JPS607022B2 - 切削工具用立方晶窒化硼素基超高圧焼結材料 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、すぐれた耐摩耗性、靭‘性、耐落着性、お
よび耐熱衝撃性を有し、特にＮｉ基またはＣｏ基スーパ
ーアロィや高硬度鋼などの切削が困難な材料の切削に切
削工具として使用するのに通した立方晶窒化棚秦基超高
圧焼給材料に関するものである。

近年Ｌ 立方晶窒化棚素（以下ＣＢＮで略記する）を主
成分とする超高圧暁結材料を切削工具として使用する試
みがなされている。

このＣＢＮ基競結材料は、すぐれた耐摩耗性を有するも
のであって、分散相を形成するＣＢＮ粒子の結合相によ
って２種類に大別されている。すなわち、その１つが結
合相を鉄族金属、あるいは鉄族金属とＡＩなどを主成分
とする金属で構成するものであり、他のものが窒化チタ
ン、炭化チタン、窒化アルミニウム、または酸化アルミ
ニウムなどを主成分とし、金属を含有しないセラミック
で結合相を構成したものである。しかし、前者の結合相
を金属で構成したＣＢＮ基超高圧焼結材料においては、
金属結合相によって高靭性をもつようになる反面、高温
で軟化しやすく、したがってこれを多大な熱発生を伴う
苛酷な切削条件で使用した場合には耐摩耗性および耐落
着性不足をきたして十分なる切削性能の発揮は期待でき
ず、熱発生の少ない条件でしか使用することができない
ものである。一方、後者のＣＢＮ基超高圧暁結材料にお
いては「結合相がセラミックで構成されているために、
多大な熱発生を伴う条件下ですぐれた耐摩耗性および耐
溶着性を示すが、反面靭性不足や耐熱衝撃性不足となる
のを避けることができず、例えばダイス鋼などの高硬度
鋼のフライス切削などの刃先に大きな衝撃力の加わる切
削条件下ではピッチングや欠損を起し易いものである。
そこで、本発明者等は、上述のような観点から、多大な
熱発生を伴う苛酷な切削条件、並びに刃先に大きな衝撃
力の加わる切削条件下ですぐれた切削性能を発揮するＣ
ＢＮ基超高圧焼結材料を開発すべ〈研究を行なった結果
、ＣＢＮ基超高圧焼結材料を、重量％で、分散相形成成
分としての周期律表の岬および弦Ｚ族金属の炭化物、窒
化物、および炭窒化物、並びに同鞘族金属の炭化物、さ
らにこれらの２種以上の固港体のうちの１種または２種
以上（以下、これらを総称して金属の炭・窒化物という
）：１０〜６０％、
Ｚ同じく分散相形成成分としてのＡＩの炭化物、
窒化物、炭窒化物「および馴化物のうちの１種または２
種以上（以下、これらを総称してＡＩの炭・窒・棚化物
という）：１〜３０％、結合相形成成分としてのＮｉ、
Ｃｏ、およびＦｅの２うちの１種または２種以上（以下
、これらを総称して鉄族金属という）：１〜１０％、同
じく結合相形成成分としてのＰｄ、Ｒｕ、およびＲｈの
うちの１種または２種以上（以下、これらを総称して白
金族金属という）：１〜１０％、 ２を含有し、残りが
分散相形成成分としてのＣＢＮ（ただし３０〜９の容量
％含有）と不可避不純物からなる組成で構成すると、こ
の結果のＣＢＮ基超高圧焼綾材料は、すぐれた耐摩耗性
、靭性、耐溶着性、および耐熱衝撃性を有することから
、これを３例えばＮｉ基またはＣｏ基スーパーアロィや
高硬度鋼などの切削に切削工具として用いた場合に、ど
んな苛酷な切削条件下においてもすぐれた切削性能を発
揮するという知見を得たのである。

この発明は、上記知見にもとづいてなされたも３のであ
って、以下に成分組成範囲を上記の通りに限定した理由
を説明する。

｛ａ｝ 金属の炭。

窒化物これらの成分には、分散相を形成して材料に靭一
性と耐熔着性を付与する作用があるが、その４含有量が
１０％未満では所望のすぐた鞠性および耐熔着性を確保
することができず、一方６０％を越えて含有させると材
料の耐摩耗性が劣化するようになることから、その含有
量を１０〜６０％と定めた。

なお、２０〜４５％を含有させた場合に最もすぐれた特
性が得られるものである。｛ｂ｝ 山の炭・窒・棚化物 これらの成分も金属の炭・窒化物と同様に分散相を形成
するが、この成分の含有によって材料は著しくすぐれた
耐熱衝撃性をもつようになる。

しかし、その含有量が１％未満では所望の耐熱衝撃性を
確保することができないので、１％以上の含有が必要で
あるが、その含有量が３０％を越えると、ＣＢＮ粒子が
粒成長し易くなり、この結果材料の耐摩耗性が低下する
ようになることから、３０％を越えて含有させてはなら
ない。｛ｃ｝ 鉄族金属 これらの成分には、分散相を形成するＣＢＮ粒子、金属
の炭・窒化物粒子、およびＡＩの炭・窒・棚化物粒子の
間に廻り込んで、材料製造時には焼結性を一段と改善し
、かつ材料中においては結合相を形成して材料の鞠性を
向上させる作用があるが、その含有量が１％未満では前
記作用に所望の効果が得られず、材料は鋤性の劣ったも
のとなり、一方１０％を越えて含有させると、相対的に
結合相が多くなりすぎて耐摩耗性および耐凝着性が劣化
するようになることからＬその含有量を１〜１０％と定
めた。

‘ｄ｝ 白金族金属 これらの成分には、鉄族金属と同様に競絹性を促進し、
かつ結合相を形成して材料の鞠性を向上させる作用があ
るほか、結合相の耐熱性（耐高温酸化性）・および耐漆
着性を向上させ、この結果として材料の耐摩耗性、特に
切削工具刃先の耐クレータ摩耗性を向上させる作用があ
るが、その含有量が１％未満では、これらの作用に所望
の効果が得られず、一方１０％を越えて含有させると、
相対的に結合相が多くなりすぎて耐摩耗性、特に刃先の
逃げ面摩耗が増大する傾向が現われるようになることか
ら、その含有量を１〜１０％と定めた。

‘ｅ｝ ＣＢＮの容量％ この成分は著しく高い硬さ並びにすぐれた耐熱性をもつ
ことから、この成分の含有によって材料はきわめてすぐ
れた耐摩耗性および耐熱性を有するようになるが、その
含有量が３畔容量％未満では所望の前記特性を確保する
ことができず、一方９０容量％を越えて含有させると「
ＣＢＮ粒子同志の接触割合が多くなりすぎて、材料が腕
化するようになるばかりでなく、暁結性も劣化し、材料
中に微細なポア−が残存し易くなって耐摩耗性の劣化を
招くようになることから、その含有量を３０〜９破き量
％と定めた。

なお、このＣＢＮの含有量を容量％で示したのは、例え
ばＣｏとＣＢＮの比重を比較した場合、Ｃｏ：８．７１
タ′の、ＣＢＮ：３．４８タ′洲を示し、両者の差が著
しく、したがって、その含有量が重量的に少なくても実
質的に特性に影響を及ぼす容量割合ではかなりの量にな
るからである。また、この発明の切削工具用ＣＢＮ基超
高圧焼結材料は、実用に際して、単独で、あるいは炭化
タングステン基超硬合金や炭化チタン基サーメットなど
の高剛性材料と複合した状態で、スローアウェイチップ
として使用することができ、さらにこれらのチップを炭
化タングステン基超硬合金や焼入れ鋼などからなるホル
ダの先端部にろう付けにより取り付けた状態で使用する
ことができる。

つぎに、この発明のＣＢＮ基暁結材料を実施例により具
体的に説明する。実施例 原料粉末として、平均粒径：６仏のを有するＣＢＮ粉末
、いずれも１仏肌の平均粒径を有するＴＩＣ粉末、Ｚｒ
Ｃ粉末、ＨｆＣ粉末、ＶＣ粉末、Ｎ比粉末、ＴａＣ粉末
、Ｃｒ３Ｃ２粉末、Ｍｏ２Ｃ粉末、ＷＣ粉末、ＴＩＮ粉
末、ＺｒＮ粉末、ＨｆＮ粉末、ＶＮ粉末、ＮｂＮ粉末、
ＴａＮ粉末、ＴＩＣＮ粉末、ＺにＮ粉末、ＶＣＮ粉末、
ＴａＣＮ粉末、（Ｔｉ、Ｗ）Ｃ粉末、（Ｚｒ、Ｔａ）Ｃ
粉末、（Ｔｊ、Ｚｔ）Ｃ粉末、（Ｔｉ、Ｔａ、Ｗ）Ｃ粉
末、（Ｔｉ、Ｚｒ）Ｎ粉末、（Ｎｂ、Ｔａ）Ｎ粉末、（
Ｔｉ、Ｗ）ＣＮ粉末、（Ｔｉ、Ｚｒ）ＣＮ粉末、（Ｚｒ
、Ｍｏ、Ｗ）ＣＮ粉末、（Ｔｉ、Ｔａ、Ｗ）ＣＮ粉末、
Ｍ４Ｃ３粉末、ＡＩＮ粉末、ＡｉＣＮ粉末、ＡＩＢ２粉
末、Ｐｄ粉末「Ｒ叫粉末、およびＲｈ粉末、いずれも同
２仏ののＣｏ粉末、Ｎｉ粉末、およびＦｅ粉末を用意し
、これら原料粉末をそれぞれ第１表に示される配合組成
に配合し、通常の条件でボールミルにて混合した後、２
℃ｎ／流の圧力で直径：１５肌？×厚さ：１．５伽の寸
法をもつた円板状圧粉体に成形し、ついでこれらの圧粉
体を、基材となるＷＣ：８４％、Ｃｏ：１６％からなる
配合組成を有し、かつ同一の条件で成形した直径：１５
肋？×厚さ：３側の寸法をもった円板状圧粉体と重ね合
せた状態で、公知の超高圧高温発生装置の容器内に挿入
し、圧力：４弧ｂ、温度：１３００℃、保持時間：５分
の条件で超高圧焼結することによって、実質的に配合組
成と同一の成分組成をもった本発明超高圧暁結材料１〜
２８および比較超高圧焼結材料１〜１０をそれぞれ製造
した。

なお、比較超高圧焼結材料１〜１０は、いずれも構成成
分のうちのいずれかの成分含有量（第１表に※印を付し
たもの）がこの発明の範囲から外れた組成をもつもので
ある。Ｑ船 縦 Ｓ 聡 船 ついで、この結果得られた本発明超高圧焼給材料１〜２
８および比較超高圧焼結材料１〜１０について、ビッカ
ース硬さを測定すると共に、靭性を評価する目的で、ビ
ッカース硬さ測定後の圧痕の先端から発生した亀裂長さ
尊こもとづいて破壊鞠性値Ｋｃを求め、さらに耐熱衝撃
性を評価する目的で、その表面に放電を施し、放電後形
成された亀裂本数を測定した。

また、耐摩耗性および耐溶着性を評価する目的で、被削
，材：ＳＫＤ−１１（硬さ：ロックウェル硬さＣスケー
ル６０）、切込み：０．２側、送り；０１側／ｒｅｖ．
切削速度：１２０の′ｍｉｎ、切削油なしの条件で切削
試験を行ない、切刃の逃げ面摩耗が０．２肋に到るまで
の切削時間を測定した。これらの結果を第１表に合せて
示した。第１表に示される結果から、本発明超高圧焼結
材料１〜２８は、いずれもすぐれた鞠性、耐熱衝撃性、
耐摩耗性、および耐溶着性を有し、したがって高速度鋼
などの難肖り村においてもすぐれた切削性能を示すのに
対して、比較超高圧焼結材料１〜１０に見られるように
、構成成分のうちのいずれかの成分含有量でもこの発明
の範囲から外れると、前記の特性のうち、少なくともい
ずれかの特性が劣ったものになり、良好な切削性能が得
られないことが明らかである。上述のように、この発明
のＣＢＮ基超高圧焼結材料は、すぐれた鞠性、耐熱衝撃
性、耐摩耗性、および耐溶着性をすべて兼ね備えている
ので、これらの特性が必要とされる難削材の切削に切削
工具として用いた場合にきわめて長期に亘つてすぐれた
切削性能を安定的に発揮するのである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 周期律表の４ａおよび５ａ族金属の炭化物、窒化物
   、および炭窒化物、並びに同６ａ族金属の炭化物、さら
   にこれらの２種以上の固溶体のうちの１種または２種以
   上：１０〜６０％、 Ａｌの炭化物、窒化物、炭窒化物
   、および硼化物のうちの１種または２種以上：１〜３０
   ％、 Ｎｉ、Ｃｏ、およびＦｅのうちの１種または２種
   以上：１〜１０％、 Ｐｄ、Ｒｕ、およびＲｈのうちの
   １種または２種以上：１〜１０％、を含有し、残りが立
   方晶窒化硼素（ただし３０〜９０容量％含有）と不可避
   不純物からなる組成（以上重量％）を有することを特徴
   とする切削工具用立方晶窒化硼素基超高圧焼結材料。