JPS5937252Y2 - 芳香装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は容器本体内に液状の芳香剤を収容させ、これ
を外部に徐々に放散させて、長時間に亘り香気を持続さ
せるようにした芳香装置の改良に関するものである。

従来から芳香装置には種々の形式の提案がなされており
、一般的な形式として容器本体内に収容した液状の芳香
剤に吸湿材を浸漬して含浸させ、同吸湿材の一部を外気
中に露出させることによって、香気を持続的に放散させ
るようにした構成などが公知である。

すなわち、この種の形式の芳香装置としては、例えば実
開昭５２−３３，５６７号公報に記載された構成がある
。

この公知例装置は、液状の芳香剤を収容した容器本体を
倒立させ、下向きとされたその供給口の周辺部に外気に
連通ずる溝を形成させると共に、この供給口の表面に対
して吸湿体を直接４面させた構成となっており、供給口
から流下する液状の芳香剤を吸湿体に含浸させ、この吸
湿体の全表面より香気を放散させるように意図したもの
である。

しかしながら、この公知例装置の場合にあっては、供給
口に対して直接外気に連通ずる溝が形成されているため
に、供給口から流下する液状の芳香剤は、吸湿体への含
浸作用という本来の意図とは別に、その外気との溝の連
通断面積の如何にもよるが、より一層流下抵抗の少ない
連通溝を通しての外部への直接流出作用が加えられるこ
とになって、例えばいわゆるボタ落ちなどのように、こ
の連通溝からの制御し難い流出もしくは放散を生ずる惧
れがあると共に、本体内部での収容液量が少なくなる、
換言すると液面の下降に伴なって生ずるところの、供給
口部分に加えられる液圧低下により、外部から導入され
る空気の置換量も多くなって、この流出もしくは放散作
用が激しくなるなどの不利を有している。

そしてまた容器本体の供給口部分は、他からの何等の介
添えなしに、直接、吸湿体に接面させているため、すな
わち同接面部に容器本体とこれに収容した芳香剤との全
重量が加えられているために、本来的には線密度である
が故に芳香剤の吸湿保持が可能な同接面部分が、一方で
は芳香剤の収容量が最も多くて重量負担の大きい使用当
初にあって、この全重量加圧による圧偏度合の増加によ
り高密度化されて、こ＼からの吸湿作用が阻害されるこ
とになり、吸湿体全体への芳香剤の含浸作用が、その起
点部分としての接面部で妨げられる傾向となることから
、当然、その他の部分への含浸量自体が減少し、従って
全体としての放散量も少なくなり、他方では使用に伴な
う芳香剤収容量の減少につれて全重量が少なくなるため
に、この正価度合も減少してその含浸作用が促進される
ことから、こ工ではより多くの放散がなされてしまい、
結果的には装置可及的に平均化した放散作用を、長時間
に亘り持続させ得ないなどの芳香装置として致命的な欠
点を有するものであった。

この考案は紙来のこのような実状に鑑み、容器本体から
の液状の芳香剤の、特定された吸湿紙のみへの長時間に
亘る平均化された流出を可能にさせ、これによって可及
的に平均した香気の放散作用を持続して得られる芳香装
置を提供するものであり、液状の芳香剤を収容する容器
本体に栓体を密栓させ、この栓体には、外部表面側に細
い内径で開口される、長くされた第１の導入管と、これ
よりも短くされた第２の導入管とを内側に延出させ、ま
た両外側部に条溝を形成して前記容器本体を受は入れる
容器ホルダーと、両内側部に突条を形成上で前面部を外
部に開口させたホルダー支持台とからなる支持体を設け
ると共に、このホルダー支持台の底面上には、前面部に
一部を露出させた吸湿紙を敷込み、さらにこのホルダー
支持台の各突条に、前記容器ホルダーの各条溝を、これ
に受は入れる容器本体が倒立状態になるようにして係合
させ、かつこの係合により前記栓体の表面部を、前記吸
湿紙面に所定の設定圧力で接触させたことを特徴として
いる。

以下、この考案に係る芳香装置の一実施例につき、添付
図面を参照して詳細に説明する。

添付図面中、第１図はこの芳香装置の一実施例による全
体構成の斜視図を、また第２図は同上容器ホルダーおよ
びホルダー支持台からなる支持体部の、第３図は同上容
器本体部のそれぞれ分解斜視図を、さらに第４図は同上
吸湿紙の平面説明図をそれぞれに示している。

これらの一実施例各図において、液状の芳香剤を収容す
る容器本体１は、芳香剤注入用の開口部となる首部１５
を有し、この首部１５に栓体１８を密栓させた土で、同
首部１５に蓋体２を着脱自在に螺嵌合しである。

そして前記栓体１６には、外部表面側に第１および第２
の小孔１１および１２を開口させると共に、第１の小孔
１１にや＼長くされた細い内径の第１の導入管１３を、
また第２の小孔１２にこれよりも短くされた同様に細い
内径の第２の導入管１４をそれぞれに内部側に延出させ
、これらの各導入管１３．１４から毛細管作用により、
容器内部の芳香剤を流出させ得るようにしである。

すなわち、蓋体２を取外した容器本体１を倒立状態にさ
せたとき、内部の芳香剤の液圧がこれらの毛細管状をな
している各導入管１３．１４に各別に加えられ、その長
さの相違に基づいて生ずる圧力差により、一方からの空
気補給に伴なって、他方から僅かでへの芳香剤を滲み出
し得るようにさせるのである。

また支持体３は、両外側部の所定高さ方向位置に条溝３
２，３２を形成した容器ホルタ−３０と、同様に両内側
部の所定高さ方向位置に突条３３゜３３を形成させたホ
ルダー支持台３１とを有し、突条３３，３３に条溝３２
，３２を受は入れて係合させ得るようにしており、容器
ホルダー３０には前記容器本体１を外側から嵌装させ、
がっホルダー支持台３１の前面部を外部に開口させであ
る。

さらに吸湿紙５は、前記液状の芳香剤を含浸し易い材料
を用いて、前記首部１５に密栓した栓体１６の表面に接
触させる接触面５１と、前記含浸させた芳香剤を外部に
放散させるための放散面５２とを有し、この放散面５２
の端縁に波形の切り込みを形成させて、芳香剤の放散効
率が良好になるようにしたものである。

しかしてこの一実施例による装置構成の場合、容器ホル
ダー３０に対して、蓋体２を取外した容器本体１を外側
から嵌装させておき、またホルダー支持台３１の底面３
４上にあって、吸湿紙５の接触面５１側を敷込むと共に
、その放散面５２側を同ホルダー支持台３１の前面部か
ら外部に露出させて準備する。

そしてこのホルダー支持台３１の各突条３３，３３に、
倒立させた容器ホルダー３０の各突条溝３２，３２を係
合させることにより、前記容器本体１の首部１５に密栓
した栓体１６の表面を、前記吸湿紙５の接触面５１に適
度の圧力で接触保持させた状態で装置を組み上げる。

従ってこのように組み上げた状態で、容器本体１に収容
された液状の芳香剤は、その首部に密栓した栓体１６の
長くされた第１の導入管１３および短くされた第２の導
入管１４のそれぞれからの、前記した空気補給に伴なう
滲み出し作用により、同栓体１８の表面に各Ｊ−ＪＬ１
１．１２を覆うようにして所定の設定圧で接触する吸湿
紙５の吸湿面５１、ひいては放散面５２に次第に含浸さ
れてゆき、この放散面５２から徐々に外部に放散される
ことになるのである。

以上詳述したようにこの考案によれば、液状の芳香剤を
収容する容器本体に栓体を密栓させ、かつこの栓体に毛
細管作用をなすところの、長くされた第１の導入管とこ
れよりも短くされた第２の導入管とを設け、この容器本
体を倒立させた状態で、第１および第２の導入管の一方
からの空気補給に伴なって、他方から僅かづ＼の芳香剤
を滲み出し得るようにさせると共に、同栓体の表面を吸
湿紙の接触面に対し、適度に設定した一定の圧力で接触
保持させて、滲み出される芳香剤をこの吸湿紙に含浸さ
せるようにしたから、いわゆるボタ落ちなどを一切生ず
ることがなく、長時間に亘り可及的に平均した香気の放
散作用を持続して得られる。

そして栓体表面と吸湿紙接触面との接触圧力は、それぞ
れに所定位置に位置決めされた容器ホルダーの各条溝と
ホルダー支持台の各突条との係合により自動的に設定さ
せるようにしたから、常時一定の接触圧を維持でき、し
かも栓体表面を直接吸湿紙の接触面に接触させて、第１
および第２の各導入管の外部への連通小孔をこの吸湿紙
により覆うようにしているために、徒らに芳香剤が周囲
に漏れ出して芳香度合が変化するようなこともない。

また容器本体はこれを一旦、容器ホルダーに保持させて
使用するようにしであるので、この容器本体を任意に取
り替えて種々の芳香を楽しむことも可能であり、かつ誤
って装置を倒しても芳香剤が流れ出す惧れもなく、さら
に吸湿紙はその放散面の表面積を適宜に選択することで
香気の強さを任意に調節し得られ、併せて装置構成が比
較的簡単で、容易かつ安価に提供できるなどの実用上有
益な諸効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る芳香装置の一実施例構成を示す
全体斜視図、第２図は同上容器ホルダーとホルダー支持
台とによる支持体部の、また第３図は同上容器本体部の
それぞれ分解斜視図、第４図は同上吸湿紙の平面説明図
である。 １・・・・・・容器本体、２・・・・・・蓋体、３・・
・・・・支持体、５・・・・−・吸湿紙、１１および１
２・・・・・・第１および第２の小孔、１３および１４
・・・・・・第１および第２の導出管、１５・・・・・
・容器本体の首部、１６・・・・・・第１および第２の
導出管を延出させた栓体、３０・・・・・・容器ホルダ
ー、３１・・・・・・ホルダー支持台、３２・・・・・
・容器ホルダーの条溝、３３・・・・・・ホルダー支持
台の突条、３４・・・・・・ホルダー支持台の底面、５
１・・・・・・吸湿紙の接触面、５２・・・・・・吸湿
紙の放散面。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 液状の芳香剤を収容する容器本体に栓体を密栓させ、こ
   の栓体には、外部表面側に細い内径で開口される。 長くされた第１の導入管と、これよりも短くされた第２
   の導入管とを内側に延出させ、また周外側部に条溝を形
   成して前記容器本体を受は入れる容器ホルダーと、周内
   側部に突条を形成して前面部を外部に開口させたホルダ
   ー支持台とからなる支持体を設けると共に、このホルダ
   ー支持台の底面上には、前面部に一部を露出させた吸湿
   紙を敷込み、さらにこのホルダー支持台の各突条に、前
   記容器ホルダーの各条溝を、これに受は入れる容器本体
   が倒立状態になるようにして係合させ、かつこの係合に
   より前記栓体の表面部を、前記吸湿紙面に所定の設定圧
   力で接触させたことを特徴とする芳香装置。