JPS6125395Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は車両用座席のクツシヨンフレーム特に
パン型構造のクツシヨンフレームの改良に係るも
のである。

車両、例えば自動車に於いては運転席と助手席
ではその座席の形態が異つている。即ち、運転席
の場合はスライド調整装置の他にシートクツシヨ
ンの高さを調整するリフター装置が備えられてお
り、助手席の場合は、スライド調整装置が取付け
られるだけである。従つて運転席と助手席のクツ
シヨンフレーム、特に各種機構部分が取付けられ
るサイドフレーム部は異なつた形状と成ることが
一般である。この為、サイドフレームは別個に製
作しなければならないがクツシヨンフレームはパ
ン形構造の場合はフレーム全体を別個に製作する
ことになるので製作工程或いは製品管理等に問題
があつた。

そこで本考案は斯る点に鑑みて成されたもので
サイドフレームの共用化が可能なパン型構造のク
ツシヨンフレームを提供するものである。

即ち本考案はパン型構造のクツシヨンフレーム
に於いて両サイドフレーム部とセンターパネル部
を別体に形成し、両サイドフレーム部をリフター
等の機構を取付る場合と此等機構を取付けない場
合とで反転してセンターパネルに対して接合する
ようにしたものである。

以下図面について本考案の実施例を説明する。

第１図はリフター機構を取付ける事ができるよ
うに構成したクツシヨンフレームの分解斜視図を
示し、図において１はクツシヨンフレームで両サ
イドフレーム部２及び３とセンターパネル部４か
ら構成されている。両サイドフレーム部２及び３
は断面コ字状で上面部２ａ及び３ａは比較的幅広
に、また下面部２ｂ及び３ｂは幅狭に形成してあ
る。そして上面部２ａ及び３ｂには前後部に上面
が平坦な***部２a′，２a″及び３a′，３a″が形成
され、***部の上面中央には透孔５，５′及び
６，６′が穿設されており、又、側面部２ｃ及び
３ｃには***部２a′，２a″，３a′，３a″の下方に
位置して夫々一対の透孔７ａ，７ｂ，７a′，７
b′及び８ａ，８ｂ，８a′，８b′が夫々穿設されて
いる。この透孔は前後位置においてその高さを異
にする。即ち、前部側の透孔７ａ，７ｂ及び８
ａ，８ｂは上縁近くに、又、後部７a′，７b′及び
８a′，８b′は下縁近くに、即ち高さ方向に対称的
に夫々穿設されている。更に、前部側の透孔７
ａ，７ｂ及び８ａ，８ｂの中間下方に位置して軸
孔９及び１０が穿設されている。なお、両側面部
２ｃ及び３ｃは夫々前後端面側迄延長されてい
る。又、各透孔の内側面には必要に応じてナツト
１１が熔接される。

センターパネル部４は前縁部及び後縁部を他方
に折曲して前面部４ａ及び後面部４ｂを形成し、
中央部には凹部４ｃが形成され、更に両側部には
両サイドフレーム部２および３の上部が嵌合され
る凹溝４ｄ及び４ｅが形成され、この凹溝４ｄ及
び４ｅの前後部には両サイドフレーム部２及び３
の***部２a′，２a″及び３a′，３a″が嵌合される
凹部４d′，４d″及び４e′，４e″が夫々形成されて
いる。このセンターパネル部４は両サイドフレー
ム部２及び３に比べて薄い鋼板により形成する。

このように形成される両サイドフレーム部２及
び３とセンターパネル部４を接合してパン構造の
クツシヨンフレーム１を形成する。即ち、両サイ
ドフレーム部２及び３の上面部２ａ及び３ａをセ
ンターパネル部４の両端の凹溝４ｄ及び４ｅに嵌
合し、***部２a′，２a″及び３a′，３a″を夫夫凹
部４d′，４d″及び４e′，４e″に係合させて位置決
めした状態で接合面を熔接し、両サイドフレーム
部２及び３とセンターパネル部４とを一体的に結
合し、パン構造のクツシヨンフレーム１を形成す
る。このようにして形成されたクツシヨンフレー
ム１の両側フレーム部の下面は幅狭でスライド調
整装置１２のアツパーレール１３，１４の上面に
固定されたリフター機構１５のブラケツト１６
ａ，１７ａ及び１６ｂ，１７ｂから逃げた状態で
アツパーレール１３及び１４の上面に載置される
ことにになる。従つて、このように形成されるク
ツシヨンフレーム１はリフター機構１５等の各種
機構が取付けられる運転席用のシートクツシヨン
のクツシヨンフレームに用いることができる。

第２図は本考案に依るクツシヨンフレームを助
手席のシートクツシヨンに用いることが出来るよ
うに構成したものである。この第２図に示すクツ
シヨンフレーム１′は、両サイドフレーム部２及
び３を第１図に示すクツシヨンフレーム１の場合
と逆にしてセンターパネル４に接合したものであ
る。即ち、両サイドフレーム部２及び３を反転し
て、一方のサイドフレーム部２はセンターパネル
部４の他方側の凹溝４ｅに下面部２ｅを係合し、
又、他方のサイドフレーム部３を反転してセンタ
ーパネル部４の一方の凹溝４ｄに下面部３ｂを係
合み、夫々熔接して結合し、パン構造のクツシヨ
ンフレーム１′を形成する。このように形成され
たクツシヨンフレーム１′の両サイドフレーム部
の下面側では幅広で、又、***部２a′，２a″及び
３a′，３a″が脚部と成り、この脚部をスライド調
整装置１２のアツパール１４及び１３の上面に安
定して当接出来てアツパーレール１４及び１３に
対して確実に固定出来る。このようにして形成さ
れるクツシヨンフレーム１′は、シートクツシヨ
ンをスライド調整装置に直接固定することに成る
助手席のシートクツシヨンのクツシヨンフレーム
に用いることができる。

尚、運転席と助手席とではリクライニング装置
を取り付ける位置が相反することになるので第１
図に示すクツシヨンフレーム１の場合は一側部の
後部、即ち、サイドフレーム２の透孔７ｂ，７
b′の内側にリクライニング装置の取付け用ナツト
１１を固定し、又、第２図に示すクツシヨン１′
の場合は他側部、即ちサイドフレーム２の透孔７
ａ，７a′の内側にリクライニング取付け用ナツト
１１を固定する。又、フリーヒンジのブラケツト
１８は、通常の如く両クツシヨンフレーム１，
１′共にリクライニング装置の取付け位置と対応
した側部に固定する。

又、第２図に示すクツシヨンフレーム１′の場
合は両サイドフレーム部２及び３の***部２a′，
２a″，３a′，３a″の透孔５，５′，６，６′の内側
にスライド調整装置１２のアツパーレール１３及
び１４の取付用ナツト１１′を固着しておく。

以上のように本考案に依ればパン型構造のクツ
シヨンフレームを両サイドフレーム部とセンター
パネル部とに分割して構成し、両サイドフレーム
部は上下面部を異なる形状、即ち、上下面部のい
ずれか一方の面部を普通のサイドフレーム下面と
同形状に、又、他方の面部を座席設置面側に配さ
れる機構部材から逃げる形状に夫々形成して構成
するので、両サイドフレーム部をセンターパネル
部に対して反転して結合することに依り、スライ
ド調整装置の他にリフター機構等を装着する運転
席用座席のクツシヨンフレームとスライド調整装
置或いは床面に直接設置する助手席用座席のクツ
シヨンフレームに併用できて、クツシヨンフレー
ムの製造設備が削減できると共に製品管理上も有
利となり、又、負荷が加わる両サイドフレーム部
を比較的厚い板厚の鋼板で形成し、センターパネ
ル部を比較的薄い板厚の鋼板で形成することに依
り、過剰品質となることなく負荷に応じた、必要
な強度を保有するクツシヨンフレームを形成する
ことができる。又、このように両サイドフレーム
部とセンターパネル部の板厚を変えることに依
り、クツシヨンフレーム全体としての軽量化が可
能となると共に、材料費も節減できてコストが低
廉になる等の効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は運転座席に用いる本考案に依るクツシ
ヨンフレームの分解斜視図、第２図は助手座席に
用いる本考案に依るクツシヨンフレームの分解斜
視図である。 図中１，１′はクツシヨンフレーム、２，３は
サイドフレーム、２ａ，３ａは上面部、２ｂ，３
ｂは下面部、４はセンターパネル部である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車両用座席のパン型構造のクツシヨンフレーム
   において、両サイドフレーム部とセンターパネル
   部を分割して形成し、上記両サイドフレーム部を
   断面コ字状に形成すると共に上下面部の何れか一
   方の面部は全体にわたつて比較的巾広に形成し、
   他方の面部は座席設置面部に配設される各種機構
   のブラケツトから逃げるように巾狭に形成し、上
   記両サイドフレーム部を上記センターパネル部の
   両側部に、座席形態に応じて反転して接合し、一
   体化したことを特徴とする車両用座席のクツシヨ
   ンフレーム。