JPS6039013Y2 - 医用機器の熱滅菌用緩衝袋 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は医用器とくに水または水溶液を充填してなる医
用機器を加熱滅菌するに際して使用する緩衝袋に関する
。

本考案者は、水または水溶液を充填してなる人工腎臓等
の医用機器を熱滅菌するに際し、該医用機器の血液口お
よび透析液口等の側管の少くとも１ケ所に緩衝袋を取り
つけ、その他の側管には、充填液漏出防止用柱を取りつ
けたのち、該医用器を加熱処理して医用機器を加熱滅菌
する方法を開発した。

緩衝袋の役割は、医用機器を熱滅菌するに際して、医用
機器内に含まれる水ならびに空気の熱膨張および水蒸気
圧の発生によって医用機器ケースや血液分配板等に大き
な負荷が加わり、ひび割れ、破損等を生ずることを未然
に防ぐ為に、空気及び水等の膨張を吸収すべく医用機器
の側管に取りつけられ、医用機器の外部に膨張量および
圧力を緩衝するものである。

上記緩衝袋の形状としては袋状、風船状およびチューブ
状のものを挙げることができる。

本考案は上述の方法を実施するに際して使用する緩衝袋
を提供するものである。

すなわち本考案は、半球状頂部を有する実質的に円筒状
の、頂部を閉じた膨張部を形成する肉薄部分２と医用機
器の側管と係合する肉厚部分の頚部３とから戊り、肉薄
部分の厚さｔと肉厚部分の厚さＴとが次式（１）乃至（
３）の関係を有することを特徴とする緩衝袋１である。

０．０５ｍｍ≦ｔ≦２．Ｏｒａ ・・・・・・（１） ０．２５７７１７１≦Ｔ≦５．０Ｉａ ・・・・・・（２） １〈工＜３０ − ・・・・・・（３） 緩衝袋の零加圧時（常圧）の容積は２〜１００ｍ１であ
り、好ましくは４〜５０ｍ１である。

膨張最大容積は医用機器とその充填状態により異るが、
医用機器の水充填量が４００ｒｒＬＬおよび残存空気量
が０〜２０ｍ１の場合には２０〜７０ｒｒＬｌが見込ま
れる。

従って、緩衝袋は零加圧容積が膨張最大容積に及ばない
場合は膨張可能なものであり、かつ使用時に袋内に気体
を入れないように、緩衝袋を平担に延展して、取りつけ
る必要がある。

しかして肉薄部分は膨張かつ平延可能にすべく厚さく１
）が０．０５〜２．０ｒＩｒＩ４、好ましくは０．１０
〜１．Ｏ園とする。

また膨張する為に破断伸度が１００〜１５００％の範囲
であることが好ましい。

更に好ましくは３００〜１０００％の範囲である。

例えばこの肉薄部分の厚さくｔ：ｍｒ）についてシリコ
ンゴム製の、円筒状膨張部を有する緩衝袋で説明すると
、該緩衝袋の形状９寸法等の膨張性の関係は下記表１の
通りである。

上記表１から膨張抵抗係数（ｆ）が１０−５では使用不
可であり、１０−６以下で使用可能であることがわかる
。

一方、緩衝袋の容積（零加圧時）は２〜１００鴫好まし
くは４〜５０ｒｒＬｌであるが、この大きさから実用的
な袋の内径は約８．５〜７０．６ｍ、好ましくは約１２
〜５−となる。

そして内径（ｄ：ｍｍ）と厚さくｔ：ｍｍ）から膨張抵
抗係数（ｆ）の対数値（Ｉｏｇｆ）を求めると下記表２
の通りである。

この場合厚さくｆ）が０．０５ｍｍより薄いものは実質
的に成形困難である。

上記表２より膨張抵抗係数（ｆ）が１０−６〜１０−”
（表２中の値−６〜−１０）をとるには厚さく１）が
２ｍｍ以下である必要があり、これより肉厚になると実
質的に膨張しなくなることがわかる。

一方医用機器の側管に取り付ける頚部は袋の固定部でも
あり、充填液等の漏出および熱滅菌後の二次汚染防止の
為に密封作用があるように肉厚である必要がある。

この厚さＴは０．２５〜５．０期、好ましくは０．４〜
３．−である。

肉薄部分と肉厚部分とは一体に成型するが２片以上に底
型した接着等で一体化することもできる。

両者の厚さの関係は（３）式を満足するものである。

緩衝袋の材質は、膨張に際して破裂しないような物理的
性質が要求される。

８０〜１３０ｃでの耐湿熱性、および医用安全性をもつ
毒性の無いものであればいかなる材料でもよい。

例えば、天然ゴム、ポリイソプレンゴム等の合皮ゴム、
シリコーンゴム、ポリウレタンエラストマー等を挙げる
ことができる。

緩衝袋の形状としては袋状、風船状およびチューブ状の
ものを挙げることができる。

以下図面に示す実施例によって本考案を説明する。

第１図の実施例は人工腎蔵（医用器）の細い側管、たと
えば血液口に適する緩衝袋である。

側管と係合する頚部３の内径および長さは側管と係合密
封をなすような寸法とするとよい。

第２図の実施例は医用機器の太い側管、例えば透析液口
に適する緩衝袋である。

第３図の実施例は頚部内面４が側管の外形状と適合する
ものであり、この場合の厚さＴは最小寸法Ｔ１と最大寸
法Ｔ２との平均であるものと定義する。

また膨張部の形状は実質的に円筒状、楕円体状なもので
あり、図の例のように全体的には卵形であっても本考案
の範囲であることはいうまでもない。

第４図は本考案の緩衝袋１を中空糸型人工腎蔵５の透析
液口６に取り付け、熱滅菌に供する使用方法の説明図で
ある。

また第５図は吸着型人工腎蔵５の血液ロアに取り付けた
使用例を示す。

緩衝袋の応用はこれらの人工腎蔵に止まらず、例えば外
科手術用器具、材料のパック、人工血管、カテーテル、
人工食道９人工弁、＠液セット、注射筒等を蒸留水また
は生理的食塩液とともに熱滅菌するのに有効である。

すなわち、熱滅菌を必要とする医用機器、材料およびそ
れらの集合体からなる医用機器に広く使用でき、安全か
つ確実な加熱滅菌が可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図および第３図は本考案の緩衝袋の実施例
の縦断面図である。 第４図および第５図は本考案の緩衝袋の人工臓器への使
用状態を示す斜視図である。 １・・・・・・緩衝袋、２・・・・・・肉薄部分（膨張
部）、３・・・・・・肉厚部分（頚部）、４・・・・・
・頚部内面、５・・・・・・医用機器（人工腎蔵）、６
・・・・・・太い側管（透析液口）、７・・・・・・細
い側管（血液口）、８，９・・・・・・栓。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 肉厚部分と肉薄部分とが一体となった袋であって、該肉
   厚部分は医用機器の側管と係合する顕部であり、該肉薄
   部分は膨張部および／又は緩衝部であり、かつ該肉厚部
   分の厚さＴ （ｍｍ）と該肉薄部分の厚さｔ （ｍｍ）
   とが次式（１）乃至（３）の関係を有する医用機器の加
   熱減菌処理に供し得る緩衝袋。 ０．０５≦ｔ≦２・・・・・・（１） ０．２５≦Ｔ≦５・・・・・・（２） １＜Ｔ／ｌ≦３０・・・・・・（３、