JPS6111522B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、開閉器本体に接続された主電極を
内蔵しかつSF₆（六フツ化硫黄）ガスなどの絶縁
媒体を封入した接地金属容器形電力用開閉機器の
内部異常を検出するようにした開閉機器の故障予
知装置に関する。

従来、この種電力用開閉機器において、内部短
絡事故につながる内部異常、たとえば、部分放電
（コロナ）などの発生を検出する部分放電検出用
電極としては、高圧主電極を包むように内蔵した
筒体金属容器を利用することが可能であつた。

しかしながら、このように、金属容器を部分放
電検出用電極として使用するためには、この金属
容器を接地電位と絶縁して据え付けなければなら
ない。このため、通常金属容器と据付基礎鉄鋼と
の間に絶縁物を挿入することになるが、金属容器
の重量が非常に大である上に、上記絶縁物の長期
的機械強度が十分でないこと、さらに、屋外据え
付けなどの場合には、長期に亘つて水分、紫外線
などに曝されることなどとあいまつて、絶縁物に
十分な電気的機械的強度を維持させることは困難
であつた。

したがつて、長期間据え付け使用される変電所
現場などの電力用開閉機器において、その金属容
器を部分放電検出用電極として利用することは困
難であり、上記開閉機器の絶縁診断を行い、短絡
大事故につながる内部異常を高信頼度で予知する
ことは困難であつた。

この発明は、上記従来の欠点を除去するために
なされたもので、金属容器と据付基礎鉄鋼との間
に絶縁物を挿入することなく、金属容器を接地し
た状態とし、金属容器の接地線にリング状の鉄心
を取り付けることにより、接地線のインダクタン
スが増大することを利用して部分放電を検出する
ようにして、筒体金属容器を絶縁して取り付けす
る必要がなく、かつ外部雑音に影響されにくい開
閉機器の故障予知装置を提供することを目的とす
る。

以下、この発明の開閉機器の故障予知装置の実
施例について図面に基づき説明する。第１図はそ
の一実施例を示す断面図である。この第１図にお
ける１は筒体金属容器であり、複数個長手方向に
連結され、この筒体金属容器１のそれぞれの内部
にはSF₆ガスなどの絶縁媒体２が充填されてい
る。この絶縁媒体２に接触されるように、主電極
３が筒体金属容器１内に収納されている。そし
て、筒体金属容器１内において、主電極３はこの
筒体金属容器１と同軸状になるように、所定の間
隔をもつて複数個の支持用絶縁物４により支持さ
れている。

筒体金属容器１の外側には接地線５の一端が接
続されており、この接地線５はドーナツ状の鉄心
６を通して大地８に接続されている。この接地線
にはコロナ検出器７が接続されており、コロナ検
出器７は大地８に接続されている。接地線５、鉄
心６、コロナ検出器７は各筒体金属容器１ごとに
設けられている。

次に、以上のように構成されたこの発明の開閉
機器の故障予知装置の動作について説明する。主
電極３と筒体金属容器１との間にコロナなどの内
部異常が生じた場合、そのコロナ電流は主電極３
より絶縁媒体２の浮遊容量および支持用絶縁物４
の主電極３と筒体金属容器１との間の容量の２種
の容量を介して筒体金属容器１に流れ、筒体金属
容器１より接地線５を通して大地に流れる。

また、上述のコロナ電流はパルス電流であり、
そのパルスの立上り時間は数10ナノセカンドであ
るため、誘導性インピーダンス（インダクタン
ス）により容易に検出できる。第１図において、
接地線５のみのインダクタンスは極めて小さい
が、図のように、接地線５は鉄心６の中心を貫通
するようにしており、したがつて、接地線５の磁
気抵抗は小さくなり、インダクタンスを増大させ
ることができる。

したがつて、接地線５に鉄心６を設けることに
よつて、筒体金属容器１を大地８から絶縁物を介
して浮かせることなく、接地線５をコロナ検出用
電極として使用することができる。

以上のような接地線５に付随した鉄心６および
コロナ検出器７を複数からなる筒体金属容器１の
それぞれに配設し、それぞれのコロナ検出器７の
出力を集中管理することにより、内部異常個所を
検知することができ、内部短絡大事故を予知し、
未然に防止することができる。

第２図はこの発明の開閉機器の故障予知装置の
他の実施例を示す断面図であり、第１図と同一部
分には同一符号を付してその説明を省略し、第１
図とは異なる部分を重点的に述べることにする。
この第２図の実施例では、隣り合う筒体金属容器
１の接地線５間にコロナ検出器７を設け、両接地
線５間の電位差を検出するようにしてもよい。こ
のようにすることにより、変電所現場などにおけ
る外部雑音を低減することができ、故障予知装置
の信頼性をさらに高めることができる。

以上のように、この発明の開閉機器の故障予知
装置によれば、複数個連結した筒体金属容器のそ
れぞれに接地線を接続し、この接地線を鉄心を通
して接地するようにし、接地線に流れるコロナ電
流などの異常電流を検出器で検出するようにした
ので、筒体金属容器を接地電位から浮させるため
の絶縁取付けが不要となるとともに、外部雑音を
拾いにくいなどの効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の開閉機器の故障予知装置の
一実施例の構成を示す断面図、第２図はこの発明
の開閉機器の故障予知装置の他の実施例を示す断
面図である。 １……筒体金属容器、２……絶縁媒体、３……
主電極、４……支持用絶縁物、５……接地線、６
……鉄心、７……コロナ検出器、８……大地。な
お、図中同一符号は同一部分または相当部分を示
す。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 内部に絶縁媒体が充填され、軸方向に複数個
   連結された筒体金属容器、この筒体金属容器内に
   それぞれ支持用絶縁物を介してほぼ軸心方向に支
   持された主電極、この主電極と上記筒体金属容器
   間に生ずる異常放電による電流を流すために大地
   と各筒体金属容器間に接続された接地線、この接
   地線のそれぞれを周回し各接地線のインダクタン
   スを増大させるための鉄心、上記筒体金属容器と
   主電極間に生ずる異常放電による電流を上記接地
   線より検出する検出器を備えてなる開閉機器の故
   障予知装置。 ２ 検出器は各接地線と大地間に接続され各筒体
   金属容器と主電極間でこの異常放電を検出するこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の開閉
   機器の故障予知装置。 ３ 検出器は隣接する接地線間に接続されてこの
   隣接する接地線間の電位差を検出することにより
   筒体金属容器と主電極間の異常放電を検出するこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の開閉
   機器の故障予知装置。