JPS60164B2 - 分割形転削工具 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は側フライス、正面フライスなどの転削工具に関
するものである。

従来、転削工具の一例として第１図および第２図に示す
ように構成されたものが知られているが、この転削工具
は図に示すようにカッターボディ１の外周部に複数の切
刃チップ２をクサビ３を介して装着してなるものであっ
て、そのカッターボディ１の中心部には中心軸線に沿う
アーバ孔４が形成されていて、このアーバ孔４を介して
適宜の工作機械に装着されるように構成されている。

そして、上記構成の転削工具を例えば横フライス盤に装
着する場合、第３図に示すようにスピンドル５に取り付
けられたアーバ６にアーバ孔４を俵合させるとともにキ
ー７で回り止めし、さらにカラー８で位置決めして装着
する。ところで一般に、転削工具はその切刃チップ２を
交換あるいは再研削するため、または他の転削工具と交
換するためなど、比較的頻繁に工作機械に着脱されるの
であるが、第１図乃至第３図に示すように構成された従
来の転肖り工具にあっては、これを例えば横フライス盤
から取り外す場合、先ずアーバサポート９をオーバアー
ム１０から取り外し、次にアーバナット１１をアーバ６
から外し、さらにアーバベアリング１２およびカラー８
を取り外して行なわなければならなかった。

そのため、上記従釆の転削工具にあってはその着脱操作
に時間がかかり、それ故に機械の稼動率が低下するとい
う不都合を招来し、さらにはそのカッターボディ１は一
体物として形成されていてその重量が重いために着脱あ
るいは交換作業性や安全性が劣るという欠点があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので「工作機械へ
の着脱操作を迅速かつ安全に、しかも容易に行なうこと
のできる転削工具を提供することを目的とするものであ
る。

以下本発明の実施例を第４図乃至第１４図を参照して説
明する。

第４図乃至第１１図は本発明に係る転削工具の一例とし
ての側フライスを示すもので、この側フライス２川ま図
に示すように、アーバ２１に鉄装されるアダプタ２２と
、このアダプタ２２に装着される一対のカッターボディ
単体２３とから構成されており、以下各々について順次
説明する。先ず、ァダプタ２２は、第４図、第６図およ
び第７図に示すように、円筒部２４の外周部において、
円周方向に断面矩形状の鉄合凹溝２５が形成されており
、この競合凹溝２５の両側壁面２６，２６はカッターボ
ディ単体２３の鼠線方向の位置規制をするように、それ
ぞれ精度良く仕上げられ、また前記円筒部２４の外周面
２７，２７はカッターボディ単体２３の半径方向の位置
規制をするようにそれぞれ精度良く仕上げられている。

また、前記円筒部２４の外周面２７，２７の所定箇所に
は第５図および第７図に示すように半径方向へ突出する
キー２８が止めねじ２９により取り付けられている。一
方、前記円筒部２４の鉄合凹溝２５の底部には円周方向
に等間隔を存しかつ各々が中心軸線に対いまぼ直角方向
すなわちほぼ半径方向に沿う複数のねじ孔３０が形成さ
れている。そしてアダプタ２２の中心部にはその中心軸
線に沿って取付孔としてのアーバ孔３１が形成されると
ともに、その前後両閉口端周辺部は精度良く研削されて
ここにボス面３２が形成され、さらに前記ァーバ孔３１
の内周面所定箇所には麹線方向に沿うキー溝３３が形成
されている。次に、カッターボディ単体２３は、第５図
、第９図および第１０図に示すように、前記円筒部２４
の外周面２７，２７とほぼ同一径なる内周面３４が形成
され、またこの内周面３４には前記鉄合凹溝２５に鉄合
する凸部３５が半径方向内側に突出して形成されていて
、全体的に略半環状体に構成されている。

ところで、前記凸部３５は、両側面が前記鉄合凹溝２５
の両側壁面２６，２６に密接するように精度良く仕上げ
られており、また突出長さが前記競合凹溝２５の深さよ
りも若干短く形成されていて、凸部３５を隊合凹溝２５
に俵合した際前記凸部３５の先端面が俵合凹溝２５の底
面に当接しないように構成されている。また、前記カッ
ターボディ単体２３の外周辺部には、当間隔をもって複
数のチップ取付座３６が形成され、各チップ取付座３６
にはクサビ３７および緒付ボルト３８にて切刃チップ３
９が各々同一姿勢で着脱自在に取り付けられている。ま
た、一方のカッターボディ単体２３の両端部、すなわち
一対のカッターボディ単体２３を前記アダプタ２２に組
み付けた場合に互いに対向する端部の一方には当該各端
部間の間隙をうめるための孫合部材としてのプレート４
０が緒付ねじ４１で取り付けるれており、斯くして一対
のカッターボディ単体２３をアダプタ２２に組み付けた
場合、各カッターボディ単体２３は実質的に一体となっ
て完全な環状をなすように構成されている。さらに、各
カッターボディ単体２３の軸線方向における中央部で円
周方向へ等間隔離間した箇所すなわち前記アダプタ２２
に形成されたねじ孔３川こ対応する箇所には、該ねじ孔
３０とほぼ同径の貫通孔４２が形成され、該貫通孔４２
の外周側閉口端部は座ぐりされてここにボルト座４３が
形成されている。また一方のカッターボディ単体２３の
両側壁面には前記アダプタ２２に取り付けられたキー２
８に対応してキー溝４４が形成されている。そして、前
記カッターボディ単体２３を前記アダプタ２２に締結す
る手段は、緒付ねじ４６でなるものである。

すなわち、縦付ねじ４５はカッターボディ単体２３に形
成された貫通孔４２に挿入されて、アダプタ２２のねじ
孔３０にねじ込まれて、その頭部の底面がボルト座４３
に当接し、これによりカッターボディ単体２３をアダプ
タ２２の円筒部２４の外周面２７，２７に押圧するよう
になされている。次に、上記のように構成された側フラ
イス２０のアーバ２１への着脱操作について説明する。

先ず、所定の工作機械のスピンドルに取り付けられたア
ーバ２１にカラー４７を所定数鞍袋した後、前記アダプ
タ２２を鉄袋して位置決めし、同時にそのキー溝３３に
キー４８を挿入して回り止めし、さらにアーバ２１に他
のカラー４９を競装することによりアダプタ２２を固定
する。一方、各カッターボディ単体２３には切刃チップ
３９を前述したように取り付けるとともに、一方のカッ
ターボディ単体２３の端部にプレート４０を緒付ねじ４
１で固定しておく。そして、前記円筒部２４の外周壁面
２７，２７に取り付けたキー２８に対し一方のカッター
ボディ単体２３の両側壁面に形成したキー４４を係合さ
せつつ当該一方のカッターボディ単体２３をアダプタ２
２の外周側へ装着し、また他方のカッターボディ単体２
３をアダプ夕２２の外周側へ同様に装着する。このとき
、カッターボディ単体２３の凸部３５をアダプタ２２の
鞍合凹溝２５に鉄入させる。しかる後、締付ねじ４５を
前記貫通孔４２へ挿入するとともにねじ孔３０１こねじ
込む。すると続付ねじ４５の頭部の底面が前記貫通孔４
２のボルト座４３に当接し、これにより各カッターボデ
ィ単体２３の凸部３５がアダプタ２２の蕨合凹溝２５に
隊着して前記カッターボディ単体２３の麹線方向の位置
規制がなされ、またカッターボディ単体２３の内周面３
４がアグプタ２２の外周面２７，２７に押圧されて、前
記各カッターボディ単体２３がアダプタ２２に固定され
る。このようにして固定された各カッターボディ単体２
３は、一方のカッターボディ単体２３の端部にプレート
４０を取り付けたことにより、実質的に一体となって完
全な環状体となり、そのため断続重切削などのように切
削荷重の大きな切削を行なっても各カッターボディ単体
２３の取付状態に変動を来たしたり、これに伴う異常な
振動の発生や切刃チップ３９の欠損を生じたりするなど
の不都合を招来することはない。また、縦付ねじ４５を
操作する場合、締付ねじ４５はァダプタ２２の半径方向
へ向けてねじ込まれているから、当該側フライス２０が
取り付けられたアーバ２１やカラー４７，４９および各
カッターボディ単体２３からの影響を受けずに操作をす
ることができ、その作業性は極めて良い。なお、功刃チ
ップ３９の交換や再研削などを行なうために各カッター
ボディ単体２３をアダプタ２２から取り外す場合は、前
述した操作と逆の操作を行なうことで各カッターボディ
単体２３をアダプタ２２から取り外すことができる。第
１２図および第１３図は上記構成の側フライス２０１こ
おける締付ねじおよびこれを挿通すべき貫通孔の他の例
を示すもので、締付ねじ５０はその頭部５１と先端部に
形成したねじ部５２との間に、該ねじ部５２の外径より
小径の鞄部５３を所定長さに亘つて形成してなるもので
ある。

他方、各カッターボディ単体２３に形成した貫通孔５４
はボルト座５５の下部に、アダプタ２２に形成したねじ
孔３１と同等のねじ部５６をわずかな長さに百つて形成
し、さらにこのねじ部５６の下部に談ねじ部５６より大
径の孔部５７を形成してなるものである。しかして、前
記締付ねじ５０でカッターボディ単体２３をアダプタ２
２の外周面２７，２７に押圧して固定する場合、第１２
図に示すようにそのねじ部５２が前記円筒部２４のねじ
孔３０１こ螺合し、かつ頭部５１がカッターボディ単〆
２３のボルト座５５に係合した状態で締付ねじ５０を締
め付けることによって行なう。一方、カッターボディ単
体２３をアダプタ２２から取り外す場合、締付ねじ５０
を回してそのねじ部５２とねじ孔３０との螺合を外せば
よいのであるが、締付ねじ５０を抜け出る方向へさらに
回せば締付ねじ５川ま第１３図に示すようにそのねじ部
５２が貫通孔５４に形成したねじ部５６に螺合する。し
たがって、カッターボディ単体２３をアダプタ２２から
取り外す場合、緒付ねじ５０をカッターボディ単体２３
から完全に取り外す必要はなく、両者を一体としておく
ことができ、そのため締付ねじ５０が紛失するなどのこ
とがないうえ、カッターボディ単体２３をアダプタ２２
から取り外す際に続付ねじ６０を把持部とし得るなどカ
ッターボディ単体の着脱操作性が向上する。また、本発
明におけるカッターボディ単体２３の凸部は上記実施例
における形状のものに限られるものではなく、例えば第
１４図に示すように構成されたものであってもよい。

すなわち、凸部３５ａは、その基端部が前記隊合凹溝２
５とほぼ同一の幅に形成されていて、この基端側両側面
３５ｂ，３５ｂが鉄合凹溝２５の南側壁面２６，２６に
密接するようになされており、また先端部が前記鉄合凹
溝２５の幅よりも若干狭い幅に形成されていて、この先
端側両側面３５ｃ，３５ｃが鉄合状態において競合凹溝
２５の両側壁面２６，２６から若干離間するようになさ
れて構成されている。この結果、前記凸部３５ａを鉄合
凹溝２５に鉄入する際には、凸部３５ａが上述したよう
に形成されているため、凸部３５ａの先端側両側面３５
ｃ，３５ｃが欧合凹溝２５の内面に喰い込み、あるいは
欧合凹溝２５の両側面が凸部３５ａの南側面に喰い込む
、いわゆるカジリ現象を起すことなく「スムースな鉄合
作業を行え、かつ着脱操作が向上する。さらに、上記各
実施例では２つを組み合わせて環状体となる一対のカッ
ターボディ単体２３を用いた例について説明したが、本
発明は上記各実施例に限定されるものではなく、組み合
わせることにより環状体となる複数個のカッターボディ
単体を用いて構成してもよいことは勿論である。

以上説明したように本発明に係る分割形転肖り工具によ
れば、アーバ若しくはスピンドルに取り付けられるアダ
プタと、このアダプタに組み付けられて全体として環状
をなす複数のカッターボディ単体とを具備し、このカッ
ターボディ単体をその半径方向に沿ってねじ込まれる綿
付ねじにてアダプタに着脱自在に装着するようにしたか
ら、切刃チップの交換等のカッターボディ単体の着脱を
容易に行ない得るうえ、カッターボディ単体が軽量であ
ることにより着脱操作を安全に行なうことができること
は勿論、綿付ねじをカッターボディ単体に半径方向に沿
ってねじ込むように構成したことにより、締付ねじの操
作がアーバ、カラー等に影響されず、したがってその操
作を迅速かつ容易に行なうことができる。また、カッタ
ーボディ単体をアダプタに固定するための緒付ねじを挿
適する貫通孔の一部に、当該稀付ねじと螺合するねじ部
を設けておけば、カッターボディ単体をアダプタから取
り外した場合に前記稀付ねじをカッターボディ単体と一
体化させておくことができ、したがつて納付ねじの紛失
を防止することができ、ひいてはカッターボディ単体へ
の着脱操作の操作性が向上する。さらに、カッターボデ
ィ単体の凸部をその先端部が前記アダプタの鉄合凹溝の
幅よりも若干狭い幅に形成されていると共にその基端部
が前記鮫合凹溝の幅とほぼ同じ幅に形成された構成にし
ておけば、カッターボディ単体をアダプタに取り付ける
際に、前記凸部が鉄合凹溝にカジリ現象を起すことなく
スムースに競合ができ、かつ着脱操作を向上させること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の転削工具の一例を示す正面図、第２図は
その一部欠損側面図、第３図は第１図の転肖り工具を横
フライス盤に取り付けた状態における縦断側面図、第４
図は本発明に係る転削工具をアーバに取り付けた状態に
おける縦断面図、第５図はその正面図、第６図は第５図
のＷ−の線矢視断面図、第７図は第５図の肌一肌線矢視
断面図、第８図は第５図の一部欠損側面図、第９図およ
び第１０図は第５図のカッターボディ単体の正面図、第
１１図は第５図の幻−幻線矢視断面図、第１２図は本発
明の他の実施例を示す要部断面図、第１３図はその緒付
ねじを緩めた状態の要部断面図、第１４図は本発明の更
に他の実施例を示す姿部断面図である。 ２２・・・・・・アダプ夕、２３・・・・・・カッター
ボディ単体、２４・・…・円筒部、２５・・・・・・鉄
合凹溝、３０・・・…ねじ孔、３１……アーバ孔、３５
，３５ａ……凸部、３９・…・・切刃チップ、４０……
プレート、４１，４５・・・・・・綿付ねじ。 第１図 第２図 第３図 第４図 第５図 第６図 第７図 第８図 第９図 第１０図 第１１図 第１２図 第１３図 第１４図

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 中心軸線に沿う取付孔が形成された円筒部の外周部
   に円周方向に沿って嵌合凹溝が形成されたアダプタと、
   この嵌合凹溝に嵌合する凸部が内周部に形成されている
   と共に外周部所定箇所に切刃チツプが装着されかつ互い
   に接合されて全体として環状をなす複数のカツターボデ
   イ単体とからなり、この各カツターボデイ単体はその半
   径方向に沿ってねじ込まれて前記アダプタに螺合する締
   付ねじにて前記凸部が前記嵌合凹溝に嵌合されて前記ア
   ダプタに着脱自在に装着されてなることを特徴とする分
   割形転削工具。 ２ 前記カツターボデイ単体には、前記締付ねじが螺合
   するねじ孔部と、該ねじ孔部のボルト座側の開口部とは
   反対側の開口端部側で前記ねじ孔部より大径となる孔部
   とが形成されてなることを特徴とする特許請求の範囲第
   １項記載の分割形転削工具。 ３ 前記カツターボデイ単体の凸部は、その先端部が前
   記アダプタの嵌合凹溝の幅よりも若干狭い幅に形成され
   ていると共にその基端部が前記嵌合凹溝の幅とほぼ同じ
   幅に形成されてなることを特徴とする特許請求の範囲第
   １項記載の分割形転削工具。