JPS598492B2 - 高硬度焼結体リ−マ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は高硬度の鋼材を切削するために開発され、近来
その使用が一般的になって来た高圧相窒化硼素を含む焼
結体や、ダイヤモンドを含み、軽合金や銅合金を高能率
で加工可能で、これまた使用されることが多《なって来
た焼結体、あるいはその開発が検討されている、高圧相
窒化硼素とダイヤモンドとの両者を含む焼結体のいずれ
かを切り刃部に備えてなる高硬度焼結体リーマに関する
。

高圧相窒化硼素またはダイヤモンドあるいは高圧相窒化
硼素とダイヤモンドとの両者を含む焼結体（以後高硬度
焼結体と称する）は、いずれも高硬度で優れた切削能率
を有するが、抗折力は従来の切削工具である超硬合金や
高速度鋼より低い。

例えば高圧相窒化硼素の１であるワルツ鉱型窒化硼素を
含む焼結体の抵抗力が８１．４ Ｋｙ／ｍｍ２であるの
に対し、ＷＣ−ＣＯ１０％超硬合金のそれが３４３Ｋｆ
／ｒＩｒＩｒＬ２であるという報告がある。

また、高正相窒化硼素のもう一つの結晶形である立方晶
系窒化硼素を含む焼結体の抗折力が５ ７ｋｃｇ／ｔｒ
ａｎ ２ダイヤモンド焼結体の抗折力が１ １ ０ Ｋ
ｇ／ｒｒａｎ２という報告もある。

また切削工具用の鋼については抗折力の値がないが、一
般的に超硬合金より欠け難い性質を有するとされている
。

リーマは、予めドリルなどによって加工した孔の精度の
高い寸法仕上げと、孔内面の面粗さを減ずるための加工
に用いる。

従って、リーマの先端径は予め加工された孔径よりやや
小さ《、仕上げ径の部分は、予め加工された孔径よりや
や太ぎいノカ通常の形態である。

従って、リーマを予め設けた孔に挿入する際は、リーマ
先端部付近の側面部は、孔内面に断続的に接続すること
となる。

よって、リーマ先端部付近の刃面が、高硬度焼結体テ形
成されていると、高硬度焼結体の性質として硬いが抗折
力が低いということから、刃先を欠損する怖れがある。

また、リーマ先端部付近は、一般に食付部と称されるが
、前に述べたように予め設けられた孔径より径が小さい
ので、実質的に切削加工をする必要は少く、むしろ真の
加工径を有する刃先部への誘導部と考えてよい。

そのため、その部分の材質は切れ味や、高硬度の材料を
切削した場合の耐久性よりも、断続的に衝撃が加わる場
合の損傷のし難さに着目す町きである。

もう一つの考慮に入れる可ぎ事項に、高硬度焼結体の高
価さと、得られる寸法に限りがあることが挙げられる。

高硬度焼結体は、原料に高圧相窒化硼素やダイヤモンド
のような高価な材料を使い、また、焼結の過程に於いて
も高温、高圧を使うという、経済的、技術的な制約を受
けている。

そのため、できるだけ小さい高硬度焼結体を使用するこ
とが経済的に有利であり、その最大部分の寸法が３０Ｗ
Ｉｎを越えるような大きな焼結体は、現段階では得られ
ない。

それらの事情を勘案して、本発明では、リーマを高硬度
焼結体で製作する場合、高硬度焼結体を使用する部分を
真の加工径を有する切刃部分とその前部の僅かな部分に
止め、その他の部分は超硬合金又は鋼とすることによっ
て、耐衝撃性、経済性及び高硬度焼結体の寸法上の制約
のいずれの問題にも有効なりーマを製作することが可能
なことを見出した。

以下本発明を図面によって説明する。

第１ａ図及び第１ｂ図は切り刃部が直線であるリーマの
一実施態様を示す正面図及び側面図で１は高硬度焼結体
で高鐘度焼結体部分１ａと超硬合金部分１ｂの２層から
なり、鋼又は超硬合金の部分５に１ｂの部分でロウ付げ
されている。

２及び２′は高硬度焼結体１をロウ付けするために鋼又
は超硬合金の部分５に設けられた窪みである。

３は一般に食付部と言われ、最終的な加工径を有する部
分に至る前に加工される材料に予め設けられた孔に接触
する部分で、前に説明したように断続的に接触する。

そのため、図面から明らかなように、高硬度焼結体１０
食付部にかかつている部分は、食付部から真の加工径を
有する部分へ移る部分Ｃの前方の僅かな部分、即ち食付
部から仕上げ部に移る角部分から食付部側に１０ｍｍ以
内に限られている。

真の加工径の僅かな前方であれば、食付部のより前方の
部分で、全部の刃が予め設けられた孔に接触するように
なっているので、高硬度焼結体１は断続的な接触をする
ことは避けられ、抗折力が低いために刃先を欠損する可
能性は最小限に抑えることができる。

また、仕上げ部にかかつている部分は、角部分から仕上
げ部側に２ｒｒａｎ以上である。

４は案内部と称し、実質的には加工することがないので
、鋼又は超硬合金で十分であり、高硬度焼結体を設ける
必要はない。

５は柄であり、通常のリーマと同様のものでよい。

食付部から真の加工径を有する部分に移る部分Ｃは、図
では食付部からの直線と真の加工径を有する部分からの
直線が交わる角になっているが、第２図に示すように、
曲線としてもよい。

曲線にした場合には、Ｃの部分が角で構成されている場
合は、切削時に角に応力が集中するためにその部分の損
耗が激しいが、応力集中が軽減されるため損耗が少《な
る。

実施例 ＨＲＣ４５に調質したＳＮＣＭｇ鋼に設げられた２５
．Ｏ ｔｒａｎΔのドリルで加工された長さ２８ｒｒｖ
ｎの孔を本発明による第１ａ図及び第１ｂ図の形状の２
５．４閣Ωのリーマで仕上げ加工した。

その結果、１０００個の孔を加工してもリーマには損傷
が認められなかった。

次に比較のために第１ａ図及び第１ｂ図のりーマと同じ
形状で、高硬度焼結体１０部分を食付部の先端まで延長
したりリーマを作成し、同じ加工を行ったところ、１２
８個の加工を行ったところで、高硬度焼結体１０食付部
の先端から１／３の位置に欠けが発生した。

尚、リーマに用いた高硬度焼結体は、ウルツ鉱型窒化硼
素と立方晶型窒化硼素とが１：１の割合で存在するもの
５０重量チと、炭窒化チタンで炭素の窒素の比率が原子
量比で７：３のもの５０重量チとを混合して焼結したも
のとした。

以上詳細に説明したように本発明による高硬度焼結体リ
ーマは、断続的に応力を受ける部分を鋼又は超硬合金と
することによって、経済的でかつ耐久性のおるものとな
し得た工業的に優れた高硬度材の加工に適したものであ
る。

尚、本発明は切刃部が直線のもの以外にねじれ刃のリー
マやブローチリーマなどにも有効である。

【図面の簡単な説明】

第１ａ図及び第１ｂ図は本発明による高硬度焼結体リー
マの一実施例を示す正面図及び側面図、第２図は第１図
のＣ部を曲線にしたもの、高硬度焼結体部分の図面であ
る。 １・・・・・・高硬度焼結体、１ａ・・・・・・高硬度
焼結体部分、１ｂ・・・・・・超硬合金部分、２及び２
′・・・・・・高硬度焼結体１を設けるために鋼又は超
硬合金部に設けた窪み、３・・・・・・食付部、４・・
・・・償内部、５・・・・・・柄部、Ｃ・・・・・・食
付部から案内部又は真の加工径を有する部分へ移る角部
。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 高圧相窒化硼素またはダイヤモンドあるいは高圧相
   窒化硼素とダイヤモジドとの両者を含む高硬度焼結体を
   切り刃部に備えてなるリーマにおいて、高圧相窒化硼素
   またはダイヤモンドあるいは高圧相窒化硼素とダイヤモ
   ンドとの両者を含む高硬度焼結体よりなる切り刃部を被
   加工材料に断続的に接触する食付部から仕上げ部に移る
   角部分から食付部側の１０瓢以内で仕上げ部側に２咽以
   上で被加工材料Ｋ接触するようにして備え、かつその部
   分より食付部の先端に至る部分は、鋼または超硬合金で
   あることを特徴とする高硬度焼結体リーマ。