JPS6119792Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はボイラの煙道や風道に装備される気体
混合装置の改良に関する。

ボイラの風道や煙道には、ボイラの負荷状態に
応じて効率の良い運転を維持するための気体混合
装置が設けられ、燃料や燃焼用空気の混合と流量
調整を行なつている。

第１図は従来の気体混合装置の縦断面略図であ
り、第２図は第１図のＸ−Ｘ線に沿う断面図であ
る。これらの図において１はＡ気体ダクト、２は
Ｂ気体ダクト、３はAB混合気体ダクトであり、
これらは断面が逆Ｔ字状に結合されている。気体
Ａ，Ｂは夫々ダクト１，２内に図示矢印方向へ向
けて導入されるが、その通路内に夫々流量調整用
ダンパ４，５が設けられている。このダンパ４，
５には、気体の流入方向に直交するように羽根
６，７が軸によつて回動可能に取付けられてい
る。各ダクト１〜３の結合部８はＡ，Ｂ気体の混
合される部分であり、ダクト１と３との連通部内
に、Ｂ気体ダクト２に連通したチヤンバ９が位置
し、チヤンバ９から分岐したノズル１０が開口を
ダクト３側へ向けて配置されている。

このように構成された従来の気体混合装置は、
破線矢印で示すＡ気体がダクト１から、また実線
矢印で示すＢ気体がダクト２から導入される。そ
して、Ａ気体はノズル１０のまわりからまたＢ気
体はノズル１０の開口から夫々吐出されて混合
し、混合したＡ，Ｂ混合気体はダクト３を通して
図示しない下流側機器例えばボイラへと供給され
る。第３図はＡ気体とＢ気体との混合状況を表わ
した第１図のＹ部拡大図である。

ところで従来の気体混合装置は、混合部８の上
流側すなわち、ダクト１，２内に設けたダンパ
４，５によつて、Ａ，Ｂ両気体の流量を夫々制御
するものであつた。通常、混合部８におけるノズ
ル１０の開口やノズル１０間の空間断面等の寸法
は、ボイラ等の経済運転時のＡ，Ｂ気体の吐出流
量において混合効率が最適となるように定められ
ているので、従来の流量制御手段では、中間負荷
運転時においてＡ気体の流量が減少した場合、そ
の変化に比例してＢ気体の流量を変化させること
が困難であり、そのため吐出部でのＡ，Ｂ気体の
流速がまちまちとなつて、両気体の混合状態が悪
くなり、そのため下流側の機器の性能に悪影響を
与えることになつていた。

また、従来の気体混合装置は、ダクト１，２内
にダンパ４，５を設けているため、ダクト１，２
の断面に合せた大きさにダンパを設けているた
め、ダクト１，２の断面に合せた大きさにダンパ
を設置しなければならず、不経済サイズとなつて
いたとともに、ダンパの設置場所の決定にも苦慮
していた。

本考案はこのような従来の欠点を除去し、ボイ
ラの種々の運転条件に合せて、Ａ，Ｂ両気体を最
適な混合状態とし、以つて下流側機器の性能を確
保し得るようにした気体混合装置を提供すること
を目的としてなされたものである。

以下本考案の一実施例を第４図及び第５図を参
照して詳細に説明する。

第４図は本考案に係る気体混合装置の一実施例
を示す縦断面略図で、従来の第１図に相当する図
であり、第５図は第４図のＺ部の拡大図である。
これらの図において１，２，３は夫々Ａ気体ダク
ト、Ｂ気体ダクト、Ａ，Ｂ混合気体ダクトであ
り、これらは従来と同様、断面が逆Ｔ字に結合さ
れており、ダクト１と３の連通部内にはＢ気体ダ
クト２に連通したチヤンバ（図示せず）が位置し
ていることも従来と同様である。従来と異なつて
いる点は、ダクト１，２内にはダンパは設けられ
てはいなく、また、図示していない上記チヤンバ
に分岐して連通されているノズル１０が、開口を
ダクト３側へ延出するとともに、開口部に夫々回
転可能にダンパブレード１１を設置し、更にノズ
ル１０まわりの通路の最下流側にも夫々ダンパブ
レード１２を設置したことである。

本考案はこのような構成としたもので、ダンパ
ブレード１１，１２の開度を調整することによ
り、Ａ，Ｂ両気体の流速をいかようにでも調整で
きる。すなわち、ボイラの負荷に応じてＡ気体の
流量が変化するが、Ａ気体の流量が減少した場合
でもダンパブレード１２の開度を調整して、吐出
部におけるＡ気体の流速を所望の値に調整し、ま
たこれに合せてノズル１０から吐出されるＢ気体
の流速も、ダンパブレード１１の調整によつて一
定にすることができる。また第５図に示すよう
に、Ａ気体、Ｂ気体の吐出部において、各気体の
流れは非常に複雑な流れとなつて混合効果を増倍
している。

よつていかなる流量の変化に対しても吐出部で
の流速を一定にするとともにＡ，Ｂ両気体の混合
を十分なものとし、完全な混合気体を得ることが
できる。従つて常に下流側機器の性能を十分発揮
させることができる。

また、ダンパブレード１１，１２の操作を制御
するための制御装置を一個所に配置できるため保
守が便利となるし足場も節約され、更に従来のダ
ンパに比してブレード数量が大幅に減少するの
で、その重量や駆動装置の量容が軽減できる等経
済的にも極めて有利なものとなる。

このように本考案によれば実用上の効果の大き
い気体混合装置が提供される。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の気体混合装置を示す縦断面略
図、第２図は第１図のＸ−Ｘ線に沿う断面略図、
第３図は第１図のＹ部拡大図、第４図は本考案に
係る気体混合装置の一実施例を示す縦断面略図、
第５図は第４図のＺ部拡大図である。 １……Ａ気体ダクト、２……Ｂ気体ダクト、３
……混合気体ダクト、８……混合部、９……Ｂ気
体チヤンバ、１０……ノズル、１１，１２……ダ
ンパブレード。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 二種類の気体を混合する気体混合装置であつ
   て、第１の気体を流通させるダクト内に第２の気
   体を噴出する複数のノズルが開口部を下流側に向
   けて配設され、前記ノズルの開口部およびノズル
   間の最下流側に流路を開閉するダンパブレードが
   設置されていることを特徴とする気体混合装置。