JPS6029231Y2 - 濾波器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、特定の周波数帯のみを減衰させる帯域消去
ろ波器に関する。

一般に、帯域消去ろ波器は、テレビ、ラジオ等の無線受
信機器とアンテナの間や、共聴システム中に挿入され、
ある周波数帯域のみを減衰させ、不用な信号をしゃ断し
たり、過大な入力レベルを有する信号を減衰するために
使用され、狭帯域で急峻な減衰特性を有するものが好ま
しく、そのようなろ波器の構造としては第１図に示すよ
うなものがある。

第１図において、１は入力接栓で、入力接栓１の中心端
子はコイル２を介して出力端子３の中心端子に接続され
ている。

また入力端子１及び出力端子３の外部端子は接地されて
いる。

コイル２には、コイル４が電磁的に結合され、このコイ
ル４と並列にコンデンサ５が接続され、さらにこのコイ
ル４の一端は接地されている。

このコイル４とコンデンサ５で構成される並列共振回路
６は、減衰させようとする信号の周波数に共振するよう
に、コイル４のインダクタンス及びコンデンサ５のキャ
パシタンスが選ばれている。

このように構成されたろ波器において、狭帯域で急峻な
減衰特性を得るためには、並列共振回路６のＱを上げな
ければならない。

そこで、コイル２とコイル４との結合度を小さくすると
ともに、コイル２の巻数を増加し、コイル２がより多く
の電磁束を捕捉するようにしていた。

しかしこの方法では、入力接栓１と出力接栓３との間に
導リアクタンスが直列に接続されることになり、ろ波器
に特性インピーダンスが変化したり、第２図に示すよう
に、周波数が高くなると、減衰量が徐々に増加していく
欠点があった。

そのため第３図に示すようにコイル２と接地間との間に
インピーダンス補正用コンデンサ７ａ。

７ｂ、７ｃ・・・を接続することにより、第４図に示す
ように周波数特性を改善していた。

しかし、この従来のろ波器では構造が複雑で信号の周波
数がより高くなると、インピーダンス補正用コンデンサ
？ａ、７ｂ、７ｃ・・・の数が増え、ろ波器の構造によ
ってはインピーダンス補正用コンデンサ７ ａ、 ７
ｂｙ ７ ｃ・・・の取付けが不可能であったり、
取付は方によっては、このリード線の長さが長くなって
そのインダクタンスによって正確なインピーダンス補正
ができなくなり第４図に示すような良好な周波数特性が
得られなくなったりしていた。

この考案は簡単な構造で高い周波数帯においても良好な
周波数特性を有するろ波器を提供しようとするものであ
る。

以下この考案を、図示の一実施例に基づいて説明する。

なお、従来例と同一部分については同一符号を付し、説
明を省略する。

第５図において、８は同軸ケーブルで、中央部分がコイ
ル状に巻回されている。

この同軸ケーブル８の外被導体９の両端は、それぞれ入
力接栓１の中心端子及び出力端子３の中心端子に接続さ
れている。

また中心導体１０はその両端が接地されている。

この同軸ケーブル８の、コイル状に巻回された部分には
、並列共振回路６のコイル４が、電磁的に結合されてい
る。

このように構成されたろ波器は、中心導体１０と外被導
体９との分布容量がインピーダンス補正用コンデンサと
して働き、同軸ケーブル８にインピーダンス補正用コン
デンサを取付ける必要はない。

したがって、インピーダンス補正用コンデンサによって
、電磁束が妨げられることもなく、リード線のインダク
タンスが問題となることもないので、より高い周波数帯
まで良好な周波数特性を得ることができる。

以上説明したように、この考案によれば、簡単な構成で
、より高い周波数帯まで良好な周波数特性を有するろ波
器を実現できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のろ波器の回路図、第２図は同ろ波器の周
波数特性図、第３図はインピーダンス補正された従来の
ろ波器の回路図、第４図は同インピーダンス補正された
ろ波器の周波数特性図、第５図はこの考案に基づくろ波
器の回路図である。 １・・・・・・入力接栓、３・・・・・・出力接栓、４
・・・・・・コイル、６・・・・・・並列共振回路、８
・・・・・・同軸ケーブル、９・・・・・・外被導体、
１０・・・・・・中心導体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 少くともその一部分をコイル状に巻回し、その中心導体
   を接地し、その外被導体に入出力端を設けた同軸ケーブ
   ルと、この同軸ケーブルのコイル状巻回部分の外被導体
   に電磁結合したコイルを有する共振回路とからなるろ波
   器。