JPS6120585Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、一眼レフレツクスカメラにおける可
動反射鏡の遮光装置、詳しくは、可動反射鏡の上
昇時にフアインダー接眼部から入射する外来光を
遮光する可動反射鏡の遮光装置に関する。

周知のように、一眼レフレツクスカメラにおい
ては、撮影時以外は撮影レンズを通じて結像され
る被写体像は、光軸に対して45゜傾いた可動反射
鏡によつて直角に上方に向けられ、ピントガラス
上に結像され、同ピントガラス上に結像された被
写体像が、ペンタゴナルプリズムを介してフアイ
ンダー接眼部によつて観察されるようになつてい
る。そして、撮影時には、上記可動反射鏡が上方
に45゜回動して水平態位となつて撮影光路外に退
避し、撮影レンズによる被写体像は光軸と直交す
るフイルム面に結像し、フイルム面を覆うシヤツ
ター幕が開かれることによつてフイルム面に被写
体像が露光されて撮影が行なわれるようになつて
いる。

ところで、上記撮影時には、上記可動反射鏡は
跳ね上げられて撮影光路から退避するが、この可
動反射鏡の回動する基部とこの基部の側近の不動
部材との間の隙間からミラーボツクス内にフアイ
ンダー接眼部より入射する外来光が入り、これが
フイルム面に達する恐れがある。そのため、従来
のものでは、上記フアインダー接眼部側から入射
する外来光がフイルム面に達しないように種々の
遮光装置が設けられている。

次に、本考案を説明するに先立ち、従来のこの
種の遮光装置の例を第１，２図によつて説明す
る。第１図は、上記遮光装置が配設された一眼レ
フレツクスカメラの要部断面図であつて、符号１
は一眼レフレツクスカメラ本体、２は上記カメラ
本体上記に配設されたフアインダー用ペンタゴナ
ルプリズム、３はフアインダー接眼部、４は上記
ペンタゴナルプリズムの下面に相対して配設され
たピントガラス、５は裏蓋、６はフイルム、７は
シヤツター幕、８はカメラ本体１の後部に配設さ
れ、フイルム案内部８ｂ、シヤツター幕案内部８
ａ等が形成された枠部材、９は反射鏡１０を保持
し、基部に円筒状の回動支持部９ａが一対に形成
された可動反射鏡枠、１１はカメラ本体１の不動
部材に取り付けられ、上記可動反射鏡枠９の円筒
状の回動支持部９ａ内に挿通された、上記枠９を
回動自在に支持する軸である。そして、カメラ本
体１の上記可動反射鏡９の回動支持部９ａに対向
する上方位置には、上端部が接着によつて固着さ
れ、下端部が上記回動支持部９ａを覆うように延
び出した遮光部材１２が設けられている。この遮
光部１２は、横長の遮光性の布又はプラスチツク
シートからなるものであつて、同遮光部材１２が
遮光装置の主部を構成している。

しかし、このような遮光部材は、布製の場合に
は、回動支持部９ａとの摩擦によつて繊維が離脱
して、これが機構作動部材に入り込んだり、プラ
スチツクシートの場合には確実に遮光する適切な
材料が得られず、塗装を施す必要が生じ、何れも
上端部を接着材等によつて固着するという不確実
な作業を伴なうので品質にばらつきが生ずること
は避けられないという欠点を有している。

第２図は、上記第１図の布またはプラスチツク
シートの遮光部材１２に代えて、上記枠部材８の
上部に基端部が固着され自由端部を水平に内方に
延び出した後、先端部を下方に折り曲げられた遮
光板を遮光部材１３として、上記可動反射鏡枠９
の回動支持部を覆うようにしたものであつて、従
来の遮光装置の他の例を示すものである。

このように遮光板を遮光部材１３として用いれ
ば、上記第１図における遮光部材１２が有してい
る欠点は解消されるが、この遮光板は可動反射鏡
枠９の回動支持部９ａより内方迄延び出すように
しなければならないので、その先端部によつて図
に示すように、ピントガラス４の後部がけられて
しまう。従つて、遮光部材１３および可動反射鏡
枠の回動支持部９ａを後方に下げる必要があり、
これにつれてシヤツター幕７、フイルム６も後方
に配置しなければならないので、カメラ本体１の
前後方向の長さが伸びてカメラは大型となつてし
まうという欠点を有する。

本考案の目的は、上記従来の遮光装置における
欠点を解消するために、上記可動反射鏡枠の回動
基部に直接、遮光部を形成すると共に、同基部の
上下を覆うように断面形状がコの字状に形成さ
れ、カメラ本体の不動枠部材に固着された遮光板
を設け、この両者が協働して、確実にフアインダ
ー接眼部から入射する外来光を遮光出来るように
した一眼レフレツクスカメラの可動反射鏡の遮光
装置を提供するにある。

本考案によれば、構造が極めて簡単であり、作
動上不確実性も全くなく、カメラ本体を大きくす
ることなく、しかも可動反射鏡枠等に対して無接
触で確実に遮光する極めて効果的な遮光装置を提
供することが出来る。

以下、本考案を図示の実施例に基いて説明す
る。

第３図は、本考案の一実施例を示す遮光装置の
要部断面図である。なお、本考案の遮光装置が配
設される一眼レフレツクスカメラの構成部材は、
遮光装置の関連部材を除いては、上記第１図にお
ける一眼レフレツクスカメラとほゞ同様に構成さ
れているので、同一構成部材には同一符号を付し
て、その説明を省略する。

本考案の遮光装置１４は、可動反射鏡枠１５の
基部に形成された遮光部１６と、この遮光部１６
の回動をさまたげないように、上記シヤツター幕
案内部８ａの前面に固着された断面形状がコの字
状の遮光板１８とで、その主要部が構成されてい
る。

上記遮光部１６は、第４〜６図に拡大して示す
ように、可動反射鏡枠１５の回動基部となる上端
縁部の円筒状部分が、その左右両側の、支持軸１
１の軸受部１６ａを除いて、その下部を肉抜きさ
れて、残された左側壁と上側壁とで形成されてい
る。即ち、同遮光部１６は半円筒状に形成されて
いて、その中心軸線上の上記軸受部１６ａには、
両がわから短軸の支持軸１１が嵌合される軸受孔
１６ｂが穿設されている。

上記遮光板１８は、上記遮光部１６が支持軸１
１を軸として45゜回動する際、その回動を妨げな
い範囲で同遮光部１６に近接して、同遮光部１６
の上、下を覆うように形成された断面形がコの字
状の板体であつて、その後側面が上記シヤツター
幕案内部８ａの前面に一体的に固着されている。
そして、その前方に延び出した下側部１８ａは上
記遮光部１６の下位にあつて、可動反射鏡枠１５
の回動基部の上記肉抜きされた肉抜部１７内に入
り込むようになつている。

このように構成された本考案の遮光装置におい
ては、第５図に示すように可動反射鏡枠１５が水
平状態に上昇したとき、即ち撮影時のフイルム６
が露呈するときは、上記遮光部１６とこれの真上
に位置した遮光部１８の上側部１８ｂおよび下側
部１８ａの三重の遮光構造により上述したフアイ
ンダー接眼部３（第３図参照）から入射する外来
光は、完全に遮光されてフイルム６の感光面に達
することはない。又、可動反射鏡枠１５が、第４
図に示すように、45゜傾いた非撮影時の状態位置
から第５図の撮影状態位置に回動する際も上記遮
光部１６はその周囲に配置された上記遮光板１８
に対して接触することなく回動するので、上記遮
光板１８との相対的位置に変化はなく、かつ無接
触であるから損耗することもない。

以上説明したように、本考案によれば、単に可
動反射鏡枠の回動基部を肉抜きしただけの簡単な
構造の遮光部と、この遮光部の上下を覆うに足り
るだけの断面形のコの字状の遮光板を設けるだけ
で、上述した従来のこの種の遮光装置が有してい
た不確実な作動を伴なうこともなく、又カメラ本
体を大きくするようなこともなく、低コストで品
質も一段と向上する遮光装置を提供することが出
来る。

【図面の簡単な説明】

第１図，２図は、一眼レフレツクスカメラにお
ける従来の遮光装置を夫々示す要部断面図、第３
図は、本考案の一実施例を示す遮光装置の要部断
面図、第４，５図は、上記第３図の遮光装置の作
動態様を夫々示す要部拡大断面図、第６図は、上
記第３図の遮光装置の可動反射鏡の拡大斜視図で
ある。 ９，１５……可動反射鏡枠（可動反射鏡）１４
……遮光装置、１６……遮光部、１８……遮光
板。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 可動反射鏡を回動自在に支持する基部の該回動
   中心軸より上端部に設けられた、反射鏡の回動中
   心軸線ににほぼ平行な遮光部と、 カメラ本体の不動部材に固定されていて、上記
   可動反射鏡の遮光部と対向する位置に配設され、
   上記可動反射鏡の回動をさまたげないように、上
   記遮光部の上下に延出した、遮光部とほぼ平行な
   遮光板と、 を具備し、上記可動反射鏡の上昇時には、上記
   遮光部が上記遮光板の上側延出部と下側延出部と
   の間に進入することにより、フアインダー接眼部
   から入射する外来光を遮光するようにしたことを
   特徴とする一眼レフレツクスカメラにおける可動
   反射鏡の遮光装置。