JPS5947151B2 - 電動始動手段付発電機直結フライホイ−ル装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、電気エネルギを回転体の慣性エネルギに変
換して蓄積しておき、必要時に再び電気エネルギに変換
して供給する電動始動手段付発電機直結フライホイール
装置に関する。

この種の装置は、別個の始動回転用電動機を連結した発
電機にフライホイール装置を直結したもの、あるいは、
サイリスクを用いた静止形始動装置を使用することによ
り始動回転用電動機を発電機と兼用した発電電動機にフ
ライホイール装置を直結したものなどがある。

いづれの場合も大きな慣性効果を得るために、フライホ
イールの直径が増大し、重量も数百トンに達するものが
ある。

したがって、軸的り防止や、振動の低減、及び据付面積
の縮少などの観点から、横軸形よりも立て軸形に構成さ
れる傾向にある。

以下、電動始動手段付発電機として、従来の装置もこの
発明の一実施例の装置も発電電動機の場合について説明
する。

従来の立て軸発電電動機直結フライホイール装置は、第
１図に縦断面図で示すようになっていた。

１は発電電動機で、次のように構成されている。

２は回転子で、中間軸３に回転子継鉄が固着され、この
継鉄の外円周に複数個の界磁極が取付けられている。

４は中間軸３に直結された上軸で、外部に設置したサイ
リスク始動装置（図示は略す）あるいは励磁装置からの
励磁電流を通電するためのスリップリング５が取付けら
れている。

６は固定子で、固定子鉄心７に固定子巻線が装着され、
固定子フレーム８に支持されている。

９は上軸４を半径方向に支持する上部案内軸受で、上部
ブラケット１０に支持されている。

１１は中間軸３を半径方向に支持する中間案内軸受で、
中間ブラケット１２に支持されている。

１３は複数枚の中実円板１４からなるフライホイールで
、多数本の締付はボルト１５により締付けられ、中間軸
３の下端に直結されている。

１６はフライホイール１３の下端に取付けられたスラス
トカラー、１７はスラスト軸受で、回転子２及びフライ
ホイール１３からなる回転部の全重量を支持している。

１８はスラストカラー１６を半径方向に支持する下部案
内軸受、１９はこの下部案内軸受及びスラスト軸受１７
を支持する下部ブラケット、２０は鉄筋コンクリートか
らなる基礎である。

上記発電電動機直結フライホイール装置の運転は、次の
ようにする。

まず、サイリスク始動装置からの励磁により発電電動機
１を電動機として始動し、定格回転数までフライホイー
ル１３を加速し、回転慣性エネルギとして蓄積しておく
。

必要時に応じ、発電電動機１を発電機として運転し電気
エネルギに変換して供給する。

ところで、スラスト軸受１７の点検、調整、あるいは焼
損事故などでスラストカラー１６に異常が生じたりし、
分解する必要がある場合、フライホイール１３が下方位
置にあるため、従来の装置では、発電電動機固定子８、
回転子２、上部ブラケット１０、中間ブラケット１２な
どを分解し、フライホイール１３をつり出さなければス
ラストカラー１６は取出すことができなかった。

上記従来の装置においては、フライホイール１３は中実
円板１４を複数枚重ねて多数本の締付はボルト１５で締
付けているので、スラストカラー１６などを分解する場
合は、フライホイール１３の上方にある各部材を全部分
解して取出しておき、フライホイール１３をつり出さね
ばならなかった。

この発明は、円筒状をなすスパイダの外径部に、中心孔
を設けた円板を複数枚はめ込んでフライホイールを構成
し、スパイダの下部に引抜き可能に半径方向に差込んだ
複数本の支持ピンにより、フライホイールの重量を下方
から支えるようにし、分解の必要時には、上記支持ピン
を引抜き、フライホイールを基礎のピットに残したまま
、発電機側固定子を分解することなく、発電機の回転子
、フライホイール用スパイダ及びスラストカラーと一体
につり上げて取出すことができ、分解組立て作業を容易
にした電動始動手段付発電機直結フライホイール装置を
提供することを目的としている。

第２図はこの発明の一実施例による発電電動機直結フラ
イホイール装置の縦断面図であり、１〜１１．１７〜２
０は上記従来装置と同一のものである。

２１は中間軸３の下端に直結され、円筒状をなすスパイ
ダ、２２はこのスパイダの外径部にはめ込まれたフライ
ホイールで、中心孔２３ａが設けられた複数枚の円板２
３が積重ねられてなる。

フライホイール２２の回転力の伝達は、スパイダ２１と
の間に軸方向に打込まれたテーパキー（図示は略す）に
よる。

このテーパキーは、分解時には、キ一端に引抜きボルト
をねじ込んで容易に引抜かれるようにしである。

２４はスパイダ２１の下部に半径方向に差込まれた複数
本の支持ピンで、スパイダ２１にはめ込まれたフライホ
イール２２の重量を下方から支えている。

２５はスパイダ２１の下端に取付けられたスラストカラ
ーである。

２６は中間案内軸受１１を支持する中間ブラケットで、
外周には放射状に複数の腕部２６ａが取外し可能に設け
られ、固定子フレーム８の底板に取付けられている。

この中間ブラケット２６の円板部は円周方向に複数に分
割可能になっている。

上記一実施例の装置において、スラストカラー２５部を
分解点検するには次のようにする。

まず、上部ブラケット１０及び上部案内軸受９を外して
おく。

次に、中間ブラケット２６の腕部２６ａを外し、ブラケ
ット２６の円板部を分解して外す。

これらの取外しは、基礎２０のピットに設けである横穴
（図示は略す）から作業ができるようにしである。

つづいて、中間案内軸受１１が円周方向に対し分割形の
場合は取外し、−円形の場合はスパイダ２１の上面に載
せておく。

なお、ブラケット２６の円板部の外周は固定子鉄心７の
内径より小さくしであるので、分離して取出さずに案内
軸受１１と共にスパイダ２１上面に載せておいてもよい
。

第３図に示すように、下部ブラケット１９上、又は基礎
底面に置かれた敷台（図示は略す）上に複数台のジヤツ
キ装置２７を配置し、フライホイール２２の下端面を受
けその重量を支える。

次に、テーパキーを引抜き、支持ピン２・４を矢印Ａの
ように引抜く。

つづいて、第４図のようにスパイダ２１とスラストカラ
ー２５を一体につり上げて取り出す。

なお、上記実施例では、電動始動手段付発電機として発
電電動機の場合を説明したが、始動回転用電動機付発電
機の場合にも適用できるものである。

また、この発明は、上記実施例に限らず、その要旨を変
更ない範囲で種々の変形をなし得るものである。

以上のように、この発明によれば、同筒状をなすスパイ
ダの外径部に、中心孔を設けた円板を複数枚はめ込んで
フライホイールを構成し、スパイダの下部に引抜き可能
に半径方向に複数本の支持ピンを差込み、フライホイー
ルの重量を下方から支えるようにしているので、支持ピ
ンを引抜くことにより、フライホイールを基礎のピット
に残したままにし、発電機側固定子を分解することなく
、発電機側回転子、フライホイール用スパイダ及びスラ
ストカラーを一体につり上げて取出すことができ、分解
組立て作業を容易にすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の発電電動機直結フライホイール装置の縦
断面図、第２図はこの発明の一実施例による発電電動機
直結フライホイール装置の縦断面図、第３図及び第４図
は第２図のフライホイールを残しスパイダ及びスラスト
カラーをつり出す状態を示す縦断面図である。 １・・・・・・発電電動機、２・・・・・・回転子、２
１・・・・・・スパイダ、２２・・・・・・フライホイ
ール、２３・・・・・・′円板、２３ａ・・・・・・中
心孔、２４・・・・・・支持ピン。 なお、図中同一符号は同−又は相当部分を示す。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 立て軸の電動始動手段付発電機の回転子の下端に直
   結され、円筒状をなすスパイダ、中心孔が設けられた複
   数枚の円板が上記スパイダの外径部にはめ込まれて構成
   されたフライホイール、及び上記スパイダの下部に引抜
   き可能に半径方向に差込まれ、上記フライホイールの重
   量を下方から支える複数本の支持ピンを備えた電動始動
   手段付発電機直結フライホイール装置。 ２ 電動始動手段付発電機は発電電動機からなることを
   特徴とする特許請求の範囲第１項記載の電動始動手段付
   発電機直結フライホイール装置。