JPS602632Y2 - ブザ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、電磁石とこの電磁石を包囲する如く設けられ
た永久磁石との磁気的相互作用により、磁性金属振動板
させるようにしたブザに関する。

第１図はこの種のブザの従来例を示している。

図示するように、従来のブザは、コイル１を巻装した鉄
心２を、円板状のヨーク３上に立設すると共に、ヨーク
３の外周縁に円筒状の永久磁石４を磁気的に吸着せしめ
、さらにこの永久磁石４の開口端部４ａに、リング状の
スペーサ５および中心部に重錘７を取付けた磁性金属振
動板６を順次積み重ねる構造であったから、次のような
欠点があった。

（１）振動板６の振動運動は、振動板６と鉄心２の先端
面との間に形成される空隙Ｇ１の距離に依存するので、
空隙Ｇ□の距離は個々のブザで変動しないように一定の
値に管理する必要がある。

ところが第１図に示すような構造であると、ヨーク３、
永久磁石４およびスペーサ５の加工誤差、各部の接触面
における接着剤などによる組立誤差が累加されるから、
振動板６の位置が一定せず、個々のブザで空隙Ｇ１の距
離が浮動してしまい、音質、音量のバラツキを生じてし
まう。

（２）このため従来は、第１図に示す如く鉄心２をヨー
ク３上に螺着するか、またヨーク３を永久磁石４に螺着
し、その螺合量を調節して空隙Ｇ１の距離を所定値に設
定することが必須であった。

しかし空隙Ｇ１の距離は１００±１０μ程度の微小値で
あり、上述のような調節手段を用いても空隙Ｇ１を所定
値に設定することは必ずしも容易ではなかった。

しかも上述のような構造であると、ヨーク３、鉄心２ま
たは永久磁石４にネジ加工を施さなければならないから
、加工工数の増加を招きコスト高となる。

（３） 永久磁石４、ヨーク３および鉄心２は重量の
ある磁生金属材料を機械加工する等して個別的に製作し
なければならず、加工工数の増加、ブザ全体の重量、形
状の大形化を招く。

この種のブザはポケットベルや、寺計などの小形機器に
組込んで使用するものであるから、可及的に軽量小形化
しなければならないのであって、従来のブザではこの要
請に充分には応えることができない。

（４）第１図のブザは通常合成樹脂などの非磁生材料よ
り戒る外装ケースに嵌挿して使用されるものであるが、
硬い金属材料より成る永久磁石４やヨーク３の外表面と
、外装ケースとの間に隙間を生じ易い。

このため発音動作時に所謂１ビリ音ヨを生じ振動音質が
悪くなる。

本考案は上述する従来の欠点を一掃し、振動板と鉄心と
の間の空隙を高精度で管理しえ、しかも軽量小形であり
ながら大音量の振動音を得ることの可能な安価なブザを
提供することを目的とする。

上記目的を遠戚するため、本考案は、電磁石と、該電磁
石と空隙を介して対向する振動板と、該振動板を支持す
る支持面を有して有底筒状に形威された収納ケースと、
該収納ケースの底部上に一体的に立設された鉄心と、該
鉄心を貫通させて前記収納ケースの前記底部の内面上に
配置された阻生座金と、該座金の上に前記電磁石を包囲
する如く配置された永久磁石とを有するブザであって、
前記永久磁石は、ゴム磁石または樹脂マグネットで戊り
、前記収納ケースの内径内に密着して。

嵌挿されることを特徴とする。

以下実施例たる添付図面を参照し、本考案の内容を更に
具体的に詳説する。

第２図は本考案に係るブザの断面図、第３図はその分解
図を示している。

図において、８は合皮。樹脂などの非磁性材料を使用し
て有底筒状に形威された収納ケースである。

該収納ケース８の上部開口端縁には環状の段部８ａを設
けである。

９はコイル１０を巻装する鉄心である。

該鉄心；９は収納ケース８の底部８ｂのほぼ軸心上に一
体に立設してあり、その先端面９ａの位置が、段部８ａ
より高さＧ２だけ低くなるような高さに定めである。

なお収納ケース８と鉄心９は一体にモールド成形される
が、その詳細については後述す弓る。

１１はプリント基板である。

該プリント基板１１は収納ケース８の内径より若干小径
の円板状に形威してあり、その中心部に設けた中心孔１
１ａに、鉄心９を挿通させて収納ケース８の底部８ｂ上
に設置しである。

１２．１３は該プリント基板１１上に取付けたリード端
子である。

１４は磁性材料より成る座金である。

該座金１４はプリント基板１１とほぼ同一径の円板状に
形威してあり、その中心部に設けた中心孔１４ａに鉄心
９を挿通させて収納ケース８内に嵌挿した後、プリント
基板１１上に重ねである。

座金１４の周縁部には切欠部１４ｂ〜１４ｅを設けてあ
り、プリント基板１１上に重ねた際のリード端子１２．
１３に対する逃げを形威しである。

鉄心９のコイル１０は、プリント基板１１および座金１
４を収納ケース８内に嵌挿した後、鉄心９に巻装される
。

コイル１０のリード線は、座金１４の切欠部１４ｂまた
は１４ｄを通ってプリント基板１１の方向に導かれ、切
Ｒ１ｌｂ、 １１ｃ、 １１ｄ、 １１ｅを通っ
てプリント基板１１に絡めた後、リード端子１２．１３
または、プリント基板１１上のパタンに半田付けされる
。

１５は円筒状の永久磁石である。

該永久磁石１５は、鉄心９、コイル１０より戊る電磁石
を包囲する如く、収納ケース８の内部に嵌挿し、かつ座
金１４上に設置する。

永久磁石１５の先端面１５ａは収納ケース８の段部８ａ
より高さＧ３だけ低くなるように定めである。

前記永久磁石１５はゴム磁石または樹脂マグネットなど
の弾性磁性材料で成る磁石によって構成する。

ゴム磁石または樹脂マグネット等であると柔軟性、弾力
性に富み、収納ケース８の内径より多少大径に製作して
も収納ケース８内に簡単に押込めるので、組立が容易に
なる。

しかも、挿入後は、永久磁石１５が自己の弾発力により
隙間を生じることなく、収納ケース８の内周面に密着す
るので、ビリ音の発生が防止され、音質が向上する。

１６は簿円板状の磁性金属振動板である。

該磁性金属振動板１６は収納ケース８の段部８ａを支持
面として支持しである。

前述の如く、段部８ａは鉄心９の先端面９ａより高さＧ
２だけ高く、また永久磁石１５の先端面１５ａより高さ
Ｇ３だけ高くなっている。

したがって磁性金属振動板１６を段部８ａによって支持
した状態では、磁性金属振動板１６の下面と、鉄心９の
先端面９ａおよび永久磁石１５の先端面１５ａとの間に
は、それぞれの高低差に応じた空隙Ｇ２．Ｇ３が形成さ
れることとなる。

空隙Ｇ３の存在により、鉄心９の先端面９ａと、磁性金
属振動板１６との間の空隙Ｇ２は、収納ケース８におけ
る磁性金属振動板１６の支持面、すなわち段部８ａに対
する鉄心９の先端面９ａの位置によってのみ定まること
となり、プリント基板１１、座金１４および永久磁石１
５の加工誤差とは全く無関係となる。

すなわち本考案に係るブザにおいては、収納ケース８の
段部８ａに対する鉄心９の先端面９ａの位置を所定の関
係に管理するだけで、この種のブザにおいて最も重要な
空隙Ｇ２の距離を容易に一定値に保つことができること
となるわけである。

そして空隙Ｇ２の一定化は、収納ケース８と鉄心９を一
体にモールド成形することによって容易に遠戚すること
ができる。

第４図Ａ、 Ｂ、 ＣおよびＤはモールド成形の具体的
な説明図である。

図においてＡは雄型、Ｂは雌型である。

雄型Ａには、その外周に収納ケース８の段部８ａに対応
する段部８’ ａを設けると共に、その中心部に鉄心
９を嵌挿する凹溝９′を設けである。

前記凹溝９゛の底面９゛と、段部８’ ａとの間の軸方
向距離は空隙Ｇ２とほぼ等しい距離に定めである。

また凹溝９°内に嵌挿されるべき鉄心９の後端部には、
突起９ｂを突設してあり、この突起９ｂの先端部に、モ
ールド成形特に雌型Ｂによって押し潰される潰しシロを
とっである。

すなわち第４図Ａにおいて、雄型Ａと雌型Ｂの端面ａ、
ｂを互に保合接触させたときの雌型Ｂの底面Ｃの位置を
Ｃ′としたとき、先端面９ａを凹溝９′の底面９゛ａに
接触させた鉄心９の突起９ｂが、前記位置Ｃ゛を超えて
長さｌだけ雌型Ｂの方向へ突出するようにし、この長さ
ｌを前記潰しシロとするわけである。

したがって鉄心９を凹溝９′内に嵌挿した状態で、雄型
Ａと雌型Ｂをその端面ａ、 ｂが互に圧接するまで押し
進めると、鉄心９の突起９ｂが、凹溝９°の底面９’
ａと雌型Ｂの底面Ｃとの間に加わる押圧力によって、長
さでだけ押し潰されることとなる（第４図Ｂ）。

この場合鉄心９の先端面９ａの位置が底面９’ ａに
一致するから、先端面９ａの位置は、磁性金属振動板１
６の支持面に対応する段部８’ ａに対して所定の距離
Ｇ２に維持されることとなる。

次に注入口ｄより合成樹脂を注入しモールド成形した後
（第４図Ｃ）、雄型Ａおよび雌型Ｂを互に分離し、収納
ケース８の底部８ｂ上に鉄心９を一体にモールド成形し
た成形品を得ることとな）る。

（第４図Ｄ）。上述のモールド成形によれば、磁性金属
振動板１２の支持面となる収納ケース８の段部８ａに対
する鉄心９の先端面９ａの位置を、型によって定まる誤
差範囲内に設定することができるから、空隙Ｇ２を高精
度で管理することができる。

また鉄心９に突設した突起９ｂの一部に潰しシロをとっ
であるから、この潰しシロの部分で鉄心９の加工誤差を
吸収することができる。

したがって鉄心９の加工精度は比較的ラフでよく、その
加工費を大幅に節減することとなる。

ところでこのブザは、鉄心９、コイル１０より成る交流
電磁石と、永久磁石１５との磁気的相互作用により、磁
性金属振動板１６を振動させて振動音を発生させるもの
であり、鉄心９、磁性金属振動板１６および永久磁石１
５を巡る磁気回路Ｌｌ、Ｌ！の磁気抵抗がその性能上極
めて重要な要素となる。

磁気回路Ｌｌ、Ｌ２の磁気抵抗を下げ性能を向上させる
ため、従来は第１図で説明したようにヨーク３上に鉄心
２および永久磁石４を取付けてあったが、このため既述
のような諸欠点が生じたわけである。

本考案においては、鉄心９とともに一体にモールド成形
した収納ケース８内に、鉄心９を挿通させて磁性材料よ
り成る座金１４を嵌挿し、該座金１４上に永久磁石１５
を設けである。

このような構造であると、座金１４を収納ケース８、鉄
心９から独立させ、空隙Ｇ２に対する影響をなくしつつ
、磁気回路Ｉ、、 Ｉ、２の磁気抵抗を下げ、ブザの性
能を向上させることができる。

しかも座金１４は、収納ケース８の底部８ｂによって支
えられるから、第１図に示すヨーク３のような厚手の丈
夫なものである必要はなく、薄板材をプレス加工して簡
単に得ることができる。

したがって加工自体が簡単になるし、ブザ全体の薄形化
にも寄与することとなる。

さらに、収納ケース８内に嵌挿するにあたり、中心孔１
４ａに鉄心９を挿通させればよいから組立が非常に容易
である。

以上詳説する如く本考案は、電磁石と該電磁石を包囲す
る如く設けられた永久磁石との磁気的相互作用により磁
性金属振動板を振動させるようにしたブザにおいて、 （１）前記磁性金属振動板を支持する支持面を有して有
底筒状に形成される非磁性の収納ケースと該収納ケース
の底部上に立設される前記電磁石の鉄心とを一体的に結
合したから、 （イ）磁性金属振動板と鉄心の先端面との間の空隙精度
が、モールド成形誤差範囲内に収められる。

したがって空隙の精度が非常に高い高品質のブザを提供
することとなる。

（０） 空隙の精度にバラツキが少なく、一定高品質
で量産性に優れたブザを安価に提供することとなる。

（ハ）空隙調整機構が不要で取扱いの容易な安価なブザ
を提供することとなる。

に）モールド成形であるから、量産性に優れた小形軽量
のブザを提供することとなる。

更に上述の構成要素に加えて、 （２）前記収納ケース内に前記鉄心を挿通させた磁性材
料よりなる座金を嵌挿し、該座金上に前記永久磁石を設
けたから、 （イ） 前記（１）の効果を損うことなく、電磁石と永
久磁石の磁気回路の磁気抵抗を減少させ、高性能化され
たブザを提供することとなる。

（ロ） 座金の薄形化を通じて全体を薄形化したブザを
提供することとなる。

（ハ）加工が簡単で組立の容易なブザを提供することと
なる。

（３）前記永久磁石はゴム磁石または樹脂マグネットな
どの弾性磁性材料で成る磁石によって構成されているか
ら、柔軟性、弾力性に富み、収納ケースの内径より多少
大径に製作しても収納ケース内に簡単に押込めるので、
組立が容易になる。

しかも、挿入後は、永久磁石が自己の弾発力により隙間
を生じることなく、収納ケースの内周面に密着するので
、ビリ音の発生が防止され、音質が向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のブザの断面図、第２図は本考案に係るブ
ザの断面図、第３図はその分解図、第４図Ａ−Ｄは本考
案に係るモールド成形の説明図である。 ８・・・・・・収納ケース、９・・・・・・鉄心、１０
・・・・・・コイル、１４・・・・・・座金、１５・・
・・・・永久磁石、１６・・・・・・磁性金属振動板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 電磁石と、該電磁石と空隙を介して対向する振動板と、
   該振動板を支持する支持面を有して有底筒状に形成され
   た収納ケースと、該収納ケースの底部上に一対的に立設
   された鉄心と、該鉄心を貫通させて前記収納ケースの前
   記底部の内面上に配置された磁性座金と、該座金の上に
   前記電磁石を包囲する如く配置された永久磁石とを有す
   るブザであって、前記永久磁石は、ゴム磁石または樹脂
   マグネットで戒り、前記収納ケースの内径内に密着して
   嵌挿されることを特徴とするブザ。