JPS6024463Y2 - 塗装用マスク装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は被塗装物を塗装用マスク治具に押し当てる手
段を改良した塗装用マスク装置に関する。

通常、樹脂製品等の被塗装物を部分的に塗装する際に、
被塗装物の塗装しない部分を予め機械的に覆っておく手
段として塗装用マスク装置が用いられることは知られて
いる。

かかる塗装用マスク装置は、被塗装物がセットされた受
台をシリンダで上昇駆動させることによって被塗装物を
塗装用マスク治具に押圧する基本構成になっている。

ところが、従来の塗装用マスク装置では、一本か二本の
シリンダを受台に対し垂直に取付けているため、シリン
ダによる受台の支持個所がシリンダ一本につき一個所と
なって塗装用マスク治具に対する受台の均一な押圧力を
上記シリンダで得ることが頗ぶる困難になる。

即ち、被塗装物の形状、或いは被塗装物のマスクされる
部分の位置によって受台にかかる力点が等分布でなくな
る。

このため、受台にセットされた被塗装物と塗装用マスク
治具との間に隙間が生じ、塗装時にその隙間から塗料が
吹き込む結果となって塗装見切線が奇麗に仕上らないば
かりか、不必要部分にも塗装されるなど、塗装不良が多
発する大きな要因となっている。

また、上述の如くシリンダを垂直状態に装備した塗装用
マスク装置は、その体高が必然的に高くなるため装置全
体が大型化するという難点もある。

この考案は上記事情に鑑み創案されたもので、その主な
る目的は、被塗装物の受台全般に均一な押圧力を確実に
作用させ褥るようにして被塗装物の塗装しない部分を確
実に覆うことができるようにした信頼性の高い塗装用マ
スク装置を提供するにある。

この考案のまたの目的は、装置全体をコンパクト化し得
る構成の塗装用マスク装置を提供するのにある。

以下に、この考案の好適一実施例を図面に基づいて説明
する。

１は筐体状に形成された装置本体であって、基台２上に
支軸３を介して回転自在に保持されている。

かかる装置本体１は、その上部に塗装用マスク治具４が
装着固定され、かつ被塗装物５を脱着可能に保持して昇
降する受台６を内部に備えている。

受台６は、これと装置本体１の底壁との間に介設された
左右対称のリンク機構７，８と、これらのリンク機構相
互を連結して受台６に常時平行するシリンダ９とで支持
されている。

即ち、各リンク機構７，８は、図示例の場合、受台６の
下面両側にあるリンク軸受１０．１１に基端が枢支され
た上側リンク？ａ、８ａと、前記リンク軸受１０．１１
の真下に位置して装置本体１の底壁画側に一体突設され
たリンク軸受１２゜１３と前記上側リンク７ａ、８ａの
自由端とを連結する下側リンク７ｂ、８ｂと、この下側
リンクの基端に一体連結された起立リンク７ｃ、８ｃと
からなって、上側リンクと下側リンク相互が上下方向に
拡縮する構成になっている。

そして、前記起立リンク７ｃ、８ｃの相互上端間をシリ
ンダ９で連結している。

従って、シリンダ９は常に受台６と平行した状態に保持
される。

また、受台６は両側に図示省略の昇降ガイド用ピニオン
を有し、このピニオンを装置本体１の両側に設けられた
縦ラック（図示省略）に噛合させて常時円滑に昇降する
ようにしである。

つぎに、上記構成の塗装用マスク装置の作動を説明する
。

受台６が図示の下降位置にある状態からシリンダ９が短
縮作動すると、リンク機構７゜８のそれぞれが上方へ均
等に伸びることから、受台６が上昇し、これに保持され
た被塗装物５が遂には塗装用マスク治具４に押圧される
。

このときの被塗装物５は、受台６がシリンダ９による押
圧力をシリンダー基につき複数個所（図示例の場合はリ
ンク軸受１０．１１の二個所）で受けるため、塗装用マ
スク治具４に対し均一に密着する。

従って、被塗装物と塗装用マスク治具との隙間がなくな
って、塗装時の塗料が被塗装物の塗装不要部にまで吹き
込まれる惧れかない。

一方、上述の如く塗装用マスク治具に均一に圧接された
被塗装物の塗装時には、装置本体１を自由に回転させ得
ることによって塗装作業を円滑に効率良く遂行し得る。

塗装完了時には、シリンダ９を伸び作動させると、リン
ク機構７，８を介して受台６が下降するので、その下降
停止位置にて塗装製品を受台から取外せばよい。

なお、この考案は上記実施例のものに限定されず、例え
ば複数基のシリンダを備え、或いはそのシリンダが両ロ
ッドタイプのものであるなど、要旨を変更しない範囲で
種々変形して実施できる。

以上、この考案では、被塗装物の受台と平行するシリン
ダでその両端側のリンク機構を介して上記受台を昇降駆
動するようにしたので、この受台を駆動させて被塗装物
を塗装用マスク治具に圧接させる際のシリンダによる受
台の押圧力を受台全般に亘って均一に作用させることが
できる。

このため、被塗装物の塗装不要部が塗装用マスク治具に
隙間なく確実に密着し、その両者間に塗装時の塗料が吹
き込む惧れがなくなるので、塗装見切線がきれいに仕上
って塗装不良を確実に防止できるという大きなメリット
がある。

また、この考案の塗装用マスク装置は、上述のごとくシ
リンダが受台に平行して装備されることから、装置全体
がコンパクト化するというメリットもある。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の好適一実施例に係わる塗装用マスク装
置の正面図である。 １・・・・・・装置本体、４・・・・・・塗装用マスク
治具、５・・・・・・被塗装物、６・・・・・・受台、
７，８・・・・・・リンク機構、９・・・・・・シリン
ダ。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１） 被塗装物を塗装用マスク治具に機械的に押圧
   する塗装用マスク装置であって、塗装用マスク治具を保
   持する装置本体と、該本体に昇降自在に取付られて被塗
   装物を脱着可能に保持する受台と、該受台と前記装置本
   体底壁との相互間に跨って設けられた左右対称のリンク
   機構と、これらのリンク機構相互に両端が連結されて前
   記受台と並行状態を維持するシリンダとを備えたなるこ
   とを特徴とする塗装用マスク装置。
2. （２）装置本体は回転自在に支持されていることを特徴
   とする実用新案登録請求の範囲第１項記載の塗装用マス
   ク装置。
3. （３）装置本体は複数基のシリンダを備え、それらシリ
   ンダの端部が個々のリンク機構に連結されていることを
   特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項または第２項
   記載の塗装用マスク装置。