JPS6030998Y2 - 熱間鍛造用素材のデイスケ−リング装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は熱間鍛造プレスに供給される加熱素材のディ
スケーリング装置にかんする。

熱間鍛造プレスでは被加工物である加熱素材を、予じめ
ディスケーリング装置によって、素材表面に生成された
スケールを剥離させた後プレスに供給するようになって
いる。

そして、従来のディスケーリング装置では、水平に設置
された２本の回転ロールの間に加熱素材を載置し、素材
を回転させながらロール上方に設けられたブラシロール
によって素材表面のスケールを剥離させ、ついでロール
後方に設置された素材押出装置によって、熱間鍛造プレ
スに向けて素材を送給している。

しかし、この装置では素材を移動させるための押出装置
が必要であり、構造が複雑となるなどの不都合があった
。

本考案はかかる問題点を改善するためになされたもので
あって、支持ロールに傾斜を持たせ、かつ、ブラシロー
ルをその回転軸の向きを支持ロールの軸方向に対して斜
めに向けて設置し、素材の支持ロール上の滑りと、ブラ
シロールの送り方向に向けての回転によって、素材の移
送とスケールの剥離とを同時に行うようにしたものであ
る。

これによって簡単な構成で、しかも能率的なスケールの
剥離をなしうるようになった。

以下図面に示した実施例に基づいて説明する。

第１図〜第３図において、１． １’は１対となった２
本の支持ロールであって、図示されてない熱間鍛造プレ
スの加熱素材供給部に向けて水平に対しての角度の傾斜
を持たせて設置され、駆動装置（図示せず）によって両
ロール１，１′カ同一方向に回転される。

２は支持ロール１，１′の上方に設けられたブラシロー
ルであって、その回転軸の方向は支持ロール１，１′の
軸方向に対して角度θだけ傾けである。

また、該ブラシロール２は第２図に矢印で示すごとく下
向きに回転されるようになっている。

３は熱間鍛造プレスに被加工材として供給される円柱形
の加熱された素材である。

４は素材３を支持ロール１，１′に送給するシュード、
５は素材３を支持ロール１，１′よりプレスに向けて送
給するシュートである。

本考案は以上の通りに構成されており、次にその作用に
ついて述べる。

まず、素材３が加熱炉（図示せず）によって加熱された
後、シュート４を介して支持ロール１，１′の上部に送
給される。

支持ロール１，１′は傾斜し、かつ、時計方向に回転し
ているので、素材３は反時計方向に回転（第３図図示）
し乍ら支持ロール１，１′上を滑走していくことになる
。

そして、回転するブラシロール２の下を通過する時、表
面のスケールが剥離されることとなる。

この時ブラシロール２は支持ロール１，１′の軸方向に
対して斜め方向で下向きに、つまり、素材送り方向に回
転されており、素材３にはブラシロール２によって送り
方向の分力が与えられるので、素材３はスムーズにシュ
ート５に向けて送給されることとなる。

なお、前記の支持ロール１，１′の取付角度α、ブラシ
ロール２の設置角度θ、及びブラシロール２と支持ロー
ル１，１′との間隔調整などについては自在に調整する
ことができる。

また、ブラシロール２は横向きにした場合、つまり設置
角度θを０８とすると支持ロール１，１′間から送給素
材３が側方に飛び出す恐れがあり、またブラシロール２
を真直ぐにした場合、つまり設置角度を９０°とすると
、この時は供給素材３が支持ロール１，１′の軸方向、
即ち、送り方向に向けて一気に送出されスケール剥離効
果が落ちるのでよくない。

従って、ブラシロールはある角度θをもって傾斜して設
置されている。

次に支持ロールを第４図、第５図に示したとおり、支持
ロール１，１′の周面に一定巾の面取りを行い、平面と
曲面とを交互に素材３に接触させて振動を与え、その振
動による摩擦力の減少効果によって素材３の滑り速度を
早くさせることができる。

従って、これにより支持ロール１，１′の傾斜を低くと
ることができる。

なお、本実施例では支持ロール１，１′の周面の４ケ所
に面取りを行っているが、支持ロールのロール断面を多
角形に形成したり、支持ロール表面に溝、或いは凸部を
設けても同効である。

本考案は以上詳述したとおり、支持ロールを傾斜させて
設置し、かつ、ブラシロールを支持ロールの軸方向に対
して傾斜させて下向きに回転させるようにしたので、素
材押出装置を用いることなく素材のスケール剥離と併わ
せでスムーズな送りとを行い、また支持ロールを非円形
に形成することにより素材に振動を与え、支持ロールの
傾斜角度を小さくしての設置が可能となり、より構造を
簡単化することができ、コストダウンに対する効果は大
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例を示す平面図、第２図は同側面図
、第３図は同正面図である。 第４図は支持ロールの周面の面取りをした実施例を示す
斜視図、第５図は同支持ロールの断面を示す。 １．１′・・・・・・支持ロール、２・・・・・・ブラ
シロール、３・・・・・・素材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 同方向に回転する２本の支持ロールを軸方向に傾斜
   を持たせて併設し、該ロールの上方にブラシロールを前
   記支持ロールの軸方向に対して、その回転軸の方向を斜
   めに向けて設けたことを特徴とする熱間鍛造用素材のデ
   ィスケーリング装置。 ２ 支持ロールのロール断面を非円形に形成して構成し
   た１項記載の熱間鍛造用素材のディスケーリング装置。