JPS6115577Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は各種電気機器セツトのジヤツク板等の
取付用パネルに取付けられて使用されるピンジヤ
ツクに関するものである。

先ず第１図及び第２図は従来の4P型のピンジ
ヤツクの一例を示したものであり、４つの絶縁ブ
ツシユ１が一体に成型された合成樹脂製の本体２
と、アース端子を構成する各一対の導電キヤツプ
３が一体に成型された一対のキヤツプ板４と、プ
ラス端子を構成する４つの内部端子５と、合成樹
脂製の絶縁基板６等から構成されている。そして
本体２の各絶縁ブツシユ１に導電キヤツプ３及び
内部端子５を嵌装した状態で、これらの導電キヤ
ツプ３を本体２と絶縁基板６との間で押え込み、
そして本体２と絶縁基板６とを溶着にて固定す
る。

次に電気機器セツトの取付用パネル８への上記
ピンジヤツクの取付けに関しては、絶縁基板６の
外周の４角に４つの取付孔９を設けておき、取付
用パネル８から挿通された４つのナイロンリベツ
ト１０やネジ等の固定具によつて絶縁基板６を取
付用パネル８に固定させていた。

しかしながらこのような従来構造では次のよう
な欠陥があつた。

(A) ピンジヤツクの組立ての際には、各絶縁ブツ
シユ１に内部端子５を加締め等にて固定し、本
体２と絶縁基板６とを溶着にて固定するので、
その組立てが著しく面倒であつた。

(B) ピンジヤツクの組立て後は絶縁基板６、絶縁
ブツシユ１、本体２及び内部端子５が全て固定
されるので、これらのうち１つが不良になつた
場合でもピンジヤツク全体を取替えなければな
らず、修理サービス等では極めてコスト高にな
る。

(C) 取付用パネル８への取付けに４つのナイロン
リベツト１０やネジ等の固定具が必要で、固定
具の部品点数が多く、また取付けに時間がかゝ
る等コスト高につく。

(D) 絶縁基板６は取付用パネル８に強固に取付け
られるが、本体２は絶縁基板６に溶着されてい
るだけで、取付用パネル８には何等固定されて
いない。一方ピンジヤツクの相手部品であるピ
ンプラグは第２図で矢印Ａ方向から差込まれ、
その都度本体２には絶縁基板６から引き離され
ようとする負荷を直接受ける。また各国安全規
格の規定により、実際には前記矢印Ａ方向から
の静荷重試験、衝撃試験等を行つているが、こ
れらに対して充分な保護が必要である。即ち絶
縁基板６に対する本体２の溶着強度を充分に大
きくする必要があり、この為従来はこれら両者
を接着させたり、超音波溶着させたり、絶縁基
板６側に本体２を背面側から押え込むような複
数の係止爪を一体に成型したりしているが、何
れも作業が面倒であつたり、加工が面倒であつ
た。

(E) 前記矢印Ａ方向の負荷に対して絶縁基板６自
体も所定の機械的強度が必要である。従つて従
来は絶縁基板６の板厚を充分に大きく構成して
おり、コスト高についている。

(F) 取付孔９が絶縁基板６の４角に設けられてい
るが、各導電キヤツプ３部分の外径Ｄをあまり
小さく出来ない関係で、ピンジヤツクのピツチ
をｌとすると、絶縁基板６の外形寸法を２×ｌ
以下に抑えることが出来ず、絶縁ブツシユ１の
センターから絶縁基板６の左右両端までの巾が
ｌ／２より大きなｌ／２＋αの寸法になつてしまう。従
つ てこのような4P型のピンジヤツクでは、これを
多数個一列状に連結して、8P，12P……型の多連
型ピンジヤツクを構成した場合、各絶縁基
板６の連結部で、ピツチが不揃い（２×ｌ／２＋ α）になり、商品価値が下つてしまう。

本考案は上述の如き実状に鑑み考案されたもの
であつて、組立てが極めて簡単で別々に分解する
ことも出来、また取付用パネルに対する取付けを
極めて簡単に、しかも極めて強固に行え、かつ絶
縁基板の外形寸法を従来に比べて著しく小さくす
ることが出来るピンジヤツクを提供しようとする
ものである。

以下本考案の実施例を図面に基き説明する。

先ず第３図〜第５図は第１実施例を示したもの
であつて、こゝでは4P型のピンジヤツクを示し
ている。そして１３はABS樹脂等の合成樹脂に
て成型された本体であり、これには４つの絶縁ブ
ツシユ１４が一体成型されている。またこの本体
１３の上記４つの絶縁ブツシユ１４のほゞ中央部
には本考案で云う孔を有する係止部の一例を構成
するネジ止め用のボス１５が一体成型されてい
る。１７は黄銅板等の導電部材にて成型された一
対のキヤツプ板であり、これにはアース端子を構
成する一対の導電キヤツプ１８が一体成型されて
いる。２０は黄銅棒等の導電部材にて成型された
プラス端子を構成する内部端子である。２２は
ABS樹脂等の合成樹脂にて成型された絶縁基板
であり、これには前記４つの導電キヤツプ１８及
び中央部のボス１５の挿通孔２３，２４が設けら
れている。２６は４つの絶縁リングである。２７
は前記一対のキヤツプ板１７にそれぞれ半田付け
された引出端子である。２８は前記本体２に設け
られた上記一対の引出端子２７の挿通孔である。

なお、絶縁ブツシユ１４にはピンプラグ挿入孔
４０と連通する内部端子挿着孔４１が設けられて
いる。また内部端子２０は線状材にて形成され、
その一端部にはほぼ直角に折曲げられたほぼＣ字
状をなす彎曲部４２が設けられている。さらに導
電キヤツプ１８の一端には径が小さくなる窄まり
部４３が設けられ、他端にはフランジ部４４が設
けられている。

そしてピンジヤツクの組立てに関しては、絶縁
ブツシユ１４の内部端子挿着孔４１に内部端子２
０を挿着してその彎曲部４２を絶縁ブツシユ１４
の先端に当接させ、絶縁リング２６を介在させて
導電キヤツプ１８を絶縁ブツシユ１４に嵌装す
る。そして導電キヤツプ１８の外側に絶縁基板２
２を嵌装して、この絶縁基板２２と本体１３との
間で導電キヤツプ１８をそのフランジ部４４にて
押え込む。これによつて、内部端子２０の彎曲部
４２と絶縁リング２６とが絶縁ブツシユ１４の先
端と導電キヤツプ１８の窄まり部４３との間で挾
み込まれて、ピンジヤツクの組立てが完了する。
この際本体１３と絶縁基板２２とを溶着や接着等
にて仮止め程度に固定しても良いが、これらの固
定を特別行わなくても良い。

次に電気機器セツトのジヤツク板等の取付用パ
ネル３１への取付けに関しては、その取付用パネ
ル３１に設けられたビス挿通孔３２から挿通し
た、本考案で云う固定具の一例を構成するタツピ
ングネジ等の止ネジ３３を本体１３のボス１５部
分にネジ止めする。この結果この止ネジ３３の締
めつけにより、本体１３と取付用パネル３１との
間で絶縁基板２２がサンドイツチ状に挾み込まれ
て、この絶縁基板２２と本体１３とが一体となつ
て取付用パネル３１に固定される。

以上の如く構成され、かつ取付けられるピンジ
ヤツクによれば、次のような特徴がある。

(A) ピンジヤツクの組立ては、本体１３の絶縁ブ
ツシユ１４に内部端子２０、絶縁リング２６、
導電キヤツプ１８及び絶縁基板２２を順に嵌装
するだけであるから、その組立てが極めて簡単
である。

(B) １本の止ネジ３３を取外すと、本体１３、内
部端子２０、絶縁リング２６、導電キヤツプ１
８及び絶縁基板２２の全ての部品を別々に分解
することができる。

(C) 取付用パネル３１への取付けを１本の止ネジ
３３で行える。

(D) 絶縁基板２２と本体１３とを溶着やその他の
機械的結合方法にて特別固定する必要がない。

(E) 絶縁基板２２には機械的強度が特に必要でな
く、単に絶縁機能だけあれば良いので、この絶
縁基板２２の板厚を非常に薄く出来る。

(F) 絶縁基板２２の４角に取付孔を設ける必要が
ないので、この絶縁基板２２の外形寸法をピン
ジヤツクのピツチｌの２倍以下に小さくするこ
とが出来る。従つて絶縁ブツシユ１４のセンタ
ーから絶縁基板２２の左右両端までの巾を、例
えば前記ピツチｌの1/2に構成して、4P型のピ
ンジヤツクを多数一列状に連結して、8P，12P
……型の多連型ピンジヤツクを構成した場合、
各絶縁基板２２の連結部でのピツチを正しいピ
ツチｌに揃えることが出来る。

次に第６図は第２実施例を示したものであり、
この場合は6P型のピンジヤツクを示していて、
前記ネジ止め用のボス１５が２個設けられてい
る。

次に第７図は第３実施例を示したものであり、
この場合は前記ネジ止め用ボス１５を前記本体１
３の背面側に突出させて設けたものである。

次に第８図は第４実施例を示したものであり、
この場合は前記本体１３の中央部の肉厚を厚くし
て、そこにネジ孔３５を設けたものである。

以上本考案の実施例に付き述べたが、本考案で
云う絶縁ブツシユ、本体、導電キヤツプ、絶縁基
板、係止部、固定具等の構造、形状は図面に示さ
れたものに限定されるものではない。そして特に
固定具に関しては止ネジの他にも、ナイロンリベ
ツトやその他の各種構造のものを用い得る。

本考案は上述の如く内部端子及び絶縁リングを
絶縁ブツシユとこの絶縁ブツシユに嵌装した導電
キヤツプとの間で挾み込み、その導電キヤツプ
を、本体と絶縁基板との間で押え込み、少なくと
も４つの絶縁ブツシユのほゞ中央部において本体
を取付用パネルに固定具を用いて固定させるよう
に構成したものであるから、次のような利点があ
る。

(A) ピンジヤツクの組立ては、本体の絶縁ブツシ
ユに内部端子、絶縁リング、導電キヤツプ及び
絶縁基板を順に嵌装するだけであるから、絶縁
ブツシユに内部端子を加締めたり、本体と絶縁
基板とを溶着したりする必要が一切なく、その
組立ては極めて簡単であつて、組立工数及び組
立時間を大巾に削減することができる。

(B) 取付用パネルから固定具を外すと、本体、内
部端子、絶縁リング、導電キヤツプ及び絶縁基
板の全ての部品を別々に分解することができる
ので、これらの部品のうち１つが不良になつた
場合でもピンジヤツク全体を取替える必要はな
く、その部品だけを取替えれば良いので、修理
サービス等を極めて低コストで行うことができ
る。

(C) 取付用パネルに対する取付けを例えば極めて
少数（例えば１個）の固定具を用いて極めて簡
単にしかも強固に行えるので、固定具の部品点
数を大巾に削減出来ると共に、取付けの作業性
が著しく向上し、非常に低コストになるばかり
か、サービス性等も著しく向上する。

(D) 絶縁基板と本体とを溶着やその他の機械的結
合方法によつて固定させないようにした場合
は、溶着や接着等の工数を大巾に削減出来る上
に、加工も簡単となり、非常に低コストにな
る。それでいて絶縁基板と本体との結合は充分
に行えるから、構造的には堅牢であり、信頼
性、耐久性が高い。

(E) 絶縁基板は絶縁機能だけあれば良く、機械的
強度は特に必要でないから、この絶縁基板の板
厚を非常に薄く出来て、その成型等が容易であ
り、非常に低コストになる。

(F) 絶縁基板の外形寸法を充分に小さく（ピツチ
ｌの２倍以下）することが出来て、多連型のピ
ンジヤツクを構成する場合に、連結部でのピツ
チを正しいピツチに揃え易く、商品価値の高い
ものを構成出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のピンジヤツクを示した正面図、
第２図は取付用パネルへの取付け状態を示した第
１図−線での断面図である。第３図〜第８図
は本考案のピンジヤツクの実施例を示したもので
あつて、第３図は第１実施例の分解斜視図、第４
図は同上の組立て状態の正面図、第５図は取付用
パネルへの取付け状態を示した第４図−線で
の断面図、第６図は第２実施例の正面図、第７図
及び第８図は第３及び第４実施例の第５図同様の
断面図である。 また図面に用いられた符号において、１３……
本体、１４……絶縁ブツシユ、１５……係止部の
一例を構成するボス、１８……導電キヤツプ、２
２……絶縁基板、２４……挿通孔、３１……取付
用パネル、３２……ネジ挿通孔、３３……固定具
の一例を構成する止ネジ、２０……内部端子、２
６……絶縁リング、４０……ピンプラグ挿入孔、
４１……内部端子挿着孔、４２……彎曲部、４３
……窄まり部、４４……フランジ部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 少なくとも４つの絶縁ブツシユが一体に成型さ
   れた本体と、上記絶縁ブツシユにそれぞれ嵌装さ
   れた内部端子、絶縁リング及び導電キヤツプと、
   これらの導電キヤツプを上記本体との間で押え込
   む絶縁基板とからなり、 上記絶縁ブツシユにはピンプラグ挿入孔と連通
   する内部端子挿着孔を設け、上記内部端子を線状
   材にて形成してその一端部にはほぼ直角に折曲げ
   られたほぼＣ字状をなす彎曲部を設け、上記導電
   キヤツプの両端にはそれぞれ窄まり部とフランジ
   部とを設け、上記絶縁ブツシユの内部端子挿着孔
   に上記内部端子を挿着してその内部端子の彎曲部
   と上記絶縁リングとを絶縁ブツシユの先端と上記
   導電キヤツプの窄まり部との間で挾み込むと共
   に、上記導電キヤツプのフランジ部を上記絶縁基
   板と上記本体との間で押え込むように構成し、 上記４つの絶縁ブツシユのほぼ中央部で上記本
   体に孔を有する係止部を設け、取付用パネルの挿
   通孔と上記係止部の孔とを対向させてこれら両孔
   に固定具を挿通して上記パネルに上記本体を固定
   させたピンジヤツク。