JPS6021094A - ギタ− - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 この発明は、音響特性および耐久性の向上を図ったギタ
ーに関する。

〔従来技術〕

周知の通シ、弦楽器としてのギターは、弦の振動を共鳴
胴で拡大増巾し空気中に放射させる自然楽器としてのギ
ターと、弦振動を一旦電気信号に変換して増巾しスピー
カから電気音として放射させる電気ギターの２種類があ
るが、いずれもボディ本体、ネック本体、複数本の弦等
で構成される点で共通している。笛１図はソリッド型電
気ギターの従来例を示すもので、特にギタ一本体１を構
成するボディ本体２．ネック本体３および指板４は音質
に重大な影響を及ばずため音響特性に優れた木材を素材
として通常製作される。

すなわち、ボディ本体２は密度が犬で硬い木材を使用す
ることによυ、太くて丸みのある重低音が得られ、逆に
軽くて柔かい素材だと重低音が出に＜＜、厚味のない音
が得られる。このようなことから、ボディ本体２および
ネック本体３は、楓。

ブナ、カバ、マホガニー等の一枚板もしくは合板によっ
て製作されている。

しかし、木材は温度、湿度等の変化により反ったり捩れ
たりしやすく、寸法の安定性が悪いという欠点を有して
いる。また、木材の場合は、同一種でもその中には木目
の密なものと疎なものが存在して密度が異なるため、品
質にバラツキがある。

加えて、木材は高価で、入手しにくい上、長期間ニ亘ル
シーズニング処理を必要とスル。

そこで、最近では木材の代りに炭素繊維強化樹脂（ＣＦ
ＲＰ）などでボディ本体２もしくはネック本体３を製作
したものが知られている。このような繊維強化樹脂は木
材に比べて寸法の安定性がよく、また密度および硬さが
著しく大きいため音の伸びが向上するという特徴を有す
るものの、金属的な音となシ、シかも重くなシすぎるた
めネック本体３を空胴構造にしたシしているが、その場
合には不必要な共振が生じ、音響特性を低下させるとい
う不都合があった。

〔発明の概要〕

この発明は上述したような点に鑑みてなされたもので、
ボディ本体とネック本体の少なくとも一方を繊維強化発
泡樹脂で製作することによシ、木材と繊維強化樹脂との
中間的音質および音の伸びが得られ音響特性を向上させ
ると共に温度、湿度等の変化に対して寸法安定性が良く
、耐久性を向上させるようにしたギターを提供するもの
である。

〔実施例〕 以下、この発明を図面に示す実施例に基づいて詳細に説
明する。

第２図はこの発明を電気ギターに適用した場合の一実施
例を示す分解斜視図である。同図において、電気ギター
１０のボディ本体１１とネック本体１２は、後述する繊
維強化発泡樹脂によって一体に成形され、ネック本体１
２上に硬質木材等で形成された指板１３が接着固定され
ている。なお、図中１４はマイク、１５はブリッジ、１
６はテールピース、１７はつまみ、１８はフレット、１
９は弦を示し、これらはこの発明と直接関係しないため
その詳細な構成等については説明を省略する。

さて、前記ボディ本体１１とネック本体１２を構成する
繊維強化発泡樹脂の一実施例を第３図に基づいて説明す
ると、との繊維強化発泡樹脂２０は、一方向に互いに平
行に配列された強化用繊維の連続繊維層２１と、強化用
繊維の短繊維マット層２２とを交互に積層配置して板状
に形成されている。なお、２３は連続繊維層２１を形成
している強化用繊維の連続繊維、２４は独立気泡である
。

発泡樹脂の強化用繊維としては、炭素繊維、ガラス繊維
、アラミド繊維、金属繊維などの高強度。

高弾性繊維が用いられ、中でも炭素繊維が好ましく用い
られる。そして、これらの繊維は通常数ミクロンから十
数ミクロンの直径を有し、望ましくけ繊維方向がネック
本体１２の長手方向と一致するように配列される。

発泡樹脂はエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂。

ポリウレタン樹脂などの熱硬化性樹脂、アクリル樹脂、
ポリアミド樹脂などの熱硬化性樹脂を通常の発泡剤を用
いて発泡させたものが使用される。

ちなみに、エポキシ樹脂に対しては発泡剤としてアゾジ
カルボンアミド、ジニトロペンタメチレンテトラミンが
適している。

短繊維マット層２２は、上述した強化用繊維からなる繊
維長１〜５０翻程度の短繊維を、二次元平面内において
ランダムな方向に配向させて堆積させたもので、各繊維
が完全に解繊されていることが望ましい。そして、この
短繊維マット層は、後述する樹脂の発泡の際、連続繊維
層２１と短繊維マット層２２との積層方向において独立
気泡２４の自由な移動を保障する。そのため、連続繊維
層２１に対する短繊維マット層２２の体積比率は２％以
上で１００％以下に規制される。

上述したような繊維強化発泡樹脂２０からなるボディ本
体１１およびネック本体１２の製造方法の一例を説明す
ると、先ず一方向に互いに平行かつシート状に配列した
カーボン繊維にエポキシ樹脂１００部に対して発泡剤９
部を混合した発泡樹脂を含浸して予備硬化させるととに
よシ連続繊維のプリプレグシートを作る。またカーボン
繊維からなる短繊維マットを準備してこれに前述の発泡
樹脂を含浸予備硬化させて短繊維マットのプリプレグシ
ートを作る。

次に、連続繊維のプリプレグシートと短繊維のプリプレ
グシートとを交互に積層し、この積層体を所定の金型に
入れて加熱加圧し、エポキシ樹脂の発泡と硬化とを同時
に行うことによシ、所望の形状および厚みを有するボデ
ィ本体１１およびネック本体１２が一体に形成される。

ここで、繊維強化発泡樹脂、ｌＲ維強化樹脂および木材
（楓）の物性を表に示す。

〔表〕

上記の表からも明らかなように繊維強化発泡樹脂は、繊
維強化樹脂と楓材との中間的な物性値を取るため、木材
に比べて音の伸びがよくて重量感があシ、繊維強化樹脂
に比べて軽くて音の伸びが少なく、シたがって金属的な
音にならず、それでいて華やか音質を得ることができる
。

また、繊維強化発泡樹脂は繊維強化樹脂と同様、温、湿
度による狂いがないため寸法の安定性が良く、木材に比
べてヤング率が大であるため、弦の張力によるネック本
体１２０反ルを防止でき、しかも繊維強化樹脂に比べて
比重が小さいのでネック本体１２を空胴構造にする必要
もない。

加えて、ボディ本体とネック本体とを別個独立に形成し
、とれらを一体重に結合したものにおいては、結合部で
振動の伝達ロスを生じるが、上述した通シボディ本体１
１とネック本体１２を同一素材で一体に形成すると、伝
達ロスが少なくなシ、振動減衰特性を向上させると共に
弦の張力に耐え得る堅固な構造とすることができ、また
製作が容易で生産性に優れているなどの利点を有する。

なお、繊維強化発泡樹脂の比重は、発泡倍率を変えるこ
とにより、０．６〜１．５程度まで自由に変化され得る
。同様にヤング率およびせん断弾性率も連続繊維層２１
と短繊維マット層２２の配合比を変化させたシ比重を変
えることによシ自由に変化させ得る。したがって、繊維
強化樹脂に比べて望みの物性の繊維強化発泡樹脂を製作
でき、音質の改善向上が容易である。

また、上記実施例はソリッド型電気ギターのボディ本体
１１とネック本体１２を繊維強化発泡樹脂で一体に形成
した場合について説明したが、この発明はこれに何ら特
定されるものではなく、ボディ本体１１とネック本体１
２のいずれか一方のみを繊維強化発泡樹脂で形成したシ
、あるいはアコースティック電気ギター、自然楽器とし
てのギターに対しても適用実施し得ることは勿論である
。

〔発明の効果〕

以上述べたようにこの発明に係るギターは、ボディ本体
とネック本体の少なくとも一方を繊維強化発泡樹脂で形
成したので、木製のギターに比べて比重、硬さが大で音
の伸びが良く、金属的な音がない割に華やかな音が得ら
れ、音響特性の優れたギターを提供し得る。

また、物性のコントロールが容易で所望の音質が得られ
、品質のバラツキが少ない上、温度、湿度等による影響
も少ないため、寸法の安定性が良く、耐久性を向上させ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のソリッド型電気ギターの一例を示す分解
斜視図、第２図はこの発明をソリッド型電気ギターに適
用した場合の一実施例を示す分解斜視図、第３図は繊維
強化発泡樹脂を厚み方向に切り取シモデル的に示す斜視
図である。 １１・・・・ボディ本体、１２・・・・ネック本体、１
３・・・・指板、２０・・・・繊維強化発泡樹脂、２１
・・・・連続繊維層、２２・・・・短繊維マット層、２
３・・・・連続繊維、２４・・・・独立気泡。 特許出願人　日本楽器製造株式会社 代理人　山川政樹（ほか１名）

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. ボディ本体とネック本体の少なくともいずれか一方を繊
   維強化発泡樹脂で形成したことを特徴とするギター。