JPS598495Y2 - 田植機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、走行機体と苗植付装置とを上下一対のリンク
で連結すると共に、苗植付装置を昇降する駆動装置を設
けて、苗植付装置を昇降させるように構威した田植機に
関する。

この種の田植機では、耕盤深さに対応させて苗植付装置
を上下に位置変化させ、その位置を維持して略適正植付
け深さでの苗植付作業を行なうに好適であるが、走行機
体と苗植付装置との相対高さ位置が一定状態に規定され
ているため、苗植付作業中、走行車輪が耕盤の凹所に落
ち込むなどして、不測に機体姿勢が変化した場合、これ
に伴って苗植付装置の姿勢も変化し、結果的に苗植付け
深さや苗植付け姿勢が乱される等の不都合を招く虞れが
ある。

このような不都合を解消する手段としては、機体側から
延出されたリンク機構と苗植付装置との連結個所に、ピ
ンと長孔とによる融通を有した連結構造を採用して、機
体の姿勢変化が直接的に苗植付装置側へ作用しないよう
に構或することも考えられるが、単にこのような融通機
構を設けるだけでは、前述のような機体姿勢の変化が直
に苗植付装置の姿勢変化として影響を及ぼすことを避け
られる点では有効であっても、泥面の部分的な微小凹凸
や載置苗量の変化などに応じて苗植付装置の対地姿勢が
頻繁に変化し、苗植付装置の対地姿勢が不安定となる新
たな不都合を避けられないものである。

本考案は、上述の従来装置が解決し得なかった問題点を
解消し、昇降装置を備えて苗植付装置の対機体高さを自
由に変更し得るものでありながら、不測に機体姿勢変′
化したときには、その姿勢変化による悪影響を苗植付装
置側へ伝達することを避け得るものであり、しかも、苗
植付装置の泥面走行姿勢を安定的に維持することのでき
る田植機を提供することにその目的がある。

本考案による田植機の特徴とする構或は、走行機体と苗
植付装置とを、上下一対のリンクを備えた連結機構を介
して連結すると共に、前記苗植付装置を昇降する駆動機
構を設けて苗植付装置の上下位置を変更自在に構或した
田植機であって、前記連結機構には、前記走行機体側か
ら延出された一方のリンクの延出端部と前記苗植付装置
との枢支連結点が前記リンクの長さ方向に沿った一定範
囲内で位置変化することを許す融通機構を設けると共に
、前記融通機構部分には、前記枢支連結点の位置を前記
走行機体に対して一定位置に規制する方向で付勢する弾
機を設けた点にあり、かかる構戒から次の作用効果を奏
する。

即ち、上下一対のリンクを備えた連結機構と苗植付装置
の昇降駆動機構とを備えていることにより、苗植付装置
の対機体高さを自由に設定して、耕盤深さの浅深に拘ら
ず適正な植付け深さを選択することができるものであり
ながらも、前記連結機構部分には、リンクの延出端部と
苗植付装置との枢支連結点がリンクの長さ方向に沿った
一定範囲内で位置変化することを許す融通機構を設けて
あるので、苗植付装置の対機体高さが一定レベルに規定
された状態にあるにも拘らず、耕盤の凹凸部に車輪が落
ち込み、または、乗り上げて不測に機体姿勢が変化して
も、その姿勢変化を前記融通機構部分で或る程度吸収し
、苗植付装置の姿勢を大きく乱さない利点を得られたも
のである。

そしてまた、上述のように機体と苗植付装置との連結機
構部分に融通機構を設けるものでありながらも、その融
通機構部分には、リンクの延出端部と苗植付装置との枢
支連結点の位置を、機体に対して一定位置に規制する方
向で付勢する弾機を設けてあるので、この弾機の付勢力
が、泥面の微小凹凸や苗植付装置の苗のせ台上での載置
苗量の変化等によって、前記苗植付装置の泥面走行姿勢
が変化することを抑制する作用力として働き、苗植付装
置の泥面走行姿勢を安定的に維持し得る効果がある。

以下に、本考案の実施例を図面に基いて説明する。

前後に車輪１，１を軸架し、後方に操縦部２を配設する
と共に、ボンネット３の両横側部に予備苗収容部４を備
えた走行機体の一例であるトラクター５の後部に、苗植
付装置６を上下一対のリンク７，８を備える連結機構２
３を介“して上下昇降自在に枢支連結すると共に、トラ
クター５の後部に突設の動力取出軸（図省略）に苗植付
装置６の伝動軸（図省略）を連動連結し、トラクター５
に搭載のエンジンＥからの動力を苗植付装置・６に伝達
するべく構威してあり、もって、走行に伴い、田圃に苗
を植付けてゆくべく乗用型田植機を構威してある。

？記下方のリンク８と、リフトアーム９を連結ロツド１
０を介して連結し、このリフトアーム９と、そのリフト
アーム９を作動させる油圧シリンダとにより構或される
駆動機構１１を介して駆動揺動するべく構威し、苗植付
装置６を駆動昇降して接地した作業姿勢と上方に持上げ
られた非作業姿勢とに変更するべく構或すると共に、上
昇状態で苗植付装置６の苗のせ台１２か゛トラクター５
側に近づくべ〈回動するように構或してある。

前記上方のリンク７は、その途中にターンバックル１３
を介して伸縮可能に構或してあり、田圃の土質に応じて
苗植付装置６のトラクター５に対する下降量を調整する
場合に、リンク７の長さを変更し、苗植付装置６が対地
的に傾斜するのを吸収し、対地的に常にほぼ一定の植付
姿勢にできるように構或してある。

前記上方のリンク７を、トラクター５後部に突設
のブラケット１４．１４に連結するに、リンク７先端に
連結の枢支ピン１５をブラケツｌ− １４．１４に穿設
の長孔１６，１６に係合すると共に圧縮スプリング１７
を介して枢支ピン１５をトラクター５から遠ざける側に
付勢してあり、下降状態で、苗植付装置６が、接地反力
を受けて、下方のリンク８との枢支連結部を中心として
回動するのを、圧縮スプリング１７の付勢力により規制
するべく構威してある。

つまり、前記連結機構２３は、上下一対のリンク７，８
と、リンク先端の枢支ピン１５、その枢支ピン１５を挿
嵌させる長孔１６，１６、並びに長孔１６，１６を形威
してあるブラケット１４、さらには、長孔１６．１６内
に装着された圧縮スプリング１７によって構威されるも
のであり、また、前記長孔１６．１６が、前記上方のリ
ンク７の延出端部と苗植付装置６との枢支連結点Ｐがリ
ンク７の長さ方向に沿って移動することを許す融通機構
を構戊し、前記圧縮スプリング１７が、前記枢支連結点
Ｐの位置を、機体に対して一定位置に規制する弾機を構
或している。

前記下方のリンク８を連結する後部ヒツチ１８にＬ字状
レバー１９の途中個所を横軸芯周りで揺動自在に枢支連
結し、レバー１９の一端側に長孔２０を穿設し、その長
孔２０に前記枢支ピン１５を係入すると共に、レバー１
９の他端側にロッド２１を枢支連結し、このロツド２１
を、リフトアーム９に回転自在に付設したブラケット２
２に、所定範囲にわたってのみ摺動自在に連結してあり
、もって、苗植付装置６の上昇に際し、リフ１・アーム
９が所定角度以上、上方へ揺動されると、それに伴って
レバー１９を強制揺動し、枢支ピン１５をスプリング１
７の付勢力に抗してトラクター５側に強制的に接近させ
、苗植付装置６を上昇状態で一層回動し、苗のせ台１２
を低く、かつ操縦部２に近付けるように、支点位置を自
動的かつ可逆的に変更し得るように構威してある。

前記苗植付装置６を駆動昇降するに、油圧シリンダ１１
に限らず、油圧モータ等各種機構が採用でき、それらを
して駆動機構１１と総称する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る田植機の実施例を示し、第１図は全
体側面図、第２図は要部の側面図、第３図は要部の一部
切欠平面図である。 ５・・・・・・走行機体、６・・・・・・苗植付装置、
７，８・・・・・・リンク、１１・・・・・・駆動機構
、１６・・・・・・融通機構、１７・・・・・・弾機、
２３・・・・・・連結機構、Ｐ・・・・・・枢支連結点
。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 走行機体５と苗植付装置６とを、上下一対のリンク７，
   ８を備えた連結機構旦を介して連結すると共に、前記苗
   植付装置６を昇降する駆動機構１１を設けて苗植付装置
   ６の上下位置を変更自在に構或した田植機であって、前
   記連結機構２３には、前記走行機体５側から延出された
   一方のリンク７の延出端部と前記苗植付装置６との枢支
   連結点Ｐが前記リンク７の長さ方向に沿った一定範囲内
   で位置変化することを許す融通機構１６．１６を設ける
   と共に、前記融通機構１６．１６部分には、前記枢支連
   結点Ｐの位置を前記走行機体５に対して一定位置に規制
   する方向で付勢する弾機１７を設けてあることを特徴と
   する田植機。