JPS6037430Y2 - ホイストの自動インチング装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はホイストの自動インチング装置に関する。

一般に巻上ホイストにおいて、吊荷の離床あるいは着床
時に吊荷に衝撃を与えないようにするため、あるいは型
合せや機械の組立て時又走行、横行機では定位置に停止
させる時にホイストを微少移動させたりする、いわゆる
インチング操作を行なうが、従来このインチング操作は
ほとんど手動によって行なわれていた。

ホイストのインチング操作を手動により行なう場合、こ
の操作は操作者のいわゆる「惑」で行なわれることが多
いので、吊荷の移動の際その移動距離が長くなってしま
ったりして作業者の手や指先をはさむ等の支障が起きや
すかった。

このような支障を回避するために、インチング操作を必
要以上に行なってしまい、ホイスト電動機の主回路に挿
入されている電磁接触器の接点の溶着原因になったり、
電動機の始動電流によって電動機の巻線の温度が上昇し
、巻線の焼損を起す原因となっていた。

この考案は上記の事情に鑑みてなされたもので、所定時
間内だけインチング作動を可能として接点溶着を防止す
るとともに電動機の耐久性の向上を図ったホイストの自
動インチング装置を提供することを目的とする。

以下図面を参照してこの考案の一実施例を説明する。

図において、ＨＩＭはホイスト電動機で、この電動機Ｈ
ＩＭの主回路母線Ｂには後述の電磁接触器の常開接点Ｍ
ａが介挿される。

Ｆはヒユーズで、このヒユーズＦを介して主回路母線Ｂ
の一相を引き出して補助母線ＳＢ１とする。

また、主回路母線Ｂの他の一相を引き出して補助母線Ｓ
Ｂ２とする。

両補助母線ＳＢ１． ＳＢ２間には次のような回路が接
続される。

ＰＢは２段動作押釦スイッチで、この押釦スイッチＰＢ
の１段目のスインｆＰＢ。

とタイマーＴとの直列回路は補助母線ＳＢｌ、ＳＢ２に
接続される。

前記タイマーＴは常開接点Ｔａと常閉接点′ｂとを有し
、前記タイマーＴが作動開始されると前記接点Ｔａ、
Ｔｂが交互に所定時間間隔でオン、オフされる。

前記常開接点Ｔａの一端は補助母線ＳＢ１に接続され、
他端はカウンタＣを介して補助母線ＳＢ２に接続される
。

又、前記常閉接点りの一端は補助母線ＳＢ、に接続され
、他端はカウンタＣをセットすると閉成される常開接点
Ｃａ電動機ＨＩＭの巻線温度が設定値より大きくなると
オフするサーモカード接点Ｔｈ及び電磁接触器Ｍｇを順
次直列に介して補助母線ＳＢ２に接続される。

前記押釦スイッチＰＢの２段目のスイッチＰＢ２は一端
を補助母線ＳＢ□に他端を常開接点Ｃａとサーモガード
接点りとの共通接続点ＣＭに接続される。

このスイッチＰＢ２は高速運転用のものである。

次に上記実施例の作用を述べる。

予めカウンタＣにより所定のカウント数をセットする。

例えば１０カウントとするとこのカウント数の設定によ
り常開接点Ｃａが閉威される。

ここで、押釦スイッチＰＢの１段目のスイッチＰＢ１を
閉成すると、タイマーＴが動作を開始する。

タイマーＴが動作を始めるとその常開及び常閉接点Ｔａ
、 Ｔｂが所定時間（数秒）間隔でオン、オフを繰返す
。

常開接点ＴａがオンになるとカウンタＣは１カウントと
なる。

このとき常閉接点Ｔｂはオフされるため電磁接触器Ｍｇ
は附勢されない。

従ってその接点Ｍａは開放し、電動機ＨＩＭの駆動は停
止される。

数秒後常閉接点りはオンされ、常開接点Ｔａはオフされ
る。

接点孔のオンにより電磁接触器Ｍｇは再び附勢されその
接点Ｍａを閉威し、電動機ＨＩＭは駆動される。

以後、タイマーＴで設定された時間内で接点Ｔａ、Ｔｂ
がオンオフを繰返してインチング操作が自動的に行なわ
れて例えば吊荷は所定位置に衝撃なく着床させることが
できる。

なお、カウンタＣで設定したカウント数になると（常開
接点Ｔａがオンした回数）、カウンタＣの常開接点Ｃａ
は開放される。

従ってカウンタＣで設定されたカウント数以上になると
インチング動作は自動的に停止される。

このため、接点Ｍａの溶着が生じない範囲で前記カウン
ト数を設定しておくことにより、接点Ｍａの溶着を防止
できる。

又、電動機の巻線の温度上昇も防止でき電動機の耐久性
の向上にもなる。

前記タイマーＴのオン、オフ時間の設定を変化させるこ
とによりインチング操作がより適確に行なうことができ
る。

以上述べたようにこの考案によれば常開、常閉接点が交
互に所定時間オンオフされるタイマーを設け、前記オン
オフをカウントするカウンタが所定値までカウントする
と電磁接触器を消勢させるようにしたので、ホイスト使
用作業において吊荷の微少移動の際でも確実に移動がで
き、作業者を傷付けたりすることなく安全に作業ができ
、しかも電磁接触器の接点を溶着させることもなくかつ
電動機の巻線の温度上昇も小さくしてすむ等の利点があ
る。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示す回路図である。 ＨＩＭ・・・電動機、ＰＢ・・・２駆動作押釦スイッチ
、Ｔ・・・タイマー、Ｃ・・・カウンタ、Ｍｇ・・・電
磁接触器、Ｍａ・・・電磁接触器の常開接点、Ｔａ・
・タイマーの常開接点、ｎ・・・タイマーの常閉接点、
Ｃａ・・・カウンタの常開接点、■・・・サーモガード
。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 巻上機構あるいは走行機構を有するホイストにおいて、
   常開及び常閉接点を有し、２段動作押釦スイッチの１段
   目を閉成すると漸定時間毎に前記両接点が交互にオンオ
   フするタイマーと、このタイマーの常開接点のオンオフ
   をカウントし、予め設定したカウント値になるとその常
   開接点を開放するカウンタと、電動機の主回路に介挿さ
   れ、前記カウンタで予め設定したカウント値までは前記
   タイマーの常閉接点のオンオフにより附勢、消勢が繰返
   制御される電磁開閉器とからなり、前記カウンタが予め
   設定したカウント値になると電磁開閉器への通電が阻止
   されるようにしたことを特徴とするホイストの自動イン
   チング装置。