JPS60204843A - 耐摩耗性軽量ロツカ−ア−ムの製造法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はロッカーアームとシわけ耐摩耗性が高くかつ軽
量なロッカーアームの製造法に関する。

ロッカーアームは内燃機関の動弁機構に用いられている
が、最近、自動車のＦＦ化に伴い、エンジンの軽量化と
回転数を上げるためロッカーアームの軽量化と共に耐摩
耗性が必要となっている。

従来のロッカーアームは、全体を鉄系のもので構成する
か、あるいは本体をアルミニウム合金で作シ、カムと摺
動する部分すなわちパッド部を、チル合金鋳鉄や鉄系焼
結合金などで作った部材を接合することで得ている。

後者のものは前者のものに較べ軽量ではあるが、カムの
材料は一般にチル合金鋳鉄あるいは浸炭鋼であることか
ら、上記パッド部との摺動面にスカッフィングとピッチ
ングを主体とする摩耗が発生し、これらが同時に発生す
るため、いまだ満足する成果が得られていないのが実情
である。また、後者のようにパッド部材を別に作って接
合する構造では、パッド部材が溶製材の場合には、熱処
理、グラインダ加工、本体との接合工程を要し、パッド
部材を焼結材とした場合には、圧粉成形、焼結、機械加
工、本体との接着工程を要し、いずれにしても多数の工
数、工程を経るため生産性が低く、コストアップとなる
。

本発明は上記のような従来のロッカーアームの問題点を
解消し、軽量かつ耐摩耗性にすぐれ。

しかもパッド部用として側材を作る必要のない一体化の
ロッカーアームを得ることができる新規なロッカーアー
ム製造法を提供しようとするもので、その特徴とすると
ころは、特定配合の高けい素アルミニウム合金溶湯を、
高温で微細化処理した後、ダイカスト鋳造法にて鋳造す
ることにある。

すなわち、本発明は、ＳＬ　：　１６〜２５　ｖｒｔ％
。

Ｃｕ　：　１．５〜５．ＯｗｔＸ、　Ｍｇ　：　０．４
〜１．ＯｗＬＸ。

Ｍｎ　：　０．５　ｗｔ％以下、　Ｆｓ　：　０．８　
ｗｔ％以下、Ｎ１：０．５〜１゜５　ｗｔＸ、　Ｃｒ　
：　０．５〜１．５　ｗｔ％残部〃からなる溶湯を、高
温にて燐又は燐化合物で微細化処理した後、ダイカスト
鋳造法により所定形状に鋳造することを特徴とするもの
である。

以下本発明を具体的に説明する。

第１図は頭上弁型燃焼室を示すもので、１゜１′　はロ
ッカーアーム、２はカムシャフト、３はバルブスプリン
グ、４はインテークパルプ。

４′　はニゲシーストパルプ、５はピストンである。前
記ロッカーアーム１，１′　は第２図のようにカムとの
摺動面６と、ロッカーシャフト貫通用の穴７とバルブス
プリング側とを有している。

しかして、本発明は、上記のようなロッカーアーム１．
１′　を、けい素が共晶成分以上を含有するアルミニウ
ム合金、とりわけけい素を１６〜２５　ｗＬＸ　含有す
る過共晶成分で構成する。

一般に、高けい素アルミニウム合金が、耐熱性、耐摩耗
性を備え、熱膨張係数が小さいことはよく知られている
。しかしながら、高けい素アルミニウム合金は粗大な初
晶ｓ４が不均一に晶出する性質があり、この粗大初晶＆
は被剛性を極めて悪くシ、機械的性質を低下させ、また
、初晶Ｓｉは偏析しやすいため、耐摩耗性を減少させる
。

そのため、シリンダライナーや小型ピストンを砂型や金
型鋳造法で作る試みはあったが、現実問題としては、上
記特性を得ることが難しく、＋１とんど実用化されてい
ないのが実情であった。

本発明は、この問題を、特定の合金成分を用いかつ特定
粂件での微細化処理を行うことによって解決し、ダイカ
スト鋳造法により初晶Ｓｔが微細化し、かつ均一に分布
した実用的なロッカーアームを得ることに成功したもの
である。

まず、本発明は、ロッカーアームを得るにあたり、下記
成分からなる高けい素アルミニウム合金の溶湯を作る。

ＳＬ：１６〜２５　ｗＬＸ、　Ｃｕ　：　１．５〜５，
０ｗｔ％。

Ｍｇ：　０．４〜１．　ＯｗＬＸ、　Ｍｎ　：　０．５
　ｗｔ％以下。

Ｆｎ：０．８ｗｔ％以下、Ｎｌ：　０．５〜１．５　ｗ
ＬＸ。

Ｃｒ　：　０．５〜１．５　ｗｔＸ、残部〃ここで、Ｓ
Ｌが１６ｗｔ％未満では初晶Ｓ４の偏析が生じ、共晶地
の領域が所々存在するため耐摩性に及ぼす効果が不充分
となる。Ｓ４が２５％を越えると初晶＆の微細化が完全
には行えないため、所々に散在する大きめの初晶ｓｔが
被剛性を悪くする。それゆえ、高温強度および耐摩耗性
の効果と機械加工性の両面から８４の含有量を１６〜２
５　ｗＬＸと定めた。

Ｃｕ　（！：　Ｍｇは時効硬化性があり、熱処理の際に
Ａｌｘ　Ｃｕ　、　／４ｔｔ　Ｃｕｔ　Ｆｇ、　Ｍｇ倉
ＳｔおよびＮｓ　Ｃｕｔ　Ｍｇｘ　などの金属間化合物
を析出せしめ、マトリックスを強めるため添加する。筐
だ、Ｃｕは湯の流動性を向上する効果がある。しかし、
Ｃｕが５．　Ｏｖｒｔ％を、Ｍｇが１．　Ｏｖ＋＋ｔ％
　を夫々越えると、ききの金属間化合物が粗大化し脆く
なるので好ましくない。

また、Ｍｇの過大な添加は熱間亀裂を生じやすくする。

Ｃｕの下限を１．５　ｗｔ％＋　Ｍｇの下限を０．４　
ｗＬＸとしたのは、これ以下では添加効果が乏しいから
である。

Ｍｎは初晶ＳＬの晶出を抑える性質があるため、１、　
Ｑ　ｗｔ％以下にすべきである。Ｆ’ｓは金型に対する
湯の溶層と熱間亀裂の発生を防止できるが、初晶Ｓ４の
晶出金抑える性質があるため、ｈは１、５　ｗＬＸ　以
下に定めた。ＮｉとＣｒを務加するのは、前者によｐ初
晶＆の成長を促し、後者により°初晶Ｓ４の偏析を阻止
し、はどよい晶出状態を得ることができると共に、上記
のように制限された励、ｆｉ’ａ、　ＳＬなどとＡｌｓ
　Ｎｌ　、　Ａ！　−ＳＬ　−Ｃｒ　、　Ａｌ　−ｆｉ
’５−Ｍｎ−８Ｌの金属間化合物を析出させることＫよ
シ高温強度と耐摩耗性を改善することができるからであ
る。

Ｎｌは初晶＆の成長に効果があるが、鋳造品表面に初晶
＆のない領域（偏析）が生成される。

ＮｌとＣｒを共存させるとその偏析がきわめて効果的に
防止される。この偏析が防止される理由は必ずしも明確
ではないが、上記偏析が初晶Ｓ４と融液との比重差によ
る重力偏析とした場合、Ｃｒを添加するとさきのように
Ａｌ−８ｊ、−Ｃｒの金属間化合物が生じ、これが初晶
Ｓ４と良好な親和力を有し初晶Ｓ（に付着していわゆる
オモリの役目をはだすため、見掛は比重の増加により初
晶Ｓ４が母地中に沈降し、偏重がしにくくなると考えら
れる。

Ｎｉが０．５ｗｔ％未満、Ｃｒが０．５　ｗｔ％未満で
は添加効果が不充分であり、ＮｉやＣｒが夫々１．５ｗ
ｔ％？越えても微細化した初晶＆の分散均一度に変化が
ないためＮｉとＣｒの添加量を上記量に定めた。

次いで上記のようにして得られた高けい素アルミニウム
合金溶湯を微細化処理する。この微細化処理は、高温と
くに液相線よシフ０〜１２０℃高い温度で燐又は燐化合
物を添加することにより行う。

微細化処理温度の下限を液相線＋７０℃としたのはこれ
以下では初晶ＳＬの微細化効果が乏しいからであり、上
限を液相線＋１２０℃としたのは、初晶Ｓｉの微細化は
達成できるものの〃が酸化する不具合を招くからである
。

燐又は燐化合物は、銅燐（例えばＣｕ　−８％Ｐ母合金
）、赤燐、あるいはこれとへキサクロルエタンとの混合
′吻、リン酸ソーダ、リン酸カルシウムなどが用いられ
る。それらの添加量は０３〜０．６　ｗｔ％が適当であ
って、合金中に燐が０．０８％以上歩留らせることが必
要である。亜共晶または共晶地を微細化するようなナト
リウムのフラックス類は逆に初晶＆を粗大化させる性質
があるので使用してはならない。微細化処理後の冷却速
度は大きいことが好ましく、急冷を行うほど微細化が達
成される。

上記のような初晶δ゛シを微細化処理した後、本発明は
高けい素アルミニウム合金溶湯を温度調整するかまたは
いったん地金にｍ製したのち、ダイカスト法によりロッ
カーアームを鋳造する。

このダイカスト鋳造は固定金型と可動金型を用いた公知
のダイカスト機を用い、たとえば型温度２００〜２８０
℃、溶湯温度７３０〜７８０℃、湯口速度１〜３ｍ／１
Ｉｅｃ、射出圧力５００〜９００　Ｋｑ／ｃ！Ｉｔのご
ときで実施すればよく、これによシ、第２図に示される
ような微細な初晶ＳＬが均一に分布した摺動面６を持つ
軽量一体型のロッカーアームが得られる。

本発明の場合、ＮｌとＣｒの添加による初晶Ｓｔの成長
促進及び偏析防止と、高温での燐又は燐化合物による微
細化処理および鋳造法としてダイカスト法を採用したこ
ととの相乗効果によシ、寸法精度が高く、鋳肌がなめら
かでしかも鋳物の結晶粒が細かく、耐摩耗性が高いと共
に被剛性が良好である。したがって、鋳造ままあるいは
せいぜい摺動面を軽く研磨するだけでロッカーアームと
して使用でき、生産性がきわめて高い。

次に本発明の具体的な実施例を示す。

実施例 ■　本発明により自動車エンジン用ロッカーアームを製
造した。供試材の化学成分と微細化処理温度および機械
的性質を第１表に示す。

供試材は地金とし、これを用いて型温度２３０〜２７０
℃、溶湯温度７３０〜７８０℃、湯口速度１．８６　ｍ
／ｓａｃ、射出圧力フ　０８１’４／ｄでダイカスト法
によｐ鋳造した。

■　供試材３について微細化処理前と処理後の顕微鏡組
織を示すと、第３図と第４図のとおりであり、微細化処
理前は第３図のように初晶＆が１５０μｍと粗大である
が、微細化処理により第４図のごとく２５μｍ平均と微
細化し、かつ、Ｃｒ添加によシ初晶＆が偏析せずｔまぼ
一様に分散している。第５図は供試材Ｘ（Ｓｔ：１７％
）について微細化処理を行ったもの、第６図は供試材５
（ｓｔ：２３％）について微細化処理を行ったものを示
し、第６図の場合には１５１１ｆｎ平均の微細化が得ら
れている。

■　本発明により得られたロッカーアームの耐久試験結
果を比較例と共に第２表に示す。

耐久試験条件は、エンジン回転数＋　３００Ｏｒ、　ｐ
、　ｍ、耐久時間：１００Ｊ（ｒ、潤滑油＝ＭＳ２０．
潤滑油温度：８０℃、パルプスプリング荷重ニア１．２
５Ｋｆ、相手カム材質：チ第　２　表 上記第２表から、本発明は側材のパッドを取付けること
なくして低い摩耗量とすることができている。

以上説明した本発明によるときには、軽量でかつ耐摩耗
性が高く、シかもパッド部材を側材として作る必要のな
い一体化のロッカーアームを安価に量産できるというす
ぐれた効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図はロッカーアームの使用例を示す断面図、第２図
は本発明によるロッカーアームの一例を示す部分切欠側
面図、第３図は本発明におけるロッカーアーム製造用合
金（２０％Ｓｔ　）の微細化処理前組織を示す顕微鏡写
真（倍率１００倍）、第４図は同じく微細化処理後の顕
微鏡写真（倍率ｉｏｏ倍）、第５図は１７％ＳＬのもの
の顕微鏡写真（倍率１００倍）、第６図は２３％ＳＬの
顕微鏡写真（倍率１００倍）である。 特許出°願人　協オロ合金株式会社 第　１　図 第２図 図面の浄７シ（内容に変更ない 第３図 第４図 第　５　図 第　６　図 手続ネ市正甲）（方式） ％式％ １、事件の表示 昭和５９年特許願第５８４００号 ２、発明の名称 耐摩耗性軽量ロッカーアームの！２造法３、補正をする
者 事件との関係　特γ［出願人 協和合金株式会社 ５、補正命令の日（＝Ｊ　昭和５９年６月２６日Ｇ、補
正の対象 図面（第３図〜第６図）、図面の簡単な説明７、補止の
内容 別紙のとおり 補正内容 １０本願添付図面中、第３図ないし第６図を別紙のよう
に訂正する。 ２、本願明細書中、第１４頁第１１行目から同頁筒１５
行目を以下のように訂正する。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、Ｓｔ：１６〜２５ｗｔ％、　Ｃｕ　：　１．５〜５
   ．Ｏｗｔ％、Ｍｇ：０．４〜１．　Ｏｗｔ％、　Ｍｎ　
   ：　０．５　ｗｔ％以下、　Ｆａ　：　０．８　ｗｔ％
   以下、　Ｎｉ　：　０．５〜１．５　ｖｔ％ｒ　Ｃｒ：
   　０．５〜１．５　ｗｔ％残部が〃からナル溶湯を、高
   温にて燐又は燐化合物で微細化処理した後、ダイカスト
   鋳造することを特徴とする耐摩耗性軽量ロッカーアーム
   の製造法。 ２、燐又は燐化合物による微細化処理温度が、液相線よ
   り約７０〜１２０℃高い温度である特許請求の範囲第１
   項記載の耐摩耗性軽量ロッカーアームの製造法。