JPS60111794A - 傾斜すみ肉溶接用被覆ア−ク溶接棒 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は傾斜すみ肉溶接用被覆アーク溶接棒に関し、特
に下り板方向に傾斜するだけでなく左右いずれかの方向
にも傾斜するすみ肉溶接においても平滑で健全な溶接ビ
ードを得ることのできる被覆アーク溶接棒に関するもの
である。

造船における傾斜角度５〜２５度の曲りブロックの溶接
には傾斜すみ肉溶接専用の被覆アーク溶接棒が使用され
、一定の成果を挙げている。

しかし従来の傾斜すみ肉専用棒は傾斜溶接の場合に限っ
ては良好なビード形状を得ることができるが、傾斜角度
にローテーション（左右いずれがの方向への傾斜）角度
（第１図参照）が加わった場合のビード形状については
しばしば溶接欠陥がみられる。即ち従来の傾斜すみ肉専
用棒では、ローテーション角度が加わると重力の影暢で
スラグがローテーション方向へ多量に流れて凝固する為
、例えば右下りの場合は第１図に略示する如く下脚の形
状がオーバラップ状となり、しばしば問題となっている
。

本発明者等はこうした事情に着目し、傾斜溶接にローテ
ーション角度が加わった場合でも平滑で健全な下脚のビ
ードを得ることのできる様な技術を確立すべく、特に被
覆剤の成分組成を主体にして種々研究を進めてきた。本
発明はかかる研究の結果完成されたものであって、その
構成は、ＺｒＯ２：　８〜２０％（重量％：以下同じ）
ＳｉＯ□　：１２〜８０％ Ｆｅ−Ｍｎ：　５〜１５％ 有機物：１〜７％ 鉄粉：２５〜６０％ Ａ１□０３：１〜９９６ を含有し、且２　ＣＺｒ０ｚ　＋　Ｓ　１０２　］が４
５％以下である被覆剤を、軟銅心線外周に被覆してなる
ところに要旨を有するものである。

被覆剤中にＺｒＯ□及びＳｉＯ２を多量含有させれば、
生成スラグの粘性が高まることは良く知られている。し
かしスラグの粘性を高めれば高めるほど、スラグがロー
テーション方向へ流れて凝固し易（なる為、ビードの断
面形状には前述の様なオーバラップが発生し易い。従っ
てビード下脚のオーバラップを防止しようとすれば、ス
ラグの粘性を傾斜溶接が可能な範囲で低くすることがま
ず第１に考えられる。又その他の方法としてアークの広
がりを大きくしてクレータを拡大し、生成スラグを広い
範囲に分散させることが考えられる。本発明はこうした
２つの方向を基本とし、被覆剤成分組成の側面から種々
研究を進めたところ、特に〔ＺｒＯ□＋５ｘ０２）量を
４５％以下とし、且つ有機物を１〜７％と多めに配合し
た被覆剤を使用すれば、生成スラグの粘性及びアークの
広がりという両面から、ビード下脚部のオーバランプ欠
陥が確実に防止されることを知った。ちなみに（ＺｒＯ
□＋ＳｉＯ□〕量が４５％を越えると、生成スラグの粘
性が高くなりすぎて、傾斜角度にローテーション角度が
加わったときにスラグがローテーション方向へ流れ易く
なり、ビード下脚部がオーバラップ状となる。また有機
物が１９６未満ではアークの広がりが小さくなると共に
アークの吹付けが弱くなり、スラグがアーク点方向へ流
れ込み易くなり、やはりオーバラップ発生の要因を形成
する。一方有機物量が７％を越えると、アークの広がり
自体は良好となるものの棒焼けが著しくなるので実用的
でない。尚有機物としては例えば、セルロースパウダ、
アルギン酸ソーダ等が用いられる。

本発明では上記の様に被覆剤中の（Ｚｒ０２＋ＳｉＯ□
〕量及び有機物量を特定範囲に設定したところに最大の
特徴があるが、被覆剤本来の要求特性を満たす為には、
構成４分についても一定の要件が加えられるのが当然で
あり、その要件は下記の通りである。

ＺｒＯ３：８〜２０％ ＺｒＯ２は５ｉ０２と共に生成スラグの粘性を高めて傾
斜溶接に適したスラグ特性を与えるうえで不可欠の成分
であり、８％未満では生成スラグの粘性が不十分となっ
てアーク点にスラグが流れ込み易くなりビードの平滑性
が低下する。しかし多すぎるとスパッタが多発するので
２０％以下に抑えなければならない。

ＳｉＯ□　：１２〜３０％ ＺｒＯ２と同様生成スラグの粘性を高めど一ド上脚部で
アンダーカットが生ずるのを防止する作用を有しており
、この効果は１２９６以上含有させることによって有効
に発揮される。しかし多すぎるとスラグの剥離性が悪化
し作業性が著しく低下するので８０％以下に抑えなけれ
ばならない。

Ｆ　ｅ−Ｍｎ　：　５〜１５９６ Ｆ　ｅ　−Ｍ　ｎは脱酸剤として作用しピットの発生を
防止する働きがあり、この効果は５％以上の添加で有効
に発揮される。しかし１５％を越えるとスラグの粘性が
低くなってアーク点ヘスラグが流れ込み易くなり、ビー
ドの平滑性が低下する。

鉄粉：２５〜６０％ 溶着金属量を増大し溶接能率を高める作用に加えてスラ
グ剥離性を改善するうえで不可欠の成分であり、２５９
６以上含有させなければならない。

しかし６０％を越えると生成スラグの粘性が低くなりす
ぎてアーク点へのスラグの流れ込みが著しくなり、ビー
ドの平滑性が低下する。

Ａ１□０３：１〜９％ スラグの剥離性を高めるうえで不可欠の成分であり１９
６以上含有させなければならないが、９９６を越えると
スパッタの発生が著しくなる。

本発明の被覆アーク溶接棒は上記成分組成の被覆剤を常
法に従って軟鋼心線外周へ塗布することによって得られ
るもので、心線の化学成分や被覆率等は溶接金属の要求
性能や溶接条件等に応じて任意に変えることができ、ま
た心線への塗装方法等も格別の制約がある訳ではなく、
水ガラス等をバインダーとする一般的な方法をそのまま
適用して製造することができる。

本発明は以上の様に構成されるが、被覆剤の成分組成を
特定して被覆剤本来の要求特性を満たすと共に、特に〔
ＺｒＯ２＋　５ｉｎ２）量及び有機物量を厳密に規定す
ることによって、傾斜溶接にローテーション角度が加わ
った場合でも、ビード下脚部にオーバラップ等の欠陥を
生ずることなく、平滑・美麗で軸全な溶接部が得られる
ことになった。

尚本発明の溶接棒は、上り仮溶接にローテーション角度
が加わった場合にも良好な溶接結果を示す。

次に実験例を挙げて本発明の構成及び作用動量を一層明
確にする。

実験例 第１表に示す成分組成の被覆剤を軟鋼心線（６，０闘φ
Ｘ７００＋ｕ＋’）に被覆して、被覆径１０．０ｍｍφ
の被覆アーク溶接棒を製造した。

一方、１２ｗｔＸ　８５ｙｍｍｗＸ　１０００ｒ＋＋＋
’の軟鋼（５５４１）をＴ型に組合わせ、傾斜角度（下
り坂）２０度、ローテーション角度１５度に設定した供
試溶接部に対し、上記で得た各溶接棒を用いて電流２７
０〜２９０（Ａ）、運棒比１．２倍テ下向き傾斜溶接実
数を行なった。このときの溶接作業性及びビード形状等
を第１表に一括して示す。尚第１表憂こ示した実験結果
の評価は、×：悪い、△：やや悪い、○：良好、とする
。

第１表において供試枠Ｎ０１１〜６は本発明の規定要件
をすべて満たす実施例で、溶接作業性及びビード形状共
に良好な結果が得られている。

これに対し供試枠Ｎ００７〜２０は本発明で規定する要
件の何れかを欠く比較例であり、以下に示す如く試験結
果の何れかに問題がある。

供試枠Ｎｏ、　７はＣＳ　１０２　＋　Ｚｒ０ｚ　）　
１１が規定範囲を外れている為、ビード下脚部の形状が
劣悪である０ 供試枠Ｎｏ、　８及び９はＺｒＯ２量が規定範囲を外れ
ている為、アーク点へのスラグの流れ込み、或はスパッ
タの多発が見られる。

供試枠Ｎｏ、　１０及び１１はＳｉＯ２量が規定範囲を
外れる比較例で、アーク点へのスラグの流れ込み、耐ア
ンダーカット性の低下、或はスラグ剥離性の低下という
問題が生じている。

供試枠Ｎｏ、　１２及び１３はＦｅ−Ｍｎ量が規定範囲
を外れる比較例で、ピットの発生酸はアーク点へのスラ
グの流れ込みといった不具合いが生じている。

供試枠Ｎｏ、　１４及び１５は有機物量が規定範囲を外
れる比較例であり、ビード下脚部のオーバラップ化又は
棒焼けという障害が見られる。

供試枠Ｎｏ、　１６及び１７は鉄粉量が規定範囲を外れ
る比較例で、スラグ剥離性の悪化又はアーク点へのスラ
グの流れ込みといった問題が生じている。

供試枠Ｎｏ、　１８及び１９はＡｌ２Ｏ３量が規定範囲
を外れる比較例であり、スラグ剥離性の悪化又はスパッ
タの多発という問題が生じている。

供試枠Ｎｏ、２；はＺｒＯ２及び５ｉ０２の各配合量は
適正であるが、〔ＺｒＯ２＋ＳｉＯ２〕量が規定範囲を
越える比較例であり、ビードの下脚の形状が凸型となっ
ている。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の傾斜すみ肉溶接棒を用い、ローテーショ
ンの加わった継手を溶接した場合に得られるビード形状
を例示する断面略図である。 出願人株式会社神戸製鋼所 代理人弁理士植木久＾。 □　、１

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 ＺｒＯ２：８〜２０％（重量％：以下同じ）ＳｉＯ□　
   −１２〜３０％ Ｆ６−Ｍｎ：　５〜１５％ −有機物：１〜７％ 鉄粉＝２５〜６０％ Ａ１□０３：１〜９９６ を含有し、且つＣＺｒ０□＋ＳｉＯ□〕が４５％以下で
   ある被覆剤を、軟鋼心線外周に被覆してなることを特徴
   とする傾斜すみ肉溶接用被覆アーク溶接棒。