JPS6018914B2 - 製鋼炉の耐火レンガブロック体 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は電気炉、転炉等製鋼炉の築炉に用いる耐火レシ
ガブロツク体に関するものである。

各種窯炉の炉壁の築炉に際して、作業を簡易化して労力
及び作業時間を低減させる目的を持って耐火レンガのブ
ロック体が使用されている。このブロック体は耐火レン
ガを所定の形状に積み重ねて一体構造としたものである
。従来のブロック体は、所定形状に積み重ねたブロック
体を帯鉄にて緊縦したもの、鉄板で全体を被覆して１体
化したもの、鉄棒その他の金具によって固定したもの等
がある。

しかし、これらの製法はいずれも煩雑さを伴い、強固に
固定されたブロック体とすることは甚だ困難である。ま
た、これらの構造は金属を一部に使用するものであるた
め、使用時の高熱によってこの金属が溶融して隙間を生
じ、溶融金属がこの隙間に浸透、漏出するという危険性
があった。したがって、これらのブロック体は溶融金属
と接触する個所には使用できないという用途の限定を受
けていたものである。更に、従来のブロック体では強固
な一体構造でないので、輸送時の振動等の外力を受けて
、レンガ単体の移動、抜け落ち等が起る。したがって、
目地等を使用している場合、目地部分の損傷、いわゆる
目地割れが発生しやすい等の欠点を有していたものであ
る。本発明はこれらの欠点を改良したブロック体を提供
するものである。

発明者等は、耐火レンガを積み重ねる一体構造のブロッ
ク体において、樹脂接着剤と耐火材の混合物で耐火レン
ガ相互を接着させた場合、強固なブロック体が得られる
事に着目して、本発明の完成に至ったものである。

又、このブロック体は従釆品に比較して、後記するよう
なすぐれた効果が得られることも判明した。本発明は耐
火レンガを積み重ねる一体構造のブロック体において、
樹脂系、ビニール系、ゴム系（以下樹脂等という）の一
種または二種以上と耐火材との特定割合の混合物からな
る接着剤を用いてブロック体を構成する各耐火レンガを
接着させて、接着剤を固定させることを特徴とするもの
である。

本発明で使用する接着剤の樹脂等としてはェポキシ樹脂
、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹
脂、シリコン樹脂等の樹脂系、ポリ酢酸ビニル、ポリビ
ニルブチラール等のビニル系、多硫化ゴム、ブタジェン
ースチレンゴム、ブタジェンーアクリロニトリルゴム等
のゴム系接着剤である。

中でも樹脂系接着剤を使用した場合には特に好ましい結
果が得られる。これら樹脂等は耐火材との混合状態で使
用される。耐火材としては、耐火粘士、シャモット、高
ァルミナ質材料、マグネシア費クリンカー、ドロマイト
質クリンカ−、マグクロ質クリンカー、クロム鉱等の微
粉末が使用される。樹脂等と耐火材との混合物は重量比
で１０：１〜１：２．５、好ましくは２：１〜１：２の
割合であって、これより樹脂等が多くて耐火材が少ない
と接着強度が弱く、また樹脂等が少なくて耐火材が多く
なると作業性に劣る。本発明のブロック体の製造に際し
ては、これを構成する耐火レンガの接触面に上記接着剤
を薄い接着層となるように塗布するか、スポット状に配
置しながら１個１個積み重ねて所定形状のブロック体を
構成させるものである。

次いで、このブロック体を室温状態で放置するか、又は
必要に応じてこれを加熱することによって接着剤を固化
せしめ、強固な一体構造とするものである。前述したよ
うに、耐火レンガプロック体の作成に際して、樹脂等を
多量に含む耐火材を使用した２ところ、以下に述べるよ
うな数々の優れた作用効果が耐火レンガの種類を異にし
てもそれぞれの耐火レンガブロック体に共通あるいは特
徴的に発現している。

すなわち、本発明のブロック体は、金属を使用しないた
め、熱により金属が溶融、酸化３消耗して構築物に悪影
響を与えるような位贋にも使用できる。すなわち、従来
のような使用位瞳の限定を受けることはない。また、製
造に際しては、前記特定割合の接着剤を塗布した耐火レ
ンガを所定の形状に積み重ねて接着剤を固化せしめた３
だけで強固なブロック体を構成できるので、その方法は
きわめて容易である。更に、本発明によるブロック体は
しンガ間での薄い接着層によって接着が強固に行われて
いるため、輸送時等における外力によってレンガの移動
、抜け落ちなども超ら夕ない。前記した効果以外に前記
特定割合の接着剤を使用したために以下に述べるような
効果が発現する。

すなわち、ブロック体構成レンガとしてメタルケースレ
ンガを使用した場合、従来は使用時の熱によってメタル
間が溶着し、炉壁の解体作業が非常に困難であった。と
ころが、本発明にしたがってメタルケース相互間を樹脂
等と耐火材の混合物で接着ブロック化する。炉堕しンガ
として使用中に高熱でメタルが溶着しても、メタルケー
ス間に樹脂等の炭化被膜を形成し、これによってメタル
間の完全溶着が防止できるので、使用後の炉壁解体作業
が極めて容易となる。０ また、フロック体構成レンガ
として、炭素質しンガを使用する場合は樹脂等の炭化に
よって、レンガと同質の接合部を構成することができる
。

これによってレンガ相互の強固な接着効果が得られ、従
来見られたようなしンガの脱落現象を防止夕することが
可能となった。以下、本発明の実施例について述べる。

実施例 １ ェポキシ樹脂とマグネシア粉末を重量比３：２の混合物
を用い、マグネシア−クロム系メタルケースレンガを多
数積み重ねて一体構造のブロック体を作成した。

このマグネシアークロム系メタルケースレンガの大きさ
はほぼ３５仇岬×１１４〜９７豚×６５職であり、互い
に接触するメタルケース表面に上記接着剤を約５００夕
／あの割合でスポット状に配置して積み重ね大きさ２０
５２帆×９１仇豚×３５仇吻、重量約めのブロック体と
した。このブロック体を常温下で自然固化した後のメタ
ルケースレンガ相互間のせん断接着力は２５０Ｘ９／地
であり極めて強固に接着し、運搬時、築炉時共に、ブロ
ック体の接合部の割れやレンガの脱落がなかった。この
ブロック体を電気炉炉壁として使用した結果、葵炉時の
作業性は良好で、レンガの耐用にも悪影響を与えず、解
体時においても接着剤中のェポキシ樹脂がメタルケース
間で炭化残存しており、メタルケース相互の溶着が少な
く、解体性も従来に比べて容易であった。

ェポキシ樹脂のみからなる接着剤を実施例と同様にして
用いた比較例のせん断接着力は９０ｋｇ／めであった。
実施例 ２ 接着剤としてェポキシ系樹脂とマグネシアクリンカ−の
粉末を重量比１：１で混合したものを用い、レンガの大
きさ３５仇岬×１１４〜９７肋×６５側の焼成マグネシ
アレンガの接触面に約１００雌／めの割合で上記接着剤
をスポット状に配督しながら大ささ２０５２肋×９１仇
舷×３５仇岬のブロック体を作成し常温下で固化させて
製品とした。

このブロック体接合部のせん断接着力は３００ｋ９／め
であり、輸送時の衝撃にも十分耐え、接合部の割れを生
ずることがなかった。

また、これを電気炉炉壁に使用した結果、葵炉購の作業
性も良好であり、従来のマグネシアを主成分とするモル
タル目地の場合と同様に使用することができた。ェポキ
シ樹脂のみからなる接着剤を実施例と同様にして用いた
比較例のせん断接着力は１００ｋ９／係であった。実施
例 ３ 接着剤としてフェノール樹脂とマグネシアクリンカーの
粉末を重量比２：３の混合物で使用し、通常の大きさの
カーボン質しンガを積み重ねて、大きさ２０５２欄×５
８５肋×３５０側、重さ約３００ｋ９の一体構造のブロ
ック体を作成した。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 耐火レンガを積み重ねる一体構造のブロツク体にお
   いて、樹脂等と耐火材を重量比で１０：１〜１：２．５
   にした接着剤を耐火レンガの接触面に塗布、又はスポツ
   ト状に配置して各レンガ間を結合させたブロツク体を常
   温下、あるいは加熱して接着剤を固化せしめたことを特
   徴とする製鋼炉の耐火レンガブロツク体。