JPS6038194B2 - 金属部材と合成樹脂部材との一体塗装方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、金属部材と合成樹脂部材との塗装及び接着
固定方法に関するものである。

従来、第１図に示すような自動車本体１において、ルー
フパネル３とりヤーフエンダーパネル５とは別々にプレ
ス成形した結合することが多く、この場合、結合継ぎ目
部の処理は大密及び気密性保持及び外観見栄えなどの点
から次のような方法をとることがある。

即ち、第２図に示すように、金属部村からなるルーフパ
ネル３のリヤーフエンダーパネル５との端部を車室側に
折り曲げ、その両先端を重ね合せて重合部９に溶薮等に
より接続して、樹脂モール７を取付けるための溝部１１
を形成し、溝部１１における重合部９の継ぎ目にシール
剤１３を塗布した後、自動車本体１を最終（上塗り）塗
装し、その後、上記溝部１１に所定量の接着剤１５を入
れて、ルーフパネル３及びリヤーフェンダーパネル５の
塗装色と同一色の樹脂モール７を鉄装し、上記接着剤１
５により固定していた。

しかしながら、このような従来の取付方法にあっては、
ルーフパネル３及びリヤーフェンダーパネル５との重合
部９の継ぎ目に、シール剤１３を塗布する工程が必要で
あり、作業効率が悪いこと、また、車体色に合わせて多
数の樹脂モール７を備えておかなければならず、部品点
数が多く部品管理工数を増大するという問題があった。

更に、上記従釆の取付方法の場合には、塗装の完了にし
た車体に樹脂モール７を取付けるため、塗面に傷等を付
ける可能性があり、万一傷をつけた場合には、さびを発
生させる原因となり問題であった。この発明は、上記従
来の諸問題に着目して創案されたもので、ルーフパネル
及びリヤーフェンダーパネルの端部を車室側に折曲げ、
その端部と重ね合わせ接合し、溝部を形成した構造であ
って、該溝部に途布した熱硬化性接着剤を介して樹脂‐
ルを仮止めした後、車体の塗装工程において前記熱硬化
性の接着剤を融着硬化させ前記樹脂モールを固定すると
ともに、前記ルーフパネルとりャーフェンダーパネルと
の接合部をシールすることを目的とするものである。

以下、この発明を図面に基づいて説明する。

なお、第１図、第２図において説明した従来例と同一構
成要素は同一符号を付して説明は省略する。第３図は、
この発明の第１実施例を示し、金属の素材から成る自動
車本体１と耐熱性樹脂材から成る樹脂モール７とを接着
固定し、かつ同一色として塗装するものである。

３は金属のルーフパネル、５はリヤーフエンダーパネル
であって、この両パネル部材３，５の端部は車室側に折
り曲げられ、その両端部を重ね合せて重合部９にて溶接
等により接続して、樹脂モール７を取付けるための断面
Ｕ字状に形成された溝部１１が形成されている。

前記樹脂モール７は、塗装可能な耐熱性樹脂材から成り
、その底部には、後述する熱硬化性の接着剤１７に対し
て、樹脂モール７を仮止めする際の抜け止めを行なう錨
状の突出部１９が設けられている。

また２１は、樹脂モール７とルーフパネル３及びリヤー
フェンダーパネル５に塗装された塗料を示す。次に、車
体の溝部１１に樹脂モール７を取付け、かつ塗装する工
順を第３図ａ〜ｃに基づいて説明する。

第３図ａに示すように、例えば下塗り塗装の完了したル
ーフパネル３とりヤーフエンダーパネル５との重合部９
をもつ溝部１１に、第３図ｂに示すように熱硬化性の接
着剤１７を所定量塗布する。

そして、この接着剤１７を塗布した溝部１１に、前記突
出部１９を有する樹脂モール７を鉄菱し、その突出部１
９を上記接着剤１７中に埋設して仮止めする。

また、この樹脂モール７は、その左右両端部がルーフパ
ネル３、及びリヤーフェンダーパネル５に当接し、ルー
フパネル３、リャーフェンダーパネル５、樹脂モール７
の表面が略同一平面となるようにしてある。

このような状態からルーフパネル３及び１′ャーフェン
ダーパネル５と樹脂モール７との表面に、中塗り塗装で
の塗料吹付工程にて塗料２１の吹付けを施して、その乾
燥工程に移送する。

この乾燥工程時に乾燥炉にて高温の乾燥熱と加えること
により、溝部１１に塗布した接着剤１７が硬化し、自動
車本体１と樹脂モール７とが同一色で一体成形され、さ
らに、この後、上塗り塗装則ち、最終塗装を行なうもの
である。なお、上記の場合は、下塗り塗装後に樹脂モー
ル７を装着するものであるが、前記中塗り塗装後に同様
に熱硬化性接着剤１７及び樹脂モール７を装着し、上塗
り塗装時に乾燥工程により硬化させ固定しても同様であ
る。

また、上記接着剤１７は最終（上塗り）塗装前に塗布す
るので、ルーフパネル３とりャーフェンダーパネル５と
の重合部９の継ぎ目にも接着剤１７が融着し、接着剤１
７の硬化時には、該継ぎ目の防錆用シールを兼用でき、
これにより、従来必要とされた防錆用のシール剤及びそ
の塗布工程が不要となるものである。

以上のようにこの発明は、ルーフパネルとりャーフェン
ダーパネルの接続重合部に塗布した熱硬化性の接着剤を
介して樹脂モールを仮止めし、車体の塗装工程で前記接
着剤を硬化させるようにしたので次のような３個の効果
を同時に達成できる。

○｝塗装工程の熱を利用して接着剤を硬化するので別の
加熱工程が不要である。

■ 接着剤は両部材と樹脂モールの固定作用を行なうと
共に、両部材間の継ぎ目の水密及び気密のためのシール
作用も行なう。

｛３’ 樹脂モールも同時に車体塗装できるので、車体
と同一色のモールを用意する必要はない。

また、従来金属部材側に樹脂部村を装着する際に金属部
材の塗面を損傷する可能性があったが、この発明では樹
脂部材を装着した後、同一工程で同一色に塗装できるた
め、塗面の損傷はなく、品質感の向上が図れるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は自動車本体のルーフパネル上にモールディング
を施した自動車本体の斜視図、第２図は第１図の０ーロ
線に沿う拡大断面図、第３図はこの発明の第１実施例を
示す断面図、第３図ａ〜第３図ｃはこの発明の第１実施
例における作業工程順序を示す断面図である。 （図面中に表わされた主要な符号の説明）、３……ルー
フパネル、５……リヤーフヱンダーパネル、７・・・…
樹脂モール、１７，１７ａ・・・・・・接着剤。 第１図 第２図 第３図 第３図（ａ１ 第３図（ｂ） 第３図【ｃ’

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ルーフパネル及びリヤーフエンダーパネルの端部を
   車室側に折り曲げ、その両端部を重ね合わせ接合し、溝
   部を形成した構造にあつて、該溝部に塗布した熱硬化性
   の接着剤を介して樹脂モールを仮止めした後、車体の塗
   装工程にて、前記熱硬化性の接着剤を融着硬化させ、前
   記樹脂モールを固定すると共に前記ルーフパネルとリヤ
   ーフエンダーパネルとの接合部をシールするとを特徴と
   する金属部材と合成樹脂部材との一体塗装方法。