JPS597936Y2 - 防湿目地構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、特に防湿性を必要とする部屋、例えば浴室、
調理室等の壁材や天井材等の内装材として用いられるパ
ネルを防湿状態に接合するようにした防湿目地構造に関
するものである。

従来、この種の防湿目地構造としては、プラスチック発
泡体や無機質系軽量ボード等のボードあるいはこれらボ
ードに金属板，合板，石綿板等を積層した複合板を基材
とするパネルを本実や雇い実等の予め或形した実構造に
よって接合し、この実構造による突付け状態のままでは
接合部の目隙きより湿気がパネル表面側から裏面側へ通
過し壁又は天井内部に侵入してこれら構造部を腐朽させ
るために、上記接合部（目地部）に対しパテや目地テー
プ等により防湿処理を施すことが一般に行われている。

しかしながら、上記従来の防湿目地構造では、パネルの
接合施工後にパテや目地テープ等による防湿処理を行う
必要があるため、施工が２工程となり、施工性が悪いと
ともに、パネルに表面化粧を施す場合防湿処理後に化粧
シート貼りゃ塗装等の表面仕上げを行わねばならず施工
作業が繁雑化するという欠点があった。

本考案はかかる欠点に鑑みてなされたものであり、従来
の如きパテ詰めや目地テープ貼り等の防湿処理工程を不
要として施工性を改善するとともに防湿性を向上させ、
さらには予め表面化粧を施した化粧板であっても表面外
観を損うことなく取付けることができる防湿目地構造を
提供せんとするものである。

以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に説明する
。

第１図は本考案の第１実施例を示し、Ａ１は、例えば浴
室、調理室等の防湿性を必要とする部屋に壁材や天井材
等の内装材として用いられるパネルであって、該パネル
Ａ１を構威する板状基材１は発泡ポリスチレン，ウレタ
ンフォーム，発泡ポリエチレン等のプラスチック発泡体
あるいはパーライト，シラスバルーン，鉱物質繊維等の
無機質材料を結合剤で涸めて或形した無機質軽量ボード
等からなり、該基材１の表面には化粧シート貼り、塗装
仕上げ等による化粧層２が設けられている。

さらに上記基材１の一側端部には、基材裏面から側端面
中央位置に至る部分を段差状に切欠いてなる裏面側段部
３が形或され、該裏面側段部３を設けることによってそ
の表面側には表面側突出部４が形或される一方、基材１
の他側端部には、基材表面から側端面中央位置に至る部
分を段差状に切欠いてなる表面側段部５が形或され、該
表面側段部５を設けることによってその裏面側に裏面側
突出部６が形戊され、上記一側端部の裏面側段部３と他
側端部の裏面側突出部６、および一側端部の表面側突出
部４と他側端部の表面側段部５とはそれぞれ適合する形
状に形或されている。

また７はウエブ７ａと該ウエブ７ａの上端両側に突出す
る取付フランジ７ｂ，７Ｃとを有する断面Ｔ字型のＰｖ
Ｃ樹脂，ＡＢＳ樹脂等のプラスチックあるいはアルミニ
ウム板，亜鉛メッキ鋼板等の金属板からなるジョイナー
であって、上記ウエブ７ａの中間には一方側に突出する
尖鋭な防湿爪７ｄが一体に形戒されており、上記板状基
材１の一側端部にジョイナ−７を、そのウエブ７ａを上
記基材１の裏面側段部３の切欠壁面３ａに、取付フラン
ジの他方側７Ｃを基材１裏面にそれぞれ当接せしめて固
着することにより防湿爪７ｄが外方に突出した状態で且
つ上記一方側取付フランジ７ｂ（後述の下地材９に釘１
０で固定される部分）と裏面側段部３の切欠底面３ｂと
で他側端部の裏面側突出部６と嵌合可能な凹溝８が形威
されて上記パネルＡ１が構或される。

このようなパネルＡ１は、ジョイナ−７の一方側取付フ
ランジ７ｂの下地材９に釘１０止めすることによって固
定された基材１の凹溝８に相隣る他の基材１の裏面側突
出部６を該裏面側突出部６にジョイナ−７の尖鋭な防湿
爪７ｄを突刺しつつ嵌合することによって複数枚接合さ
れる。

したがって、上記実施例においては、一方の基材１の凹
溝８に他の基材１の裏面側突出部６を嵌合し且つ該裏面
側突出部６にジョイナ−７の防湿爪７ｄを突刺すること
によって両基材１，１が接合されるので、上記防湿爪７
ｄが裏面側突出部６にその組織を破壊しながら密着して
挿入されるため、基材表面からの湿気は防湿爪７ｄと裏
面側突出部６との密着挿入状態によって簡実に遮断され
て基材裏面側に侵入することがほとんどなく、防湿性を
著しく向上させることができるとともに、実接合施工と
同時に防湿目地施工が完了するため、従来の如きパテ詰
めや目地テープ貼り等の防湿目地処理を行う必要がなく
効率よく防湿接合施工を行うことができる。

さらに、基材１の表面外観を、パテ詰めや目地テープ貼
り等により損うことがないので、パネルＡ１の戒形時に
基材１表面に化粧シート貼りあるいは塗装等を施して化
粧層２を設けた化粧板であっても、その表面外観を損う
ことなく容易に取付けることができ、より一層施工性を
改善することができる。

第３図ないし第５図はそれぞれ本考案の第２実施例ない
し第４実施例を示すもの（尚、第１図および第２図と同
一の部分については同一の符号を付してその説明を省略
する）であり、第３図に示す第２実施例においては、板
状基材１′として、プラスチック発泡体や無機質軽量ボ
ード等のボード１’ａを裏面側にし、該ボード１’ａの
表面側に合板，石綿板，石膏ボード，木毛セメント板お
よび鉄板等の表面材１’ｂを、上記ボード１’ａの部分
においてその一側端部に凹溝８、他側端部に裏面側突出
部６を形或するように積層した複合板を用いた場合であ
り、表面材１’ｂによってパネルに耐熱性，防温性等の
様々の機能を持たすことができる利点を有し、その他は
第１実施例と同様の作用効果を奏するものである。

また、第４図に示す第３実施例においては、基材１の両
側端部裏面にそれぞれジョイナ−７の一方側および他方
側取付フランジ７ｂ，７Ｃが嵌入し得るように切欠いた
切欠部１１，１２を設け、該ジョイナ−７の上面と基材
１裏面とが面一になるようにしたものである。

尚、上記各実施例では、基材１，１′の一側端部に凹溝
８、他側端部に該凹溝８と嵌合可能な裏面側突出部６を
設けたが、基材の隣り合う二側端部に上記と同様の凹溝
を、該二側端部と対向する他の二側端部に上記と同様の
裏面側突出部を設けて接合するようにしてもよい。

以上説明したように、本考案によれば、一側端部の裏面
側段部を、他側端部の表面側に表面側段部を設けてなる
板状基材と、断面Ｔ字型のウエブ中間に一方側に突出す
る防湿爪を有するジョイナーとからなり、板状基材の裏
面側段部の壁面および板状基材の裏面にジョイナーのウ
エブおよびフランジの一端をそれぞれ固着せしめて防湿
爪を外方に突出してなる板状物を複数枚、該板状物の防
湿爪を隣設する他の板状物の表面側段部の形或によって
裏面側に形或される突出部の端面に突刺して接合するこ
とにより、従来の如く別個のパテ詰めや目地テープ貼り
作業を要することなく接合施工と同時に防湿目地施工を
行うことができるので、施工性を著しく向上させること
ができるとともに、防湿爪と突条との密着挿入構造によ
って湿気の侵入を遮断するので、防湿性に優れた防湿目
地構造を提供することができる。

また、板状基材の表面に予め化粧層を設けておいても、
表面化粧外観を損ねることなく接合することができるの
で、従来の如き接合後の表面化粧仕上げを不要とするこ
ともでき、施工性をより一層向上させることができる利
点を有するものである。

更に、本考案の目地構造は、防湿性の他に断熱性，防音
性，防火性をも向上させることが可能である等、多大な
実用上の利点を有するものである。

【図面の簡単な説明】 図面は本考案の実施態様を例示し、第１図および第２図
は第１実施例を示し、第１図はパネルの断面図、第２図
はその施工状態を示す断面図、第３図および第４図はそ
れぞれ第２実施例および第３実施例の施工状態を示す断
面図である。 Ａ１〜Ａ４・・・・・・パネル、１．１’・・・・・基
材、１′ａ・・・・・・ボード、１′ｂ・・・・・・表
面材、２・・・・・・化粧層、３・・・・・・裏面側段
部、３ａ・・・・・・切欠壁面、３ｂ・・・・・・切欠
底面、４・・・・・・表面側突出部、５・・・・・・表
面側段部、６・・・・・・裏面側突出部、７・・・・・
・ジョイナー、７ａ・・・・・・ウエブ、７ｂ，７Ｃ・
・・・・・取付フランジ、７ｄ・・・・・・防湿爪、８
・・・・・・凹溝、９・・・・・・下地材、１０・・・
・・・釘、１１．１２・・・・・・切矢部。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）一側端部の裏面に裏面側段部を、他側端部の表面
   側に表面側段部を設けてなる板状基材と、断面Ｔ字型の
   ウエブ中間に一方側に突出する防湿爪を有するジョイナ
   ーとからなり、板状基材の裏面側段部の壁面および板状
   基材の裏面にジョイナーのウエブおよびフランジの一端
   をそれぞれ固着せしめて防湿爪を外方に突出してなる板
   状物を複数枚、該板状物の防湿爪を隣接する他の板状物
   の表面側段部の形或によって裏面側に形或される突出部
   の端面に突刺して接合してなる防湿目地構造。
2. （２）板状基材は、その表面に化粧層を有する実用新案
   登録請求の範囲第（１）項記載の防湿目地構造。