JPS6026537B2 - 衛生用品 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、経血・尿等の排他体液を吸収保持するための
吸収体の構成に特徴を有する生理用ナプキン、おむつ、
産凝パット等の衛生用品、就中、生理用ナプキンの改良
に関する。

従来、生理用ナプキンの吸収体としては、一般にクレー
プ紙、粉砕パルプ、綿等の繊維素系材料の他、吸収性ポ
リマー等が用いられ、そのうち安価な粉砕パルプが最も
多用されている。

粉砕パルプは、ティッシュペーパーの上に積属したり、
ティッシュペーパーで包んだり、これらを多層に折重ね
たりして用いられている。しかし粉砕パルプを主村とす
る吸収体は、体液の吸収能力・吸水速度が優れているが
、拡散性が低いため、一時に局部的に比較的多量の体液
に接し、しかも外圧を受けた場合には体液が逆流してナ
プキンの表面に鯵出し使用者に不快感を与らることがあ
る。このため吸収体を部分的又は全体的にプレスしたも
のが実用に供されており、このプレスにより拡散性が或
る程度まで向上するが、未だ満足すべきものでないのみ
ならず、体液を吸収した状態の下では、弾力性が著しく
低下すると共に、使用者の股間圧力により層状態が変形
・破損し、これが使用者にナプキン使用感を強く与えた
り、体液の漏れの原因となることがある。一方、ナプキ
ンの吸収面（肌当面）の弾力性を向上させるため、ナプ
キンの表面を形成する透水性シートの内面にレィョン等
の親水性繊維又はこれを主材とする密度の低いウェブ状
層を位置させたものも実用に供されているが、このウェ
プ状層は体液に接した状態の下では、その弾性力が半減
する。

本発明の目的は、巻縮性アセテート繊維の連続フィラメ
ントトゥを舷中開繊したものと粉砕パルプとを粗合せた
特定構造の吸収体を形成することにより、主として前述
した従釆の欠点を改良することのできる衛生用品及びそ
の製造方法を提供することにある。

本発明の実施態様を図面を参照して説明すると、以下の
通りである。

第１図は、本発明の衛生用品としての一例を示す生理用
ナプキンの外観斜視図、第２図は、第１図２−２線に沿
う断面図である。

生理用ナプキン１は、基本的には、吸収体２の下面と中
方向両側部に不透水性シート３を積層し、この積層体を
透水性シート４で被覆してその中方向両端部４ａを重ね
合せると共にその長さ方向の重ね合せ両緑部４ｂを熱溶
着することにより構成してあり、図示に於て上部が吸収
側である。

図示してないが、不透水性シート３はその中方向両側部
の内方へ折曲することなく外方へ延出させ、且つ透水性
シート４の中方向両側部を内方へ折曲することなく外方
へ不透水性シート３と略同中延出させ、これら両延出部
を互に係合してフラップを形成してもよい。斯かる型態
は、生理用ナプキンとしても適するが、特におむっとし
て好適である。不透水性シート３としては、一般に生理
用ナプキンの経血防漏シートとして用いられている合成
樹脂フィルム、防水加工紙、合成樹脂フィルムと紙又は
不織布とのラミネートシート等の単独又は組合せからな
るものを用いることができ、又透水性シート４としても
、一般に生理用ナプキンの外装材として用いられている
不織布を用いることができる。

吸収体２は、巻縮性アセテート繊維の連続フィラメント
トウを開綾したものと、パルプシートをハンマーミル等
で粉砕したパルプとから構成してある。

この巻縦性アセテート繊維の連続フィラメントトウは、
タバコ用のフィルターの素材として用いられるもので安
全性が高い：親水茎と疎水基を有し、パルプ、レィョン
等の繊維秦系材料よりも吸収能力、吸水速度が劣るが、
湿潤状態塁の下で豚がなくなることがない；熱で固定さ
れたィンチ当り数十個のクリンプを有し、高巻線性で、
見掛け密度が低く嵩高性であり、しかも疎水基を有して
いることから、湿潤状態の下でも嵩高性が維持される；
という特性を有し、吸収体２の素材として、粉砕パルプ
と組合せて用いるのに好適である。第３一Ａ図乃至第３
−Ｃ図は、前述の素材で構成した吸収体２を中方向に断
面した状態を祖鞠略図解したものである。

図に於て、符号５は巻縮性アセテート繊維の連続フィラ
メントトウを実質的に均一な密度に拡中開繊したもの（
以下、連続フィラメント層という）を示し、且つこれは
ジクザクに屈曲した三本線で示してあるが、その連続フ
ィラメントは前記ナプキン１の長辺と並行になるように
その長さ方向に向けて配置してある。第３一Ａ図に示す
態様の吸収体２は、前記ナプキン１と略同中を有する連
続フィラメント層５と、この層５の片面に薄層した粉砕
パルプ層６とを厚さ方向に部分的にプレス（ェンボス）
又は全体的にプレスし一体化した形成した各積層体７を
備え、この各積層体７を粉砕パルプ層６が積層されてい
ない連続フィラメント層５の片面が上面に位鷹するよう
に上下二層に積層し、この上部積層体７の上面が前記透
水性シート４の上側内面に接するように配置してある。

第３一Ｂ図に示す態様の吸収体２は、前記ナプキン１の
略三倍の中を有する連続フィラメント層５と、この層５
の片面に積層した粉砕パルプ層６とを厚さ方向に第３−
Ａ図に示す態様と同じく部分的又は全体的にプレスし一
体化した積層体８を備え、この積層体８を粉砕パルプ層
６が積層されていない連続フィラメント層５の片面の一
部が外面に位置して積層体８が三層になるように折畳ん
である、即ち、この積層体８の略三分の一の中の一端部
を粉砕パルプ層６側へ折曲してこれに重合すると共に、
同様に略三分の一中の池端部を粉砕パルプ層６側へ折曲
して前記一端部に重合し、この積層体８の上面又は下面
が前記透水性シート４の上側内面に接するように配置し
てある。

第３−Ｃ図に示す態様の吸収体２は、前記ナプキン１の
略三倍の中を有する連続フィラメント層５と、この層５
の片面に積層した粉砕パルプ層６と、この層６に積層し
連続フィラメント層５と略同中を有するティッシュペー
パ一等の吸収性シート１０とを厚さ方向に第３−Ａ図に
示す態様と同じく部分的又は全体的にプレスし一体化し
た積層体９を備え、この積層体９を第３−Ｂ図に示す態
様の如く三層になるように折畳み、この積層体９の上面
又は下面が前記透水性シート４の上側内面に するよう
に配置してある。

第３−Ａ乃至第３一Ｃ図に示す何れの態様の吸収体２も
、粉砕パルプ層６を単に連続フィラメント層５の片面に
積層して一体化させてあるのに留まらず、粉砕パルプ層
６の一部を連続フィラメント層５の内部繊維間に侵入介
在させてある。

又図示してないが、粉砕パルプ層６に適宜量の吸収性ポ
リマーの粉末を混合して吸収体２の吸収保持能力を高め
るようにしてもよい。又吸水性シート１川ま連続フィラ
メント層５、粉砕パルプ層６と共に既述の如くプレスし
一体化してあることが好ましいが、単に粉砕パルプ層６
に鏡層してあってもよい。第４図は、第３一Ｂ図及び第
３一Ｃ図に示す最も好ましい態様の吸収体２を備えた前
記ナプキン１を製造するための装置の一例を概略図解し
たものであり、第５図は、第４図の部分的補足説明図で
ある。

巻縮性アセテート繊維の連続フィラメントトゥ１１は、
ベール１２から取出しリング１３により撚り等を防止し
て第一次空気関織菱贋１４に導く。

装置１４は、例えば、主として圧縮空気管と接続した複
数の噴出孔を設けた一対の対向した平行部分を備え、ト
ゥ１ １を噴出孔からの圧縮空気で先づ所要中の帯状に
舷中開繊する。次いでこのトウ１１は、ガイドロール１
５ａ，１５ｂを介して各一対の押えロール１６ａ，１６
ｂと駆動ロール１７ａ，１７ｂに導く。駆動ロール１７
ａ，１７ｂは、押えロール１６ａ，１６ｂより周面速度
が大であり、しかもそれらの一方又は双方の周面に好ま
しくはロール軸に対して角度を有する溝を設けてあり、
従ってトウ１１は駆動ロール１７ａ，１７ｂによりベー
ル１２から引出されると共に、押えロール１６ａ，１６
ｂと駆動ロール１７ａ，１７ｂとの間に於て引張られる
部分と引張られない部分とが生じ、その結果、中方向へ
拡中し易くなる。駆動ロール１７ａ，１７を離れたトゥ
１１は、第一次空気開繊装置１４と同様の機構を備える
第二次空気開繊装置１８に導き、ここで最終的に既述し
た第３−Ａ図乃至第３−Ｃ図に示す連続フィラメント層
５と同様の実質的に均一な密度に拡中開繊する。因みに
、装置１８は拡中を規制するガイドを備え、このガイド
の調整により所望どおり舷中関織することができる。斯
くして連続的に帯状に拡中開綾したトゥ１１ａ（既述し
た第３一Ａ図乃至第３−Ｃ図に示す連続フィラメント層
５の長尺物）は、多孔性コソベア１９の上面に導き、ト
ウ１１ａの上面にハンマーミル等の鱗繊装置又はこれに
連結した撒布装置２川こより粉砕パルプ２１（場合によ
り吸収性ポリマー粉末との混合物）を実質的に均一に撒
布して積層すると共に、粉砕パルプ２１の一部を多孔性
コンベア１９の下面に配置したサクション２２により吸
引してトウ１１ａの内部繊維間に侵入介在させる。

しかして第３−Ｂ図に示す如き積層体８を形成する場合
には、表面凹凸のェンボスロール又は表面平滑な全面プ
レスロール２３によりプレスして一体化、又第３−Ｃ図
に示す如き積層体を形成する場合には、更に粉砕パルプ
２１の層に第一巻出ロ−ル２４から吸収性シート２５を
巻出し積屈して前述の如くプレスして一体化する。斯く
して第一次積層体２６を形成し、これを第一ガイド２７
により第３−Ｂ図又は第３−Ｃ図に示す如く三層に折畳
む。第一ガイド２７は、例えば、第３−Ｂ図及び第３−
Ｃ図の積層体８，９の折畳み断面形と同様の断面形のチ
ャンネルを備え、このチャンネルに第一次積層体２６を
強制的に通過させるようにしてある。この折畳んだ第一
次積層体２６に第二巻出しロール２８から不透水性シー
ト２９を巻出して第一次積層体２６の上面と中方向両側
部とを第二ガイド（図示せず）により包むように積層す
る（第２図に示す符号３参照）ことにより第二次積層体
３０を形成する。この第二次積層体３０をベルトコンベ
ア３１により第一次切断装置３２に導き、一定間隔毎に
切断して各単位積層体３３を形成する。これら各単位積
層体３３を前記切断とベルトコンベア３４との速度差に
より一定間隔離れさせ、これら各単位積層体３３に第三
巻出しロール‐３５から透水性シート３６を巻出してこ
れら各単位積層体３３の全体を第三ガイド（図示せず）
により被覆して（第２図に示す符号４参照）ベルトコン
ベア３４により溶着装鷹３７に導き、各単位積層体３３
間の透水性シート３６を落着し、次いでコンベァ３８に
より第二切断装置３９に導き、前記客着部分を切断して
最終製品４０（第１図に示す符号１参照）を形成し、ベ
ルトコンベア４１により包装工程へ移送する。

なお前記第二次ガイド及び第三次ガィド‘ま、例えば、
第２図に示す不透水性シート３及び透水性シート４のそ
れぞれの折曲断面形と同様の断面形のチャンネルを備え
、このチャンネルにより第二次積層体３０及び単位積層
体３３のそれぞれを強制的に通過させるようにしてある
。以上の構成を有する吸収体を備える本発明衛生用品に
よれば、既述の種々の特性を有する巻縮性アセテート繊
維の連続フィラメント層により吸収体の一部を構成し、
しかもその連続フィラメント層の少なくとも一部を衛生
用品の吸収側に位遺させてあり、従って、体液の拡散性
が向上すると共にその吸収側への逆流鯵出を効果的に防
止することができる；吸収体が嵩高性に富みその体積が
増大して体液の吸収容量が増大する：吸収体の弾力性、
従って衛生用品全体の弾力性が向上して使用者の肌に柔
かく適合密着して使用者に使用感を与えることが少ない
と共に、衛生用品全体の圧縮復元性が向上してその包装
・携帯時の折畳み圧縮による折り目・雛がその圧縮解除
後には殆ど元の状態に回復する：吸収体が体液を吸収し
た状態の下でも前述の嵩高性、弾力性を維持し、そのた
め使用者の動作や股間圧による変形、破損が少なく型態
保持性が優れている、というような従来の衛生用品によ
っては得られない幾多の効果がある。

実施例 １吸収体として巻縮性アセテートの連続フィラ
メントトゥと粉砕パルプを用いた第２図及び第３−Ｃ図
に示すナプキンを第４図に示す装置により作った。

巻縮性アセテート繊維の連続フィラメントトゥとして三
菱アセテート社Ｚ凶−２５０００トータルデニールのも
のを用いた。又不透水性シートとしてポリエチレンフィ
ルムと紙とのラミネートシート、透水性シートとして不
織布をそれぞれ用いた。比較品として前記アセテート繊
維の代りにティッシュペーパーを用いたナプキンを作っ
た。その比較試験結果を下記に示す。表１ （注）◎印は○印よりも優れていることを示す。

（注）表２は、生理処理用品基準Ｋより吸水倍率を測定
したもの。表３ ４ （注）表４は、吸収体として２ｇ／１枚のシートを１０
枚重ね時の嵩を測定したもの。

表５ （注）表５は、吸収体としての上記表４のソートに５松
／枚の染料溶液を滴下し、染料溶液吸収後の弾力性を測
定したもの。

図面の簡単な説明・ 第１図は、本発明衛生用品の一例としての生理用ナプキ
ンの外観斜視図。

第２図は、第１図２−２線に沿う断面図。第３一Ａ図乃
至第３−Ｃ図は、吸収体を中方向に断面した概略図。第
４図は、本発明衛生用品を製造するための一例を示す概
略図。第５図は、第４図の補足説明図。１・・・・・・
ナプキン、２・・・・・・吸収体、３・・…・不透水性
シート、４・・・・・・透水性シート、５・・・・・・
連続フィラメント層、６・・・…粉砕パルプ層、７，８
，９・・・・・・積層体、１４・・・・・・空気開繊袋
魔、１６ａ，１６ｂ・・・・・・押えロール、１７ａ，
１７ｂ・・・・・・駆動ロール、１８・・・・・・空気
開綾装置、１９・・・・・・多孔性コンベア、２０・・
・・・・ハンマーミル等、２１・・・・・・粉砕パルプ
、２２……サクシヨン、２３……プレスロール、２５・
・・・・・吸水性シート、２７・・・・・・ガイド、２
９・・・・・・不透水性シート、３２・・・・・・切断
装置、３６・・・・・・透水性シート、３７・・・・・
・熱溶着装贋、３９・・・・・・切断装置。

第１図 第２図 第 ８−Ａ図 第３一Ｂ図 第３一Ｃ図 図 寸 舷 図 め 球

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 少なくとも吸収体の下面に不透水性シートを積層し
   、この積層体の少なくとも上面と周側面を透水性シート
   で被覆してなる衛生用品に於て、前記吸収体は、少なく
   とも二つの巻縮性アセテート繊維の連続フイラメント層
   と、この両層の各下面に積層するとと共にこの両層の内
   部に介在させた粉砕パルプ層とを厚さ方向への部分的又
   は全体的プレスで一体化して積層体を形成し、この積層
   体の連続フイラメント層が衛生用品の長さ方向に向き、
   且つこの最上面に位置する連続フイラメント層と前記透
   水性シートの内面とが衛生用品の少なくとも吸収側で接
   するように配置してあることを特徴とする衛生用品。 ２ 吸収体は、巻縮性アセテート繊維の連続フイラメン
   ト層と、この連続フイラメント層の片面に積層した粉砕
   パルプ層と、この粉砕パルプ層に積層した吸収性シート
   とを厚さ方向に部分的又は全体的プレスで一体化して形
   成してなることを特徴とする特許請求の範囲第１項記載
   の衛生用品。 ３ 吸収体は、最上面に位置する巻縮性アセテート繊維
   の連続フイラメント層が外側に位置するように複数層に
   折畳んでなることを特徴とする特許請求の範囲第１項記
   載の衛生用品。