JPS6045921B2 - 連続的に作業する全壁型向流式遠心抽出器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は別別の供給部を介して供給される比重の異なつ
た２つの液体を混合しかつ分離するための連続的に作業
する全壁型向流式遠心抽出器であつて、水平な軸線を中
心にして回転するように駆動される少なくとも部分的に
円錐形の遠心ドラムが設けられていて、該遠心ドラムが
清澄区域と混合区域とを有し、該混合区域への液体の供
給が、遠心ドラム内に配置された室から行なわれるよう
になつており、遠心ドラム内に該遠心ドラムとは異なつ
た回転数で回転するように駆動されるコンベヤスクリュ
が設けられていて、該コンベヤスクリュが遠心ドラムの
内壁に適合するように形成された螺条を有し、スクリュ
ボスと遠心ドラムとの間に形成された分離室に遠心力を
受けて沈積する固形分を、円錐形に先細のドラム端部範
囲に形成された固形分搬出部に搬送するようになつてお
り、さらに、第１の液相を排出するために導出室に配置
された導出装置と、オーバフロー堰によつて分離室に対
して制限されかつ導出室に対して閉じられた第２の液相
のための流出室とが設けられている形式のものに関する
。

このような形式の全壁型向流式遠心抽出器は例えばドイ
ツ連邦共和国特許第２９０１６０７号明細書に基づいて
公知である（第２図参照）。

上記形式の遠心抽出器は、抽出物を含んだ有利には多く
の固形分を含んだ液体から溶解している抽出物を液状の
抽出媒体によつて該抽出媒体内に移すために、使用され
る。

この場合抽出媒体に対する抽出物の可溶性が抽出物を含
んだ液体に対する抽出物の可溶性よりも大きいことが望
ましい。抽出媒体は比重の軽い液相又は比重の重い液相
のどちらでもよい。 高い抽出量を得るために、抽出さ
れる固形分を抽出物及び固形分を含んだ水性の液相から
抽出媒７体に移すことは両液相の十分な混合又は内的な
接触を前提条件とする。

得られる抽出段階の数ひいては抽出量は、混合区域にお
けるこの抽出過程が向流式に行なわれると、極めて高く
なる。向流式抽出の場合にはさらに抽出過程が極めて僅
から抽ク出媒体量で行なわれ得るという利点がある。
公知の遠心抽出器では２つの液相が別別の供給部を介し
てスクリュボス内に配置された別別の室に運ばれ、この
各室からそれぞれの開口を介して、コンベヤスクリュの
螺条の範囲に設けられたテ混合区域に導入される。この
場合に両液体は向流式に強く混合されながらコンベヤス
クリュの螺条を貫流するようになつている。 しかしな
がらこの公知の遠心抽出器では、両液相間の濃度差があ
まり大きくなくかつ両液体が容ノ易に乳濁液を形成する
傾向がある場合にしか、混合区域内における両液相間の
内的な接触ひいては十分な混合効果は得られない。

ドイツ連邦共和国特許第２７０１７６３号明細書に開
示された遠心抽出器では、強力な混合を目的として混合
区域の範囲において螺条の内部にセグメント又は成形部
材のようないくつかの接触箇所が設けられているが、し
かしながらこれらの接触箇所は、精密な実験において示
された様に極めて制限されてしか混合効果に影響を与え
ることができない。

それというのは、螺条のなかで混合された両液体は該液
体に作用する遠心力の影響を受けて極めて迅速に再び分
離されてしまい、結局両液体の所望の混合は著しく制限
されてしか達成されない。５ 実験によつてさらに
判明したことによると、スクリュボス内の室から混合区
域への液体の進入時に液体が直接その都度他方の液相に
導入されると、最も強力な混合効果が得られる。

このことは、比重の重い液相が混合区域に進入する場合
に４ 言えるが、この場合この液相はその大きな比重
に基づいて比重の軽い液相を貫いてドラムの外側範囲に
流れ、この結果比重の重い液相は比重の軽い液相と内的
に接触する。これに対して軽い液相は、混合区域への流
入時にほとんど比重の重い液相の表面としか接触しない
ので、この場合比較的僅かな混合効果しか得られない。
ゆえに本発明の課題は、冒頭に述べた形式の全壁型向流
式遠心抽出器を改良して、複数の強力な接触箇所が混合
区域の範囲において得られるようにし、抽出器の抽出効
果を改善することである。

この課題を解決するために本発明の構成ては、混合区域
内において軽い液相の流入部と重い液相の流入部との間
に少なくとも１つのオーバフロー堰が配置されていて、
該オーバフロー堰が混合区域を２つの混合分離室に分割
しており、軽い液相をスクリュボス内の室から第１の混
合分離室に供給するために供給通路が設けられていて、
該供給通路がドラム周壁の内壁近くで比重の重い液相の
範囲において開口しており、第１の混合分離室から分離
された軽い液相を次の第２の混合分離室に導出するため
に単数又は複数のオーバフロー通路がオーバフロー堰に
配置されていて、該オーバフロー通路が同様に重い液相
の範囲において開口しているようにした。比重の軽い液
相のために、ドラム周壁の内壁の近くにまてひいては比
重の重い液相の範囲に達している供給通路が配置されて
いること及び、第１の混合分離室において分離された比
重の軽い液相のための、同様に比重の重い液相の範囲に
まで達しているオーバフロー通路を備えたオーバフロー
堰が混合区域の範囲に付加的に配置されていることによ
つて、抽出器には２つの付加的な強力な混合接触箇所が
形成され、この結果抽出器における抽出効果は著しく改
善される。

次に図面につき本発明の実施例を説明する。

第１図に示されている全壁型向流式遠心抽出器は円筒・
円錐形に形成されたドラム１から成つており、このドラ
ム１のなかには、ドラム周壁２とは異なつた回転数で回
転するように駆動されるコンベヤスクリュ３が配置され
ている。コンベヤスクリュ３は、ドラム周壁２の内壁に
適合された螺条４を有している。コンベヤスクリュ３と
ドラム周壁２との間の異なつた回転数の調整はコンベヤ
スクリュ３及びドラム周壁２に結合されたサイクロ伝動
装置によつて行なわれる。ドラム１自体は、ケーシング
周壁７とケーシングカバー８とから成るケーシング６に
おいて回転可能に支掌されている。サイクロ伝動装置５
を介して行なわれるドラム周壁２及びコンベヤスクリュ
３の駆動は例えば、Ｖベルト９，１０を介してサイクロ
伝動装置５をひいてはドラム周壁２及びコンベヤスクリ
ュ３を所定の回転数にもたらす図示されていない電動機
によつて行なわれる。 分離室にはスクリュボス１１と
ドラム周壁２との間の螺条４の範囲に仕切り円板１２，
１３が配置されており、これらの仕切板１２，１３は分
離室を清澄区域１４，１５と混合区域６とに分割しｌ
ている。

混合区域１６のなかにはオーバフロー堰１７が配置され
ており、このオーバフロー堰１７はドラム周壁２の内壁
に対して環状間隙を有しかつスクリュボス１１に対して
は閉じられていて字形に形成されており、しかも混合区
域１６を第１の混合分離室１８と第２の混合分離室１９
とに分割している。Ｌ字形のオーバフロー堰１７の軸方
向に延びている脚にはオーバフロー通路２０が設けられ
ていて、このオーバフロー通路２０の開口は第２の混合
分離室１９における比重の重い液相の範囲に達していて
、第１の混合分離室１８において分離された比重の軽い
液相を導出するために働く。 比重の軽い液相を供給す
るために供給導管２１が設けられていて、この供給導管
２１は、スクリ・ユボス１１のなかに配置された室２２
に開口している。

室２２からは単数又は複数の供給通路２３が延びていて
、これら供給通路２３はドラム周壁２の内壁の近くで第
１の混合分離室１８における比重の重い液相の範囲に開
口している。比重の軽フい液相のための供給導管２１は
、比重の重い液相を供給するための供給導管２４によつ
て取り囲まれていて、室２２に対して間隔をおいて同じ
くスクリユホス１１のなかにある室２５に開口しており
、しかも、第２の混合分離室１９の範囲に開口５する単
数又は複数の流出開口２６を有している。 比重の軽い
液相の導出が、ケーシングカバー８のなかに位置してい
てオーバフロー堰２９によつて清澄区域１５に対して制
限されている導出室２８に配置された導出装置２７を介
して行なわれるＯのに対して、ドラム１の清澄区域１４
からの比重の重い液相の導出はオーバフロー管３０を介
して行なわれる。このオーバフロー管３０は環状通路３
１に開口し、この環状通路３１から液体は流出通路３２
を介してドラム１からケーシングカバー８に導出される
。このケーシングカバー８からさらに重い液相は導出部
３３に導かれる。ドラム１内で遠心分離された固形分は
ドラムの円錐形範囲に配置されたコンベヤスクリュ３に
固定された螺条４によつてドラム周壁２に設けられた搬
出開口３４に送られ、ケーシン周壁７に設けられた搬出
開口３５を介して搬出される。

上述の抽出器の作用形式は以下の通りである：抽出器の
ドラム１が運転回転数にもたらされた後で、ます初め固
形分を含んだ比重の重い液体が供給導管２４を介してス
クリュボス１１内の室２５に供給され、次いで液体はこ
の室２５から流出開口２６を介して混合区域６の範囲に
達する。

ドラム１がある一定の量の比重の重い液体で満たれるや
否や、この液体は円錐形のドラム部分の方向に流れ、オ
ーバフロー管３０、環状通路３１及び流出通路３２を介
して回転するドラム１から無圧状態で搬出される。同時
に、ドラム１内で遠心分離されかつドラム周壁２の内壁
に沈積した固形分はコンベヤスクリュ３の螺条４によつ
てとらえられ、ドラム周壁２に設けられた搬出開口３４
の方向に送られ、比較的乾燥した状態でドラム１から搬
出される。ドラム１が比重の重い液体によつて満たされ
た後で、供給導管２１を介して比重の軽い液体例えは抽
出媒体が比重の重い液体に対して向流でドラム１に供給
される。

その比重の軽い液体はまず初めスクリュボス１１内の室
２２に達し、この室２２において堰止めた液体及びこれ
に関連した圧力降下によつて、この室２２から供給通路
２３を介，してさらに混合区域１６内の比重の重い液相
の範囲においてコンベヤスクリュの螺条４の間の混合分
離室１８に達する。この場合に比重の軽い液体全体は比
重の重い液相を貫流し、さらに、回転するコンベヤスク
リュ３とこれとは異なつた回転数！で回転するドラム周
壁２との間で両液体は付加的に渦流によつて掻き回され
、、この混合分離室１８において両液体は強力に混合さ
れる。両液体間の比重の違い及びドラムにおける液体の
滞在時間に応じて、螺条４の間において両液体クの向流
時にも両液体間のある程度の分離が行なわれ、この結果
、第１の混合分離室１８において少なくとも部分的に再
び分離された比重の軽い液相は、比重の重い液相とのさ
らに強力な混合のために使用され得る。

これは次のことによつて達成される。すなわち、第１の
混合分離室１８から分離された比重の軽い液相は２つの
混合分離室１８，１９を仕切つているオーバフロー堰１
７とオーバフロー通路２０とを介して第２の混合分離室
１９の比重の重い液相に導入され、そこで同様に再び両
液体は強力に混合される。流出側に向かつて清澄区域１
５に流れる途中で比重の軽い液相は向流フ式に、流出開
口２６から流入する比重の重い液相を貫流し、この結果
この箇所において両液体間の第３の強力な混合が行なわ
れる。比重の軽い液体はさらに清澄区域１５を介して導
出室２８達し、この導出室２８から導出装置２７を介し
て圧力下：でドラム１から搬出される。第２図には主と
して第１図の混合区域１６が拡大されて示されており、
わかりやすくするためにドラム１内における液体及び固
形分の状態が略示されており、この場合軽い液相は短い
縦線で重い゛液相は横線で示されている。

本発明はもちろん、抽出される比重の重い液相が固形分
と共にドラムから搬出されるような形式の全壁型向流式
遠心抽出器のためにも使用することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による全壁型向流式遠心抽出器を概略的
に示す垂直縦断面図、第２図は第１図に示された遠心抽
出器の混合区域を拡大して示す部分的な断面図である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 別別の供給部を介して供給される比重の異なつた２
   つの液体を混合しかつ分離するための連続的に作業する
   全壁型向流式遠心抽出器であつて、水平な軸線を中心に
   して回転するように駆動される少なくとも部分的に円錐
   形の遠心ドラムが設けられていて、該遠心ドラムが清澄
   区域と混合区域とを有し、該混合区域への液体の供給が
   、遠心ドラム内に配置された室から行なわれるようにな
   つており、遠心ドラム内に該遠心ドラムとは易なつた回
   転数で回転するように駆動されるコンベヤスクリュが設
   けられていて、該コンベヤスクリュが遠心ドラムの内壁
   に適合するように形成された螺条を有し、スクリュボス
   と遠心ドラムとの間に形成された分離室に遠心力を受け
   て沈積する固形分を、円錐形に先細のドラム端部範囲に
   形成された固形分搬出部に搬送するようになつており、
   さらに、第１の液相を排出するために導出室に配置され
   た導出装置と、オーバフロー堰によつて分離室に対して
   制限されかつ導出室に対して閉じられた第２の液相のた
   めの流出室とが設けられてる形式のものにおいて、混合
   区域１６内において軽い液相の流入部と重い液相の流入
   部との間に少なくとも１つのオーバフロー堰１７が配置
   されていて、該オーバフロー堰１７が混合区域１６を２
   つの混合分離室１８，１９に分割しており、軽い液相を
   スクリュボス１１内の室２２から第１の混合分離室１８
   に供給するために供給通路２３が設けられていて、該供
   給通路２３がドラム周壁２の内壁近く比重の重い液相の
   範囲において開口しており、第１の混合分離室１８から
   分離された軽に液相を次の第２の混合分離室１９に導出
   するために単数又は複数のオーバフロー通路２０がオー
   バフロー堰１７に配置されていて、該オーバフロー通路
   ２０が同様に重い液相の範囲において開口していること
   を特徴とする、連続的に作業する全壁型向流式遠心抽出
   器。 ２ 混合区域１６がコンベヤスクリュ３の螺条４の間に
   配置されてる特許請求の範囲第１項記載の全壁型向流式
   遠心抽出器。 ３ 混合区域１６が清澄区域１４，１５に対して仕切り
   円板１２，１３によて制限されている特許請求の範囲第
   ２項記載の全壁型向流式遠心抽出器。 ４ オーバフロー堰１７がドラム周壁２の内壁に対して
   は環状間隙を有しかつ、スクリュボス１１に対しては閉
   じられている特許請求の範囲第１項記載の全壁型向流式
   遠心抽出器。 ５ オーバフロー堰１７がＬ字形に形成されている特許
   請求の範囲第４項記載の全壁型向流式遠心抽出器。 ６ オーバフロー通路２０がオーバフロー堰１７の軸方
   向に延びている脚に配置されている特許請求の範囲第１
   項乃至第５項のいずれか１項記載の全壁型向流式遠心抽
   出器。