JPS6043193B2

JPS6043193B2 - 有害物質を含有する産業廃棄物の無害化方法

Info

Publication number: JPS6043193B2
Application number: JP56135447A
Authority: JP
Inventors: 英明高木; 政男出山
Original assignee: Asahi Denka Kogyo KK
Current assignee: Adeka Corp
Priority date: 1981-08-31
Filing date: 1981-08-31
Publication date: 1985-09-26
Also published as: JPS5836690A

Description

【発明の詳細な説明】本発明は有害物質を含有する産業廃棄物または汚染土壌
の無害化方法に関する。

重金属等の有害物質を含有する、金属くす、ガラスくず
、陶磁器くず、鉱さい、汚泥、ばいじん、もえがら等の
産業廃棄物及び汚染土壌は近年各事業所等から大量に発
生し、その処理は公害対策上極めて重大な課題である。

大量の産業廃棄物は埋立、海洋投棄等により最終処分が
なされるが、いずれの場合にも廃棄物中に含まれる有害
物質が溶出しないような無害化処理を行なわねばならず
、「有害な産業廃棄物に係る判定基準を定める総理府令
（昭和４８年２月１７日、総理府令第５号月等により有
害物質の判定基準が定められている。しかるに、有害物
質を含有する大量の産業廃棄物について溶出防止処理を
行ない、上記判定基準をクリアすることは作業性、経済
性の面でかなり困難を伴なうものであつた。

等に有害物質として鉛（Ｐｂ）、カドミウム（Ｃｄ）、
亜鉛（Ｚｎ）、銅（Ｃｕ）、６価クロム（Ｃｒ’゛）、
水銀（Ｈｇ）、アルキル水銀、ヒ素（Ａｓ）等の重金属
やシアン（ＣＮ）を含有する廃棄物、あるいはさらにこ
れにフッ素（Ｆ）を含有する廃棄物を完全に無害化処理
することは非常に困難とされていた。本発明者らは有害
物質を含有する大量の産業廃棄物の溶出防止無害化方法
について種々の検討を行なつた結果、ある特定の化合物
水溶液で廃棄物を処理することにより、大量の被処理物
質を効率よく無害化しうることを見い出し本発明を完成
した。

すなわち、本発明の無害化方法は有害物質として有害金
属及びフッ素を含有する産業廃棄物または汚染土壌を塩
化鉄または硫酸鉄、イオウ含有化合物、及びカルシウム
化合物を含む水溶液で処理することを特徴とする。

ここで、産業廃棄物または汚染土壌に含まれる・有害物
質としては鉛（Ｐｂ）、カドミウム（Ｃｄ）、亜鉛（Ｚ
ｎ）、銅（Ｃｕ）、６価クロム（Ｃｒ６＊）、水銀（Ｈ
ｇ）、アルキル水銀、ヒ素（Ａｓ）等の金属類、シアン
（ＣＮ）、ＰＣＢ、有機塩素等があり、これらの有害物
質は塩化鉄または硫酸鉄、及びイオン含有化合物を含む
水溶液で溶出防止処理されて無害化され、有害物質とし
てさらにフッ素（Ｆ）が含まれている場合には塩化鉄ま
たは硫酸鉄、イオウ含有化合物、及びカルシウム含有化
合物を含む水溶液て溶出防止処理されて無害化される。

該産業廃棄物の種類は、金属くず、ガラスくず、陶磁器
くず、鉱さい、汚泥、ばいじん、もえがら、汚染土壌等
、粉状、粒状破砕物、スラリー等の形状であればよく、
このような形状でないものは粉砕、破砕等の前処理を行
なつて本発明の無害化方法を適用することができる。本
発明の処理液は、塩化鉄または硫酸鉄、イオウ化合物及
びカルシウム化合物が含まれる水溶液である。

塩化鉄としては塩化第一鉄が好ましいが、少量の塩化第
二鉄等が混在していてもよい。

このような塩化鉄を含む水溶液としては、アルミエッチ
ング廃液等を使用することができる。硫酸鉄としては硫
酸第一鉄を用いるのがよい。イオウ化合物としては硫化
ソーダ、ＮａＨＳＯＪｌ粉末イオウ、チオ尿素等を用い
ることができるが、特に硫化ソーダを用いるのが好まし
い。

カルシウム化合物としては塩化カルシウム、酸化カルシ
ウム、水酸化カルシウム、セメント等を用いることがで
きるが、特に塩化カルシウムを用いるのが好ましい。上
記塩化鉄液または硫酸鉄液は２０％水溶液換算で廃棄物
に対して２〜２５％（重量％、以下同じ）、好ましくは
５〜２０％、イオウ化合物は０．１〜５％好ましくは０
．２〜２％、カルシウム化合物は０．１〜５％好ましく
は０．１〜２％となるように配合して水溶液を調製、使
用することができる。

廃棄物の処理方法は廃棄物の形態、量、処理装置、処理
時間等に応じて適当な方法を選択することができ、例え
ばダストをペレタイザーに積み、本発明の水溶液を吹き
つけ造粒する方法をとることができる。結局、処理方法
は廃棄物と水溶液が充分接触できるような方法であれば
よい。

本発明の無害化処理方法は常温、常圧で実施し−て十分
効果的であるが、所望によつては加温、加圧等の条件を
加えてもよい。

本発明の無害化処理方法は処理４日後の廃棄物のＰＨを
６．５〜９．５好ましくは７．０〜９．０にコントロー
ルして行なうのがよく、すなわち中性及び弱アルカリ性
付近で行なうのが好ましい。

ＰＨのコントロールは力性ソーダ、消石灰、セメント等
で行なえばよい。廃棄物は、処理により、ペレット化、
コンクリート固化、スラリー化等最終処分に適した形態
に変換することができる。本発明の産業廃棄物の無害化
方法は有害物質を含有する大量の廃棄物を一段の処理で
溶出防止無害化することができる、作業性、経済性の優
れた”方法である。さらに、有害物質として鉛（Ｐｂ）
、カドミウム（Ｃｄ）、亜鉛（Ｚｎ）、銅（Ｃｕ）、６
価クロム（Ｃｒ６つ、水銀（Ｈｇ）、アルキル化水銀、
ヒ素（，Ａｓ）、シアン（ＣＮ）、ＰＣＢｌ有機塩素等
、さらにフッ素（Ｆ）等を含有するような廃棄物を処理
して、すべての有害物質を政令で規定された判定基準以
下に無害化することができる。

また、本法によれば多種多様な形態の廃棄物を容易に無
害化することができ、その利用範囲は大である。

次に本発明の実施例を挙げる。

実施例１産業廃棄物として焙焼炉から発生したダストを５トン／
時間の害合でペレタイザー上に導入した。

この上から、塩化第１鉄２０％、塩化カルシウム１％混
合液と４％硫化ソーダ液の水溶液を別々のノズルより吹
き付け溶出防止処理を行なつた。使用量は２０％塩化第
１鉄液７５０ｋ９／時間、硫化ソーダ４０ｋ９／時間、
塩化カルシウム４２．５ｋ９／時間であつた。上記ダス
トの処理前の成分分析、及び処理後の溶出液の分析結果
を後記第１表に示す。

溶出液の分析は以下に示す方法で行なつた。

試料液の作成；試料液の作成は、次のとおり試料と溶媒
とを混合し作成する。

１溶媒の水素イオン濃度指数溶媒は海洋投入処分又は海面埋立処分の場合は、海水の
ＰＨを考慮した水素イオン濃度指数７．８〜８．３にし
、陸上埋立処分の場合は水素イオン濃度指数５．８〜６
．３になるように純水に水酸化ナトリウム又は塩酸を加
えて作成する。

２試料と溶媒の割合試料と溶媒の割合は、下表のとおり定められている。

この表に示すように試料と溶媒の重量体積比は１０％の
場合と、混合液中の固型分が３％にする場合とがある。
固型分で定めているのは、汚でい等含水しやすい廃棄物
を含水率について処分基準がない海洋投入処分または海
面埋立処分する場合に、判定試験に当つて、意識的に含
水させ、事実上試料の量を減少させて、溶出する有害物
質の濃度を減少させるような抜け道を防ぐためである。
溶出の操作；試料流を常温（おおむね２（代））、常圧（おおむね１
気圧）で振とう機（振とう回数毎分２００往復、振とう
幅４〜５ｃ！ｎ）用いて、６時間連続振とうする。

検液の作成：溶出の操作を行つて得られた試料液を孔径１ミクロンの
グラスファイバーフィルターベーパーを用いてろ過した
後の溶液（ろ過が著しく困難な場合は、毎分３０（４）
回転で２紛間遠心分離した後上澄・み液）を検液とする
。

比較例１塩化カルシウム溶液を用いない他は、実施例１と同様に
して同じ産業廃棄物の処理を行なつた。

処理後の溶出液の分析結果を第１表に示した。実施例２
産業廃棄物として、蛍光灯製造工程から発生した、水銀
含有ガラス屑をセメント用ロールミキサーに１トン（ｔ
）投入し、混合しながら４％硫化ソーダ液５０ｋｇを加
えた後、２０％塩化第一鉄液１００ｋｇを加える。

更にセメントを１００ｋ９加え、充分に混合した。上記
ガラス屑の成分分析及び処理後の溶出液の分析結果を後
記第２表に示す。

比較例２セメントを用いない他は、実施例２と同様にして同じ産
業廃棄物の処理を行なつた。

処理後の溶出液の分析結果を第２表に示した。ノ実施例
３実施例１で用いたと同じ産業廃棄物の上に、硫酸第１鉄
２４％溶液、水酸化カルシウム５％水分散液、硫化ソー
ダ４％溶液を３つの別々のノズルにより吹き付け、溶出
防止処理を行なつた。

使用量は２４％硫酸第１鉄溶液７５０ｋｇ／時間、硫化
ソーダ４０ｋｇ／時間、水酸化カルシウム水分散液１５
０ｋｇ／時間であつた。上記処理後の溶出液の分析結果
を第１表に示した。

Claims

【特許請求の範囲】

１有害物質として有害金属及びフッ素を含有する産業
廃棄物または汚染土壌を塩化鉄または硫酸鉄、イオウ化
合物及びカルシウムを含む水溶液で処理することを特徴
とする産業廃棄物または汚染土壌の無害化方法。