JPS59826B2

JPS59826B2 - 静電印刷用導電性トナ−

Info

Publication number: JPS59826B2
Application number: JP53162085A
Authority: JP
Inventors: 唯士藤井
Original assignee: Ricoh Co Ltd
Current assignee: Ricoh Co Ltd
Priority date: 1978-12-26
Filing date: 1978-12-26
Publication date: 1984-01-09
Also published as: JPS5588074A

Description

【発明の詳細な説明】本発明は静電印刷用導電性トナーに関し、詳しくは着色
剤を含有する樹脂粒子の表面に特定の性質をもつカーボ
ンブラック（導電性微粉末）を付着乃至は吸着させてな
る静電印刷用導電性トナーに関する。

従来、静電印刷での現像剤粉末（トナー）として、着色
された樹脂の表面にカーボンブラックなどの導電性微粉
末を付着させたものが知られている（米国特許第３６３
９２４５号明細書）。

なお、ここにいう「静電印刷」とは電子写真法、静電記
録法、静電印刷法など静電潜像を形成しこれを顕像化す
るプロセス、および米国特許第３８７９７３７号明細書
、同第４１０３３０６号明細書などで提案されている電
気信号に応じてトナーを移動させて記録する静電ノンイ
ンパクト記録法を含めたものを意味している。

ところで、前述のこれまでのトナーは定着手段を基準と
して熱融着タイプのものと、加圧定着タイプのものとが
知られている。

しかし、前者のトナーでは定着工程の速度と効率が劣る
ことから、現在では後者の加圧定着に適したトナーが注
目されるようになつている。例えば、圧力定着法に使用
される乾式トナーとして特開昭４８−７１６４８号公報
、特開昭４８−７５０３２号公報などにはマイクロカプ
セルトナー粉末が提案されているが、このトナー粉末は
その被覆樹脂がキャリア−粒子との摩擦帯電性向及び製
造技術の両方の面から制約され、いまだ望ましいものと
はなつていない。また、特開昭５０−５００４２号公報
には樹脂、ロウ成分、磁性体粉末および導電性粒子を主
成分とし一体とした現像剤粉末が提案されている。この
ものは米国特許第３６３９２４５号明細書に記載されて
いる熱定着用現像剤と同様、導電性粒子を粉末母体の表
面部分のみに母体を構成する樹脂と固着させた状態にし
たものである。かかる樹脂粒子（着色剤等が含有される
こともある）の表面に導電性微粉末を吸着若しくは付着
させた導電性トナーであつて、これまで実用に供せられ
ているものは、定着性の点で満足できるものの、トナー
の流動性、さらに保存性が悪いなどの欠点を有している
他、トナー中に磁性粉を混入して磁性トナーとした場合
対向電極に対するトナーの磁気的付着が不充分となり結
果的に画像形成が不鮮明になるなどの欠陥を併せもつて
いるものがほとんどである。

本発明の目的は、こうした欠点をすべて解消し、圧力定
着性は勿論熱定着性にもすぐれ高い画像濃度が得られ、
しかも高速度の印刷に有用かつ安全に適用でき、良好な
保存性を示す静電印刷用導電性トナーを提供することに
ある。

すなわち本発明は、着色剤を含有する樹脂粒子の表面に
導電性微粉末を吸着若しくは付着させてなる静電印刷用
導電性トナーにおいて、その導電性微粉末が数平均粒子
径２５ｍμ以下、揮発分２．５重量％以下およびＤＢＰ
吸油量１５０ＣＣ／１００ｙ以下の特性を有するカーボ
ンブラツクであることを特徴とするものである。

なお、ここにいう゛揮発分゛とはカーボンブラックの表
面にある水酸基、カルボキシル基、カルボニル基、ラク
トンなどで高温加熱したときＣＯ２、Ｈ２Ｏ等となつて
揮発するものである。また、゛ＤＢＰ吸油量゛とはＡＳ
ＴＭ試験法で定義されるものである。本発明者は、従来
の静電印刷用導電性トナーに詳細な検討を加えた結果、
樹脂表面に固着（吸着、付着）される導電性微粉末はカ
ーボンブラツクがよく、しかも極力少量で樹脂表面を被
覆するようにしたトナーが良好であることを見出した。
また同時に、この被覆はカーボンブラツクの揮発分、吸
油量によつて大きく影響を受けることも知つた。本発明
はこうした知見に基づいてなされたものである。以下に
本発明をさらに詳しく説明する。

いま、着色剤を含有する樹脂粒子核（母体）を半径ｒ１
の球形粒子とし、この核に付着させるカーボンブラツク
粒子を半径Ｒ２の球形粒子とし、またこの核の体積をＶ
１、カーボンブラック粒子の体積をＶ２とした場合、こ
の核をカーボンブラツク粒子の単一粒子層で１００％被
覆するとすると、その体積比はなる式で表わされる。

として、この核の半径ｒ１が―定であれば、カーボンブ
ラツク粒子の半径Ｒ２の減少とともに核の被覆に要する
カーボンブラックの量は減少する。実験にお（・て、カ
ーボンブラツクの数平均粒子径が２５ｍμ以下好ましく
は１７ｍμ以下であると実用的に極めて有効となる結果
が得られた。だが、このカーボンブラツクによる被覆ぱ
、前述のように、実際にはカーボンブラックの揮発分お
よびＤＢＰ吸油量によつて大きく影響される。

市販の各種のカーボンブラツクを用いての実験によれば
、揮発分２．５重量％以下のときにこの被覆が効率よく
行なわれるのが確かめられた。その理由は充分に解明さ
れていないが、（１）カーボンブラックの仕事関数がカ
ーボンブラツクの表面化合物によつて大きく変化する実
験事実、（２）カーボンブラツク表面官能基の解離、カ
ーボンブラツク表面吸着水の解離がカーボンブラツクの
表面化合物によつて変化する実験事実、（３）カーボン
ブラツク粒子間接触抵抗がカーボンブラツク表面化合物
の存在によつて増大する実験事実、等がこの被覆機構に
複雑に関係した結果と考えられる。さらに、樹脂粒子核
のカーボンブラックによる被覆は、カーボJャuラツクの
ＤＢＰ吸油量が１５０ＣＣ／１００７以下好ましくは７
０ＣＣ／１００７以下であれば、このカーボンブラツク
の被覆が効率よく行なわれる。

これの理由もまだ不明であるが、次のようにも考えられ
る。ＤＢＰ吸油量はカーボンブラツクの鎖状構造に関係
している。よつて、ＤＢＰ吸油量の小さい即ち鎖状構造
の発達していないカーボンブラツクが核を効率よく被覆
すると考えるのである。本発明で用いられる樹脂（熱可
塑性樹脂）としては、石油系樹脂、キシレン系樹脂、フ
エノール系樹脂、マレイン酸樹脂、スチレン系樹脂、ロ
ジン変性樹脂、アルキツド樹脂、フエノールホルムアル
デヒド樹脂、ケトン系樹脂、アクリル系樹脂、ビニル系
樹脂、セルロース系樹脂などをあげることができる。

また、着色剤（顔料、染料）としては当該技術分野で用
いられている従来のものがいずれも使用でき、例えばカ
ーボンブラツク、フタロシアニンブルーのような顔料、
ビクトリアブルー、フアーナルブル一パーマネットブ
ルートナー、ニグロシンベース、オイルブラツクなどの
染料をあげることができる。

樹脂粒子は上記の樹脂に着色剤が含有されたものである
が、その大きさは数平均粒子２〜２０μｍ程度が適当で
ある。

また、着色剤の配合量は樹脂１００重量部に対し１０〜
１５０重量部程度である。樹脂粒子にはワックスや磁性
粉末が必要により添加されてもよい。

ワツクス成分はトナーに良好な定着性を付与するのに有
効であり、そのため融点が約３５〜１６０′Ｃの範囲の
ものが望ましい。これを例示すれば、パラフインロウ、
結晶性ロウ、カルナウバロウ、モンタンロウ、セレシン
ロウおよびサトウキビロウの天然又は合成脂肪族ロウ、
ステアリン酸、パルミチン酸およびベヘン酸等の脂肪酸
、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸アルミニウム、
ステアリン酸バリウム、パルミチン酸亜鉛等の脂肪酸金
属塩、Ｎ（β−ヒドロキシエチル）−リシノールアミド
、Ｎ−マーエチレンビスーリシノールアミド、Ｎ−マー
エチレンービス一１・２−ヒドロキシステアリルアミド
等のアミドヒドロキシロウ、エチレンホモポリマー、シ
ンクロヘキシルフタレート、ジフエニルフタレート、ヒ
ドロキシステアリン酸、エチレングリコールモノヒドロ
キシエテアレートなどがある。磁性粉末成分は現像手段
に磁気ブラシ現像法を採用するときのトナーとして有用
である。磁性粉末としては例えば鉄粉、四三酸化鉄粉、
三二酸化鉄粉、クロム粉、二酸化クロム粉、ニッケル粉
などをあげることができ、平均粒径は約０．１〜２，５
μｍが適当である。さらに、この着色剤を含有する樹脂
粒子には適当な可塑剤例えばオクチルフタレート、ジブ
チルフタレートなどが添加されてもよい。

一方、樹脂粒子を被覆する導電性微粉末（力ーボンブラ
ツク）は前述の一定の特性を具備していることが必須で
、これには例えば市販のカーボンブラツクのうち、ＭＯ
ＮＡＲＣＨ−１１００１９００および８００（いずれも
ギアポット社製）、Ｐｒｉｎｔｅｘ−９５、８５および
７５（いずれもデグサ社製）のごときものをあげること
ができる。

トナ一に占めるカーボンブラツクの量は１０重量％以下
が適当である。本発明の静電印刷用導電性トナーは、上
記のように、着色剤を含有する樹脂粒子の表面に特定の
カーボンブラツクが被覆しているものであるが、これを
実際につくるには、適当な樹脂と着色剤とを加熱下に混
練した後粉砕するか、あるいはこれら樹脂、着色剤を溶
媒に溶解又は分散した後噴霧乾燥するなどして樹脂粒子
を調製し、次いでこの樹脂粒子を核として（１）核とカ
ーボンブラツクとを一定の割合で混合し振とうする、必
要であればさらに（Ｉｉ）樹脂粒子核の少なくとも表面
が溶融するに充分な温度にて先の（１）で得られた導電
性粉体トナーに熱処理を施すようにすればよい。

このようにして得られた本発明の導電性トナーは所期の
目的を達成するに充分な、すぐれたものである。

なお、このトナーは圧力定着は勿論、熱定着にも同様な
効果が認められる。次に実施例を示すが、部はすべて重
量部である。実施例１先ずピコラスチツクＡ−７５を３４部とピコラスチツク
Ｄ−１２５を５０部（いずれもエツソスタンダード石油
社製）、マグネタイト微粉末Ｍ３２（戸田工業社製）を
１９部、オイルブラツクＨＢＢ（オリエント化学社製）
を７０部を塩化メチレン６００部に溶解、分散し、温度
３０〜＼３５℃、圧力５ｋ９／Ｃｄにてスプレードライ
ヤーにより噴霧乾燥した後分級して平均粒径５μｍの樹
脂粒子を得た。

この樹脂粒子に１〜３重量％となる量のカーボンブラツ
クを添加混合し、よく振とうしてトナー粒子を製造した
。ここで用いたカーボンブラツクは、ＭＯＮＡＲＣＨｌ
ｌＯＯ（数平均粒子径１４ｍμ、揮発分２．０重量％、
吸油量６５ＣＣ／１００７）、ＭＯＮＡＲＣＨ９ＯＯ（
数平均粒子径１５ｍμ、揮発分２．０重量％、吸油量７
０ＣＣ／１００７）、Ｐｒｉｎｔｅｘ９５（数平均粒子
径１５ｍμ、揮発分２．５重量％、吸油量５０ＣＣ／１
００７）、Ｐｒｉｎｔｅｘ８５（数平均粒子径１６ｍμ
、揮発分１．８重量％、吸油量５０ＣＣ／１００７）、
並びにＰｒｉｎｔｅｘ７５（数平均粒子径１７ｍμ、揮
発分１．５重量％、吸油量５０ＣＣ／１００ｙ）であり
、これらカーボンブラツクを用いて得られた５種のトナ
ー粒子の固有抵抗はいずれも１０２〜１０３Ω・？の範
囲であつた。これらのトナーを、特開昭５３−２０３２
９号公報で提案されるノンインパクト印刷法に供したと
ころ、連続して多数の良好な（高濃度、高鮮明な）複写
物が得られた。

この定着された画像は指でこすつても落ちることがなか
つた。また、このトナーは対向電極に対する磁気的付着
性もよいのが認められた。ちなみに、複写物の画像濃度
等の測定結果は表−１のとおりであつた。比較のために
、上記３条件のうちの少なくとも１つの特性を満足しな
いカーボンブラックすなわち、旭電化工業ＫＫ製デンカ
ブラツク（数平均粒子径４２ｍμ、揮発分０．２重量％
、吸油量１１５ＣＣ／１００７）、ギアポット社製ＶＵ
ＬＣＡＮ−ＸＣー７２（数平均粒子径３０ｍμ、揮発分
１．５重量％、吸油量１８５ＣＣ／１００７）、キャボ
ネット社製ＭＯＮＡＲＣＨ−１３００（数平均粒子径１
３ｍμ、揮発分９．５重量％、吸油量１２１ＣＣ／１０
０７）、デグサ社製ＳＰＥＣＩＡＬＢＬＡＣＫ５（数平
均粒子径２０ｍμ、揮発分１５．０重量％、吸油量１２
５ＣＣ／１００７）を使用した以外は同様にして比較ト
ナー（但し、これらトナーの固有低抗は１０５〜１０１
４Ω・？であ１つた）をつくり、同様な試験を行なつ
てところ、良好な複写物は得られず、また定着された画
像を指などでこすると指等の汚れるのが認められた。

ちなみに、複写物の画像濃度等の測定結果は表１のとお
りであつた。１実施例
２チヤンネルブラツクとして、***デグサ社製のＦＷ２
（数平均粒子径１３ｍμ、揮発分１６重量％、吸油量１
４５ｅｃ／１００Ｖ）、ＦＷ２Ｖ（数平均粒子径１３ｍ
μ、揮発分１６重量％、吸油量２１４０ＣＣ／１００
７）、ＦＷ２ＯＯ（数平均粒子径１３ｍμ、揮発分２１
重量％、吸油量１４ＣＣ／※済１００７）、ＦＷｌ（数
平均粒子径１３ｍμ、揮発分６重量宏吸油量１６５ＣＣ
／１００ｙ）、ＦＷｌ８（数平均粒子径１５ｍμ、揮発
分６重量覧吸油量１５０ＣＣ／１００７）の５種を各々
ボールミルで２４時間粉砕処理、次いで１０００℃、１
０−３ｍｍＨｇの条件で７時間高温脱気処理して数平均
粒子径１３〜１５ｍμ、吸油量１００〜１５０ＣＣ／１
００ｙおよび揮発分２．５重量％以下の特性に変えたも
のを使用した他は、実施例１と同様にして印刷を行なつ
たところ、良好な印刷コピーが得られた。

Claims

【特許請求の範囲】

１着色剤を含有する樹脂粒子の表面に導電性微粉末を
吸着若しくは付着させてなる導電性トナーにおいて、前
記導電性微粉末として数平均粒子径が２５ｍμ以下、揮
発分２．５重量％以下およびＤＢＰ吸油量が１５０ｃｃ
／１００ｇ以下の特性を有するカーボンブラックを用い
ることを特徴とする静電印刷用導電性トナー。