JPS6037006Y2 - 小型直流モ−タ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はカップ形無鉄芯電機子を有する小型直流モータ
に関し、カップ内部に配置した界磁用マグネットの磁束
を通し、かつ、刷子が取付けられたブラケットを保持す
るヨークを２部品に分割することにより、低価格で、保
守点検の容易なモータを提供することを目的とする。

従来のカップ形無鉄芯電機子を有する小型直流モータは
、第１図に示すように、界磁用マグネット１．メタル２
，２′が取付けられたハウジング３によって構成された
ハウジング組立に、整流子セグメント４がモールド５に
よってモールドされた整流子とコイル６とシャフト７と
を樹脂８によって一体にモールドしたカップ無鉄芯電機
子Ａを挿入し、さらに前記電機子Ａの外周にヨーク９を
挿入し、前記ハウジング３にヨーク９の一端部を固定す
るとともに、刷子１０がスポット溶接された端子板１１
を取付けたブラケット１２をヨーク９の他端部に挿入固
定することにより構成されていた。

なお、１３はスラストワッシャ、１４は電機子の抜は止
め用Ｅリングワッシャ、１５は電機子Ａの開口部外周の
コイルエンド部で、コイルエンドを保持するために凸形
状となっている。

かかる従来の構造では、 ■ 電機子Ａの開口部外周にコイルエンド凸部が存する
ために、ヨーク９の形状が極めて複雑となり、しかも、
一般にはヨーク９は切削加工によって作らねばならず、
製造上のコストが上っていた。

■ ヨーク９の重量が大きいので、落下、衝撃に対して
十分耐えるためには、ヨーク９はＢ部で強固に保持され
る必要がある。

したがって、電機子の保守９点検のためにＢ部を一度は
ずすと、同一ヨークは再び使用できない。

■ ヨーク９．電機子Ａをはずした場合に、内部のマグ
ネット１に鉄粉とか異物が付着する。

等の問題があった。

本考案は上記従来の問題点を解消するものである。

以下、本考案の一実施例について第２図とともに説明す
る。

第２図において第１図と同部材のものには同番号を符し
てあり、第１図と相違する点は、ヨーク９を２部材９Ａ
、９Ｂに分割していることである。

すなわち、９Ａは電機子Ａの開口部外周の凸部よりわず
かに大きい内径を有する外ヨーク、９Ｂは電機子Ａの外
周よりわずかに大きい内径を有し電機子Ａと同等の高さ
を有する内ヨークであり、外ヨーク９Ａの一端部をハウ
ジング３にかしめるとともに、内ヨーク９Ｂを外ヨーク
９Ａ内に挿入する。

さらに、外ヨーク９Ａの他端部内にブラケット１２を挿
入し外ヨーク９Ａの０部をかしめてブラケット１２を保
持する。

内ヨーク９Ｂとしてはパイプ状のものだけでなく、板を
曲げて円筒状にしたものを用いてもよい。

また、内ヨーク９Ｂには特に純鉄パーマロイ等の透磁率
の高い強磁性体を用いれば外部への漏れ磁束が減少し、
モータの出力を上げることができる。

本考案の小型直流モータは、上記実施例に示されるごと
き構成であって、次のような効果を有する。

■ ヨークを内外２部材に分割しているため、ヨークを
パイプあるいはプレス加工により作ることが可能となり
、極めて安価に製作することができるとともに量産性も
向上する。

■ 電機子の開口部外周のコイルエンド凸部１５と外ヨ
ーク９Ａの間の間隔（Ｄ部）等を目視あるいは治具で間
隔を測定しながら組立てることが可能となり、完成品の
信頼性が向上する。

■ 電機子の保守９点検を行なうには、ブラケット１２
を保持する外ヨーク９Ａのかしめ部分（０部）をはずし
、内ヨーク９Ｂを取り出すけで可能となり、強固にかし
めである外ヨーク９Ａの他端部のハウジング３とのかし
め部分（Ｂ部）はそのままの状態にしておけばよいので
、簡単に行なうことができ、しかも外ヨーク９Ａを取り
外さないのでマグネット１に鉄粉等が付着することもな
くなる。

■ 内ヨーク９Ｂは界磁束を有効に通す目的のためにだ
け設けているものであるから、この材料として強磁性体
を用いれば、全体のヨーク材料に強磁性体を用いた場合
に比しコスト高となることなく、効率の良いすなわち小
型で高出力のモータを得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の小型直流モータの断面図、第２図は本考
案の一実施例を示す小型直流モータの断面図である。 １・・・・・・界磁用マグネット、３・・・・・・ハウ
ジング、６・・・・・・コイル、９Ａ・・・・・・外ヨ
ーク、９Ｂ・・・・・・内ヨーク、１０・・・・・・刷
子、１２・・・・・・ブラケット、１５・・・・・・コ
イルエンド部、Ａ・・・・・・電機子。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）カップ状に巻線したコイルのカップ開口部外周の
   コイルエンドに外方に突出した凸部を形成した無鉄芯電
   機子を有し、この電機子のカップ内部にハウジングに取
   付けられた界磁マグネットを配置し、かつ前記電機子の
   外方にヨークを配置してなる小型直流モータにおいて、
   前記ヨークは、はぼ均一な内径を有し、その内径が前記
   電機子の開口部外周の凸部よりわずかに大きい円筒状の
   外ヨークと、はぼ均一な内径を有し、その内径が前記電
   機子外周よりわずかに大きく、かつ電機子の高さとほぼ
   同等の高さを有する円筒状の内ヨークとにより構成腰前
   記外ヨークの一端部を前記ハウジングに固定し、この外
   ヨーク内に前記内ヨークを装備し、かつ前記外ヨークの
   他端部に刷子を有するブラケットを保持させてなる小型
   直流モータ。
2. （２）内ヨークとして透磁率の高い強磁性体を用いてな
   る実用新案登録請求の範囲第１項記載の小型直流モータ
   。