JPS5937695Y2 - パルス発生装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、例えば回転センサや位置センサ等の近接セン
サの用途に使用されるウイーガンド効果を有する磁性体
を利用したハフＬ／ス発生装置の改良に関するものであ
る。

従来のこの種のパルス発生装置は、ウイーガンド効果を
有する磁性体、例えばウィーガンドワイヤにピックアッ
プコイルを巻回せしめると共に、運動体、例えば回転運
動体に永久磁石を設け、運動体の回転に伴いウィーガン
ドワイヤに交番磁界を印加するように構成されており、
ウィーガンドワイヤに交番磁界が印加されることにより
起こるその磁極の反転をピックアップコイルで検出し、
運動体の回転に比例したパルスを発生せしめるようにな
っている。

ところで、上記構成のパルス発生装置は、ウィーガンド
ワイヤのヒステリシス曲線（Ｂ−Ｈ曲線）が急激に変化
する特性を有するので、その出力パルスのパルス波高値
が外部からの交番磁界の変化速度にほとんど影響されな
いという特長がある。

しかしながら、ヒステリシス曲線の変化が急激即ちｄＢ
／ｄＨが大であるといっても無限大とはなり得ないので
、永久磁石の相対的変位速度が非常に遅い場合には、交
番磁界の変化速度が非常に遅くなり、出力パルスのパル
ス波高値が低下し、十分なＳＮ比が得られない欠点があ
る。

本考案は上記欠点を解消するためになされたもので、永
久磁石の相対的変位速度が小さくても、ウイーガンド効
果を有する磁性体に印加する交番磁界が急激になるよう
にし、パルス波高値が変化しないパルスを発生しうるパ
ルス発生装置を提供することを目的とするものである。

以下に本考案を図面に示す実施例に基いて詳細に説明す
る。

実施例 ■ 第１図乃至第４図において、１はウイーガンド効果を有
する磁性体であるウィーガンドワイヤで、低保磁力のコ
ア部と高保磁力のシェル部とからなる２重磁極構造のワ
イヤである。

２はピックアップコイルで、コイルボビン３を介してウ
ィーガンドワイヤ１の外周に巻装されている。

４は回転軸、５は周方向にＮ、 Ｓ極が多極着磁され
た永久磁石ロータで、回転軸４に固定されている。

尚、永久磁石ロータ５により形成される磁界Ｈの分布状
態は、第３図に示すように、その回転角θに対してサイ
ン波状に変化する。

６は磁気回路形成用部材で、第４図に示すようなヒステ
リシス曲線を描く角型ヒステリシス材、例えば異方性５
ＯＮｉパーマロイ、冷間圧延Ｍｏ パーマロイ等からな
り、夫々の一端が前記ウィーガンドワイヤ１の夫々の端
面に対面し、かつ夫々の他端が前記永久磁石ロータ５の
異極に対面しつるように該ロータの周面に近接配置され
ている。

次にその作用について述べると、永久磁石ロータ５が回
転し、磁気回路形成用部材６の他端に第４図のＨｌで示
す強さの磁界が作用すると、磁束が急激に流れ出すので
、磁気回路形成用部材６の一端は急激に磁化され、ウィ
ーガンドワイヤ１に印加する磁界はロータ５の回転速度
が小さくても急激に変化する。

従ってピックアップコイル２からはパルス波高値がロー
タ５の回転速度には影響されないパルスを発生すること
になる。

実施例 ■ 第５図において本実施例は、ウィーガンドワイヤ１をそ
の長手方向（磁化容易軸方向）が永久磁石ロータ５の回
転軸方向に一致するように配設せしめたものである。

実施例 ■ 第６図において実施例は、ウィーガンドワイヤ１を永久
磁石ロータ５の半径方向に配置せしめたものである。

尚、上記各実施例では、永久磁石ロータを円板状とした
が、歯車状としてもよく、その場合の永久磁石ロータに
より形成される磁界は台形波状になり、円板状永久磁石
ロータのサイン波状磁界に比してｄＶｄθを大きくでき
、ウィーガンドワイヤに印加せしめる磁界をより急激な
ものとすることができる。

本考案は上記の如く、ウィーガンド効果を有する磁性体
１と、該磁性体に対して相対的に運動し、該磁性体の磁
化容易軸方向に交番磁界を印加せしめる永久磁石５と、
前記磁性体に磁気的に結合されたピックアップコイル２
とを備えたパルス発生装置において、前記磁性体１と前
記永久磁石５０間に角型ヒステリシス材からなる磁気回
路形成用部材６を設け、該磁気回路形成用部材を介して
前記永久磁石５による交番磁界を前記磁性体１に印加せ
しめたことを特徴とするパルス発生装置であって、本考
案によれば、永久磁石の相対的変位速度が小さくもウイ
ーガンド効果を有する磁性体に印加する交番磁界の変化
速度を大きくできるので、次のような効果がある。

■ パルス波高値一定のパルスを発生できる。

■ 本考案からなるパルス発生装置を、運動体の変位を
検出する位置センサに用いた場合、変位の検出誤差を小
さくでき、正確な位置検出ができる。

■ 周囲温度が変化し、永久磁石による磁界の強さが変
化してｄＨ／ｄθが変化しても、パルス波高値一定のパ
ルスを発生できる。

また、本考案によれば、磁気回路形成用部材を用いるの
で、ウイーガンド効果を有する磁性体及び永久磁石の取
付自由度を大とできる等の優れた効果を発揮する。

【図面の簡単な説明】

図面はいずれも本考案よりなるパルス発生装置の実施例
を示し、第１図はそのパルス発生装置の第１実施例を示
した側断面図、第２図は第１図のＡ−Ａ線断面図、第３
図は永久磁石ロータの回転角θに対する磁界Ｈの分布図
、第４図は磁気回路形成用部材のヒステリシス曲線図。 第５図は本考案の第２実施例を示した側断面図、第６図
は本考案の第３実施例を示した正面図である。 １・・・・・・磁性体、２・・・・・・ピックアップコ
イル、３・・・・・・コイルボビン、４・・・・・・回
転軸、５・・・・・・永久磁石ロータ、６・・・・・・
磁気回路形成用部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ウイーガンド効果を有する磁性体１と、該磁性体に対し
   て相対的に運動し、該磁性体の磁化容易軸方向に交番磁
   界を印加せしめる永久磁石５と、前記磁性体に磁気的に
   結合されたピックアップコイル２とを備えたパルス発生
   装置において、前記磁性体１と永久磁石５の間に角型ヒ
   ステリシス材からなる磁気回路形成用部材６を設け、該
   磁気回路形成用部材を介して前記永久磁石５による交番
   磁界を前記磁性体１に引加せしめたことを特徴とするハ
   ルレス発生装置。