JPS61131224A - 磁気記録媒体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 この発明は磁気記録媒体に係り、特に垂直磁気異方性を
有する記録磁性層を備えた磁気記録媒体に関する。

〔発明の技術的背景とその問題点〕

近年、情報処理技術の発達に伴ってメモリ装置が担う情
報量は飛躍的に増加し、フロッピーディスク等の磁気記
録媒体に対する大容量化の要求もますます高まっている
。この要求に応えるため、高密度記録の可能な磁気記録
媒体、特に最近では膜面に垂直な方向の磁化を利用して
記録を行なう垂直磁気記録用の磁気記録媒体の研究・開
発が活発になされている。垂直磁気記録用の磁気記録媒
体は垂直磁気異方性を有する記録磁性層を備えた媒体で
あり、現在実用されている面内記録用の磁気記録媒体の
多くを構成している塗布型媒体よりも、記録磁性層とし
てＣｏ−Ｃｒ系合金等の金属薄膜をスパッタや蒸着によ
り形成した金属薄膜型媒体、あるいはＢａフェライトや
Ｓｒフェライト等のマグネトプラムバイト型結晶構造を
有する酸化物薄膜型媒体が高密度記録により適した媒体
として有望視されている。

ところで、塗布型媒体では磁性粉をバインダ等と混ぜて
基体上に塗布することにより記録磁性層が形成されるた
め、記録磁性層が弾力性を持っており、また磁性層中に
潤滑剤を混入させることも可能であり、それによって媒
体と磁気ヘッド間の接触を良好に維持し、媒体およびヘ
ッドの耐久性を十分に得ることができる。

これに対し、金属薄膜型媒体や酸化物薄膜型媒体におい
ては記録磁性層が弾力性をほとんど持たないため、フェ
ライト製などの硬い材質の磁気ヘッドが媒体上を走行す
ると、媒体表面やヘッドの表面にスクラッチ等の損傷が
生じ易くなる。その場合には、媒体およびヘッドの耐久
性が損われるばかりでなく、媒体やヘッドの摩耗粉の付
着により媒体・ヘッド間の実効的な距離が増大してスペ
ーシング・ロスが大きくなり、周波数特性の劣化や、再
生時の出力低下および出力変動の要因となる。

そこで、金属薄膜型媒体や酸化物薄膜型媒体の場合には
、記録磁性層の上にこれを保護するための硬質月利から
なる保護層を形成することが考えられる。保護層の具体
例としては酸化珪素、酸化アルミニウムおよび窒化チタ
ン等の薄膜が従来提案されている。しかし、これらの硬
質保護層は材質が脆性であり、磁気ヘッドとの接触によ
ってやはり摩耗が生じ易く、その摩耗粉が媒体やヘッド
を損傷させてしまうので、上述した問題に対する解決策
としては不十分である。

この場合、保護層を厚く形成すれば少なくとも記録磁性
層の摩耗防止には有効と考えられるが、垂直磁気記録特
性の点から好ましくない。すなわち、垂直磁気記録方式
は本質的に記録密麿が面内磁気記録方式よりもはるかに
高く、記録波長を類くできるのであるが、そのためには
ヘッド・媒体間の実効的な距離を極度に小さく抑える必
要があり、従って保護層の厚みも制限される。このよう
に保護層の厚さを垂直磁気記録特性を損わない程度に抑
えると、耐久性の向上効果はあまり期待できなくなる。

また、金属薄膜型媒体や酸化物薄膜型媒体の場合、前述
したように記録層中に潤滑剤を含ませることが困難であ
るため、記録磁性層の上に潤滑剤を塗布することが考え
られるが、スパッタリング等により形成された膜は表面
性が非常に良好であるため、潤滑剤のぬれ性およびその
保持能力が低く、従ってこの上に潤滑剤を均一に塗布す
ることは困難であった。

〔発明の目的〕

この発明の目的は、垂直磁気記録特性を損うことなく、
媒体自身および媒体に接触して走行する磁気ヘッドの耐
久性を著しく高めることができる磁気記録媒体を提供す
ることにある。

〔発明の概要〕

この発明に係る磁気記録媒体は、垂直磁気異方性を有す
る記録磁性層上に保護層としてシリコン。

ジルコニウムおよび酸素を含む非晶質薄１！（以下、５
ｉ−Ｚｒ−０系非晶質薄膜という）を形成したことを特
徴としている。

〔発明の効果〕

この発明によれば、５ｉ−Ｚｒ−０系非晶質薄膜を保護
層として形成したことにより、耐久性に優れ、しかも良
好な垂直磁気記録特性を持つ磁気記録媒体を得ることが
できる。

すなわち、５ｉ−Ｚｒ−０系非晶質薄膜は非常に硬質で
あるため、記録磁性層を磁気ヘッドとの接触による損傷
から確実に保護することが可能である。しかも、５ｉ−
Ｚｒ−０系非晶質薄膜は酸化珪素、酸化アルミニウムあ
るいは窒化チタン等の薄膜に比べ耐摩耗性が優れている
、すなわち脆性が少ない。従って、この５ｉ−Ｚｒ−０
系非晶質薄膜上を磁気ヘッドが連続走行しても摩耗粉の
発生は非常に少なく、媒体自身およびヘッドの摩耗・損
傷は大幅に減少する。さらに、５ｉ−Ｚｒ−〇系非晶質
薄膜は材質的に極めてち密であるため、記録磁性層を外
気から良く遮断し、耐腐蝕性を著しく向上させる効果が
ある。そして、５ｉ−ｚｒ−ｏ系非晶質薄膜は上述した
耐摩耗性お・よび耐腐蝕性が良好であるという特徴から
、その膜厚が比較的薄くとも媒体および磁気ヘッドの耐
久性を向上させることが可能である。このため、前述の
ように摩耗粉の発生が少なく摩耗粉による実効的な媒体
・ヘッド間の実効的距離の増大が少ないことと相まって
、媒体・ヘッド間のスペーシングロスを小さくでき、周
波数特性の向上を図るとともに再生時の出力低下および
出力変動を小さくし、垂直磁気記録特性を飛躍的に高め
ることが可能となる。すなわち、耐久性と垂直磁気記録
特性の両方を同時に満足する磁気記録媒体を提供するこ
とができる。

さらに、５ｉ−Ｚｒ−０系非晶質薄膜は上述の特徴のほ
かに、潤滑剤に対するぬれ性およびその保持能力が従来
の他の保ＨＩＭに比べて優れているため、この上に潤滑
層を形成することにより、媒体とヘッドとの摩擦をさら
に効果的に減少させることが可能となる。また、この場
合５ｉ−Ｚｒ−０系非晶質薄膜が潤滑層のぬれ性が良好
であるということは、潤滑層を薄く、かつ均一な厚さに
形成できるということであり、この点から従来の潤滑層
を形成した磁気記録媒体に比ベスペーシング（発明の実
施例〕 第１図はこの発明の一実施例の磁気記録媒体を示す断面
図である。図において基体１は樹脂製のフィルム状基体
であり、この基体１０両面上に記録磁性層として例えば
直流マグネ１〜ロンスパツタリングにより厚さ０．５μ
ｍのＣｏ−Ｃｒ系合金薄膜２がそれぞれ形成されている
。このＣｏ−Ｃｒ系合金薄膜２は膜面に垂直方向に磁化
容易軸を持つように配向されている。すなわち、ＧＯ−
Ｃｒ系合金薄膜２は垂直磁気異方性を有している。

そして、Ｃ０−Ｃｒ系合金薄膜２上に保護層として２０
〜５００人、より好ましくは５０〜４００人程度の厚さ
の５ｉ−Ｚｒ−０系非晶質薄膜３がそれぞれ形成されて
いる。

５ｉ−Ｚｒ−０系非晶質薄膜３は例えば窒化珪素と酸化
ジルコニウムのターゲットを用いた高周波スパッタリン
グにより形成される。こうして形成された５ｉ−Ｚｒ−
０系非晶貿薄膜３はＣｏ　　’Ｃｒ系合金薄膜２とのな
じみ、密着性が良く、かつ非常に硬質で摩耗しに（い。

従って、フロッピーディスクのように磁気ｌ＼ラッド媒
体に連続的に接触して走行する場合でも、極めて高い耐
久性が得られる。

第１表はＣｏ−Ｃｒ系合金薄膜上に高周波スパッタリン
グにより種々の保護層を形成した磁気記録媒体について
、耐久性を調べた実験結果を示したものである。但し、
実験は上１１１＝した構成の磁気記録媒体を）日ツビー
ディスクの形態に作製し、このディスクを毎分３００回
転で回転走行させながら、フェライト磁気ヘッドをディ
スク上の同一トラックに接触させて行なった。ここで、
耐久性は媒体（ディスク）およびヘラどの少なくとも一
方が著しい損傷を受けるまでの走行回数（パス）である
。著しい損傷とは媒体の場合、保ＩＩ層および記録磁性
層の少なくとも一部がけずれて、基体の表面が露出した
状態をいう。

第１表 第１表から明らかなように、この発明に基くｓ　＋−Ｚ
ｒ−０系非晶質薄膜からなる保護層は従来より保護層と
して提案されている酸化アルミニウム、炭化タングステ
ン、窒化ボロン、窒化チタン等の薄膜に比べ、より薄い
膜厚で耐久性において著しい向上がみられる。

また、上記実施例によれば記録磁性層が特にＣ０−Ｃｒ
系合金薄膜２であり、この上に３ｉ−７ｒ−０系非晶質
薄膜３が形成されている構造であるため、Ｃｏ−Ｃｒ系
合金薄膜２中のＣｒ酸成分ｓ　＋−ｚｒ−ｏ系非晶貿薄
膜３との接着性向上に寄与するので、中間層を介在させ
ることなく５ｉ−Ｚｒ−０系非晶賀薄膜３の良好な密着
性を１ｑることができる。従って、前述のように３ｉ−
７ｒ−０系非晶質薄膜３自体の膜厚が薄くてよいことと
相まって、媒体・ヘッド間の実効的距離をより効果的に
小さくできることになり、垂直磁気記録においてもスペ
ーシング・ロスが非常に小さく、良好な記録再生特性が
得られるという利点がある。

第２図はこの発明の他の実施例の一１気配録媒体を示す
もので、非磁性基体１１の両面上に蒸着法により下地軟
磁性層１２と、記録磁性層としてのＣｏ−Ｃｒ系合金薄
膜１３が積層形成され、その上に保護層として５ｔ−Ｚ
ｒ−０系非晶ｗ薄膜１４がスパッタリングにより形成さ
れている。下地軟磁性層１２は例えばパーマロイ薄膜、
Ｃｏ−Ｚｒ系合金薄膜またはセンダスト合金薄膜等が使
用される。

このような構成の磁気記録媒体においても、前記実施例
で説明した１１気記録媒体と同様に優れた垂直磁気配録
特性ど、高い耐久性が得られる。

第３図はこの発明のさらに別の実施例の磁気配録媒体を
示すもので、第１図に示した磁気記録媒体における５ｉ
−Ｚｒ−０系非晶質薄膜３上に、潤滑層４として例えば
フロロカーボン系の液体潤滑層が塗布・形成されている
。

この実施例の磁気記録媒体においては、特にＳ＋−Ｚｒ
−０系非晶質薄膜３がフロロカーボン系詞澗剤からなる
潤滑層４のぬれ性、保持能力が優れているため、潤滑層
４を垂直磁気記録特性を損わない程度に薄く、かつ均一
な厚みに塗布することができる。また、５ｉ−Ｚｒ−０
系非晶質薄膜３と潤滑層４との結合力も十分に得られる
。

第２表はＣ０−Ｃｒ系合金薄膜上に形成される保護層お
よび潤滑層の材質の種々の組合せと、耐久性の関係を調
べた結果を示すものである。

第２表 この第２表に示すように、５ｉ−Ｚｒ−０系非晶賀薄膜
上にフロロカーボン系潤滑層を形成したこの発明に基く
磁気配録媒体では、保護層である５ｉ−Ｚｒ−０系非晶
質薄膜および潤滑層を垂直磁気記録に適した薄い厚さに
抑えながら、酸化アルミニウム膜や炭化タングステン膜
等を保護層として用いた従来の磁気記録媒体に比べて耐
久性の著しい改善を示すことが明らかである。

この発明は上述した実施例に限定されるものではなく、
その要旨を逸脱ない節回で種々変形実施することが可能
である。例えば実施例では記録磁性層としてｃｏ−Ｃｒ
系合金薄膜を例示したが、垂直磁気異方性を有するもの
であれば、Ｃｏ−Ｃｒ系合金薄膜以外のものでもよく、
またこのような金属薄膜に限らず金属酸化物薄膜でもよ
い。

さらに、実施例では基体の両面に記録磁性層および保護
層、さらには潤滑層が形成されている磁気記録媒体につ
いて述べたが、これらが片面にのみ形成されている媒体
にも本発明を適用することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例に係る磁気記録媒体の断面
図、第２図はこの発明の伯の実施例に係る磁気記録媒体
の断面図、第３図はこの発明のさらに別の実施例に係る
磁気記録媒体の断面図である。 １・・・樹脂製フィルム状基体、２・・・Ｃ０−Ｃｒ系
合金薄膜（配録磁性層）、３・・・５ｉ−Ｚｒ−０系非
晶質薄膜、４・・・潤滑層、１１・・・非磁性基体、１
２・・・Ｃ０−Ｃｒ系合金薄膜（記録磁性層）、１３・
・・５ｉ−Ｚｒ−０系非晶貿薄膜。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. （１）垂直磁気異方性を有する記録磁性層を備えた磁気
   記録媒体において、前記記録磁性層上にシリコン、ジル
   コニウムおよび酸素を含む非晶質薄膜が形成されている
   ことを特徴とする磁気記録媒体。
2. （２）記録磁性層がＣｏ−Ｃｒ系合金薄膜であることを
   特徴とする特許請求の範囲第１項記載の磁気記録媒体。
3. （３）該磁気記録媒体がフロッピーディスクであること
   を特徴とする特許請求の範囲第１項または第２項記載の
   磁気記録媒体。
4. （４）シリコン、ジルコニウムおよび酸素を含む非晶質
   薄膜上に、さらに潤滑層が形成されていることを特徴と
   する特許請求の範囲第１項記載の磁気記録媒体。