JPS6018088B2 - 成形ワイヤ−ハ−ネスの製造方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は優れた特徴を有する成形ワイヤハーネスを製造
する方法に関するもろであり、特に自動車等の電気系統
の接続に用いられるワイヤハーネスにおいて、その集東
電線部分を、配設に必要な形状に成形加工した可榛性合
成樹脂パイプ内に格納してなる成形ワイヤハーネスを提
供することにある。

自動車等の蟹気系統の接続に際しては、一般に第１図に
示す如く多本数の電線部分（集東電線）２とその端部に
設けたコネクタ部分３とからなるワイヤーハーネスが使
用されており、また該集東蝿線部分２はその長さの大部
分がＰＶＣ（塩化ビニル樹脂）絶縁テープ１にて集東さ
れている。

そして、かかるワイヤハーネスの配設は、第２図に示す
ようにワイヤハーネスをその柔軟性を利用して種々なる
形状に変形せしめ、個定クランプ４にて所定の配設経路
５に沿って順次配設する方法が採用されている。しかし
ながら、このような従釆のワイヤハーネスにあっては、
渡ワイヤハーネスが柔軟であるが故に所望の形状に曲げ
易い一方、曲げた状態にそのまま維持することが困難で
あるという取扱上の問題があり、また自動車の計器板裏
等複雑な狭いひ空間の所定の位置にワイヤハーネスを配
設する際には、所望形状に曲げつつ固定クランプにて順
次配設する作業が著しく困難となるのであり、更に配設
時の組付バラツキにより築東電線の終部端末において寸
法的なバラッキを生じ、また宙に浮し、夕た状態で配談
されることなどによって、コネクタ結合時にコネクタの
結合不良や、過大な引張り応力によるコネクタ端子と電
線との結合部の破断などを惹起する問題を内在している
。

また、集東電線の終部端末において寸法バラツキを生じ
ない場合においても所定の配設位置とは異なった位置に
ワイヤーハ−ネスが配設され易く、このためボデーなど
の部材との干渉による摩耗、各種部品の組み付け時の噛
み込み、各種部品との干渉による摩耗等により、ワイヤ
ハーネスの短絡、切断などのトラブルを惹起する原因と
もなっている。このように、従来のワイヤハーネスには
種々なる問題が内在しており、それ故該ワイヤハーネス
を使用して電気系統が接続される自動車などの装置・機
器の信頼性を低下せしめたり、またその機能、組立作業
を損う原因となっているのである。ここにおいて、本発
明はこれらの問題を全く解消した画期的なワイヤハーネ
スを提供するものであって、その要旨とするところは、
ワイヤハーネスの集東電線部分を可操性合成樹脂パイプ
内に格納した後、これに成形加工を施して配設に必要な
形状に永久変形せしめることにより、ワイヤハーネスに
その配設経路に沿った堅固な形状を付与し、以て所定の
配設位置への確実な且つ正確な配設を可能ならしめ、し
かもその配設作業性を著しく改善すると共に、外的力の
作用によって惹起される過大な引張り応力に基づくコネ
クタ端子と電線との結合部の破断や、コネクタの結合不
良の問題を解消し、更にはワイヤハーネスの保護効果を
も著しく高めたことにある。

また、かくの如き本発明に係るワイヤハーネスは、その
はその集東電線部分を格納した可榛性合成樹脂パイプに
外部加熱ェネルギを加えて成形加工することによって容
易に製造され得るものであり、そしてかかる外部加熱ェ
ネルギを加える前若しくは後に、一般に外力により配設
に必要な形状に保持することによって所望の剛性のある
形状とすることが出来るのである。以下図面に基づいて
本発明に係るワイヤハーネスの構成並びにその製造法を
更に詳細に説明する。

第３図及び第４図は本発明に係るワイヤハーネスの一例
を示し、所定の配設経路に沿うように必要が形状に成形
加工が施された鎚燃ＰＰ（ポリプロピレン）製合成樹脂
パイプ６内に、必要規定寸法の集東電線７が緊密に格納
され、そして該集東電線７の両端部にコネクタ８が取り
付けられて、ワイヤハーネスが形成されている。

しかも、かかるワイヤハーネスは、何等変形することな
く、成形されたパイプ６の剛性によって常に所定の配設
形状に維持されているのである。かかるワイヤハーネス
の製造法の一例を第５図乃至第８図に示す。

先ず、第５図に示す如きＰＰ製パイプ（半割り管）９の
管内部１２に、該パイプ９の腹部スリット１０を通じて
必要規定寸法の０集東電線７を格納する（第６図）。そ
して、ヒータ１１ａ及び水冷溝１１ｂを埋設した曲げ加
工型１１を約１２０℃に予め加熱しておき、かかる曲げ
加工型１１の上部に前記集東電線７を格納したＰＰ製パ
イプ９の曲げ部の外表面を接触せしめて加熱し（第７図
）、該ＰＰ製パイプ９の曲げ部外表面の温度が約１２０
ｑｏとなって当該部分が軟化されたとき外部応力を加え
て必要形状に曲げ加工をする（第８図）。ついで、曲げ
外部応力を保持した状態で（第８図）曲げ加工型１１の
水冷溝１１ｂに水を通し常温まで型を冷却せしめること
によって、所定の曲げ変形部（永久）を有するパイプ９
が形成されるのでありり、更に該パイプ９の他の部分に
ついて上記の加熱−曲げー冷却の操作が加えられること
により、所定の配設形状に成形加工されることとなる。
そして、かかる成形操作によって所定形状に仕上げられ
たＰＰ製パイプ９内に格納された集東電線７の端部に、
最終的にコネクタが取り付けられて第３図の如きワイヤ
ハーネスが完成するのである。従って、かかる本発明の
ワャハーネスが実動車などの電気系統の配線に使用され
ても、配設時における紙付バラッキや集東電線の終部端
末における寸法的なバラツキなどの問題は何等惹起され
ることがないのであり、また、ワイヤハーネスがその集
東電線部分において堅固に構成されており且つ配設位置
に正確に配設されて取付部材（例えば車体）の形状に完
全に沿っている（宙に浮いた状態で配設されることがな
い）ため、それに他の突然の外的力が加わっても過大な
引張り応力は何等惹起されることがなく、それ故コネク
タ端子と電線との結合部の波断やコネクタの結合不良な
どの問題は全く発生しないのである。

更に、本発明に係るワイャハ−ネスには既に所定の配設
形状が付与されているために、その配設に際しては従来
の如く曲げつつ配設する必要は全くなく単にそれを配設
経路に合致せしめて固定クランプにて固定せしめるだけ
でよく、しかも簾東電線部分の形状が堅固なために必要
な固定クランプ数も少なくて済み、また曲げ操作が不要
なために狭い場所でも簡単に配設することが出来るので
あり、以てその配設作業性が著しく向上され得るのであ
る。加えて、電線が可榛‘性合成樹脂（パイプ）にて被
覆されることとなるため、該電線の保護効果は著しく高
いものであり、この優れた特徴は特に他の都材と接触す
る機会の多い自動車用ワイヤハーネスとして好ましいも
のである。このように、本発明に従うワイヤハーネスの
使用によって電気系統の接続の信頼性、更にはその機能
が著しく改善され得たのであり、ひいては自動車などの
装置・機器の信頼性をも大いに向上するものである。な
お、本実施例では、ＰＰ製パイプを使用したが、これに
代えて他の熱可塑性合成樹脂パイプも好適に使用し得る
ものであり、また上記半割りのＰＰ製パイプ９に代えて
腹部スリット１０を有しない通常のパイプを使用し、該
パイプの端末部より集東電線７を順次挿入格納するよう
にしても何等差支えない。

更に、該ＰＰ製パイプ９に代えて可榛性を有する熱硬化
性合成樹脂パイプを用い必要形状に曲げ加工した後加熱
により硬化せしめる手法をも採用することが出来る。ま
た、第９図及び第１０図は本発明に係るワイヤハーネス
の第二実施例を示している。

この第二実施例は、前記第一実施例とは、ＰＰ製蛇腹管
１３を使用して電線７を格納せしめた点において異なる
。そして、かかるＰＰ製蛇腹管１３の使用により、第一
実施例に比較して‘１｝電線の保護効果が高い、【２｝
電線のパイプ内への挿入、格納が容易である、｛３ー曲
げ加工が容易である、などの優れた効果が更に付加され
ている。なお、かかるワイヤハーネスは第１１図乃至第
１３図に示す如き方法にて製造することが出来る。即ち
、第１ １図の如く必要規定寸法の集東電線７をＰＭ製
蛇腹管１３に設けられた腹部スリット１４より管内部に
格納した後、これを第１２図に示す如く１２ぴ○のオー
ブン１５中で加熱し（ヒータ１５ａにより）、ついで該
ＰＰ製蛇腹管１３の表面温度が約１２０ｑＣに上昇した
頃見計らって該ＰＰ製蛇腹管１３をオーブン１５より取
り出し、更にかかる軟化されたＰＰ製蛇腹管１３を、水
冷溝１６ａを設けた曲げ加工型１６中にセットし必要形
状に成形して冷却固化せしめることにより、所定形状の
ワイヤハーネスの成形電線部分が得られる。さらに、本
発明にあたっては可榛性合成樹脂パイプとして特に収縮
性パイプを使用することが推奨される。

かかる収縮性パイプの使用によって、電線が格納される
収縮前のパイプ内径を大きくとることが出来るため、パ
イプ内への電線の格納操作が極めて容易となり、また格
納のための腹部スリットを設ける必要もないため、美麗
な外観を保ち且つ防水効果に優れるなどの効果を奏する
と共に、その収縮によって電線をパイプ内により緊密に
収容して保持し得る利点が生じる。かかる収縮性パイプ
を使用した一例を第１４図及び第１５図に示す。これら
の図において、１７は収縮前のＰＶＣ製の熱収縮性パイ
プである。該パイプ１７の内径は収縮を見込んで比較的
大きい径とされているため、該パイプ１７の管端末部１
８より必要規定寸法の集東電線７が容易に順次挿入格納
され得る。として、ヒータ１９ａ及び水冷溝１９ｂを埋
設した曲げ加工型１ ９を約１２０ｑＣに加熱した後、
前記集東電線７を格納したＰＶＣ製収縮性パイプ１７を
該曲げ加工型１９にセットして熱収縮せしめ、所定の曲
げ加工を行ない、ついで曲げ加工型１９を冷却し該収縮
せしめられたパイプ１７を常温まで冷却して脱型すれば
、所定形状の成形物が得られることとなる。なお、該収
縮性パイプ１７は加熱による収縮によってその内径が縮
小せしめられ、以て格納された集東電線７をより緊密に
保持するようになるのである。このように、本発明のワ
イヤハーネスは種々なる種類、形態の可操性合成樹脂パ
イプを用いて作製され得るものであり、また、その製造
方法にあっても種々なる手法が採用され得るものであっ
て、本発明の主旨を逸脱しない限りにおいて当業者の知
識に基づいて種々なる改良、変更等を与え得るものであ
る。

なお、本発明のワイヤハーネスにおけるコネクタの取付
は、前記実施例において０は成形操作終了後に行なって
いるが、その取付は可能な範囲において何時行なっても
本発明の効果を妨げるものではない。以上詳述したよう
に、本発明は、ワイヤハーネスの集東電線部分を鴬操性
合成樹脂パイプ内に格納した後、これに成形加工を施し
て配設に必要な形状に永久変形せしめることにより、所
定の配談位置への正確な配設を可能ならしめ、且つその
鯨設作業性を著しく向上せしめると共に、電線の破断、
コネクタの結合不良の問題などを解消せしめ、更にはワ
イヤーハーネスの保護効果を高めるなどの優れた効果を
奏するものであって、以て電気系統の接続、ひいては該
電気系統を装備する自動車などの信頼性を高め得たこと
は、本発明の工業的意義を著しく高めるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のワイヤハーネスの略図、第２図は従来の
ワイヤハーネスの自動車への配談説明図であり、第３図
は本発明のワイヤハーネスの一例を示す略図、第４図は
第３図におけるＡ部縦断面図、第５図乃至第８図は本発
明のワイヤハーネスの製造の一例を示す略図、第９図は
本発明のワイヤハーネスの他の例を示す略図、第１０図
は第９図におけるＢ部縦断面図、第１１図乃至第１３図
は第９図及び第１０図に示すワイヤハーネスの製造の一
例を示す略図、第１４図乃至第１５図は本発明の他のワ
イヤハーネスの製造の一例を示すす略図である。 １：ＰＶＣ絶縁テープ、２：集東電線、３：コネクタ、
４：固定クランプ、５：配設経路、６，９：ＰＰ製パイ
プ、７：集東電線、８：コネクタ、１１，１６，１９：
曲げ加工型、１３：ＰＰ製蛇腹管、１５±オーブン、１
７：ＰＶＣ製収縮性パイプ。 第１図 第２図 第３図 第４図 第５図 第７図 第１１図 第８図 第９図 第１０図 第１２図 第ＩＳ図 第１４図 第１５図

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ワイヤハーネスの集束電線部分を可撓性合成樹脂パ
   イプ内に格納した後、外部加熱エネルギを加えて成形加
   工し、該可撓合成樹脂パイプを配設に必要な形状に永久
   変形せしめたことを特徴とする成形ワイヤハーネスの製
   造方法。 ２ 外部加熱エネルギを加えるに先だつて、ワイヤハー
   ネスの集束電線部分を格納する可撓性合成樹脂パイプを
   、外力により配設に必要な形状に保持せしめる特許請求
   の範囲第１項記載の製造方法。 ２ 外部加熱エネルギを加えている間に或いは外部加熱
   エネルギを加えた後、ワイヤハーネスの集束電線部分を
   格納する可撓性合成樹脂パイプを、配設に必要な形状に
   する特許請求の範囲第１項記載の製造方法。 ４ 前記可撓性合成樹脂パイプが熱可塑性蛇腹パイプで
   ある特許請求の範囲第１項記載の製造方法。 ５ 前記可撓性合成樹脂パイプが収縮性パイイプである
   特許請求の範囲第１項記載の製造方法。