JPS6045401A - 複合ポリエステルコ−ド補強空気タイヤ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は新規なポリエステルコードよりなるカーカスプ
ライを備えだ、ユニフオミテイ及び操縦安定性の優れた
空気入りラジアルタイヤに関し、更に詳しくは、高速紡
糸ポリエステル繊維と、芳香族ポリアミド繊維よりなる
複合ポリエステルコードを用いたカーカスプライを備え
だタイヤに関するものである。

ポリエステルコードは強度及び剛性が大きく、ラジアル
構造のタイヤのカーカスプライとして広く用いられてい
る。ラジアルタイヤはその製造工程に於て、多数本のコ
ードを平行に配列し、すだれ織にしてこれにゴムコーテ
ィングを施したのち、コードの長さ方向に対して直角に
裁断し、裁断片の両側縁のコードを１〜５本分互に重ね
合せるようにして、各裁断片を順次繋ぎ合せて、コード
を幅方向に配列した一定幅の長尺のス）　ＩＪツブとし
、このストリップをコードに沿って所定の長さに切断し
て、両切断端を重ね接ぎして円筒状カーカスプライを形
成する。このカーカスプライにビード組立体、ベルト、
サイドウオールゴム、トレッドゴム等を順次貼合せてグ
リーンタイヤを形成し、加硫モールド中で内圧を作用さ
せながら加硫成型してタイヤを製造する。従ってカーカ
スプライには、すだれ織裁断片の接ぎ目がいくつか必ず
含まれている。この接ぎ目の部分はコードの密度が他の
部分の２倍となり、局部的にカーカスの剛性が高くなっ
ている。タイヤ製造の加硫工程では、タイヤの加硫内圧
と温度を加えるので、加硫中内圧によって受けるコード
１本当りの張力は重ね接ぎ部では他の部分より小さく、
従って重ね接ぎ部のコードは加硫中の熱収縮が大きい。

又、タイヤ完成後内圧空気を充填すると、カーカスの重
ね接ぎ部は剛性が大きいので、膨張が小さい。即ち上記
重ね接ぎ部は加硫収縮が大きく、更に内圧充填時の膨張
が小さいので、この部分はタイヤサイド表面に凹所とな
って表われる。この凹所はタイヤの不均一性の原因とな
るため、加硫時の熱収縮が小さく、中間伸度の小さいコ
ードを用いる必要がある。近時少い工数でタイヤを製造
するためになるべくカーカスプライ数を少くする傾向に
あるが、接ぎ目の影響が更に大きくなる。従ってカーカ
スプライ数を少くするだめに、乾熱収縮率及び中間伸度
の小さいポリエステルコードが要望されている。

しかしながら従来のポリエステルコードの乾熱反 収縮と、中間伸度とは互に相享する関係にあって、コー
ドの撚数及び熱処理条件を変えて乾熱収縮率小さくすれ
ば、中間伸度が大きくなり、逆に中間伸度を小さくしよ
うとすると、乾熱収縮率が大きくなり、乾熱収縮率と中
間伸度を共に小さくすることは困難であった。

上述の従来の空気入りラジアルタイヤの欠点に鑑み、本
発明は乾熱収縮率と中間伸度の小さい新規な複合ポリエ
ステルコードを用いたタイヤのユニフオミテイ、操縦安
定性の優れた、サイド凹凸不良の少いタイヤを提供する
ことを目的とする。

上記目的を達成すべく研究を重ねた結果、ポリエステル
フィラメントの溶融紡糸時にフィラメントを高速で引出
して延伸しながら固化し、適当な冷延伸、熱延伸及び熱
処理を加えると、中間伸度及び乾熱収縮率の小さいポリ
エステルフィラメントが得られ、これを束ねたポリエス
テルヤーンを芳香族ポリアミドヤーンと撚シ合せた複合
コードは、中間伸度及び乾熱収縮率が特に小さく、この
ポリエステル複合コードをカーカスプライに使用すれば
、ユニフオミテイ及び操縦安定性の極めて優れた、タイ
ヤサイドに凹凸のない空気入りラジアルタイヤが得られ
ることを見出し、本発明を完成するに至った。

即ち、本発明は溶融ポリエステルを紡出し、延伸しなが
ら冷却固化した紡出糸を冷延伸、熱処理してなる、極限
粘度が０．８以上の高速紡糸ポリエステルフィラメント
を多数本束ねた、寸法変化係数が１４チ以下のポリエス
テルヤーンの少くとも１本と、芳香族ポリアミドヤーン
の少くとも１本とを撚り合せてなるコードをカーカスプ
ライに使用した複合ポリエステルコード補強空気タイヤ
を要旨とする。

ここで寸法変化係数とは、４．５ｇ／ｄ荷重でのの和で
定義される係数をいう。

一般にポリエステルヤーンは、紡出ノズルより押出した
溶融ポリエステルを冷却固化して紡出糸とし、これを予
備延伸、熱延伸及び熱処理してフィラメントを形成し、
このフィラメントを束ねてヤーンを形成する。従来のポ
リエステルヤーンは、紡出糸の巻取速度が約４００ｍ１
分と遅く、ノズルより押出された溶融ポリエステルを冷
却固化する工程で作用する張力が小さいため、紡出糸中
の分子鎖の配向度は小さく、紡出糸の分子鎖の配向度の
指標となる複屈折率は５×１０　以下であり、その結果
、紡出冷却後更に冷延伸、熱延伸、及び熱処理した後の
フィラメントの寸法変化係数は１４％を越えていた。

本発明で使用されるポリエステルヤーンは溶融ポリエス
テルを紡出して冷却固化する工程で、紡出糸を１０００
〜４０００７７２／分の高速で巻取ることにより、紡出
糸に大きな張力を作用させ、冷却固化し、紡出糸の複屈
折率がｌ０ＸＩＯ〜４０×１０　になるように巻取速度
を調節し、延伸率を調節して得られた紡出糸を、通常の
ポリエステルヤーンと同様に更に冷延伸、熱延伸及び熱
処理して得られるフィラメントよりなる。このように本
発明で用いられるポリエステルヤーンは、従来のポリエ
ステルヤーンの紡出の際よりはるかに速い速度で紡出糸
を引取ることにより、紡出固化する工程でフィラメント
に張力を作用させ、張伸ばしつつ冷却するだめに、フィ
ラメント中の分子鎖がフィラメントの長さ方向に配向す
る。その分子鎖の配向の程度を複屈折率の測定により検
知して、複屈折率が１０ｘｌＯ−〜４０Ｘ１０−の範囲
になるように、紡出糸の巻取速度を１０００〜４０００
　ｍ１分の範囲内で調節する。このようにして得られた
紡出糸を更に従来法と同様に冷延伸、熱延伸、熱処理を
行うが、この際の延伸率は従来法よりも若干小さくして
もよい。

上記のようにして製造されたポリエステルヤーンはその
寸法変化係数が８．５〜１４チとなり、本発明のタイヤ
に用いるのに適合したポリエステルヤーンとなる。

このポリエステルヤーンの寸法変化係数が１４係より太
きいと、これと芳香族ポリアミドヤー／を撚り合せた複
合コードを用いて製造したタイヤはサイドの凹凸不良が
発生しやすくなり、一方上記寸法変化係数が８，５％よ
り小さいと破断エネルギーが極端に小さくなるので、本
発明のタイヤには上記製造により製造された寸法変化係
数が８．５〜１４％のポリエステルヤーンが用いられる
。

本発明におけるカーカスコードを構成するポリエチレン
フィラメントは、エチレンテレフタレートを主モノマー
成分とするポリエステルであり、エチレンテレフタレー
トのほかにエチレンイソフタレート、エチレンベンゾエ
ート等の他のモノマー成分を１５モル多以下含む共重合
ポリエステルでもよい。上記原料ポリエステルは、紡糸
したフィラメントをオルソクロロフェノールに溶解して
、極限粘度〔η〕が０．８より小さいとコードの強度が
弱くなる。

上述のポリエステルヤーンの少なくとも１本と、芳香族
ポリアミドヤーンの少なくとも１本とを、それぞれ下撚
りした後、合わせて下撚りとは逆向きに上撚りしてコー
ドを形成する。ゴムとの接着性を更によくする目的で高
速紡糸法で製造された寸法変化係数が１３チ以下のナイ
ロン６６ヤーンを併用して、３成分でコードを構成して
もよい。

上記複合ポリエステルコードを用いてカーカスプライを
形成し、従来のタイヤ製造法と全く同様の方法により空
気入りラジアルタイヤを製造する。

次に実施例により本発明の内容を更に具体的に説明する
。

実施例１ 溶融ポリエチレンテレフタレートヲ紡糸ノズルから紡出
し、１０００ｍ／分の巻取速度で延伸しながら冷却固化
して得られた複屈折率２０Ｘ１０のポリエステルフィラ
メントでヤーンを形成し、これを下撚りして中間伸度４
チ、乾熱収縮率９％、寸法変化係数１３チの１５００デ
ニールのヤーンを得た。一方芳香族ポリアミドフィラメ
ントを束ねだヤーンを下撚りし、これらを合せて上撚り
してポリエステル複合コードを形成し、このコードをカ
ーカスプライコードとして用い、通常の方法に従ってタ
イヤサイズ１６５８Ｒ１３のラジアルタイヤを製造した
。コード製造条件及びタイヤ性能を第１表に示す。

実施例２及び３並びに比較例１〜３ 実施例１に於てポリエステルフィラメントの巻取速度を
１３０（１／分及び１８００？？！／分としたときの結
果をそれぞれ実施例２及び３として、同様に第１表に示
す。又実施例１に於てポリエステルフィラメントの巻取
速度を４００　ｍ７分とした場合を比較例１として同様
に第１表に示す。更に実施例２及び比較例１のポリエス
テルフィラメントのみよりなるコードを用いた場合をそ
れぞれ比較例２及び３、芳香族ポリアミドフィラメント
のみよりなるコードを用いた場合を比較例４として、そ
れぞれその結果を第１表に示す。

この比較例３が従来普通に用いられているポリエステル
コードのカーカスプライのラジアルタイヤである。

第１表に於て「ドラム耐久性」は米国自動車安全基準Ｆ
ＷＳＳ１０９規定に従って、内圧を１７ｋｇ　／　ｃ−
にして、規定の時間毎に規定荷重を加えて走行し、異常
がなかつだので、更に１２時間毎に規定荷重の１　／　
Ｉ　Ｏ（４６ｋｇ　）を追加して故障が生ずる迄走行し
、比較例３の従来のタイヤを１００として各タイヤの測
定値を指数で表示した。

「サイド凹凸」はタイヤに２．、．２　ｋｇ　／　ｃｄ
の内圧空気を充填したときに形成されるサイドウオール
部上のラジアル方向の溝状凹部の深さを測定し、四部の
ないもの　・・・５点 間部の深さＱ、　３　ａｙｓ以下の短いもの　・・・４
点凹部の深さ０．３　ｆｌ以下で長いもの　・・・３点
凹部の深さ０．３１１以上で短いもの　・・・２点凹部
の深さ０．３ｆｆ以上で長いもの　・・・１点として示
した。

「ユニフォーミティ」は自動車技術会制定の自動車規格
ＪＡＳＯ−０６０７に準拠して、内圧２ｋｇ　／　ｃ−
のタイヤを荷重３８７　ｋｑでドラムに押圧して６０　
ｒｐｍで回転させ、タイヤの半径方向の力の変動の大き
さを測定して、その逆数を比較例３を１００として指数
で示しだ。

「操縦性」は内圧空気を１．９　ｋｇ　／　ａＡ充填し
たタイヤを荷重４５０ｋＱでドラム試験機に押圧して、
ドラムを時速１０　ｋｍ　／　ｈｒで回転させ、タイヤ
の回転軸をドラムの回転軸に平行な方向から徐々にずら
しくスリップ角をつけながら）タイヤに作用する横方向
の力を測定し、スリップ角が２度の時の横方向の力を角
度で除した値（コーナリングパワー）を比較例３を１０
０として指数で表わしだ。

尚ユニフオミテイ及び操縦性の指数の値は大きい程性能
が優れている。

上記実施例のタイヤは、いずれも比較例３の従来のタイ
ヤよりも優れている。実施例の中ではポーリエステルフ
ィラメントの巻取速度の大きい実施例３のタイヤが耐久
性、ユニフオミテイ及び操縦性に優れ、更に比較例３の
タイヤと比較すれば巻取速度を太きくして、紡出糸の複
屈折率を大きくすることにより、タイヤの性能の向上を
図ることができる。

本発明の複合ポリエステルコード補強空気タイヤによれ
ば、ラジアルタイヤのカーカスプライに高速紡糸ポリエ
ステルヤーンと芳香族ポリアミドヤーンの複合コードを
用いることにより、ポリエステルヤー／又は芳香族ポリ
アミドヤーンを単独で用いたコードをカーカスプライに
用いたタイヤに比較してタイヤのユニフオミディ、操縦
安定性及び耐久性が優れ、サイドウオルの凹凸の少ない
タイヤが得られる。

尚上記説明に於いては、複合ポリエステルコードをタイ
ヤの赤道方向に対して直角方向に配列して、カーカスプ
ライを構成したラジアルタイヤについて説明したが、上
記複合ナイロンコードをコード角８０〜８８に配列して
カーカスプライを構成したセミラジアルタイヤとしても
全く同様に本発明を実施することができる。

５−

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）溶融ポリエステルを紡出し、延伸しながら冷却固
   化した紡出糸を冷延伸、熱処理してなる、極限粘度が０
   ．８以上のポリエステルフィラメントを多数本束ねた、
   ４．５ｆ／ｄの荷重での中間伸度（％）と１５０°Ｃ３
   ０分間の乾熱収縮率（％）の和で定義される寸法変化係
   数が１４チ以下のポリエステルヤーンの少くとも１本と
   、芳香族ポリアミドヤーンの少くとも１本とを撚り合せ
   ヤ。
2. （２）該カーカスプライのコードがタイヤ赤道に対して
   コードを直角に配列したラジアル構造をなす特許請求の
   範囲第１項記載の複合ポリエステルコード補強空気タイ
   ヤ。