JPS5941007B2 - 機関燃焼室の構造 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、セラミック材を適用して、熱効率、耐熱性、
耐久性、経済性等を向上させた内燃機関の燃焼室、とく
に渦流室周部またはガソリン機関の副室の構造に関する
。

ガンリン機関、ディーゼル機関を問わず、内燃機関の渦
流室を形成するには、チャンバ口金を含め、高温にさら
されるがために、従来耐熱合金を使用するのが通例であ
った。

しかし、資材節約、軽量化、経済性の観点から、耐熱性
、耐久性のある他の安価な材料で代替することが望まれ
ている。

この観点から、渦流室周壁、とくにチャンバ口金をセラ
ミック材から構成することが考えられるが、鋳鉄、アル
ミ材、アルミ合金材よりなるシリンダヘッドとの熱膨張
差も考慮に入れてシリンダヘッドに如何に無理なく保持
させ得るか、また燃焼特性等、種々の特性を考慮して決
定された現用機関の構成に如何に本質的な設計変更を加
えることなしにセラミック材に代替し得るかが、実用化
に際して重要な問題となる。

本発明は、これらの問題を解消した機関の渦流室の構造
を提供することを目的とする。

以下に、本発明の機関の渦流室の構造の一実施例を図に
従って説明する。

第１図乃至第４図において、１は鋳鉄、アルミ材、アル
ミ合金材等よりなるシリンダヘッドで、２はインテーク
ポートまたはエキゾーストポートである。

３はチャンバ口金でその中央部には渦流室４に連なる通
路５が貫通させて設けられている。

チャンバ口金３は、シリコンナイトライド、シリコンカ
ーバイド、アルミナ、ガラスセラミック等のセラミック
材から一体に形成されている。

セラミック材自体は難削材であるが、焼結させる前の成
形素材にあっては極めて容易に形状を加工でき、したが
って、精度の要求される部分の精度も成形時ではマ出す
ことができ、焼成後に一応、相似に収縮して最悪の場合
でも、焼成後の若干の研削加工のみで十分な精度に仕上
げられ得る。

セラミック材のチャンバ口金３は、組付時において、シ
リンダヘッド１のチャンバ口金保持孔１ａに、軽い打込
み乃至焼ばめで嵌合させられる。

これによって運搬時にチャンバ口金３がシリンダヘッド
１から外れることはなく、また、チャンバ口金３にシリ
ンダヘッド１から過度の荷重がかかることもない。

セラミック材のチャンバ口金３とシリンダヘッド１との
両者にわたって、チャンバ口金３の中心線と平行方向に
延びる円筒面状のピン穴６が少なくとも１個形成されて
おり、このピン穴６には、金属材からなる耐熱性を有す
るスプリングピンγが打込まれている。

スプリングピン７の抜止めを果たすために、スプリング
ピン７がピン穴６に打ち込まれた後、シリンダヘッド１
のピン穴６開ロ部はかしめまたは抜止束が設けられてい
る。

ここで、ピンとしてスプリングピン７を用いるのは、最
大熱膨張時にシリンダヘッド１とチャンバ口金３間に微
少間隙が生じても、スプリングピン７の弾圧力を利用し
て緩衝性をもたせながら緩みなくチャンバ口金３を保持
するためである。

また、ピン穴６はシリンダヘッド１とチャンバ口金３の
両者にまたがらせたのは、回転方向の位置決めを果たさ
せるためである。

この場合、ピン穴６は、横断面の過半部がシリンダヘッ
ド１部に位置するようにシリンダヘッド１側に中心をず
らして設けられるが、これは、スプリングピンγのシリ
ンダヘッド１との接触面積を増やしてスプリングピン７
の位置決めを効果的にするためである。

シリンダヘッド１に形成されたチャンバ口金保持孔１ａ
は段付に形成されており、この段面１ｂとチャンバ口金
３の挿入側の端面との間にはガスシール８が介装されて
いる。

このガスシール８はチャンバ口金３とシリンダヘッド１
との接触面のガスのシール機能を果たすとともに、シリ
ンダヘッド１とチャンバ口金３間のチャンバ口金中心線
方向の熱膨張差の緩衝作用をも果たすものである。

このために、ガスシール８は、石綿、ガラス繊維等の他
、塑性変形し易い鋼板、アルミ板等から形成されること
が望ましい。

上記の構成を有する渦流室構造の作用について説明する
。

渦流室４は機関運転時に高温となるが、チャンバ口金３
がセラミック材よりなるので、熱伝導が悪く、保熱性に
優れているので、ディーゼル機関チャンバ用としては着
火性上好ましい。

また、チャンバ口金３のシリンダヘッド１への固定は軽
い圧入によっているので、シリンダブロックとシリンダ
ヘッド１の締付けに際してもセラミック材には過度の応
力が生じないばかりでなく、応力も圧縮応力であるので
圧縮応力に対して強いセラミック材に損傷は生じない。

また、チャンバ口金３はプリロードをかげて打込まれた
スプリングピン７によって弾圧保持されているので、シ
リンダヘッド１との間に熱膨張差が生じてもその保持は
維持される。

そしてスプリングピン７はシリンダヘッド１を介して冷
却水により冷却されているので弾圧力が失われることは
ない。

シールはチャンバ口金３の上面とシリンダヘッド１の段
面１ｂ間で緩衝機能も兼ねるガスシール８によって行な
われているので、半径方向にシリンダヘッド１とチャン
バ口金３間に若干の間隙が生じても、シール性がそこな
われることはない。

本発明による機関渦流室の構造によるときは、次に挙げ
る効果がある。

すなわち、チャンバ口金をセラミック材より構成したの
で、着火性向上による機関の熱効率、燃費を向上させる
ことができる他、従来のチャンバ口金に比しコストダウ
ン、軽量化を図ることができる。

また、セラミック材のチャンバ口金とシリンダヘッドと
を軽い打込み嵌合及びスプリングピンによって行なった
ため、セラミック材を損傷させることなくチャンバ口金
をシリンダヘッドに固定できるとともに、最大熱膨張時
に生じる若干の間隙によるガタの問題も解消することが
できる。

更にまた、スプリングピンをチャンバ口金とシリンダヘ
ッドの両者にわたるピン穴に打込んだため、チャンバ口
金の回転方向の位置決めも同時に果たすことができる。

なお、この方法によるセラミックと金属の嵌合はガソリ
ンエンジンの副室の組付けにもそのまま応用できる。

【図面の簡単な説明】

第１図はシリンダヘッド部の斜視図、第２図は本発明の
機関渦流室近傍の断面図、第３図は第２図の■−■線に
沿う断面図、第４図はスプリングピンの一例を示す斜視
図、である。 １・・・・・・シリンダヘッド、３・・・・・・チャン
バ口金、４・・・・・・渦流室、６・・・・・・ピン穴
、７・・・・・・スプリングピン、８・・・・・・ガス
シール。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 機関燃焼室のチャンバ口金をセラミック材より形成
   し、シリンダヘッドのチャンバ口金保持孔に前記セラミ
   ック材のチャンバ口金を嵌挿し、シリンダヘッドとチャ
   ンバ口金の両者にまたがって形成されたピン穴にスプリ
   ングピンを打込んだことを特徴とする機関燃焼室の構造
   。