JPS607143Y2 - ダンボ−ル製パネル材 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は保形性が良好で、かつ特定方向圧に対する受圧
性能にすぐれ、運搬用パレット、球根等輸送容器等に使
用して好適なダンボール製パネル材に関するものである
。

ダンボールは生産性の高さ、波状うね方向の受圧性能か
ら種々の分野に利用されているが、近時、積層する平面
状素紙ならびに波状紙の大巾化の傾向に鑑み、その利用
分野は益々広汎化され、耐水性能の付与などもあって、
極めて多岐にわたっている。

本考案においても、かかる時代の超勢に即応し、ダンボ
ールの利用について、かねてより関心をもち、開発を進
めていたが、平面状素紙と波状紙とを交互に多層にわた
り積層せしめた積層ダンボールをその長手方向に沿って
所要幅に細断し、これを横倒し状に用いることにより、
相当の圧力に耐え得ることを知見するに至り、これを運
搬用パレット材あるいは球根等の輸送を始め多種輸送容
器へ利用することを試みた。

ところが、かかる利用に際し、多層ダンボールはその受
圧性能が頗る良好であるにしても長期使用に対して特定
の欠点を有することが判明した。

即ち、例えば前記多層ダンボールを横倒しにし、これを
所定の拡がりをもつ運搬用パレット材として使用すると
き、時間の経過と共に、パレット材下端の支持脚部間の
部分が上方よりの圧力を受けて、次第に下方へ弧状に彎
曲することである。

これは、パレット上に載せる重量物が多少、変改が許さ
れるものであれば差支えないが、上質紙あるいはフィル
ム等の場合には変形を起し商品個性を低下させることを
免れない。

又、一方、球根等の輸送容器の場合には側方への圧力に
より側面部材が次第に外方に彎曲して張り出し状態を呈
し、遂には容器の破損を生ずることになる。

本考案は叙上のような実状に鑑み１、圧力を受けても張
り出したり彎曲を起すことのない保形能にすぐれたダン
ボール製のパネル材を提供することを目的とするもので
あり、特に積層ダンボールを横方向に用いて受圧性能を
もたせると共に、更にその積層間に硬質材を介装させて
接着なし、かつ少くとも一面に平面状素材を層着せしめ
た構成を特徴とする。

即ち、本考案の構成は複数の所要細幅、所要長さの平面
状素紙と、該平面状素紙と同幅同長の波状屈曲を有する
波状紙とを横立状態で、平面状素紙の間に波形状が介在
する如く波状紙を配し両紙を交互に並列固着して単位材
となし、その所要単位を横立状態紙面で接合して横方向
に適宜の拡がりをもつパネル本体を形成すると共に、該
パネル本体の前記各単位材の接合部の全部又は一部に前
記両紙の幅に対応する幅の硬質板を横立状態で介装挾持
し、かつパネル本体の少くとも一面にベニヤ板、ボール
紙などの平面状素材を層着せしめた点にある。

以下、添付図面を参照しつつ本考案の実施例を説明する
。

第１図は本考案に係るパネル材１の１例であり、所要幅
の平面状素紙２と波状紙３とを進行長手方向に向かい波
状紙３の畝方向を該長手方向に直交せしめて上下交互に
複数層又は多層にわたり積層し、所要長さ毎にカットし
、これを長手方向に沿って爾後におけるパネル材１の厚
さに合わせた巾をもって細断し、素紙２と波状紙３とを
横方向に直交状態で交互に並列するように横倒しに用い
た素材を単位とし、この単位材を使用目的に適合した拡
がりに合わせて所要数、横方向に接合することによって
所要の拡がりをもつパネル本体として構成している。

そして、上記構成において、互いに接合された単位材の
間には前記細断幅と同じ幅をもつ細巾の金属板又は硬質
樹脂板などからなる硬質板４が互いに隣接する前記単位
材の素紙２と素紙２との間に介装されてそれら素紙２に
接着剤をもって接着されている。

勿論、この硬質板４は各単位材の間に配置するのが望ま
しいが、必らずしも全部ではなく、一部の間に、適宜間
隔をおいて配置合着せしめても差支えない。

なお、前記硬質板は細断された表裏幅面を隣接する素紙
面に接着するものであり、これによって板厚面が圧力受
止面となっている。

従って、この板厚は使用目的に適合して選択されるが、
通常１ｒＩｒｒ１１前後で充分、効果を奏する。

図中、５，６はパネル本体の上下両面に貼着重合された
表装用の平面状素材であり、ベニヤ板あるいはボール紙
等の比較的厚手の紙が用いられ、夫々、用途によって選
定され、前記パネル本体における各単位材の接合形態を
安定ならしめている。

この平面状素材５，６の層着は図示例ではパネル本体の
両面に対し重合されているが、両面に限るものではなく
、片面に対してのみの層着とすることもできる。

しかして、上記の如く構成されたパネル材１は、その拡
がり面を受止面とする圧力に対して、積層ダンボールを
形成する平面状素紙２と波状紙３とが共に側面側で受圧
することになり、かつ同時に硬質板４も板厚側面で受圧
して全体的に受圧能力が大となり、しかも硬質板４の耐
彎曲性によって全面にわたって平面状態を確保し、受圧
壁面として優れた機能を発揮することができる。

従って、かかる機能を利用して各種製品への応用が行な
われる。

第２図乃至第４図はかかる応用の各側であり、第２図は
例えば球根等輸送容器として作成した場合、第３図及び
第４図はパレットとして利用した場合である。

第２図における容器においては、前記パネル材１によっ
て底面ならびに側周壁が形成されており、しかも、これ
ら各パネル材１はコーナ一部において、そこに形成され
る方形余剰空間に支柱７を出し入れ自在に嵌挿すること
によってその形態が安定的に保持されている。

従って、この支柱７を第２図矢示の如く抜き出せば、パ
ネル１のコーナ一部が互いに衝合し全体として折り畳み
が可能となる。

そしてかかる輸送容器にあって、内部に球根等が収納さ
れるときは、内部の嵩張り、重量によって、底面へは下
方へ向け、側面には側方に膨出しようとする圧力が加わ
るが、夫々の圧力付加方向に対し積層ダンボールの平面
状素紙２及び波状紙３は平行となり、かつ硬質板４も平
行となるので下方又は側外方への膨出は阻止され、常に
正常な形態を維持し容器の破損は全く起らない。

なお球根等の輸送の場合には湿分を含むことがあるので
、このようなときにはパネル材１の表装用の平面状素材
として耐水性の素材を用いるか、耐水加工を施すように
すれば、充分、耐湿効果が得られ、何ら支障を生じるこ
とがない。

一方、第３図及び第４図におけるパレット形態において
は、前記パネル材１を、その拡がり面をもって載置面と
し、支持脚３を該パネル材１の硬質板４介装方向と直交
方向に取着することによって形成する。

この場合、硬質板４介装方向と同方向に支持脚８を取着
したのでは折角の硬質板の剛性が活用されなくなるので
好ましくない。

従って、硬質板４介装方向と支持脚８の取着方向が直交
することにより、硬質板４は隣接する支持脚によって互
いに支持され、下方への彎曲に対し強力な抵抗を発揮す
る。

そのため支持脚８で支持されている中間部分が載置され
た重量物の重量によって次第に下方へ彎曲し変形しよう
とする傾向を阻止し、載置面を正常な平面状態に維持す
ることができることになる。

これは、薄葉紙、編織布など、反りあるいは変形を嫌う
商品の場合には重要なことであり、商品価値の低下を回
避することができる。

以上は輸送容器及びパレット材に利用した場合の例であ
るが、本考案パネル材１は、上記外、更に必要に応じ種
々の製品に応用し得ることは云うまでもない。

本考案パネル材は以上の如く、積層ダンボールの平面状
素紙及び波状紙を横立状態として所要の拡がりをもつ本
体に形成すると共に、横立された各単位材の間の全部又
は１部に剛性をもつ硬質板をその表裏両面で隣接平面状
素紙と接着し介在させたものであるから、横立された積
層ダンボールの拡がり面によって数面への圧力を強力に
受止することができると共に、更に前記挾持された硬質
板の剛性によってパネル全体の形態を確固ならしめ、受
圧によって生じ易いパネル板の彎曲を阻止して長期にわ
たり正常な平面状態を確保し、かつ硬質板のもつ強力、
耐圧性と相俟ってパネル材の強化を図り、各種用途への
応用を広汎ならしめ、ダンボール素材の利用拡大をもた
らすことができる。

しかも又、本考案パネル材はその少くとも一面に表装用
の平面状素材を層着していので、ダンボール面が露顕す
ることがなく、利用に際し、平面状態を維持し易い利点
があると共に、更にパネル材全体の形態を安定させ全面
にわたり均等な受圧作用をもたらすことによって全面の
強力を平均化させる効果があり、ダンボールを利用した
パネル材として今後にその利用が期待される素材である
。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るパネル材の１例を示す一部切欠斜
視図、第２図は同パネル材の応用例として容器に利用し
た場合の一部切欠斜視概要図、第３図は本考案パネル材
の他の応用例を示す一部切欠斜視図、第４図は第３図Ａ
−Ａ矢視断面図である。 １・・・・・・パネル材、２・・・・・・平面状素紙、
３・・・・・・波状紙、４・・・・・・硬質板、５，６
・・・・・・層着平面状素材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 複数の所要細幅、所要長さの平面状素紙と、該平面状素
   紙と同幅同長の波状屈曲を有する波状紙とを横立状態で
   、細幅平面状素材の間に波形状が介在する如く波状紙を
   配し両紙を交互に並列固着して単位材となし、その所要
   単位を横立状態紙面で接合して横方向に適宜の拡がりを
   もつパネル本体を形成すると共に、該パネル本体の前記
   各単位材の接合部の全部又は一部に前記両紙の幅に対応
   する幅の硬質板を横立状態で介装挟着し、かつパネル本
   体の少くとも一面にベニヤ板、ボール紙などの平面状素
   材を層着してなることを特徴とするダンボール製パネル
   材。