JPS5951161B2 - 複合型共振器 - Google Patents

複合型共振器

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JPS5951161B2
JPS5951161B2 JP51044760A JP4476076A JPS5951161B2 JP S5951161 B2 JPS5951161 B2 JP S5951161B2 JP 51044760 A JP51044760 A JP 51044760A JP 4476076 A JP4476076 A JP 4476076A JP S5951161 B2 JPS5951161 B2 JP S5951161B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明はフェライトを用いた複合型共振器に関する。
一般にマイクロ波回路における一形成要素であるフェラ
イトを用いた共振器は、非対称テンソル誘磁率を有する
フェライトに特有な共振特性を利用するものであり、こ
のフェライトを共振器として用いたマイクロ波回路素子
としてはサーキュレータ、アイソレータ、フィルタ、フ
ェイスシフタ特がある。
然るに上記回路素子において、従来は均一磁場下におけ
る所定飽和磁化(4πMS)のフェライトの共振特性を
利用するものであり、たとえば、フェライトを共振器と
して用いたサーキュレータにおいては、周波数特性は単
峰性の帯域の非常に狭いものであり、この帯域の改善へ
の努力はもっばら外部付加回路の接続によってなされて
いた。
また、アイソレータ、フィルタ、フェイスシフタ等にお
いても、同様に均一磁場下における所定飽和磁化(4π
MS)の一種類のフェライトの共振特性が用いられてお
り、回路素子の周波数特性等の改善は外部付加回路によ
るのみでフェライト共振器自体の改良はほとんどなされ
ていないのが現状である。
これは従来複合型フェライト内での電磁界の解析が困難
であり、理論的に適切な動作条件を決定できなかったこ
とのほかに製作が困難であったなどのためと考えられる
本発明は、上記、実情に鑑みて、なされたちので均一外
部磁場下あるいは不均一外部磁場下におけるフェライト
と誘電体と導体との接合による接合複合体の共振特性を
明らかにし、この共振特性に基づき、適用素子の多周波
数動作、広帯域動作、多用途動作、インピーダンス内部
整合動作を可能にする複合型共振器を提供しようとする
ものである。
以下、本発明を添付図面に基づき詳細に説明する。
まず、外部磁場が均一であるとし、フェライト円輪とこ
のフェライト円輪に内接する導体円盤1こよりフェライ
ト−導体の複合体を形成しこの複合体をストリップライ
ンY接合のサーキュレータの共振器に適用した場合につ
いて説明する。
フェライト−導体を共振器として用いたストリップライ
ンY接合サーキュレータは第1図aに斜視図、bに平面
図を示すように、3個のポートT1.T2.T3を有し
、厚さt、幅W、サーキュレータの中心からみた開き角
2ψとするY接合ストリップライン中心導体3を、外径
r2、内径r1のフェライト円輪2,2′と、このフェ
ライト円輪2.2′に夫々内接する半径r0の導体円盤
1゜1′から形成される2個の円盤形の複合体ではさみ
、更に、この複合体を二枚の接地導体(図示せず)では
さみ、この複合体に垂直に(矢印A方向)均一直流磁場
を加えることにより形成される。
上記フェライト−導体の複合体を共振器として、用い
たサーキュレータの動作を説明する前に、フェライト−
導体の複合体の導体部分を誘電体でおきかえたフェライ
ト−誘電体の複合体を用いてサーキュレータを形成した
場合のサーキュレータの動作に対する理論解析を行い、
この理論解析を実証する実験結果について明らかにする
フェライト−誘電体の複合体を用いたサーキュレータの
解析は上記フェライト−導体の複合体を用いたサーキュ
レータの動作の理解を容易にするために必要であるばか
りでなく、後に説明するフェライト−誘電体−導体の複
合体を共振器として用いたサーキュレータにおける動作
の理解を助けることになる。
はじめに複合体の電界の表示から明らかにする。
今、内径r1、外径r2のフェライト円輪と、このフェ
ライト円輪に内接する半径r1の誘電体円盤とによる複
合体の内部の電界をEz (r1θ)とすると、この複
合体の円盤の中心からの距離r−r2すなわち、複合体
の外周部の電界は Ez(r2.θ)=ΣbnFn(X3)e−jnθ−(
1)n□■ Fn(X3)=jn(X3)+CnYn(X3)
−・−(2)で与えられる。
ここで゛ X3=ke2 r2 、 X2=ke 2 r 1 、
Xl =ke 1 r 1であり、εe1は誘電体の
比誘電率に/μはフェライトのテンソル透磁率の要素の
比で非等号性分離因子と呼ばれるものであり、εe1、
μe2はフェライトの比誘電率、実効比透磁率である。
ところで、サーキュレータにおいて、Y接合のサーキュ
レーションが成立するためには、接合モードインピーダ
ンスの関係式、すなわち同相、正相、逆相モードインピ
ーダンスZ”0、Z十、Z−の関係式が、別に導かれる
散乱マトリックスの固有値から得られる関係式と等しく
ならなければならない。
したがって次の関係式が成立する。
ただし、 である。
ここでZdはストリップラインの接続点でみた固有波動
インピーダンスで近似的にで与えられ、Zeは接合固有
インピーダンスである。
なお、ψはサーキュレータの中心から見たストリップラ
インの開き角度の半分、r2はフェライト円輪の外径、
Wはストリップラインの中心導体の幅、tはその厚さ、
hは接地導体の間隔である。
この関係式(3)を解くと、 (ho+h、+h2)(hoh1+h1h2+h2ho
)−9h oh 1h 2−−−−・−(8)が導びか
れる。
従って、Y接合サーキュレータが理想的にサーキュレー
ションを行うためには上記式(8)と式(9)を同時に
満足しなければならないことになりこの式(8)をサー
キュレーションの第1の条件式、式(9)をサーキュレ
ーションの第2の条件式と呼ぶ。
第2図は、上記サーキュレータの第1の条件式を示す曲
線(破線)とフェライト−誘電体の複合体の共振モード
を示す曲線(実線)とを、縦軸を実効波数ke2と複合
体の半径r2との積ke2r2、横軸をフェライトの非
等方性分離因子(ferriteanisotropi
c splitting factor) l k/
μl =にとするグラフ上に重畳して描いたものである
このグラフは、第1の条件曲線(破線)上の点がY接合
が理想的にサーキュレーションする動作点を与えること
になり、条件曲線と共振曲線(実線)との相対的な位置
関係からサーキュレータの動作状態を読み取ることがで
きるからサーキュレータの動作解析上非常に有効である
グラフにおいて、共振曲線(実線)はn=+1、n=−
1、n=+2、n=+3について描いたものであり、サ
ーキュレータの第1の条件曲線(破線)はn=5までの
共振モードを含めて計算したものを夫々ストリップライ
ンの開き角の半分ψ1、ψ2に対応した描いたものであ
る。
また、共振器のフェライトの飽和磁化4πMsを決定す
れば、第2図のグラフに示すように磁場一定の軌跡(一
点鎖線) Hl、 H2,H3、周波数一定の軌跡(二
点鎖線) fl、f25 f3.f’l、f’25 f
’3などを描くことができる。
ここで上記サーキュレータの第1の条件曲線(破線)の
うち、共振曲線n=+1、n=−1、n=+2とに囲ま
れた領域ADBに生ずるものをモード1、共振曲線n−
−1、n=+2とにはさまれた領域ADEC,BDGに
生ずるものをモードIA、共振曲線n=−1、n=+3
とにはさまれた扇形領域DGF、BGHに生ずるものを
モード3と便宜的に名付け、ストリップラインの開き半
角がψ1のサーキュレータについて考えると、外部磁場
がHlからH2,H3に増大するに従い、モード1の条
件曲線上に動作点P1.P′1.P″1が見い出される
この動作点P1.P′1.P″1は周波数一定の曲線f
1.f′1.f″1上にあり、夫々の動作点P1.P′
1゜P″1における動作周波数はfl、 fll、 f
ll1となる。
同時に外部磁場H1,H2,H3に対して、モードIA
による周波数f2.f′2.f″2の動作点P2.P′
2.P″2が見い出される。
更に、共振曲線n=−1とn=+3との交点付近にもモ
ード3による周波数f3.f′3.f″3の動作点P3
.P′3.P″3が見い出される。
すなわち、サーキュレーションの第1の条件を満足する
動作点としては外部磁場H1,H2,H3に対した夫々
3個の動作点PN P’lt P″l + P2゜P′
2.P″2;P3.P′3.P″3が見い出され、これ
らの動作点により3周波数動作が可能なことを示してい
る。
しかし、上記条件を満足するだけではサーキュレーショ
ンの動作は不完全であり、次に示すサーキュレーション
の第2の条件も同時に満足しなければならない。
第3図は、サーキュレーションの第2の条件(第9式)
を示す曲線(実線)と、接合固有インピーダンスZeと
ストリップラインの波動インピーダンスZdとの比Ze
/Zdとに/μの関数(第6式と第7式)で表したZe
/Zdの曲線(破線)とを縦軸をZe/Zd、横軸をl
K/μIとするグラフ上に重畳して示したものである
グラフにおいて、サーキュレーションの第2の条件曲線
(実線)はストリップラインの開き半角ψ0、ψ1、ψ
2 (ψ0〈ψ1 〈ψ2)に対して計算したもので、
各曲線群を前記サーキュレータの第1の条件曲線と同時
にモード1、モードIA、モード3と名付けてあり、Z
e/Zdの曲線(破線)は式(6)の誘電率εd、ε/
d、ε//dをパラメータとして描いである。
従って、第2の条件曲線(実線)上の点はサーキュレー
ションの第2の条件を満足する動作点を与えるものとな
り、この第2の条件曲線とZe/Zdの曲線(破線)と
の交点が良好な動作点になり、サーキュレーションの動
作条件を完全に満足するためには上記動作点が前記第2
図で示した動作点と対応して同時に見いださなければな
らない。
ところが、第3図に示すようにZe/Zdの曲線のうち
誘電率εdの曲線と、ストリップラインの開き半角をψ
1 とするモード1、モードIA、モード3の第2の条
件曲線との交点に前記第2図に示した動作点P1.P2
.P3に対応する動作点Ql。
Q2.Q3が見い出される。
これは、第2図に示した動作点P1.P2.P3がサー
キュレーションの第1の条件を満足するだけでなく、サ
ーキュレータの複合体共振器の構造とストリップライン
の定数を適当に選定する規準や調整のための知識を与え
る。
また、第3図に示した動作点からはストリップラインY
接合の内部の動作状態を示す表面インピーダンス(実線
で示した曲線)が外部よりみた接合固有インピーダンス
に等しくなることを示している。
このようにしてストリップラインY接合は外部磁場がH
lのときの周波数f1で動作する動作点P1、周波数f
3で動作する動作点P2、周波数f3で動作する動作点
P3で完全に動作することを示しており、動作点P1.
P2.P3による周波数f1. f2. f3での三周
波数動作が行ない得ることを示している。
このフェライト−誘電体の複合体による三周波数動作は
次に示すように実験的に実証されており、その実験結果
を第4図、第5図に示す。
この実験に用いられたフエライ)AI−YIGで飽和磁
化4 yr Ms=950Gauss比誘電率14で空
気を誘電体として用いた外径rz = 10mmの中空
円輪フェライトを用い、内径と外径との比r□/r2=
0.2で厚さは2.5mmである。
サーキュレータの構造は第1図で示したようなストリッ
プラインY接合サーキュレータで共振器としては上記フ
ェライト−誘電体の複合体を用いる。
実験方法はフェライト面に垂直に加えられた外部磁場を
パラメータとして、サーキュレータの挿入損失およびア
イソレーションを周波数fの関数として測定したもので
ある。
第4図において、アイソレーションの曲線(実線で示す
)は磁場は低いときは、低周波数側に高いピークと高周
波数側に低いピークの二つのピークを示し、磁場を増大
していくとアイソレーションの低周波数側および高周波
数側のピークはほぼ等しくなり、更に磁場を増大すると
低周波数側と高周波数側のピークは逆転して高周波数側
に高いピーク、低周波数側に低いピークを示す。
また高周波数側のピーク、特に高磁場のときのピークを
仔細に観察すると、密接した2つのピークからなってい
ることが見い出される。
これらのアイソレーションのピークのうち低周波数側の
ピークは上記理論で示したモード1上の動作点によるも
のと考えられ、高周波数側のピークはモードIAとモー
ド3によるものと考えられる。
なお、挿入損失(一例を破線で示す)はアイソレーショ
ンの高い方のピーク下に極小値が示される。
第5図は、4 yr Ms = 950 Gaussノ
ア エライトを用い、r1/r2をパラメータとした実
験例で、同様に複数の周波数においてサーキュレーショ
ンのピークが生じることが示されている。
このように、フェライト−誘電体の複合体を共振器とし
て用いサーキュレータを形成すれば、複数の周波数でア
イソレーションのピークが生じ、多周波数動作を行なう
ことができることが実験的にも明らかになり、前記サー
キュレーションの第1、第2の条件を用いた解析が正し
いことを示している。
従来、上記多周波数動作が実現できなかったのは、単一
円盤フェライトを共振器として用いたサーキュレータに
おいては、モードIAのサーキュレータの第2の条件曲
線(第3図で実線で示す)がI K/μmの値が大なる
ところに偏在しており実用動作に適しなかったためであ
り、例え、フェライト−誘電体の複合体を共振器としサ
ーキュレータを形成しても動作解析が十分でなく適正な
動作点を見いだせなかったためである。
また、上記多周波数動作を行うサーキュレータの動作周
波数の調整は第2図、第3図による解析から明らかのよ
うにストリップラインの巾や誘電体媒質等のインピーダ
ンス調整要素を変えることにより行うことができる。
更にいづれの場合も従来のサーキュレータに比較して低
インピーダンス動作となり集積回路化等に適したサーキ
ュレータであるということができる。
このように、フェライト−誘電体の複合体を共振器に用
いてサーキュレータを形成すると多周波数動作を行う優
れたサーキュレータを実現することができるが、共振器
を形成する複合体の構成要素として、導体を付加すると
、フェライト−誘電体の複合体を用いたサーキュレータ
には見られなかった新しい動作を行うことになる。
第1図に示したように外径r2内径r□のフェライト円
輪2とこれに内接する導体円盤1によるフェライト−導
体の複合体を共振器として用いたサーキュレータの動作
は、上記フェライト−誘電体の複合体を共振器として用
いたサーキュレータとの特性上の相違を明らかにするこ
とにより明確に説明することかで゛きる。
第6図は上記フェライト−誘電体の複合体を共振器とし
て用いたサーキュレータの場合と同様にしてサーキュレ
ーションの動作条件を計算し、この計算結果に基づくサ
ーキュレーションの第1の条件曲線(破線)と複合体の
共振曲線(実線)とを第2図と同様に縦軸をke2r2
とし、横軸をlK/μl=にとするグラフ上に重畳して
描いたものである。
フェライト−導体の複合体の共振曲線はフェライトの外
径r2と導体の半径r1との比r1/r2の値が増大す
ると、すなわちフェライト部分に比較して導体部分が増
大すると、これに応じて共振曲線n=+1と共振曲線n
−−1の縮退点A1はke2r2ノ値が大なる方向に移
動し、同時に共振曲線n=4−2、−2の縮退点A2、
共振曲線n−+3. −3の縮退点A3等も(いづれも
図示せず)もke2r2の値が大なる方向に移動し、し
かも直線に近い変化をするようになる。
その結果、第6図に示すように、共振曲線n=−1と共
振曲線n−+2との交点Bはl K/μmの値の大なる
ところに生ずる。
従って、モードIAのサーキュレーションの第1の条件
曲線上において前記第2図に示したように共振曲線n−
−1と共振曲線n−+2の交点Bよりl K/μ(の値
の大なるところで動作点による動作が不可能になり、交
点Bよりl K/μmの値が小さい領域に動作点が見い
出される。
このモードIAの条件曲線では、K/μの値が小さい領
域に存在するモードLA(−) と、K/μの値が大き
い領域に存在するモードLA(+)とがあって、モード
LA(−)はモードLA (+)とサーキュレーション
の方向が逆方向になる。
第6図のグラフに外部磁場一定の軌跡(一点鎖線)Hl
を書き加えると、モード1の条件曲線上に動作点P1と
、モードLA(−)の条件曲線上に動作点P2とが見い
出される。
なお、動作点P1.P2は二点鎖線で示す周波数一定の
曲線f1.f2と交わり、動作点P1.P2における動
作周波数はfl、f2である。
第7図は、第3図と同様にサーキュレータの第2の条件
曲線(実線)をZe/Zd−I K/μ1(7)グラフ
に描いたものである。
グラフにおいて、第2の条件曲線はモード1とモードL
A(−)のものが描かれている。
この場合もストリップラインの開き角度のパラメータ要
素を適当な値にすれば、グラフに示すようにZe/Zd
の曲線(破線)を第6図に示した動作点P1.P2に対
応する点Q工、Q2でモード1の条件曲線及びモードI
A (−)の条件曲線と交わるようにすることができる
従って動作点Q1.Q2はサーキュレーションの条件を
全て満足するものとなり、内部磁場Hiのとき、動作周
波数f1.f2の2周波数で動作することになる。
ところで、前記フェライト−誘電体の複合体を共振器と
して用いたサーキュレータにおいては、モード1の条件
曲線とモードLA(+)の条件曲線とが関与したのであ
るが、フェライト−導体の複合体を共振器としてサーキ
ュレータを形成した場合はモード1、モードLA(−)
の条件曲線が関与することになる。
この相違を明らかにするために第8図に、フェライト−
導体の複合体を共振器として用いたサーキュレータのア
イソレーション(実線で示す)と、挿入損失(破線で示
す)とを周波数fの関数で示す。
図から明らかのように実線で示したアイソレーションの
曲線は周波数f1で最大ピークを示し、このとき破線で
示した挿入損失は低い値を示すが、周波数f2になると
、アイソレーションの曲線は低い挿入損失の曲線となり
挿入損失の曲線は最大のアイソレーションを示す曲線と
なる。
これは周波数f1とf2の信号においてサーキュレーシ
ョンの方向が異なることを意味する。
例えば、周波数f0と周波数f2の信号を同時にサーキ
ュレータの入カポ−)TI(第1図)に加えると周波数
f1の信号はポートT3から出力し、周波数f2の信号
はポー)T2から出力するように動作する。
このようにサーキュレータの共振器をフェライトと導
体の複合体にすることにより二つの異なる周波数で夫々
異なる動作(これを三周波数動作に対して三用途動作ま
たはダイプレクサ動作という)を行なわせることができ
る。
この共振器の組成を導体を含む複合体にするだけで三用
途動作を可能にしたサーキュレータは従来存在せず、サ
ーキュレータとして構造が簡素的であるという点からも
優れたものである。
前記説明ではフェライトと導体の複合体を共振器として
用いたサーキュレータについて述べたが、次に第9図に
示すように外径r2、内径r1のフェライト円輪4と、
外径r1、内径roの誘電体円輪5と、半径r。
の導体円盤6とによるフエライ) −誘電体−導体の複
合体を共振器としてサーキュレータを構成した塙今につ
いて説明する。
このフェライト−誘電体−導体の複合体を共振器とした
サーキュレータを形成すると導体円盤6半径r。
とフェライト円輪5の外径r1との比r。/r1の値を
変化させることによりモード1とモードIAのサーキュ
レーションの第2の条件曲線の等制約なZe/Zdの値
を自在に変化させることができる。
これはサーキュレータの内部インピーダンスを自在に変
化できることにほかならず、これを利用してサーキュレ
ータのインピーダンス整合を外部付加回路によらず行う
ことができ、非常に好ましいものである。
また、フェライト−誘電体−導体の複合体を用いたサー
キュレータにおいては、導体円盤6の半径r。
と誘電体円輪5の外径r1との比r。/r1の値を適当
な値にすることにより第2図、第3図で説明したフェラ
イト−誘電体の複合体を用いたサーキュレータと、第6
図、第7図で説明したフェライト−導体の複合体を用い
たサーキュレータとの中間の状態を実現することができ
、この状態を利用してモード1とモードLA (+)の
条件曲線が関与する多−周波数動作とモード1とモード
IA(=)の条件曲線が関与する三用途動作とを相互に
切り換えることができる。
例エバ、第10図ノke2rz−I K/μlのグラフ
において、複合体の共振曲線n=+1.−1゜+2.−
2が実線で示すようになり、サーキュレータの第1の条
件曲線が破線で示すようになったとすると、内部磁場が
Haのときは、モード1及びモードLA (+)の条件
曲線上に動作点P1.P2が見い出され、内部磁場が増
大し、Ho以上の値、例えばHbになると今度はモード
1とモードLA (−)の条件曲線上に動作点P″0.
P″2が見い出される。
この内部磁場Haのときの動作点P1.P2内部磁場H
bのときの動作点P″1.P″2は、サーキュレータの
パラメータ要素(サーキュレータの構造に基づく定数)
の調整により第11図に示すようにサーキュレーション
の第2の条件曲線(実線)とZe/Zdc7)曲線(破
線)との交点Ql 、 Q2 、 Q”1 。
Q″2として同時に見い出すことかで゛き、これにより
サーキュレータの動作条件を完全に満足していることが
示される。
すなわち、サーキュレータは内部磁場Haで、モード1
とモードLA (+)が関与する三周波数動作を行うこ
とになり、内部磁場Hbでモード1とモードLA(−)
が関与する三用途動作を行うことになる。
従って、共振器としてr。
/r1を所定の値にしたフェライト−誘電体−導体の複
合体を用いてサーキュレータを構成すば、上記内部磁場
Ha、Hbに相応する外部磁場を切り換えるだけでサー
キュレータの動作を三周波数動作から三用途動作へ、あ
るいは三用途動作から三周波数動作に切り換えることが
できる。
また、モードl、モードIA (+)、モードIA(−
)以外にモード2 (モード2A (+)、モード2A
(−))モード3 (モード3A (+)、モード3
A(−い等の条件曲線の関与を考え、導体円盤の半径r
と誘電体円輪の外径r1との比r。/r1の値を所定値
にしたフェライト−誘電体−導体の複合体を共振器とし
てサーキュレータを形成すれば、特定周波数の信号のみ
回転方向が異なる多用途多周波数動作のサーキュレータ
も形成することができる。
次に、上記と同様にフェライト−誘電体−導体の複合体
であるがフェライト部分を外径r4内径r3、外径r3
内径r2、外径r2内径r1の夫々飽和磁化4πMsが
異なるフェライト円輪7,8,9により形成した複合体
を共振器として用いたサーキュレータについて説明する
まず、上記複合体の動作を明らかにするまえに、第13
図に示すように、外径r2内径r1のフェライト円輪1
2と、このフェライト円輪に内接し、上記フェライト円
輪と飽和磁化(4πM5)の異なる半径r1のフェライ
ト円盤による2種のフェライトによる複合体の共振モー
ド及び動作モードについて説明する。
飽和磁化(4πM、)が異なるフェライト円輪と、これ
に内接するフェライト円盤の共振モードは実験により測
定でき、これをモードチャートで示すことができるが、
この実験結果(実験結果は図示せず)から (1)フェライト円輪とこれに内接するフェライト円盤
からなる複合体において、フェライト円輪の4πM5が
フェライト円盤の4πM5より低い場合は複合体の共振
モードはフェライト円輪と4πMsの等しい単一フェラ
イト円盤の共振モードより低い周波数側に生じ、逆の場
合は複合体の共振モードはフェライト円輪と4πMsの
等しい単一フェライト円盤の共振モードより高い周波数
側に生じる。
(2)フェライト円輪とこれに内接する誘電体円盤とか
らなる複合体の共振モードが、フェライト円輪と4πM
5の等しい単一フェライト円盤の共振モードから高周波
数側に著るしく推移するのに対して、フェライト円輪と
これに内接する4πMsの異なるフェライト円盤の複合
体の共振モードは、フェライト円輪と4πM5の等しい
単一フェライト円盤の共振モードかられずかの推移をす
るだけであり、単一フェライト円盤の共振モードの近く
に存在する。
ということが明らかになりこのことからフェライト−フ
ェライトの複合体の共振モードは単一フェライトの共振
モードに近い正規モードであることが結論される。
第14図は、モードチャート上に上記フェライト円輪と
フェライト円盤による複合体の共振モードを実線で描き
、このモードチャート上に上記複合体を用いてサーキュ
レータとし、外部磁場を変化させたとき、アイソレーシ
ョンが極大値を示す周波数を測定し、この測定点を×印
でプロットしたものである。
なお、この測定に用いられたフェライト−フェライトの
複合体は、フェライト円輪の飽和磁化4πMs=750
Gauss フェライト円輪に内接するフェライト
円盤の飽和磁化4πMs=1200 Gauss半値幅
ΔH=800e、比誘電率εe=14、フェライト円輪
の外径r2= 20mm厚さ2.5mm、半径比r1/
r2=0.45である。
上記測定結果から求められたアイソレーションの極大値
のプロット点×を結ぶと、破線で示したようなサーキュ
レータの動作曲線を求めることができる。
この動作曲線のうちn=+1の共振曲線の高周波数側に
できる曲線(Ml)は前記モード1の条件曲線に対応す
るものと考えられ、il=+3の共振曲線の高周波数側
にできる曲線M3は前記モード3の条件曲線に対応する
ものと考えられる。
ここでモード1の条件曲線に対応する動作曲線M1は、
単一フェライト円盤を用いたサーキュレーションの動作
曲線(図示せず)に酷似したものであり、このモード1
の条件曲線に対応する動作曲線M1の低周波数側のn−
+1の共振曲線と重畳する位置に動作曲線MISが生じ
ている。
この動作曲線MISは単一フェライト円盤を用いたサー
キュレータでは見いだされないものであり、全く新しい
現象である。
ここでこの動作曲線MISを説明するために正規モード
以外に従属モードという共振モードが存在するという考
え方を新たに導入すると、飽和磁化4πM、が異なる二
種のフェライトによる複合体の正規共振モードと従属モ
ードの性質はke2r2 1 K/μmのグラフ上で次
のようなものである。
(1)正規モードは単一フェライトによる共振モードと
ほは゛同一で゛ある。
(2)従属モードは、正規モードより低い位置に存在す
ること。
(3)従属モードは、正規モードと共存し、しかもそれ
ぞれ独立にサーキュレーション動作に関与でき、しかも
互に阻害しなにこと。
(4)ストリップ線路幅などサーキュレータの構造が同
一の条件の下では従属モードによる動作モードは正規モ
ードによる動作モードより低い位置に生ずること。
以上のことをke2r2 1 K/μmのグラフ上に図
示すると第15図のようになる。
グラフにおいて、実線は正規モードの最低次(n−+1
)のもの、一点鎖線は従属モード、破線は正規モードに
よる動作モード、二点鎖線は従属モードによる動作モー
ドを示す。
この外径r2内径r1のフェライト円輪と4πM、の異
なる半径r工のフェライト円盤による複合体の一様な外
部磁場下における4πM5の分布、K/μの分布、μe
の分布を測定すると第16図aに示すようになる。
なおこの図においてはフェライト円盤の4πMsの値が
フェライト円輪の4πM5の値より大きい場合を示しで
ある。
ところで、電磁界の解析においてはに/μの分布が特に
重要な因子であり、上記実1@結果を満足させるために
は、正規モード及び従属モードにおけるに/μの分布は
次のようになっている考えられる。
(1)正規モードのに/μの分布の形は複合体全体にわ
たって一様であり、これは単一フェライト円盤のに/μ
の分布と等しくなる。
(2)従属モードのに/μの分布はフェライト円輪部分
ではl K/μm=へとなり、フェライト円盤部分では
、複合体のフェライト円盤部の(K/μ(−札、から埒
を引いたf直(K=に2) となる。
(3)フェライト円盤部の電磁界は正規モードの成分と
従属モードの成分が相加って形成する。
そこで、このに/μの分布状態を示すと第16図すのよ
うになる。
このような考慮のもとにフェライト円盤部の電磁界をM
axwellの式より求めて正規モードに関与するとみ
られるものと従属モードに関与するものとに分離すると
、+ν次の電磁界成分Ez−](θのうち正規モードに
関与するものとしてはEzシ=αシJν(にel・r)
e−jvθ ・−・ao)従属モードに関与するもの
としては E′Zシ=dシJν(にel・r)e ”θ −・・
−(12)となる。
ただしフェライト円盤内の比誘電率をεe1、実効比透
磁率をμelとし、 に2e 1=w2ε(、uogeluelμel=μm
(IK’1 )、 Kl−に1/μm 、 K2−に
2//!j2°である。
また、同様にして電磁界成分Hrについても表わすこと
ができる。
このようにして求められたフェライト円盤部分の電磁界
とフェライト円輪部分の電磁界とにおけ□るr=r1で
の連続条件とr−r2で電磁界成分Hθ二〇となる条件
とを用いて計算すれば共振モードが得られ、これは第1
5図で示した共振曲線と一致する。
この複合体内における正規モードと従属モードは物理的
には次のように考えられる。
複合体の中心部分のフェライト円盤と、外周部のフェラ
イト円輪とでに/μの値が異なると、磁界の回転ベクト
ルの振幅と位相がフェライト円盤部分とフェライト円輪
部分とで差異を生じ、特に励振がフェライト円輪の外側
から行なわれるために、フェライト円輪部分の磁界の回
転ベクトルを基準にしてみれば、フェライト円輪部分の
回転ベクトルと類似するフェライト円盤内の回転ベクト
ルは、式(10)、 (Inで与えられる正規モードに
関与する成分と、従属モードに関与する成分12 、1
3とに分解される。
この分解された式(10)、 (11)で示めされる成
分と式(12)、 Q3)で示めされる成分が夫々内輪
部分の電界成分を与える式(1)、(2)および磁界の
式(表記せず)で示される成分と結合して、式00)。
01)を用いたものよりなる正規モードと、式α2+、
Q3)を用いたものよりなる従属モードを形成すると
考えられる。
また式(10)、 Ql)と式(12)、 (13)と
は同じ内部磁場、同じ周波数に対して相加できる形であ
るので正規モードを示す式(10)、 (111と従属
モードを示す式α2)、 (13)を用いてmaxwe
llの方程式を満足させることができ、この正規及び従
属モードの組み合せが完備なものになっているといえる
したがって、上記正規モード及び従属モードは単独では
完備なモード系を形成できないものであるといえる。
このように4πM5が異なる二つのフェライトを接合す
ると正規モード以外に従属モードが生じ、この従属モー
ドは、正規モードと共存し、両者は互いに阻害しないか
ら、例えば4πM5が異なるフェライトを接合した複合
体を用いてサーキュレータを形成すると、正規モードが
関与する動作点以外に従属モードが関与する動作点が生
じ夫々の動作点による三周波数動作を行うことになる。
ところで、正規モードが関与する動作点による動作周波
数と、従属モードが関与する動作点による動作周波数の
差は接合フェライトの4πMsの違いによるに/μの値
の不連続に基ずくものであり通常前記フェライト−誘電
体の複合体を用いたサーキュレータによる三周波数動作
における動作周波数差に比較して非常に接近したもので
あるので、これを利用すれば、単一の動作周波数におけ
るサーキュレータの動作の広帯域化をはかることができ
る。
上記飽和磁化4πMsの異なるフェライトの接合面を有
する複合体には従属モードが生ずるという理論に基づき
、第12図に示した4πMsが異なる複数のフェライト
−誘電体−導体の複合体を共振器としたサーキュレータ
の動作について説明する。
まず、導体円盤11の半径r。
と誘電体円輪10の外径r1との比r。
/r1の値が十分小さいとき、す1なわち導体の影響が
誘電体の影響に比較して十分小さいときを考える。
この場合は、三層のフエライ)7. 8. 9と誘電体
10による正規モードに基づくモード1、モードlA(
+)モード3等の条件曲線が関与する動作1と、三層の
フェライト部に生ずるフェライト円輪7とフェライト円
輪8との接合に基づく従属モードとフェライト円輪8と
フェライト円輪9との接合に基づく従属モードとの二つ
の異なる従属モードが関与する動作との複合動作になり
、正規モー1 ドに基づくモード1、モードIA(+−
)、モード3等の条件曲線が関与するアイソレーション
のピーク幅はいずれも広くなり、広帯域多周波数動作を
行うことになる。
例えばモード1の条件曲線によるアイソレーションのピ
ークは第17図に示すように、正規モードが関与する周
波数fMl、でのピークと、二つの異なる従属モードが
関与する周波数f 51. f 52でのピークが生
じ、アイソレーションのピーク幅は広がり、サーキュレ
ーションの動作は広帯域化される。
□ 導体円盤11の半径r。
と誘電体円輪10外径r1との比r。
/r1が十分大きいとき、すなわち誘電体部分が十分小
さいときは導体の影響によりサーキュレータは三用途動
作を行うことになる。
この場合も従属モードが関与し、各動作周波数は広帯域
化される。
次に、導体円盤110半径r。
と誘電体円輪10の外径r1との比r6/r1が所定の
値のときを考える。
このときは外部磁場を変えることによりサーキュレータ
の動作を多周波数動作と二用途動作問で交互に切り換え
ることができる。
そしてこの場合においても従属モードが関与して動作周
波数は広帯域化される。
また、導体円盤11の半径r。
と誘電体円輪10の外径r1との比r。
/r1の値の調整によりサーキュレータのインピーダン
ス調整を行うことができる。
このようにフェライト−誘電体−導体の複合体を共振器
としてサーキュレータを形成することにより、多周波数
動作を行うサーキュレータ、三用途動作を行うサーキュ
レータ、多周波数動作と三用途動作の切り換え可能なサ
ーキュレータインピーダンスの内部調整機構を有するサ
ーキュレータ等を実現することができ、飽和磁化(4π
Ms)の異なる多層のフェライト−誘電体−導体の複合
体を共振器としてサーキュレータを形成することにより
上記各動作を行うサーキュレータの動作帯域を広帯域化
することができる。
以上、フェライト、誘電体、導体による複合体を共振器
として形成したサーキュレータの動作について説明して
きたが、いずれの場合においても外部磁場を複合体の軸
方向に加えた均一のものとして論じてきたが、次に複合
体に加える外部磁場を不均一にした場合について説明す
る。
この説明の前に所定磁場を加えられたフェライトの性質
について不均一磁場下のフェライトの性質に必要な点を
中心に一般的に述べる。
磁場を加えられたフェライトは次式で示すような比テン
ソル透磁率〔μ〕を有する。
この比テンソル透磁率〔μ〕のテンソル要素μ、Kがフ
ェライトの高周波における磁気的影響を示す因子である
通常μ、Kは損失部分を含むものであるが、ここでは物
理的な性質を解析するのに便利なように損失項を無視し
て考える。
μ、には、Po1derの表示式を利用するとと与えら
れる。
ただし、m=4πMS/HO h=Hi/H8 4πMs=フェライトの飽和磁化(Gauss)Hi=
ミニフェライト部の磁場の強さ く0ersted) Ho=周波数f (MHz)を2.8で割った値で共
鳴磁場を示す。
(Oersted)である。
なお、ここでは上記共鳴磁場H6以上で考察する。
フェライトを共振器として用いたサーキュレータの解析
においては前記サーキュレーションの第1、第2の条件
曲線上での役割から明らかのように、μ、Kから誘導さ
れる比実効透磁率μe、およびフェライト非等方性分離
因子(ferriteanisotropic spl
itting factor) K/μの2つのイ直が
重要となる。
比実効透磁率μeとフェライト非等方性分離因子との間
には次の関係がある。
μe=(μ2−に2)/μ−μ 〔1−(K/μ)2〕
・・・・・・(17) 上記式(17)と式(15) (16)よりm(4π
MS/Ho)をパラメータとして、比実効透磁率μeと
フェライト非等方性分離因子に/μとをh(=Hi/H
O)の関数とするグラフをえかくと第18図、第19図
のようになる。
第18図、第19図のμeおよびに/μとhのグラフか
らフェライトを用いてサーキュレータを構成したような
場合において外部印加磁場に相応する内部磁場及び加え
られる信号の周波数によりフェライトのどの共鳴状態を
利用しているかがわかる。
例えばhが1.0より大きい状態(abovereso
nance condition)を用いるサーキュレ
ータにおいて、フェライトの4πMsが一定であるとす
ると、 (1) 周波数を固定して、内部磁場H1を増大する
と内部磁場H1に対応するh1上にある点P1.Q1は
m=定の曲線上をhが増大する方向に移動する。
(2)内部磁場H1を固定して周波数を変化させるとh
1上にある点P2、Q2は周波数が増大したときはhが
減少する方向へ、周波数が減少したときはhが増大する
方向へ、それぞれ破線で示す矢印方向にm=定の曲線と
斜交するように移動する。
この上記磁場を加えられたフェライトの基本的な動的性
質に基づき多層複合体の不均一磁場下における動的な性
質及びこれを用いたサーキュレータの動作について説明
する。
まず、第20図に示すように半径r1のフェライト円盤
F1、内径および外径がそれぞれrl、r2;r2.r
3;r3.r4ノフエライト円輪F2.F3.F4から
なり、フェライト円盤F1の飽和磁化が4層MS1、フ
ェライト円輪F2.F3.F4の飽和磁化が夫々4yr
MS2. 4 yr Mg2. 4 yr Mg2で
4 yr Msl> 4 yr Mg2〉4層MS3〉
4層MS4である複合体を用い、この複合体に均一な外
部磁場を印加した場合を考える。
この場合は各フェライトの内部磁場は相等しいとすれば
、各フェライトのml(=4πMsi/Ho、i=1〜
4)はml〉m2〉m3〉m4となり、各フェライトの
(K/μ)i (i=1〜4)は(K/μ) 1>
(K/μ)2〉(K/μ)3〉(K/μ)4 となり各
フェライト間でに/μの値が異なるから、これによる従
属モードが生じ、この均一磁場を加えた複合体を用いて
例えばサーキュレータを構成すれば、サーキュレータの
動作は前述したように従属モードが関与し広帯域化され
る。
この場合、複合体の各フェライトF1〜F4は第21図
にに/μ−りのグラフ上で示すように点P′1〜P′4
で表わされる共鳴状態で用いることになる。
次に不均一で軸対称な外部磁場が加えられ、各フェライ
トの内部磁場が均一なHiの状態からそれぞれ異′なる
内部磁場Hi□、H12,H13,H14に変ったもの
とする。
このとき周波数を固定して考えるとフェライトの共鳴状
態を示す点P1′〜P4′はそれぞれのm(=4πMs
/Ho)が一定の曲線上を移動して内部磁場に対応した
hl、h2.h3.h4の上に見出される。
ここで、外部磁場を適当な分布のものを用いれば、第2
1図に示すように各フェライトF1〜F4の共鳴状態を
点P1〜P4で示すようにし、K/μの値を一定値(K
/μ)Cにすることができる。
すなわち、このとき点P1〜P4におけるhはh1〜h
4であるから各フェライトF1〜F4の内部磁場がHi
l−Hi4となるように外部磁場の分布を決定すればよ
い。
この共鳴状態を示すに7μm6図上の点P1〜P4に対
応する点Q1〜Q4をμe−hのグラフ上に示したのが
第22図である。
第22図において、点Q1〜Q4は略AB線上に見いだ
される。
ここで点Q□〜Q4に対応する比透磁率μe1〜Pe4
はμe1〉μe2〉μe3〉μe4となる。
次に磁場を固定し、周波数を変化すると、各フエライ)
F□〜F4の共鳴状態を示す点P1〜P4. Ql〜Q
4は第18図、第19図に破線の矢印で示した方向にそ
れぞれ推移する。
このようにに/μを一定値(K/μ)Cとなるように所
定分布の不均一磁場を加えられた複合体の共振器をサー
キュレータに適用し、このサーキュレータの動作につい
て説明する。
サーキュレータの動作において重要なのはサーキュレー
タの共振器を形成する複合体の半径方向の比実効透磁率
μeの分布である。
上記に/μを一定とするように不均一磁場を加えられた
複合体の半径方向の比実効透磁率の分布は第22図の点
Q1〜Q4に対応する比実効透磁率の値μe1〜μe4
を用いて第23図のように求めることができる。
すなわちこの場合は複合体として4層のフェライトF1
〜F4を用いているのでμeの分布は4段の階段状にな
っている。
この階段状のμeの分布を曲線CDで近似すれば、この
複合体の共振モードを求めることができる。
なお、複合体の多層化をさらに進めればμeの分布は曲
線CDに限りなく近ずけることができる。
第24図は、上記近似に基づきに/μが一定となるよう
に不均一磁場が加えられた複合体の共振モードを計算し
、この計算結果に基づく共振モードを示す曲線(n=+
1、−1に対応するもの)を実線で示し、サーキュレー
タの第1の条件を示す曲線(モード1に対応するもの)
を破線で示したものである。
K/μを一定になるように不均一外部磁場が加えられた
4層Msが異なる多層のフェライトによる複合体を共振
器として用いたサーキュレータにおいては、サーキュレ
ータの結合線路の結合角24等を適当に調整することに
より不拘−磁場一定の曲線(一点鎖線で示す)にサーキ
ュレーションの第1の条件曲線(破線)を所定区間(点
P、 Q間)で重さなるようにすることができる。
なお点Pは周波数f□が一定の曲線(二点鎖線)上、点
Qは周波数f2が一定の曲線上にある。
また、同時にサーキュレーションの第2の条件曲線を示
す第25図において、この第2の条件曲線(実線)とZ
e/Zdの曲線とを上記PQ間に対応するP’Q’間で
重さねることができる。
従って、上記サーキュレータは周波数f1.f2間でサ
ーキュレータの動作条件を完全に満足することになり、
周波数f1.f2間で動作することになり動作周波数は
広帯域化される(実際の帯域はf。
flより幾分広くなる)。
次に、4層Msが異なる多層のフェライト−誘電体−導
体の複合体において、フェライト部分のに/μの値が一
定値になるように不均一磁場の加えられた複合体を共振
器として用いたサーキュレータについて考察する。
この場合は、導体部分が誘電体部分に比較して寄与が十
分大きいときには三用途動作又は多用途動作になり、逆
に誘電体部分の寄与が十分大きいときには多周波数動作
になり、導体部分と誘電体部分とが所定の割合であると
きには外部磁場により三用途動作と多周波数動作との切
り換え可能なサーキュレータあるいは三用途動作と多周
波数動作の複合動作をするサーキュレータあるいはイン
ピーダンスの内部調整機構を有するサーキュレータ等を
形成することとなるがいずれの場合も、K/μを一定に
されたフェライトの共振モードにより広帯域化される。
このに/μを一定にされたフェライトを用いたサーキュ
レータの帯域はフェライト部分と導体と誘電体部分との
比により決定される。
例えば第20図の複合体において、半径r1のフェライ
ト円盤のかわりに半径r。
の導体と外径r工、内径r。の誘電体の複合体円盤を用
いて、フェライト−誘電体−導体の複合体を形成し、こ
の複合体を用いてサーキュレータを形成すると、サーキ
ュレータの帯域はr1/r4の値により決定され、r1
/r4の値が大きくなれば帯域は狭くなる。
また、フェライト−誘電体−導体の複合体による共振器
の共振モードは、通常の円盤フェライトによる共振器に
比較して共振モードの縮退点がhe4.F4の値の低い
位置に生じ、通常の円盤フェライトによる共振器より小
さい寸法の円盤によりサーキュレータを構成することが
できる。
更に、共振モード曲線間の分離(特にn=+1とn−−
1、n=+2とn=−2)が大きくなり、それぞれの次
数を共振モード曲線の正負の回転モードの開きは小さく
なるので、高次モードはn=1の共振モード曲線とは交
叉しないなどの特徴がある。
次に4層Msの異なる多層のフェライトに区分的に異な
る不均一磁場を加えた場合の効果を説明する。
これは、例えば第20図に示したフェライト円盤F1と
フェライト円輪F2〜F4による複合体において区分的
に異なる不均一磁場を加えて4層のフェライトF1〜F
4のいちフェライトFl、 F2のに/μの値を(K/
μ)1にし、フェライトF3. F4のに/μの値を(
K/μ)2にしたような場合である。
この場合はに/μを一定にしたフェライトを用いた複合
体でありながらフェライトF1、F2部分と、フェライ
トF3. F4部分とで、異なるに/μの値(K/μ)
、、(K/μ)2を有することになり、このようなフェ
ライトの複合体を用いてサーキュレータを構成するとに
/μの値を一定にされたフェライトによる共振モードが
関与した動作と、 (K/μ)1.(K/μ)2の差に
基づく従属モードが関与した動作との複合動作を行うこ
とになる。
従って、両者によるサーキュレータの広帯域化が実現で
きる。
このように、フェライトの複合体に区分的に異なる不均
一な外部磁場を加え、各フェライトのに/μの値が一定
値になるようにし、この複合体を用いてサーキュレータ
を構成すればサーキュレータの動作として広帯域特性が
得られる。
また、上記フェライト複合体に不均一な外部磁場を加え
、K/μの値を一定にするようにして共振器を形成する
ことを前記4πMsの異なる多層のフェライト−誘電体
−導体の複合体に適用すればこのフェライト−誘電体−
導体の複合体の動作範囲を拡大するばかりでなく動作を
確実にすることとなり、非常に好ましい共振器を形成す
ることとなる。
例えば、このようにされた複合体を用いてサーキュレー
タを構成すれば多周波数動作、三用途動作広帯域動作等
を行うサーキュレータを外部回路を全く付加せずに実現
することができる。
ところで、一般にサーキュレータの動作調整においては
、まず共振器を組み合わせたY接合線路が理想サーキュ
レーションを行うようにするサーキュレーション調整、
すなわち動作帯域で前記サーキュレーションの第1の条
件を満足するとともに前記Ze/Zdの曲線が前記サー
キュレーションの第2の条件曲線と重さなるようにする
調整が行なわれ、このサーキュレーション調整が行なわ
れた状態ではY接合線路と外部接続路線とのインピーダ
ンス整合が必ずしもとれていないので、続いてこのY接
合線路と外部接続路線とのインピーダンス整合調整が行
なわれる。
このサーキュレーション調整は従来Y接合線路の調整(
Y接合ストリップラインの開き角等の調整)により行な
われており、インピーダンス整合調整は外部回路を付加
することにより行な銭れていた。
ところが上記均一磁場下あるいは不均一磁場下の多層フ
ェライト−誘電体−導体からなる複合体共振器を用いて
サーキュレータを形成すればサーキュレーション調整及
びインピーダンス調整をY接合線路の調整及び外部回路
の接続を全く行なわずにして実現することか゛できる。
すなわち、均一磁場下の多層フェライトに生じる従属モ
ードの利用あるいは不均一磁場下の多層フェライトの共
振特性を利用して前記Ze/Zdの曲線とサーキュレー
ションの第2の条件曲線とを広帯域で重さねることがで
き、誘電体と導体の占有比の調整によF) Y接合線路
と外部接続路線とのインピーダンス調整を行なうことが
できるのでサーキュレータの調整を一挙に行うことがで
きる。
また、第26図に示すように4πMsの異なる多層フェ
ライト円盤の各フェライト接合面に薄い誘電体円輪14
,15,16を介挿して形成された複合体を用いて共振
器を形成すると多層フェライトの作成過程でさけられな
い内部歪みを緩和する緩衝効果をはだすことになる。
更にこの各フェライトの接合面に薄い誘電体円輪14.
15. 16を介挿した複合体を共振器としてサーキ
ュレータを形成し、この複合体に加わる外部磁場の実効
半径を可変できるようにすれば、これにより内部インピ
ーダンス整合を変化させて、動作周波数を自由に変化す
ることができるとともに、実効的に動作する複合体の半
径が変化して動作周波数全体を周波数の高い方向あるい
はその逆の方向に推移させることができる。
また、以上説明したフェライト−誘電体−導体等の複合
体を共振器として用いたサーキュレータの動作周波数は
主としてフェライト部分の内径と外径の比(例えば第1
2図に示した複合体においてはrl/r4)によって変
化させることができ、更に外部磁場やY接合線路等のパ
ラメータ要素を変えることによっても調整することがで
きるから所望の動作周波数に自由に調整することができ
る。
次に、このようなサーキュレータの有用性を示すために
上記多周波数動作及び三用途動作を行うサーキュレータ
を用いたマイクロ波回路の一例を示す。
多周波数動作を行うサーキュレータは従来のサーキュレ
ータにフィルタの特性を加えた動作を示し例えば、周波
数f1と周波数f2で三周波数動作を行うサーキュレー
タを考えると、第27図aに示すように一つのポートか
ら加えられた周波数f1の信号から周波数f1.f2の
信号のみ選択し、この周波数f1.f2の信号を所定方
向に回転させ、別のポートから出力する。
これを記号的に第27図すのように記す。
三用途動作を行うサーキュレータは、左回り動作周波数
をfl、右回り動作周波数をf2とすると第27図Cに
示すように、あるポートから周波数fiの信号が入力す
るとこの入力信号から周波数f1の信号を選択して、こ
の信号を左回りに回転させ、一方のポートから出力し、
同時に入力信号から周波数f2の信号を選択してこの信
号を右回りに回転させ他方のポートから出力する。
この動作を信号的に第27図dのように記す。
この多周波数動作を行うサーキュレータと三用途動作を
行うサーキュレータを組み合わせて、マイクロ波の周波
数分離回路や周波数合成回路が容易に実現できる。
第28図のa、b、C1dは上記サーキュレータを用い
たマイクロ波回路の一例を第26図す及び第27図すに
示した表記方法を用いて示したものである。
礒28図aは、周波数f1.f2.f3.f4ノ信号を
含む信号を各周波数別に分離する回路例を示したもので
ある。
まず、周波数f1.f2.f3.f4の信号を含む信号
はサーキュレータC1のポートP1C1に加えられる。
サーキュレータC1は周波数f□、f2、f3の信号を
左回りに回転させ周波数f4の信号のみを右回りに回転
させる三用途、4周波数動作サーキュレータである。
ここでこのような動作をするサーキュレータは共振器と
して前述した多層フェライト−誘電体−導体の複合体を
用い、フェライトの4πMs、誘電体の外径及び内径、
導体の半径及びストリップラインの開き角等を適宜調整
することにより実現することができる。
サーキュレータC1では、ポートP1C1に加えられた
入力信号から、周波数f1〜f4の信号が選択され、選
択された信号のうち周波数f1〜f3の信号は左回りに
回転させられポートP2C1から出力され、周波数f4
の信号は右回りに回転させられポートP3C1から出力
゛される。
このようにして周波数f1〜f3の信号と周波数f4の
信号とが分離される。
サーキュレータC1のポー)P2C1からの周波数f1
〜f3の信号はサーキュレータC2のポー)PIC2に
加えられる。
サーキュレータC2は周波数f1.f2の信号は左回り
、周波数f3の信号は右回りに回転する三用途3周波数
動作サーキュレータであり、周波数f1.f2の信号と
周波数f3の信号とをポートP2C2,P3C2に分離
して出力する。
同様にサーキュレータqのポー)P2C2から出力され
た周波数f1.f2の信号は二用途す−キュレーダqの
ポー)PIC3に加えられ、周波数f1.f2の信号に
分離されポートP2C3,P3C3から夫々出力される
このようにして、周波数f1〜f4の信号を含む信号は
各周波数f1. f2.f3. f4の信号に分離され
る。
第28図すは周波数f1.f2.f3.f4の信号を混
合して周波数f0〜f4からなる信号を合成する周波数
合成回路である。
この回路においてサーキュレータ01′、02′、q′
は前記第28図aで示したサーキュレータC1,C2,
qと同一の構成のものでありサーキュレータC3′によ
り周波数f1とf2の信号を合成し、サーキュレータ0
2′により周波数f1.f2の合成信号と周波数f3の
信号を合成し、サーキュレータ01′により周波数f1
.f2.f3の合成信号と周波数f4の信号とを合成し
て、サーキュレータ01′の出力ポートから周波数f1
〜f5の信号を合成した信号を得るようになっている。
なお、第28図a、bは周波数分離回路、周波数合成回
路の例を示したが、4πMsの異なる多層フェライトあ
るいはこの多層フェライトのに/μの値を一定とするよ
うな外部磁場下におかれたフェライトを構成要素とする
共振器を用い、三用途広帯域動作のサーキュレータを形
成すれば、上記と同様にして帯域合成回路あるいは帯域
分離回路を形成することもできる。
第28図Cは2人力、3分岐回路、第28図dは3人力
、2分岐回路の一構成例を示したものである。
第28図Cにおいてはサーキュレータ04〜C6を所定
の構成にすれば周波数f1.f2の信号と、周波数f3
.f4の信号からなる2人力を周波数f2、周波数f1
.f3、周波数f4からなる3出力に分岐し、第28図
すにおいては同様にサーキュレータ07〜C0を所定の
構成にすれば、周波数f1、周波数f2.f3、周波数
f4からなる3人力を、周波数f1゜f2、周波数f3
.f4からなる2出力に分岐する。
このように本発明に係わる共振器を用いてサーキュレー
タを構成すれば、種々のマイクロ波回路の簡略化を行う
ことができ、また回路構成も容易である。
以上の説明においては本発明の複合型共振器のストリッ
プラインY接合サーキュレータへの適用例について主に
述べてきたので、複合型共振器の形状としてはストリッ
プラインY接合サーキュレータの形成に都合が良い円盤
状としてきたが、これに限定されるものではなく、4π
M5が異なる多層のフェライトと誘電体と導体との全部
あるいは一部を構成要素とする複合体であればよく、複
合体の構成要素として非等方性分離因子に/μの値が異
なるフェライトとフェライトとの接合面があれば正規モ
ード以外に従属モードが生じ、この従属モードが関与す
る動作が加り、非等方性分離因子に/μの値を一定にさ
れた不均一磁場下の4πM5の異なるフェライトとフェ
ライトとの接合面があれば不均一磁場による広帯化が可
能になり、誘電体と導体とを含めば導体と誘電体との占
有部分の比に基づく多周波数動作、及び高周波数信号の
回転方向の制御が可能になるから、適用する素子及び目
的に応じて適当な形状にすればいかなる形状でも上記動
作を可能にすることができる。
また、本発明の複合型共振器が適用できるのはストリッ
プラインY接合サーキュレータに限定されるものでなく
、X接合サーキュレータ導波管を用いたサーキュレータ
マイクロストリップラインを用いたサーキュレータ、ア
イソレータ、フィルタ、フェイスシフタ等フェライトの
共振特性を利用した素子であればいかなるものでも同様
に適用することができることは勿論である。
例えば本発明の複合型共振器をアイソレータに適用すれ
ば、詳述したサーキュレータへの適用例と同様にして容
易に、多周波動作を行うアイソレータ、広帯域動作を行
うアイソレータ、外部磁場に応じて動作方向を切り換え
られるアイソレータ、内部インピーダンス調整機能を有
するアイソレータ等を構成することができる。
また、本発明の複合型共振器をフィルタに適用すれば、
特定周波数(多周波数)通過形フィルタ、所定帯域幅(
帯域幅制御可能)を有するバンドパスフィルタ等を構成
することができ、同様に他の素子にも適用することがで
き、いづれの場合においても、フェライト−誘電体−導
体の複合体の共振特性を利用して、適用素子の動作範囲
を拡大することができる。
以上説明したように本発明の複合型共振器は上記構成で
あるからマイクロ波回路素子等に適用すれば、外部回路
を全く付加することなく広帯域動作、多周波動作、三用
途動作等を可能にする回路素子が容易に実現でき、更に
インピーダンスの内部整合機構を有する回路素子も実現
することができるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図aは本発明に係わる複合型共振器のサーキュレー
タへの一過用例を示す斜視図、第1図すは同平面図、第
2図、第3図はフェライト−誘電体の複合体を用いたサ
ーキュレータの動作解析図、第4図、第5図はフェライ
ト−誘電体の複合体を用いたサーキュレータの動作の実
験結果を示すグラフ、第6図、第7図、第8図は本発明
に係わるフェライト−導体の複合体を用いたサーキュレ
ータの動作解析図、第9図は本発明の複合型共振器の一
実施例を示す斜視図、第10図、第11図は第9図に示
した複合体を用いたサーキュレータの動作解析図、第1
2図は本発明の他の実施例を示した斜視図、第13図は
フェライト−フェライト複合体の一例を示した斜視図、
第14図はフェライト−フェライト複合体を用いたサー
キュレータの動作の実験結果を示すグラフ、第15図は
正規モードと従属モードの関係を示すグラフ、第16図
は従属モードの存在を説明するグラフ、第17図は第1
2図の共振器を用いたサーキュレータの動作を示すグラ
フ、第18図、第19図はフェライトの共鳴状態と磁場
との関係を示すグラフ、第20図は多層状のフェライト
複合体の一例を示す斜視図、第21図、第22図、第2
3図は第20図に示す多層状のフェライト複合体に不均
一外部磁場を加えに/μを一定にするようにした状態を
解析するグラフ、第24図、第25図は、第20図に示
した複合体を用いたサーキュレータの動作解析図、第2
6図は本発明の他の実施例を示す斜視図、第27図a、
b、c、dは二周波動作サーキュレータ及び二用途サー
キュレータの動作及びその表記方法を示した図、第28
図a。 b、 C,dは本発明を適用したサーキュレータを用
いた回路構成例を示す回路図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 導体と、この導体を囲繞する誘電体と、この誘電体
    を更に囲繞するフ至ライトどの接合複合体からなり、こ
    の複合体に外部磁場を加えて共振器とした複合型共振器
    。 2 前記フェライトは、飽和磁化の異なる多層のフェラ
    イトから形成される特許請求の範囲第1項記載の複合型
    共振器。 3 前記誘電体によって画成される部分と導体によって
    画成される部分との占有比に対応した共振特性を得る特
    許請求の範囲第1項または第2項記載の複合型共振器。 4 前記誘電体及び導体によって画成される部分とフェ
    ライトによって画成される部分との占有比に対応した共
    振特性を得る特許請求の範囲第1項または第2項記載の
    複合型共振器。 5 前記多層のフェライトに不均一外部磁場を加え、多
    層のフェライトを形成する各フェライトの非等号性分離
    因子分布状態を制御する特許請求の範囲第2項記載の複
    合型共振器。
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JP51044760A JPS5951161B2 (ja) 1976-04-19 1976-04-19 複合型共振器
US05/683,143 US4122418A (en) 1975-05-10 1976-05-04 Composite resonator
US05/906,374 US4205281A (en) 1975-05-10 1978-05-16 Ferrite composite circulator

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6018145U (ja) * 1983-02-22 1985-02-07 三洋工業株式会社 土中に打込んだ杭等の引抜工具

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4890443A (ja) * 1972-03-01 1973-11-26

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