JPS61243407A - 偏光板及びその製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、可塑剤含量の少ないあるいは可塑剤を含有シ
ないセルロース系フィルムをオーバーコート層として有
する寸法安定性、接着性、外観性、偏光特性の熱的ない
し湿的雰囲剣下での維持信頼性、作製作業性にすぐれる
偏光板及びその製造方法に関するものである。

従来の技術及び問題点 液晶表示装置のＯＡ機器分野や車載機器分野などのそれ
までの時計、電卓等よりも一層苛酷な使用条件下におか
れる分野への普及、あるいはタッチパネルないし光シャ
ッタの普及に伴ない、液晶表示装置、光シャッタ等の必
須構成部品である偏光板にも、より苛酷な使用条件下に
耐えうろこと、あるいは新たな用途に適する性能含有す
ることなどの新たな要求が生じている。

しかしながら、従来のセルロース系オーバーコート層を
有する偏光板では、そめ新たな要求に充分対応すること
ができなかった。

すなわち、高温ないし高湿雰囲気下での寸法安定性、接
着力維持性、光学ないし偏光特性の維持性に劣ること、
外観変化が短時日で生じ良好な外観性が要求される屋外
用、車載用、ＯＡ機器用などの用途には不向きなこと、
カーμが大きくて自動貼合せ装置の適用が困難であるな
どその作業性に劣ることなどの問題を有していた。

問題点を解決するための手段 本発明者らは、上記の□問題を克服し、高温ないし高湿
雰囲気下においても寸法安定性、接着力維持性、光学な
いし偏光特性の維持性、外観性にすぐれ作業性にもすぐ
れるセルロースオーバーコート系偏光板を開発するため
に鋭意研究を重ねた結果、可塑剤を含有しないあるいは
可塑剤含量の少ないセルロース系フィルムを用いること
によシその目的を達成しうろことを見出し、本発明をな
すに至った。

すなわち、本発明は偏光フィルムの少なくとも片側にオ
ーバーコート層を設けてなる偏光板において、前記オー
バーコート層が可星剤含量１０重量僑以下のセルロース
系フィルムからなることを特徴、とする偏光板及び、 セルロース系フィルムが含有する可塑剤を有機溶剤で抽
出処理して可塑剤含量が１０重量僑以下のセルロース系
フィルムを得る工程及び該抽出処理フィルムを偏光フィ
ルムの少なくとも片側に貼合せる工程からなる偏光板の
製造方法を提供するものである。

作　　　用 本発明では可塑剤含量が０〜１０重量％のセル０−ヌｉ
フィルムを用いたので、通常リン酸エステルなどの可塑
剤を１５〜２０重量僑含有する市販のセルロース系フィ
ルムを用いた場合に生じる下記（イ）〜（ホ）の問題が
有効に防止される。

すなわち、特に加熱高温下ないし高湿下において顕著に
現われる可塑剤のフィルム表面ないし積層物における他
の開成層への移行を原因とする、（へ）セルロース系フ
ィルム中の可塑剤の減少による寸法収縮問題、あるいは
例えば８０℃、９０ＳＲ，Ｈの雰囲気下ＫｌｏｏＯ時間
、放置した場合のように、含有可塑剤の約９０％が他の
開成層に移行してセルロース系フィルムが割れるなどの
問題、（ロ）接着不良、接着力の経時的低下の問題、（
ハ）偏光フィルムの変質による偏光特性の低下ないしフ
ィルム着色の問題、に）寸法収縮等に伴なう表面の波状
化による外観の不良化問題、他方、高い可塑剤含量に起
因する、（ト）高柔軟性に基づくカー！制御の困難性に
よる偏光フィルム等の異種材料との接着作業の非能率性
ないし困難性の問題などが有効に抑制ないし防止される
。

発明の構成要素の例示 本発明において用いられる可塑剤含量が０〜１０重量％
のセルロース系フィルムとしては、例えば二酢酸セルロ
ース、三酢酸セルロース、酢酪酸セルローヌなどからな
るものをあげることができる。

その厚さは５０〜５００μｍが一般的であるがと九に限
定されない。

また、前記セルロース系フィルムに含まれることもある
可塑剤としては、例えばリン酸エステル系のもの、フタ
ル酸エステル系のものなどをあげることかできる。具体
的には、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホス
フェート、オクチルジフェニルホスフェート、タレジル
ジフェニルホスフェート、ジフェニルビフェニルホスフ
ェート、トリオクチルホスフェート、トリブチルホスフ
ェート、トリプトキシエチルホスフェート、トリアセチ
ン、トリブチリン、ブチルフタリルブチルグリコレート
、ジエチルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、
ジメチルフタレート、メチルフタリルエチルグリコレー
ト、メチルフタリルエチルグリコレート、０−Ｐ−）〜
エンエチルヌルホンアミド、グリセロールトリアセテー
ト、ブチル゛）フタリ〃ブチμグリコレートなどを例示
することができる。

本発明の偏光板は、上記した所定の可塑剤含量のセルロ
ース系フィルムｔｌ″偏光フィルムに直［又は他の層を
介して適宜な接着剤によシ貼合せたものでアル。該セル
ロース系フィルムＦｉ偏光フィルムの両側に設けてもよ
いし、片側のみに設けてもよい。なお、その際に用いう
る偏光フィルムとしては、例えばポリビニルアルコール
系フィルム、部分ホルマール化ポリビニ〃アμコー〃系
フィルム、エチレン−酢酸ビニ〃共重合体系ケン化フィ
ルムの如き親水性高分子系フィルムにヨウ素及び／又は
二色性染料を吸着配向せしめたヨウ素及び／又は二色性
染料系偏光フィルム、ポリビニルアルコール系フィルム
を脱水処理してポリエンを配向せしめたポリエン系偏光
フィルム、ポリ塩化ビニルフィルムを脱塩酸処理してポ
リエンを配向せしめたポリエン系偏光フィルムなどをあ
げることができ、その厚さは、通常１０〜８０μｍが適
当である。

本発明の偏光板の製造は例えば下記の方法によυ行うこ
とができる。

すなわち、市販のセルロース系フィルムを有機溶剤中に
浸漬するなどしてフィルム中の可塑剤を抽出処理して可
塑剤含量が０〜１０重量φのフィルムとし、これｆｔ１
Ｉ！光フィルムの片側又は画側に貼合せることによシ得
ることができる。なお、浸漬方式の場合、通常５分間以
上の浸漬で′目的が達成される混合が多い。

もちろん、セルロースの溶液あるいはさらに必要に応じ
所定量の可塑剤を添加した溶液を用いて造膜して得た可
塑剤含量が０〜１０重量％のセルロース系フィルムを用
い、これを偏光フィルムの片側又は両側に貼合せる方式
などによシ得ることもできる。前者の抽出方式がセルロ
ース系フィルムの調製効率などの点で有利である。

用いうる有機溶剤としては、例えば下記の化合物からな
、る単独系あるいは混合系のものをあげることができる
。すなわち、プロパン、ブタン、ペンタン、イソペンタ
ン、ヘキサン、イソヘキサン、メチルペンタン、ヘプタ
ン、イソへブタン、オクタン、イソオクタン、イソオク
テン、ノナン、デカン、トチカン、シクロペンタン、シ
クロヘキサンのような脂肪族炭化水素、ベンゼン、トル
エン、キシレン、アミルベンゼン、シアミルベンゼン、
アミ〃トμエン、ジフエニμエタン、テトラリン、デカ
リン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、ブチルベン
ゼン、トリエチルベンゼン、クメンのような芳香族炭化
水素、塩化メチル、塩化メチレン、クロロホルム、四塩
化次素、臭化メチル、プロモホμム、ヨウ化メチレン、
塩化エチル、塩化エチレン、トリクロロエタン、トリク
ロロエチレン、テトラクロロエタン、パークロロエチレ
ンのようなハロゲン化炭化水素、メチルアルコ−〃、エ
チｐアμコー／ｌ／、Ｈ−プロピルアルコ一μ、イソプ
ロピルアルコール、ｎ−プ千ｐアルコール、イソグチル
アルコ−μ、第２ブチ！アｐコーμ、第３ブチｐアルコ
ール、アミμアμコール、エチレングリコール、ジエチ
レングリコール、トリエチレングリコ−ｐ１テトツエチ
レングリコー〃、プロピレングリコールのようなアルコ
ール、ギ酸メチｐ、ギ酸エチル、ギ酸ブチμ、酢酸メチ
μ、酢酸メチμのようなエステル類などをあげることが
できる。

発明の効果 本発明によれば、可塑剤含量が０〜１０重量％のセルロ
ース系フィルムをオーバーコート層としたので、熱的な
いし湿的雰囲気下においても寸法安定性、接着性、外観
性、偏光特性の維持性ないし信頼性にすぐれる偏光板と
することができる。

また、該フィルムの適度な硬剛性によりその取扱性がす
ぐれる結果、偏光板の作製作業性にもすぐれるなどの利
点も有している。

一方、本発明の方法は、前記した偏光板を、そのセルロ
ース系フィルムの調製効率にすぐれることから作製効率
よく、かつ、容易に製造しうる利点を有している。

従って、本発明の偏光板及びその製造方法は工業との実
用価値の高いものである。

実施例 実施例１，２ 厚さ８０μｍの市販トリアセテートフィルム（フジタッ
ククリヤー、富士写真フィルム社製）をメタノ−／Ｉ／
（８０℃）中に５分間又は３０分間浸漬して該フィルム
中の可塑剤を抽出させた。得られたフィルム中の可塑剤
含量（トリフェニルフタレート、トリクレジルフタレー
ト）は液体クロマトグラフィー分析の結果、それぞれ９
．２（５分間）Ｓ（重ｆｋ僑、以下同様）、８．１１（
８０分間）であった。

次いで、得られたフィルムとポリエンー二色性染料系偏
光フィルム（厚さ２５μｍ）とをポリウレタン系接着剤
で貼合せて偏光板を得た。

比較例１ メタノール中への浸漬時間を１分間としたほかは実施例
１に準じて可塑剤含量１７．８１６のトリアセテートフ
ィルムをオーバーコート層として有する偏光板を得た。

実施例８，４ ６０℃のヘキサン中ＫＩＯ分間又は６０分間浸漬して可
塑剤含量が８．１％（１０分間）、０．９嘔（６０分間
）のフィルムを得たほかは実施例ＩＫ準じて偏光板を得
た。

比較例２ 浸漬時間ｔ−１分間として可塑剤含量が１７．２　僑の
フィルムを得たほかは実施例８に準じて偏光板を得た。

実施例５，６ ６５℃のベンゼン／クロロホルム（９／１　　ｖｏｌ）
の混合液に１０分間又は８０分間浸漬して可塑剤台ｆｆ
ｉカ８．１　％　（１０分間）、５．０Ｓ（８０分間）
のフィルムを得たほかは実施例ＩＫ準じて偏光板を得た
。

比較例８．４ 浸漬時間を１分間又は５分間として可塑剤含量が１８．
５チ（１分間）、１６．３僑（５分間）のフィルムを得
たほかは実施例５に準じて偏光板を得た。

比較例５ 浸漬処理を施さない可塑剤含量が２（ｌのトリアセテー
トフィルムをそのまま用いたほかは実施例１に準じて曙
光板を得た。

実施例７ 三酢酸セルロース（ダイ七ｆｉ／ＬＴ　１０５、ダイセ
〃化学工業社製）ｔ−塩化メチレン／メチルアルコ−Ａ
／　（９／１　ｖｏ　ｌ　）の混合液に溶解させて２０
僑ベースの液を得、これをステンレヌ板とに展開したの
ち２５℃で１０分間、６０℃で１０分間、さらに１５０
℃で５分間乾燥処理して厚さ８０μｍのキャスティング
フィルムを得、これを用いて実施例１に準じて偏光板を
得た。

実施例８．９ 三酢酸セルロース１００部（重量部、以下同様）アタシ
トリフエニμホスフェートｔ−５部又ハ１０部ドープし
た２０僑ベース液を用いたほかは実施例７に準じて偏光
板を得た。

比較例６．７ トリフエニμホスフェートのドープ量が１５部又は２０
部の２０％ベース液としたほかは実施例８に準じて偏光
板を得た。

実施例１〇 二酢酸セルロース（ダイセＡ／Ｌ−７０．同社製）をア
セトン／エチルアルコ−／ｌ／（９／１　　マｏｌ）の
混合液に溶解させた２０９６ベース液を用いたほかは実
施例７に準じて偏光板を得た。

実施例１１．１２、比較例８ 二酢酸七〜ロース１００部あたシトリクレジルホスフェ
ートを５部、１０部、又は１５部ドープした２０％ベー
ス液を用いたほかは実施例１０に準じて曙光板を得た。

実施例１３ 酢酪酸セルロース（Ｉｉ：ＡＢ１７１、イーストマン社
製）をアセトン／メチ〃ア〃コー／Ｌ’（８／１マｏｌ
）の混合液に溶解させた２０チベース液を用いたほかは
実施例７Ｖｃ準じて偏光板を得た。

実施例１４、比較例９ 酢酪酸セルロース１００部あたシトリフェニルフタレー
トｔｌＯ部又は１５部ドープした２（１ペース液を用い
たほかは実施例１３に準じて偏光板を得た。

評価試験 実施例、比較例の偏光板よシ採取した１　５０ｃｍＸ５
０ｃｍ（長さ方向を吸収軸とする）の各試料をアクリル
系粘着剤にてガラス板に貼合せ、１００℃又は８０℃／
９０％Ｒ，Ｈの雰囲気下に５００時間放置した時点での
吸収軸方向の長嘆をｌ／２０關ノギスを用いて測定し、
その測定値を下式に適用して寸法変化（収縮）率を算出
した。

結果を表に示した。

５０　ｃｍ　Ｘ　５０ｍ大の各試料をアクリル系粘着剤
にてガラ２６合せ、８０℃、９０影Ｒ，Ｈの雰囲気下１
０００時間放置し、ＵＶ分光光度針に偏光特性測定。

変色性、外観変化の目視による観察によシ偏光特性、外
観性を調べた。結果を表に示した。

５０ｍＸ５０α　大の各試料を平板上におき、これを２
０℃、６０％Ｒ，Ｈの雰囲気下に２４時間放置した時点
でのカール度合をｌ　／　２０　ｔｍノギスにて測定し
た。結果を表に示した。

５０ｃＷＩ×５０ｃｆｒ１大の各試料をアクリル系粘着
剤によりガラス板に貼合せ、これを８０℃、９０％ｉ’
ｔ、ｈｇ囲気下に５００時間放置したのち、その接着力
維持性を評価した。

評価は、ハガレを生じずに良好な接着力を維持している
ものを良、ハガレを生じていたり手で容易に剥しうるも
のを不良とした。結果を表に示した。

一作業性 偏光板の所定寸法の切断片を自動貼合せ機にてガラス＆
に貼合せる作業において、歩留り良く円滑に作業を進め
りる場合を良、曲折した状態で貼合されたものになるな
ど歩留シが良くない場合を不良としで評価した。結果を
表に示した。

表より本発明の偏光板は、寸法安定性、１関光特性、外
観性、接着（＃＆持）性が熱的ないし湿的雰囲気下にお
いてもその維持性にすぐれておシ、信頼性の高いことが
わかる。また、作朶性も良好であることがわかる。そし
て、それらの総合評価の結果、工朶との実用価値の高い
ものであることがわかる。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、偏光フィルムの少なくとも片側にオーバーコート層
   を設けてなる偏光板において、前記オーバーコート層が
   可塑剤含量１０重量％以下のセルロース系フィルムから
   なることを特徴とする偏光板。 ２、可塑剤がリン酸エステルである特許請求の範囲第１
   項記載の偏光板。 ３、セルロース系フィルムが二酢酸セルロース、三酢酸
   セルロース、酢酪酸セルロースからなるものである特許
   請求の範囲第１項記載の偏光板。 ４、セルロース系フィルムが含有する可塑剤を有機溶剤
   で抽出処理して可塑剤含量が１０重量％以下のセルロー
   ス系フィルムを得る工程及び該抽出処理フィルムを偏光
   フィルムの少なくとも片側に貼合せる工程からなる偏光
   板の製造方法。 ５、有機溶剤が脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、ハロ
   ゲン化炭化水素、アルコール系のものである特許請求の
   範囲第４項記載の方法。