JPS6120728Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ステレオアンプ等に組込まれ、例え
ば、電源トランスとして使用されるトランス装置
に関するものである。

ステレオアンプなどに電源トランスを組込む場
合、電源トランスは、それ自体の発熱と、パワー
トランジスタの放熱などにより温度上昇が著しい
ものとなる。このため従来は、安全規格および信
頼性上、電源トランスを大型にせざるを得ず、コ
スト高になる欠点があつた。

そこでトランスに気化型冷却装置を結合させた
ものも提案されているが、その結合態様において
充分でなく、冷却効果を有効に発揮し得ない面が
あつた。

本考案の目的は上記した従来のものの欠点を解
消し、トランスと冷却装置との結合態様を改良す
ることにより冷却効果を有効に発揮させることが
でき、しかもトランスのリーケージフラツクスを
も防止することができるようにしたトランス装置
を提供することにある。

以下この考案の構成を実施例として示す図面に
基づいて説明する。

本考案においては、トランスにヒートパイプ型
冷却装置を結合させたトンランス装置であつて、
ヒートパイプの熱入力部を平板状に形成してこれ
をトランスの外周に巻回させ、熱出力部にはフイ
ン等の放熱器を設けたものである。

先ず、ヒートパイプについて説明すると、第１
図はヒートパイプの断面図であり、内面にウイツ
ク１を設けた密閉容器２内に特殊な液体を注入す
るとともに、密閉容器２内部を減圧した構造とな
つており、密閉容器２の一方端側を熱入力部（蒸
発部）３、他方端側を熱出力部（凝縮部）４とし
て熱入力部３に熱を加えることによつて、内部の
液体が熱出力部４に運ばれ、熱出力部４から熱を
放熱することによつて、蒸気が凝縮して液体に戻
つて熱入力部３に帰する動作を連続的に行ない、
結果的には、非常に速い速度で熱を熱入力部３か
ら熱出力部４に伝える働きをするものである。な
お、第１図において、矢印ａは液体の流れ、矢印
ｂは蒸気の流れを示す。

本考案においては上記のような構成のヒートパ
イプ１２の熱入力部１３を第３図に示すように平
板状に形成し、これをトランス、例えば、電源ト
ランス１１の外周に巻回するものである。そし
て、熱出力部１７にはフイン等による放熱器１８
か取り付けられる。

なお、ヒートパイプ１２の熱入力部１３を平板
状にした場合は、密閉容器２０の内部が隔壁２１
により幅方向に複数に仕切られ、隔壁２１相互間
の各空室２２を用いて複数のヒートパイプ部が構
成されている。

上記のようにヒートパイプ１２の熱入力部１３
を平板状に形成してこれをトランス１１の外周に
巻回する構成にすると、ヒートパイプ１２により
トランス１１のリーケージフラツクスを防止する
ことができる効果がある。

本考案のトランス装置によれば、ヒートパイプ
の熱入力部を平板状に形成すると共にこれをトラ
ンスの外周に巻回し、熱出力部には放熱器を設け
たから、トランスは熱入力部により囲まれること
となつてトランスの温度上昇を抑え、トランスの
小型化及びコストの低減を図ることができ、しか
もトランスの周辺部品に対する悪影響を防止する
ことができるのは勿論、特にトランスとヒートパ
イプとの結合態様が理想的なものとなつて冷却効
果を充分に発揮させることができる。また、ヒー
トパイプによりトランスのリーケージフラツクス
をも防止でき、ステレオアンプ等の電源トランス
装置として最適である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係るトランス装置の実施例を示
し、第１図はヒートパイプを示す断面図、第２図
はトランス装置の平面図、第３図は熱入力部を平
板状に形成した状態の斜視図である。 １１：トランス、１２：ヒートパイプ、１３：
熱入力部、１７：熱出力部、１８：放熱器。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 内面にウイツクを設けた密閉容器内に冷媒流体
   が注入されると共に密閉容器内部が減圧され、密
   閉容器の一方端側に熱入力部、他端側に熱出力部
   それぞれ形成してなるヒートパイプをトランスに
   結合させるようにしたトランス装置において、 上記密閉容器内部が隔壁により幅方向に複数に
   仕切られることにより各隔壁間に形成される空室
   が複数のヒートパイプ部となるように構成され、
   これにより熱入力部が平板状に形成されると共に
   該平板状の熱入力部でトランスの外周を囲うよう
   に構成したことを特徴とするトランス装置。