JPS6040283Y2 - パレツトチエンジヤにおけるパレツト旋回装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、パレットをワークの取付取外し位置と加工
位置との間で移動させるようにしたパレットチェンジャ
における上記ワーク取付取外し位置にあるパレットを旋
回可能に支持する装置に関するものである。

この種のパレット旋回装置はパレットに対してワークを
着脱したり、ワークの加工部を検査するためにこのワー
クをパレットに搭載したまま所要角度旋回させる場合に
使用される。

一般には、パレット旋回装置はパレットが搬入出される
ターンテーブルを備え、また、これが具備すべき機構と
して、ターンテーブルをパレットの受入れ受渡し姿勢に
保持する位置決め機構のほかに、ターンテーブルを旋回
させる際に、このターンテーブルに対してパレットを係
止させる係止機構やパレットとその搬入出を行なう搬送
装置との係合状態を解除させる機構などがあり、これら
の機構は一定関係を保って作動するように構成される必
要がある。

すなわち、ターンテーブルに対してパレットを搬入出さ
せるときには、ターンテーブルを位置決め機構によって
パレット受入・受渡し姿勢に保持する一方、パレットに
対する係止機構を非作動状態にしておくことを要し、み
た、ターンテーブルを旋回させるときには、上記位置決
め機構を解除するとともに、上記係止機構を作動状態と
してパレットとターンテーブルとを固定し、かつ、パレ
ット搬送装置とパレットとの係合状態を解除させる機構
を作動状態としてその係合を解除しなければならない。

一方、ターンテーブル上に搬入されたパレットをこのタ
ーンテーブルに係止させるための係止機構を備えたパレ
ット旋回装置が特公昭５４−２８６３４号公報に開示さ
れている。

しかし、これは、ターンテーブル上に揺動可能に設けら
れたパレット固定フックをシリンダおよび復帰ばねによ
って動作させるに過ぎず、上記した位置決め機構やパレ
ット搬送装置とパレットとの係合状態を解除させる機構
との間で動作上の関連を有するものではない。

この考案は上記した三つの機構の動作を機械的に連動さ
せることにより、一回のバンドル操作でターンテーブル
をパレット搬入出可能な状態に設定したり、また、ター
ンテーブルを旋回可能な状態に設定することのできるパ
レット旋回装置を提供することを目的としている。

すなわち、この考案は、バンドル操作などによって所要
角度だけ正逆方向に回転される駆動歯車に、ターンテー
ブル位置決めピンと、パレットとその搬送装置との係合
機構の動作状態を解除させるための搬送切断ピンとを、
各ピンに形成されたラックを介して同時に逆向きに上下
動するように噛合わせるとともに、上記位置決めピンの
上下動に連動してパレットに対する離脱状態と係合状態
とに切換えられるパレット固定フックを設けたものであ
る。

以下、この考案の実施例を図面にしたがって説明する。

第１図〜第４図において、パレットチェンジャの基台１
におけるワーク取付取外し位置にターンテーブル２が設
けられ、このターンテーブル２の側部にパレット搬送装
置３が設置されている。

第３図から明らかなように、ターンテーブル２は上記基
台１に垂直に取付けられた回転架台４にその中心部が固
定されてなり、そのパレット受入れ面ｆが、このターン
テーブル２とワーク加工位置との間にわたって配設され
た図外のパレット搬送路と同一レベルに設定されている
。

図示例において、ターンテーブル２は平面視略短形状の
ものとして構成され、その上面上に前後方向に延びる一
対の突条部５ａ、５ｂが左右に振分けて形成されている
。

そして、その突条部５ａ、５ｂおよび左右の側端面に複
数のガイドローラ６ａ、６ｂ、６ｃ、６ｄからなるガイ
ド６が設けられる。

すなわち、このガイド６は、上記搬送装置３によって搬
送されるパレットＰを、ターンテーブル２のパレット受
入れ面ｆに円滑に搬入させ、または、パレット受入れ面
ｆから円滑に搬出させるために設けられており、ターン
テーブル２の外側面のガイドローラ６ｃ、６ｄ上を移動
するパレットＰを、上記突条部５ａ、５ｂのガイドロー
ラ６ａ、６ｂによって水平方向から支持して、その横振
れを阻止する構成となっている。

さらに、ターンテーブル２の上面中央部にブラケット７
が設けられており、このブラケット７に水平ピン８によ
って上下揺動自在に軸支されたパレット固定フック９は
、その先端部に上向きに突出する係止部９ａを備えると
ともに、上記ターンテーブル２との間に圧縮コイルばね
などの弾性部材１０が介装されてなる。

したがって、この弾性部材１０によって、パレット固定
フック９が上記水平ピン８を中心として常時上動方向に
付勢され、その上動状態においては、第４図に仮想線で
示されているように、その係止部９ａがターンテーブル
２上に受入れられたパレットＰの前端繰下部に係止して
、パレットＰの搬出を不可能にする。

なお、上記パレット固定フック９の基端部はその後方へ
延出される。

つぎに、第２図に示されるように、ターンテーブル２の
下方において、上記基台１に取付枠１１が固着されてお
り、この取付枠１１に固定された軸受１２に水平回転軸
１３が回転自在に支持され、そして、この水平回転軸１
３に駆動歯車１４が固着されている。

図示例においてこの駆動歯車１４はその上部および下部
の一部が切除されてその軽量化が図られている。

また、この駆動歯車１４の上部には、その一方の分割歯
部１４ａに噛合うピニオン１５が配置され、そのピニオ
ン軸１６が、第１図のように、基台１の外部まで延出さ
れ、このピニオン軸１６における基台１からの突出端に
操作用のバンドル１７が固着されている。

一方、駆動歯車４の左右両側において、上記基台１にそ
れぞれ筒状のガイド部材１８．１９が設けられ、これら
のガーイド部材１８．１９に各別にターンテーブル位置
決めピン２０および搬送切断ピン２１が上下動可能に内
嵌されている。

これらのうち、ターンテーブル位置決めピン２０はその
下半部側面に上記駆動歯車１４における一方の分刻歯部
１４ａに噛合うラック２０ａが形成され、このラック２
０ａと上記分割咽部１４ａとの噛合いによってターンテ
ーブル位置決めピン２０の落下が阻止されている。

そして、上記ターンテーブル２がパレットＰの搬入出姿
勢にあるときのターンテーブル２における上記位置決め
ピン２０との対向部位に貫孔状の位置決め穴２２が穿設
されており、この位置決め穴２２内に、上記パレット固
定フック９の延出部９ｂに下向きに設けられた突起２３
が嵌入されている。

これに対し搬送切断ビン２１は、その下半部側面に形成
されたラック２１ａが上記駆動歯車１４における他方の
分割歯部１４ｂに噛合わされることによって落下が阻止
される。

つぎに、第１図および第２図に示されるように、パレッ
ト搬送装置３は水平方向で正逆走行されるエンドレスチ
ェン２５の所定箇所に、パレットＰに対する係脱機構２
６を固着してなる。

この係脱機構２６は正面視においてコ字形をなす外枠２
７の内部に上下動可能に平板状の可動板２８を配置する
とともに、この可動板２８と外枠２７との間に可動板２
８を下方へ付勢するコイルばね２９を介在させ、上記可
動板２８の内端縁の一部に角孔状の切欠部３０を形成し
て、この切欠部３０にパレットＰ側に設けられた保合片
３１が嵌脱される構成となっている。

また、図示例においては、可動板２８に突設されたガイ
ド棒３２が外枠２７に穿設されたガイド孔３３に挿通さ
れるとともに、外枠２７の下壁に透孔３４が穿設され、
この透孔３４がこの係脱機構２６の移動経路始点（第１
図に示された位置）において上記搬送切断ピン２１に対
向するようになっている。

以上の構成において、ノ１ンドル１７を正方向または逆
方向に所定角度だけ揺動させると、同方向に同一角度だ
けピニオン軸１６およびピニオン１５が回転し、これに
噛合う駆動歯車１４がピニオン１５に対して逆向きに一
定角度だけ回転する。

したがって、この駆動歯車１４の各分割歯部１４ａ、１
４ｂに噛合うラック２０ａ、２１ａを備えたターンテー
ブル位置決めピン２０および搬送切断ピン２１が逆方向
に同時に上下動される。

したがって、搬送装置３の係脱機構２６が、第１図およ
び第２図に示されるように、その移動経路始点にあると
きに、上記ハンドル１７を第４図仮想線Ｘで示される位
置から同図仮想線Ｙで示される位置まで正揺動させると
、これに伴なう駆動歯車１４の正回転（矢印Ｉ）によっ
てターンテーブル位置決めピン２０が上昇され、その上
端部がターンテーブル２の位置決め穴２２に嵌入される
一方、搬送切断ピン２１が下降される。

この場合、ターンテーブル位置決めピン２０の上端部が
上記位置決め穴２２に嵌合されると、この位置決め穴２
２の壁面がターンテーブル位置決めピン２０に水平方向
で係合されるので、ターンテーブル２の水平旋回が阻止
される。

そのため、ターンテーブル２がパレットＰのの搬入出姿
勢に保持される。

また、これと同時に、ターンテーブル位置決めピン２０
の上端面によってパレット固定フック９における突起２
３が突上げられるので、パレット固定フック９が弾性部
材１０の付勢に抗して、第４図仮想線の位置から同図実
線の位置まで下動し、その係止部９ａがパレットＰに対
する係止位置から非係止位置まで下降される。

この状態では、ターンテーブル２に対するバレツ）−Ｐ
の搬入出が可能である。

一方、搬送切断ピン２１が下降されているとき、上記係
脱機構２６の可動板２８がコイルばね２９の付勢によっ
て押下げられるので、この可動板２８の切欠部３０がタ
ーンテーブル２上のパレットＰにおける係合片３１に嵌
合される。

したがって、この状態で搬送装置３を運転すると、上記
係脱機構２６の往動に伴なってパレットＰがターンテー
ブル２から搬出される。

上記とは逆に、ハンドル１７を第４図仮想線Ｙで示され
る位置から同図仮想線Ｘで示される位置まで逆揺動させ
ると、これに伴なう駆動歯車１４の逆回転（矢印■）に
よってターンテーブル位置決めピン２０がターンテーブ
ル２の位置決め穴２２から下方へ抜出す。

そのため、パレット固定フック９が弾性部材１０の付勢
によって上動され、その係止部９ａが第４図仮想線で示
されるようにターンテーブル２上のパレットＰの前端縁
下部に係止され、パレットＰの搬出方向への移動が阻止
される。

また、上記ターンテーブル位置決めピン２０の下降と同
時に、搬送切断ピン２１が上昇して、移動経路始点にあ
る係脱機構２６の可動板２８がコイルばね２９の付勢に
抗して第２図仮想線で示す位置まで押上げられ、パレッ
トＰの係合片３１との係合状態が解除される。

このため、夕一ンテーブル２の旋回が可能とる。

また、ターンテーブル２に対するパレットＰの搬入出時
において、パレットＰは複数のガイドローラ６ａｙ６ｂ
によって水平方向での横振れが規制されるので、その搬
入出が円滑に行なわれる。

以上の説明から明らかなように、この考案によれば、バ
ンドル操作などに伴なう駆動歯車の正逆回転に、互に逆
向きに同時に上下動されるターンテーブル位置決めピン
および搬送切断ピンにか連動し、しかも、ターンテーブ
ル位置決めピンに固定フックが連動してそれぞれが所定
の動作を行なうように構成されているので、一回のバン
ドル操作によって、ターンテーブルに対するパレットの
搬入出可能な状態が容易に設定され、また、ターンテー
ブルの旋回可能な状態が容易に設定される。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例装置を示す概略平面図、第２
図は第１図におけるＡ−Ａ断面矢視図、第３図は第１図
におけるＢ−Ｂ断面矢視図、第４図は第１図におけるＣ
−Ｃ断面矢視図である。 １・・・・・・基台、２・・・・・・ターンテーブル、
３・・・・・・搬送装置、４・・・・・・回転架台、６
・・・・・・ガイド、６ａ〜６ｄ・・・・・・ガイドロ
ーラ、９・・・・・・パレット固定フック、９ａ・・・
・・・パレット固定フック係止部、１０・・・・・・弾
性部材、１３・・・・・・水平回転軸、１４・・・・・
・駆動歯Ｌ１５・・・・・ゼニオン、１７・・・・・・
バンドル、２０・・・・・・ターンテーブル位置決めピ
ン、２０ａ・・・・・・ターンテーブル位置決めピンの
ラック、２１・・・・・・搬送切断ピン、２１ａ・・・
・・・搬送切断ピンのラック、２２・・・・・・位置決
め穴、２６・・・・・・係脱機構、３１・・・・・・パ
レットの係合片、Ｐ・・・・・・パレット。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. パレットをワークの取付取外し位置と加工位置との間で
   移動させるようにしたパレットチェンジャにおける上記
   ワーク取付取外し位置にあるパレットを旋回可能に支持
   する装置であって、基台のワーク取付取外し位置にター
   ンテーブルを水平旋回可能に支承し、このターンテーブ
   ルの上面に、搬送装置に係止されて搬送されるパレット
   を案内して受入れるガイドを設け、上記基台に駆動歯車
   を水平回転軸をもって支承し、上記基台に上下移動可能
   に支承されるとともに側面に駆動歯車に噛合うラックが
   形成され、かつ、上昇位置で、ターンテーブルがパレッ
   ト搬入位置にあるときにこのターンテーブルの位置決め
   穴にその上端部が嵌合するターンチーフル位置決めピン
   を設け、ターンテーブルの上面に上下揺動可能に支承さ
   れてその一端がターンテーブルの位置決め穴に嵌合して
   いる上記ターンテーブル位置決めピンの上端に当接する
   ように常時弾性部材により付勢されるとともに、ターン
   テーブル位置決めピンが上記位置決め穴より抜出た場合
   に上記弾性部材の付勢によって揺動してパレットを搬出
   できないように係止する係止部を備えたパレット固定フ
   ックを設け、さらに、基台に上下移動可能に支承され、
   ターンテーブル位置決めピンが下降する場合に上昇する
   ように側面のフックを駆動歯車に噛合わせ、その上昇位
   置でパレットとパレット搬送装置との係合状態を解除す
   る搬送切断ピンを設けたパレットチェンジャにおけるパ
   レット旋回装置。