大形工業炉における炉壁の損耗部を熱間補修
する際の耐火物吹付用ノズル体の釣支装置に関す
るものである。

（従来技術） 上記のような大形工業炉において、炉壁の耐火
物が部分的に脱落するなど損耗した場合、炉を完
全に停止し、温度が下つた後に作業員が炉内に入
つて補修するのでは、温度が下る間の待時間が長
くかかるとともに、補修後の温度上昇に多大なエ
ネルギーを必要とし、経済効率が極めて悪い。従
つて、炉の温度を下げずに、炉の側壁上部に設け
たマンホール等の開口部から長い管の先端に吹付
ノズルを設けたノズル体を炉内に差し込み、吹付
ノズルから耐火物を損耗箇所に吹付けて熱間補修
する方法が最近行なわれている。

ところがこの場合、ノズル体の長い管の一端を
マンホール部で支えるだけでは、ノズル体自体が
長尺のために自重でたわみ、ノズル体の折損を起
こしたり、ノズルを損耗箇所に対向させて安定的
に保持するのが困難であるため、ノズル体の管の
中間部の適当な位置をワイヤで吊つて保持するよ
うにしていた。しかしながら、このワイヤもマン
ホールの上端部付近に通つて引張られるので、ノ
ズル体の管とワイヤとがなす角度が小さく、あま
り効果的でなかつた。特に、要補修箇所が炉の下
方であればある程、ノズル体の傾斜が急になり、
そのためノズル体の管とワイヤとがなす角度がま
すます小さくなつて、ワイヤで吊つた効果がなく
なると同時に、長尺ノズル体のためにノズル体自
体に座屈を生じ、その結果、炉壁の下方での補修
が極めて困難であつた。

（考案の目的） 本考案は、上記従来例の欠点を解消するため
に、マンホールのフランジの上側縁部に、炉内に
突入した腕を設け、この腕の先端からワイヤでノ
ズル体を吊るようにした工業炉の熱間吹付補修用
〓〓〓〓〓
ノズル体の釣支装置を提供するものである。

本考案によれば、ノズル体の管とワイヤとがな
す角度が従来のものに比べて非常に大きくなり、
その結果、ノズル体の支持が安定するとともに、
炉壁の下方での補修も容易になるという効果を有
するものである。

（実施例） 以下、図面に基づき実施例を詳細に説明する。
第１図は、本考案の一実施例を示したもので、１
は工業炉、２はその内壁で、耐火物でできてい
る。３は耐火壁が損耗した要補修箇所である。４
は炉の側壁上部に設けられたマンホール、５はマ
ンホール４から炉内に挿入されたノズル体で、長
い管の先端に吹付ノズル６を設けている。補修の
際は、この中を、圧搾空気とともに耐火物を輸送
し、吹付ノズル６から噴出して吹付施工する。７
は本考案になる滑車保持治具で、第２図に示した
ように、先端に滑車８を保持した腕部９が炉内に
突入され、その腕部９が水平方向に回動できるよ
うに腕部後端がマンホールフランジの上側縁部４
ａに軸着されている。１０はノズル体５の管の適
宜の位置に一端が固着された１本以上のワイヤで
あり（ここでは２本）、このワイヤ１０は滑車８
を経てウインチ等の操作部へ延びている。１１は
マンホールのフランジに設置されたローラであ
る。

なお、第１図には、比較のために従来のノズル
体支持方法を併せて図示しており、ノズル体５′
の管とこれを支持するワイヤ１０′とのなす角度
が非常に小さいことがわかる。このように小さな
角度ではワイヤで吊つた効果は小さくなると同時
に、ノズル体５′自体が座屈を生じ、補修目的箇
所への効果的な吹付操作が困難となる。ノズル体
５′の吹付ノズル部が下がれば下がる程、その操
作が困難になることは、（従来技術）の欄で述べ
た通りである。

これに対し、本実施例では、炉内に突入した滑
車保持治具７の腕９の先端からノズル体５を吊つ
ているため、ノズル体５の管とワイヤ１０とがな
す角度が従来のものに比べて非常に大きくなり、
従つて、ワイヤでの釣支効果が顕著に現われ、ノ
ズル体５を安定して保持することができる。そし
て、滑車保持治具７の腕９を水平方向に揺動させ
て吹付ノズル６を横方向に振るとともに、ウイン
チでワイヤ１０の長さを加減して吹付ノズル６を
上方又は下方へ移動させながら耐火物を噴出する
と、要補修箇所の所要の面積に吹付施工するこて
ができる。

（考案の効果） 以上説明したように、本考案によれば、ノズル
体を安定して支持することができるとともに、従
来困難であつた下方の炉壁の補修も容易となり、
作業能率を大幅に向上することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例の構成図、第２図
は、同要部の拡大図である。 １……工業炉、３……要補修箇所、４……マン
ホール、５……ノズル体、６……吹付ノズル、７
……滑車保持治具、８……滑車、９……腕部、１
０……ワイヤ。 〓〓〓〓〓

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 高炉等の工業炉の側壁上部に設けられたマンホ
   ールから、管の先端に吹付ノズルを備えた長尺ノ
   ズル体を炉内に挿入し、前記吹付ノズルから耐火
   物を噴出して炉壁の損耗箇所を熱間吹付補修する
   装置において、先端に滑車を保持した腕部が炉内
   に突入され、その腕部が水平方向に回動可能なよ
   うに腕部後端が前記マンホールのフランジの上側
   縁部に軸着された滑車保持治具と、炉内に挿入さ
   れた前記ノズル体の管の適宜の位置にそれぞれ一
   端が固着され、前記滑車を経てウインチ等の操作
   部へ延びた１本以上のワイヤとからなり、前記ノ
   ズル体の管とワイヤとがなす角度を大きくしてノ
   ズル体を支持するようにしたことを特徴とする工
   業炉の熱間吹付補修用ノズル体の釣支装置。