JPS61176496A - 溶接用フラツクス入りワイヤ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、溶接構造用鋼のセルフシールドアーク溶接材
料に係るもので、清浄な表面を有する被溶接体は勿論、
プライマ、錆、水分あるいは油脂などが付着したところ
の概して清浄でない表面の溶接物の溶接施工に適用して
、気孔等の溶接欠陥を発生し難い溶接を実現する溶接用
フラックス入りワイヤに関する。

〔従来の技術〕

溶接構造物の大型化に伴い溶接施工の短縮と省力化が要
求され、これに伴い従来主体的に用いられてきた被覆ア
ーク溶接棒による溶接からソリッドワイヤやフラックス
中りワイヤを用いたｃｏ２アーク溶接、Ｃ０２−Ａｒア
ーク溶接およびノンガスアーク溶接法が広く適用される
ようになってきた。

しかし一部の被覆アーク溶接棒による溶接法を除いた在
来溶接法はいずれもショッププライマ塗布鋼板（特にＴ
型すみ肉溶接等）において気孔を多発し易く、しばしば
大きな問題となっていた。

この原因を追及した結果、上述の気孔生成はショッププ
ライマ中に含まれる高分子有機化合物から供給される水
素の影響によることが明らかとなった。

一方、大気中に約７９容量％存在する窒素も気孔発生の
大きな源となり、通常はそれを防止するためＣＯ２また
はＣ０２−Ａｒガスによるシールドを実施したり、セル
フシールドフラックス入りワイヤの場合にはＡ９．を多
量に添加して、窒素をＡＩＨの如く固定して気孔発生を
防止するようにしている。しかしながら、この両者のい
ずれの場合も、プライマ塗布鋼板の溶接施行においては
、気孔が多発することを避けることができないのが実状
である。

これらのプライマ耐気孔性を南北させるため特公昭５９
−４２３３にガスシールドアーク溶接方法が提案されて
いるが、この方法はシールドガスを用いるために屋外の
風のある場所では使用が制限されたり、特別なシールド
ガス組成のものを準備しなくてはならないなどの欠点を
有する。

〔発明が解決しようとする問題点〕

本発明は、一部の溶接棒、すなわちイルミナイト系、ラ
イムチタニャ系、チタニャ系または鉄粉酸化鉄系溶接棒
がセルフシールド型の溶接材料であって、かつプライマ
耐気孔性がすぐれていることに注目して熟考した結果、
これらがすべて非低水票系溶接材料であることに着目し
て発明されたものである。すなわち、本発明はプライマ
耐気孔性にすぐれたセルフシールド型によるフラックス
入すワイヤによる溶接構造用鋼用の溶接材料を提供する
ことを目的とするものである。

セルフシールド型フラッグス入すワイヤにおいては、プ
ライマ耐気孔性に先だって、大気中でのアーク溶接にお
ける気孔の発生が生じないことが前提である。従来のセ
ルフシールド型フラックス入りワイヤは、 ａ）ノンガス状態でのアーク溶接における窒素の侵入に
よる気孔の発生を防止するためＡ文を添加するか。

ｂ）蛍石等の弗化物を多量に添加して溶接溶滴を大粒に
して窒素との反応面積を小さくし、その結果窒素の侵入
を減じて気孔の発生を防止するか、 Ｃ）合金性フラックスをワイヤ中心よりに偏析させた複
雑な断面形状をもつワイヤによって窒素の侵入を減じる
ようにする方法等、がとられていた。

しかしながら、上記ａ）においては、溶接条件等によっ
て、窒素が予測以上に入った場合には気孔が発生し、反
対に窒素侵入が予測より少ない場合にはＡｎが溶接金属
中にそのまま残り、じん性を著しく劣化させる欠点を有
する。また、上記ｂ）においてはスラグ中の弗化物が多
すぎるためスラグ粘性が低下し、良好なビード形状が得
られない欠点を有する。更に上記Ｃ）においては複雑な
断面形状を有するためワイヤ製造性に問題がある上、耐
気孔性にも問題があった。

一方、これらａ）、ｂ）、ｃ）のいずれのセルフシール
ド型スラックス入りワイヤも、プライマ塗布鋼板のすみ
肉溶接においては、気孔の多発をまぬがれないという問
題があったことは前述の通りである。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明者らは前述の如く非低水素系被覆アーク溶接棒が
実用に供され、更にプライマ耐気孔性にすぐれているこ
とに着眼し、雰囲気中の水素源、すなわち水蒸気分圧お
よび水素分圧を高めれば、溶接溶融金属中の水素溶解量
が増し、窒素の溶解量が減じ、ある限度以上の水素源を
添加すれば気孔の発生を未然に防止することができ、か
つ靭性も良好であることを見出した。また、この限度以
上の水素源を添加することによって、プライマ塗布鋼板
のすみ肉溶接溶融金属内に形成される気泡の浮上、逸散
を促進することができ、気孔のない溶接ビードを得るこ
とができる。

本発明は、ワイヤ中のＭｎが１．２〜５．５重量％、水
素源化合物が０．８〜５．５重量％であるフラックス入
りワイヤであって、シールドガスを用いないで大気中で
溶接を行うことを可能にした溶接構造用鋼用のプライマ
耐気孔性にすぐれたセルフシールドアーク溶接材料であ
る。

〔作用〕

以下本発明の作用を詳細に説明する。

Ｍｎ元素 Ｍｎは脱酸および合金成分元素の目的で用いられ、ワイ
ヤ金玉に対してＭｎが１．２重量％未満では脱酸が不足
し気孔が発生する。また５、５重量％を越えると非低水
素系特有の脱酸過多現象により気孔が発生する。

第１図の実験におけるワイヤはワイヤ全重量に対して、
７．０重量％のルチール、１．５重量％の長石、２．０
重量％のマイカ０．３重量％のセルロース、２．５重量
％の珪砂、０〜６．７重量％の範囲で種々の割合にＭｎ
を鉄粉と置換して添加し。

１．８ｍｍ径とした。

フラックスのワイヤ全重量に対する割合は２０重量％と
し、ワイヤ外皮は極軟鋼（Ｍｎ量０．３０重量％）を使
用し、溶接条件は電流２５０Ａ（ＡＣ）電圧２３〜２５
Ｖ、速度２０〜３５ｃｍ／ｍｉｎとした。シールドガス
は勿論ない状態、すなわちセルフシールド型溶接とした
。これらのワイヤは２０ＪＬｍ厚にジンクリッチプライ
マが塗布された軟鋼板の水平すみ肉溶接に供し、第２ビ
ード側の表面気孔発生状況およびその破面観察による内
部気孔発生状況とワイヤのＭｎ量との関係を求めた。

第１図においてワイヤ中のＭ　ｎ　ｆｉが１．２重量％
未満では脱酸不足のために気孔が発生し、一方５．５重
量％を越えると逆に非低水素系特有の過脱酸による気孔
が発生する。破面観察による内部気孔発生もほぼ同様の
傾向を示した。内部気孔は本発明でも皆無とはならない
がビード１ｍ当り１０個以下であれば特に問題とならな
いので、１０個以下を良とした。したがってワイヤ全ｍ
Ｆｌｒ、に対するＭｎの添加量は１．２〜５．５重量％
に限定した。

その他の脱酸および合金元素 本発明に用いるワイヤにはＭｎによる脱酸が効果的であ
るが、必要に応じてＳｉ、ＡＭ、Ｔｉ、Ｍｇ、Ｚｒなど
の元素を添加することが出来る。

これらはいずれでも良く、本発明のワイヤに一種以上添
加すれば良いが、ただし、その添加量は過脱酸による気
孔発生防止の点から２．０重量％以下とする必要がある
。

溶接金属の冶金的な性質改善のためＭｎおよび上述の脱
酸元素の他Ｎｉ、Ｃｒ、Ｍｏ、Ｃｕ、Ｂなどの元素を必
要に応じて添加することが出来る。

水素源化合物 アーク雰囲気中への水素源の添加、すなわち水素および
水蒸気分圧を上昇させて耐気孔性を向上させる作用は本
発明の最も大きな特徴である。

アーク雰囲気中の水蒸気分圧を高める水素源化合物とし
てフラックス中に添加する原料は一般に慣用されている
マイカ、タルク、アスベスト、カオリンなどの含水鉱物
、セルロース、澱粉、木粉などの有機化合物、または水
酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどの水酸基を
もつ、無機化合物などである。

さらにワイヤ製造時に使用または付着する油脂類も水素
源となる。

第２図の実験におけるワイヤはワイヤ全重量に対して、
５．０〜９．５重量％のルチール、０〜５．０重量％の
長石、Ｏ〜５．７重量％の珪砂、１．８〜４．０重量％
のＭｎ、Ｏ〜７．８重量％の水素源化合物を種々の割合
に変えて添加し、１．８ｍｍ径とした。

フラックスのワイヤ全重量に対する割合は、１５〜２５
重量％とし、その他の製造条件、溶接条件および試験方
法は前述と同様として、気孔の発生状況とワイヤの水素
源化合物添加量との関係を求めた。

第２図においてワイヤ全重量中の水素源化合物が０．８
重量％未満では表面気孔が発生するばかりでなく、内部
気孔が多発する。したがって（１８重量％を下限とした
。一方、耐気孔性に限っては水素源化合物が多い程良好
な結果を示したが、水素源化合物が５．５重量％を超え
るとアーク状態が劣化して、スパッター量が多くなり、
ビード形状が悪化する傾向があり良くない。

従って水素源化合物の上限を５．５重量％とした。

〔実施例〕

第１表は本発明ワイヤ（Ｍ−２〜Ｍ−５およびＭ−７）
および比較ワイヤ（Ｍ−１およびＭ−６）のワイヤ成分
とプライマを塗布したすみ肉溶接における耐気孔性を示
したものである。

これらのワイヤはいずれも軟鋼外皮を有するフラックス
入りワイヤであって、径は１．８ｍｍである。

溶接条件は、次の通りである。

・上流：　２５０Ａ　（ＡＣ） 電圧：２３〜２５Ｖ 速度７２０〜３５　ｃ　ｍ　／　ｍ　ｉ　ｎシールドガ
ス：なし ワイヤＭ−１はＭｎが少なく脱酸不足による表面および
内部気孔が多発して良くない。

ワイヤＭ−６はＭｎの含有量が多すぎるため過脱酸によ
る気孔が多発して良くない。

Ｍ−２〜Ｍ−５およびＭ−７は本発明の実施例のワイヤ
であって、表面気孔は皆無で、内部気孔もビード１ｍ当
りｌＯ個以ｒで良好であった。

第２表は本発明ワイヤ（Ｈ−２〜Ｈ−４）および比較例
ワイヤ（Ｈ−１およびＨ−５）のワイヤ成分と前述同様
の耐気孔性試験を行った結果について示したものである
。

ワイヤＨ−１は水素源化合物の添加がないためプライマ
耐気孔性が良くなく、表面気孔および内部気孔ともに多
発して良くない。

ワイヤＨ−２〜Ｈ−４は本発明の実施例のワイヤであっ
て耐気孔性が良好でその他の溶接性も良好である。

ワイヤＨ−５は水素源化合物の添加が多く耐気孔性は良
好であるが、アーク状態が劣化してスパッターが増え、
ビード形状も不安定となる。

〔発明の効果〕

以上、本発明はシートガスがない状態でショッププライ
マを塗布した鋼板のすみ肉溶接において表面気孔が全く
発生しないすぐれたすみ肉ビードが得られることがわか
った。これは従来のフラックス入りワイヤでは側底達成
し得ないもので、各種産業の発展に貢献する所極めて大
である。

【図面の簡単な説明】

第１図はワイヤ中のＭｎ量とプライマ塗布鋼板すみ肉溶
接における気孔発生関係を示すグラフ、第２図はワイヤ
中の水素源化合物量とプライマ塗布鋼板すみ肉溶接にお
ける気孔発生および作業性との関係を示すグラフである
。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １　自動溶接用フラックス入りワイヤのフラックス中に
   Ｍｎ１．２〜５．５重量％、水素源化合物０．８〜５．
   ５重量％含有してなる溶接用フラックス入りワイヤ。