JPS6029385Y2 - Ｘｙ移動テ−ブル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、ベース上に設けられた下テーブルと、この
下テーブル上に設けられた上テーブルを有し、この２つ
のテーブルが互いに直角な方向に夫々送りねじによって
移動可能とされているＸＹ移動テーブルであって、上テ
ーブルを移動させる送りねじがベースに支承され、この
送りねじに螺合するナツトと上テーブル間に自由度を持
った接続機構を介在させて送りねじの回転変位に対応し
た正確な上テーブルの移動を可能としたＸＹ移動テーブ
ルに関する。

ベースに設けられた第１の案内手段に支承され一方向に
移動可能とされている下テーブルと、この下テーブル上
に設けられた第２の案内手段により下テーブルの移動方
向と直角な方向に移動可能とされた上テーブルを有し、
前記夫々のテーブルが送りねじによって移動されるよう
にしたＸＹ移動テーブルは、一般に下テーブルを移動さ
せる送りねじをベースに支承し、上テーブルを移動させ
る送りねじを下テーブルに支承するものとなっているが
、この形式スＹ移動テーブルは、上テーブルを駆動する
動力源であるモータ等がテーブルに取付けられるもので
あるため、下テーブルの重量が大きくなり、下テーブル
の慣性が大となる結果下テーブルを高速移動させること
が困難となるという欠点があった。

また、下テーブルにモータを取付けたものでは、モータ
から発生する振動によりテーブルが振動しモータを停止
させてもすぐにテーブルが安定化しないという欠点があ
った。

この様な欠点を解消したＸＹ移動テーブルとしては、上
テーブルを移動させる送りねじをベースに支承し、この
送りねじに螺合させた滑動ブロックに一対のガイドロー
ラを設け、上テーブルの移動方向の一端を折曲してガイ
ドローラーにより挾持してなるＸＹ移動テーブルが公知
である。

しかし、このＸＹ移動テーブルは、滑動ブロックを用い
ているため、送りねじの偏心または送りねじを支承する
部分等に偏心が存在するとナツトに振れが生じ、滑動ブ
ロックの滑動面に加わる面圧が変化するので滑動ブロッ
クの摺動抵抗が変化し、テーブルの正確な位置決めが困
難となるという欠点があった。

この考案は、従来のＸＹ移動テーブルがもつ前記欠点に
着目してなされたもので、その目的とするところは、テ
ーブルの高速動作が可能で、送りねじの偏心または送り
ねじを支承する部分等に若干の偏心が存在してもテーブ
ルの正確な位置決めが可能なＸＹ移動テーブルを提供す
るにある。

この目的を遠戚するため、この考案は、上テーブルを移
動させる送りねじをベースに支承し、この送りねじの軸
方向と直交する一対の案内面をナツトまたは上テーブル
のいずれか一方の部材に設け、この案内面に係合するロ
ーラを両端部に有するアームを他方の部材に揺動自在に
取付けた第１の接続部と、送りねじの軸方向と平行な一
対の案内面をナツトま゛たはベースのいずれか一方の部
材に設け、この案内面に係合するローラを両端部に有す
るアームを他方の部材に揺動自在に取付けた第２の接続
部を設け、夫々のアームの弾性変形により前記夫々の案
内面を夫々２つのローラにて予圧して送りねじの回転に
対応した正確な上テーブルの位置決めを可能としたもの
である。

次にこの考案に係る実施例を図面により説明する。

下テーブル１は、ベース２に設けられた２組の第１の案
内手段３に支承された一方向に移動可能となっている。

この第１の案内手段３は、２つの案内ブロック４，５間
に軸線の向きを交互に直角方向に変えたころ６が配され
たクロスローラ直動案内が用いられているが他の形式の
案内手段であっても良い。

上テーブル７は、下テーブル１に設けられた２組の第２
の案内手段８に支承され下テーブル１の移動方向に対し
て直角な方向に移動可能とされている。

この第２の案内手段８は、２つの案内ブロック９，１０
間に軸線の向きを交互に直角方向に変えたころ１１が配
されたクロスローラ直動案内が用いられているが他の形
式の案内手段であっても良い。

送りねじ１２は、軸線が上テーブル７の移動方向と平行
とされ軸受１３とブラケット１４に嵌合した２つの軸受
１５，１６により回転自在に支承されている。

送りねじ１２の端部には、カップリング１７が取付けら
れ、ブラケット１４に間座１８を介して取付けられたモ
ータ１９の軸は、このカップリング１７により送りねじ
１２と結合されている。

ナツト２０は、送りねじ１２に螺合し、送りねじ１２の
回転により送りねじ１２の軸方向に移動可能となってい
る。

上テーブル７とナツト２０の間には、ナツト２０の変位
を上テーブル７に確実に伝達するための第１の接続部が
設けられ、ナツト２０とベース２の間には、ナツト２０
が送りねじ１２に対して回転するのを阻止する第２の接
続部が設けられている。

この第１の接続部は、互いに平行且対向し背中合せとな
った案内面２１．２２を有するレール２３をその案内面
が送りねじ１２の軸線と直行するように上テーブル７に
ボルト２４により固着し、ナツト２０の上面に案内面２
１．２２の夫々に対応し送りねじ１２の軸線方向に離間
した支軸２５．２６を固着し、この支軸２５に案内面２
１に係合する回転自在なローラ２７を両端部に有するア
ーム２８を揺動自在に嵌合させ、支軸２６に案内面２２
に係合する回転自在なローラ２９を両端部に有するアー
ム３０を揺動自在に嵌合させ、前記ローラの対２７及び
２９が各々反対方向から案内面２１．２２に圧接された
構成とされている。

支軸２５の中心と支軸２６の中心間距離から、支軸２５
の中心からローラ２７が案内面２１に接する側の２つの
ローラ２７の共通接線までの自由状態における距離と、
支軸２６の中心からローラ２９が案内面２２に接する側
の２つのローラ２９の共通接線までの自由状態における
距離を差し引いた寸法は、レール２３の案内面２１．２
２間の幅寸法より小さく選ばれているのでレール２３は
、アーム２８．３０を弾性変形させ、対向するローラ２
７，２９の間隔を押し広げた状態としてローラ２７，２
９の間に組付けられる。

このためローラ２７，２９は、アーム２８．３０の弾性
変形によって案内面２１．２２に常に予圧された状態で
係合されている。

アーム２８．３０には、ローラ２７，３９を案内面２１
．２２に適当な予圧で係合させるため切欠３１または３
２が設けられているが、適当な弾性を得る他の手段とし
ても良い。

第２の接続部は、互いに平行且対向し背中合せとなった
案内面３３．３４を有するキー３５をその案内面が送り
ねじ１２の軸線と平行するようにベース２にボルト３６
により固着し、ナツト２０の下面に案内面３３．３４の
夫々に対応し送りねじ１２の軸線方向と直交する方向に
離間した支軸３７．３８を固着し、この支軸３７に案内
面３３に係合する回転自在なローラ３９を両端部に有す
るアーム４０を揺動自在に嵌合させ、支軸３８に案内面
３４に係合する回転自在なローラ４１を両端部に有する
アーム４２を揺動自在に嵌合させ、前記ローラの対３９
及び４１が各々反対方向から案内面３３．３４に圧接さ
れた構成とされている。

支軸３７の中心と支軸３８の中心間距離から、支軸３７
の中心からローラ３９が案内面３３に接する側の２つの
ローラ２９の共通接線までの自由状態における距離と、
支軸３８の中心からローラ４１が案内面３４に接する側
の２つのローラ４１の共通接線までの自由状態における
距離を差し引いた寸法は、前記第１の接続部と同様とさ
れている。

このためローラ３９，４１は、アーム４０゜４２の弾性
変形によって案内面３３．３４に常に予圧された状態で
係合されている。

アーム４０．４２には、アーム４０．４２に適当な弾性
を持たせるための切欠４３または４４が設けられている
。

下テーブル１を駆動するモータ４５は、ベース２に固着
されている所のみが示しである。

以上の様に構成したこの考案のＸＹ移動テーブルは、上
テーブル７を駆動するモータ１９をベース２に固着した
構造としたので、下テーブル１に上テーブル７を駆動す
る機構を設ける必要がなく、下テーブル１の慣性が大き
くならないので下テーブル１の作動の高速化が可能であ
り、また、モータ１９がベース２に支持されているので
、モータの振動によりテーブルが振動してテーブルの安
定時間が多くなるということが少いＸＹ移動テーブルを
得ることができ、送りねじ１２の軸線と直交する方向に
自由度を持たせた第１の接続部をナツト２０と上テーブ
ル７の間に設け、送りねじ１２の軸線と平行な方向に自
由度を持たせた第２の接続部をナツト２０とベース２の
間に設けた構成とし、前記夫々の接続部は、予圧された
ローラによる係合としたので、ナツトに若干の振れがあ
ってもテーブルの位置決め精度が阻害されることが少く
正確な位置決めが可能なＸＹ移動テーブルが得られると
いう効果を有する。

さらに、接続部の案内面に係合するローラをアームの両
端部に設ける構成としたので、係合部の剛性が大きく、
また、ローラに加える予圧力は、アームを両持梁とする
弾性変形を利用したので、ばね定数を小さく出来、製作
時の加工誤差による予圧力の変動が小さいので均一な製
品を容易に製造出来るという効果を有する。

この実施例では、上テーブル７の側に案内面２１．２２
を設け、ナツト２０の側に支軸２５，２６を設けた第１
の接続部と、ベース２の側に案内面３３．３４を設け、
ナツト２０の側に支軸３７．３８を設けた第２の接続部
を有するものを示したが、第１の接続部は、上テーブル
７の側に支軸２５．２６を設け、ナツト２０の側に案内
面２１．２２を設ける構成としても良く、また、第２の
接続部は、ベース２の側に支軸３７．３８を設け、ナツ
ト２０の側に案内面３３．３４を設ける構成としてもい
ずれも同様の作用効果が得られるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案のＸＹ移動テーブルの一実施例を示す
正面図、第２図は、第１図の右側面図、第３図は、第１
図のＡ−Ａ線断面図、第４図は、第１図のＢ−Ｂ線断面
図である。 １・・・・・・下テーブル、２・・・・・・ベース、７
・・・・・・上テーブル、１２・・・・・・送りねじ、
２０・・・・・・ナツト、２１．２２，３３．３４・・
・・・・案内面、２５．２６゜３７．３８・・・・・・
支軸、２７，２９，３９．４１・・・・・・ローラ、２
８，３０，４０，４２・・・・・・アーム。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ベース２に設けられた第１の案内手段３に支承され一方
   向に移動可能とされた下テーブル１と、該下テーブル１
   に設けられた第２の案内手段８に支承され前記下テーブ
   ル１の移動方向と直角な方向に移動可能とされた上テー
   ブル７と、該上テーブル７の移動方向と平行にベース２
   に回転自在に支承された送りねじ１２と、該送りねじに
   螺合するナツト２０と、該ナツト２０と前記上テーブル
   ７間に設けられた第１の接続部と、前記ナツト２０と前
   記ベース２間に設けられた第２の接続部を具え、前記第
   １の接続部は、前記ナツト２０または上テーブル７のい
   ずれか一方の部材に設けられ前記送りねじ１２の軸線に
   直交し互いに平行且対向し背中合せとなった一対の案内
   面２１．２２と、該案内面２１．２２の夫々に対応させ
   前記ナツト２０または上テーブル７の他方の部材に前記
   送りねじ１２の軸方向に互いに離間させて固着した２つ
   の支軸２５．２６と、該支軸の夫々に揺動自在に嵌合し
   前記案内面２１．２２の夫々に係合する回転自在なロー
   ラ２７，２９を両端部に有する２つのアーム２８．３０
   とを具え、前記第２の接続部は、前記ナツト２０または
   ベース２のいずれか一方の部材に設けられ前記送りねじ
   １２の軸線と平行で互いに平行且対向し背中合せとなっ
   た一対の案内面３３．３４と該案内面３３．３４の夫々
   に対応させ前記ナツト２０またはベース２の他方の部材
   に前記送りねじ１２の軸方向と直交する方向に離間させ
   て固着した２つの支軸３７，３８と、該支軸の夫々に揺
   動自在に嵌合し前記案内面３３，３４の夫々に係合する
   回転自在なローラ３９．４１を両端部に有する２つのア
   ーム４０゜４２とを具えてなり、前記アーム２８，３０
   ，４０．４２の弾性変形により前記ローラの対２７゜２
   ９及び３９，４１が各々反対方向から前記案内面２１，
   ２２，３３．３４に圧接されていることを特徴とするＸ
   Ｙ移動テーブル。