JPS6040582Y2 - ウオ−キングビ−ム式加熱炉の材料搬送装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はブルーム、ビレット、スラブ等の被加熱材を所
定の温度まで加熱するウオーキングビーム式加熱炉にお
ける材料搬送装置に関する。

従来、ウオーキングビーム式加熱炉は、被加熱材を炉内
水冷スキッド上を搬送するため、被加熱材のスキッドと
の接触部分が局部的に冷却され、スキッドマークが発生
し、材料圧延後の成品形状不良や、材料歩留低下の原因
となっていた。

また、被加熱材が炉内搬送中に、材料長方向に横ずれを
生じ、炉内壁損傷、炉内スキッドの耐火材、ライダー損
傷、搬送不能等のトラブルの原因となっていた。

本考案は、従来の固定ビームの替りにスライドビームを
導入し、スキッドマークの大巾な軽減と炉内材料の横ず
れ補正を計ったものである。

以下本考案の実施例を図面に基いて説明する。

なお、図示の例では油圧駆動方式を例にして説明するが
、勿論本考案では油圧に限定されるものではない。

第１図及び第２図に示す如く、加熱炉本体は４柱１と、
これによって保持される炉壁２と、炉底３と、バックス
テー４等から長形箱形に構成され、従来の固定ビームの
替りに配置したスライデングビーム５、及びウオーキン
グビーム６は、それぞれスライディングビーム部炉底開
口１６及びウオーキングビーム部炉底開口１７を通して
炉下のスライディングビームフレーム８及びウオーキン
グビームフレーム１１に固定されている。

また、これらビームフレーム８及び１１は段違いに構成
されると共に、スライディングビーム用ウォーターシー
ル７は炉幅方向に、ウオーキングビーム用ウォーターシ
ール１０は炉長方向に配置され、互いに干渉しないよう
になっている。

さらに、前記スライディングビームフレーム８は、炉長
方向に軸をもつ複数の受車輪９により支持されると共に
、第２図に示すようにビームフレーム８の炉幅方向一端
とシリンダロフトが連結されるビームスライドシリンダ
１５が基礎上に配置され、該シリンダ１５の駆動により
ビームフレーム８を炉幅方向に移動させ、スライディン
グビーム６の同方向へのスライドを行う。

他方、ウオーキングビームフレーム１１は、ビームリフ
ト用ローラ付レバー１２に支持され、ウオーキングビー
ムリフトシリンダ１３及びウオーキングビームシフトシ
リンダ１４によって昇降および前後進を行い、ウオーキ
ングビーム６に所望の矩形運動を付与する。

なお、第２図は被加熱材１８をスライディングビーム５
に保持して炉幅方向に移動し得る状態、第３図は被加熱
材１８をウオーキングビーム６上に載置して炉長方向に
搬送する状態を示している。

次に本考案における材料搬送方法について詳述する。

第４図は各ビームの動きを示した作動図であり、紙面の
左右方向が炉幅方向、紙面に対し垂直な方向が炉長方向
に相当し、また図中の斜線部がスキッドと被加熱材１８
の接触部分（スキッドマーク発生位置）を示している。

まず、炉内に装入された被加熱材１８はスライディング
ビーム５上に載置される（第４図ｇ）。

次いで、ウオーキングビーム６が上昇し、被加熱材１８
をパスレベル以上に持ち上げる（第４図ｂ）。

ウオーキングビーム６が上昇を完了すると炉長方向に前
進し、それと同時にスライディングビーム５は、炉幅方
向（図中右方向）に所定のストロークだけスライドする
。

この動作により、スライディングビーム５と被加熱材１
８の接触位置とスライディングビーム５の位置が変えら
れる（第４図Ｃ）。

ウオーキングビーム６は前進を完了すると下降し、被加
熱材１８をスライディングビーム５上に移し変える。

このときスライディングビーム５と被加熱材１８の接触
位置は、変っている。

（第４図ｄ）。次にウオーキングビーム６が下降を完了
すると後退する。

又これと同時にスライディングビームは、炉幅方向（図
中左方向）に材料載置のまま所定のストロークだけスラ
イドする。

この動作によリウオーキングビーム６と被加熱材１８の
接触位置とウオーキングビーム６の位置が変えられる（
第４図ｅ）。

この状態でウオーキングビームの１サイクルが完了し、
被加熱材１８は炉の装入側から抽出側へ前進することに
なるが、炉幅方向へはスライディングビーム５のストロ
ーク分だけ（図中左方向）装入された状態からずれてい
る。

さらにウオーキングビーム６が上昇し、被加熱材１８を
パスライン上に持を上げる。

このとき、ウオーキングビーム６と被加熱材１８の接触
位置は前回位置と変っている（第４図ｊ）。

ウオーキングビーム６が上昇を完了すると前進し、これ
と同時にスライディングビーム５はさらに前回と同方向
（図中左方向）に所定のストロークだけスライドする。

この動作によりスライディングビーム５と被加熱材１８
の接触位置とスライディングビーム５の位置は変わる（
第４図ｇ）。

ウオーキングビーム６が前進を完了すると下降し、被加
熱材１８をスライディングビーム５上に載置する。

このとき被加熱材１８とスライディングビーム５との接
触位置は、前回と変っている（第４図ｈ）。

次にウオーキングビーム６が下降し、後退し始め、これ
と同時にスライディングビーム６は、前回と逆方向（図
中右方向）に所定のストロークだけスライドし、ウオー
キングビーム６と被加熱材１８との接触位置を変えウオ
ーキングビーム６、スライディングビーム５とも原点に
戻る。

このとき被加熱材１８は、２回目の炉内搬送を完了して
いる（第４図ｇ）。

このような、スライディングビーム５とウオーキングビ
ーム６による材料搬送方法を行なうことにより、スキッ
ドマーク発生及び材料横ずれを防止でき、生産性、品質
上、また加熱炉操業へ大きな効果を発揮する。

また、本考案の搬送装置によれば上記方法を効果的に実
施することが出来ると共に、従来の固定ビームに代えて
同じ位置に炉幅方向に移動可能なスライディングビーム
を設置することですむため、設備面での負担も少ない。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の具体例の側面図、第２図は同正面図
、第３図はウオーキングビームに被加熱材を載置した状
態の正面図、第４図は本考案の作動図である。 １・・・・・・４柱、２・・・・・・炉壁、３・・・・
・・炉底、４・・・・・・バックステー、５・・・・・
・スライディングビーム、６・・・・・・ウオーキング
ビーム、７・・・・・・スライディングビーム用ウォー
ターシール、８・・・・・・スライディングビームフレ
ーム、９・・・・・・スライディングビームフレーム受
車輪、１０・・・・・・ウオーキングビーム用ウォータ
ーシール、１１・・・・・・ウオーキングビームフレー
ム、１２・・・・・・ウオーキングビームリフト用ロー
ラ付レバー １３・・・・・・ウオーキングビームリフ
トシリンダー、１４・・・・・・ウオーキングビームシ
フトシリンダー、１５・・・・・・スライディングビー
ムスライドシリンダー、１６・・・・・・スライデング
ビーム部炉底開口、１７・・・・・・ウオーキングビー
ム部炉底開口、１８・・・・・・被加熱材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 炉内に矩形運動するウオーキングビームを有する加熱炉
   の材料搬送装置において、炉内に前記ウオーキングビー
   ムとは別に炉幅方向に移動自在なスライディングビーム
   を配置し、該スライディングビームを、炉外に設置し駆
   動装置によって作動するビームフレームにより保持した
   ことを特徴とするウオーキングビーム式加熱炉の材料搬
   送装置。